坂口安吾 白痴 公演情報 坂口安吾 白痴」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-20件 / 22件中
  • シンプルだからこそ
    浮き彫りになってくるものがある。余計なものがない。空間は抽象的で、在るのは人間。舞台とはこうあっていい…いやむしろ、こうあるべきではないかと思った。実りある時間でした。


  • やはり
    セットに こうきたかあ
    と おもい

    様々な試みと
    情緒と
    心に
    びしりと

  • 満足度★★★★★

    かまえていたわりに
    集中力を奪われない舞台、それほど過激でもなくお勧めです

  • 満足度★★★

    女優陣もいい
    きれいかつ個性的なかた多しでした。

  • 満足度★★★★

    原作の感覚がやってくる不思議
    やや風変りな肌合いの中にこそ
    原作のスピリットが
    しっかりと感じられて。

    どこかソリッドでありながら
    奥行きをもった舞台に
    時間を忘れて見入ってしまいました。

    ネタバレBOX

    上演時間がとても短く感じられました。

    それは、昔々読んだ原作の質感が
    イメージとしてあったからかもしれません。
    でも、それにしても、ずいぶんとイメージが
    小気味よく伝わってくる感じがして。

    上手から下手へ大きく傾斜する舞台。
    たとえば傾いであるく人々。
    あるいは舞台中央の扉から飛び出してきたり。
    動きの外連に加えて
    そのせりふまわしやくっきりとした間のとりかたから
    個々の人物の断片がすっとうかんで・・・・。
    その印象がもたれずに
    主人公からから見た軽さをもって
    でも残像のようにくっきりと残る。

    気違いの兄妹に浮かぶある種の理や
    たばこやの婆の説得力をもったあくの強さ
    大家の人当たりのよさにしても
    その場の空気にあるがごとく馴染みながらも
    一方で空気を研いでいくような力があって。

    その中で伝わってくる主人公の感覚が
    淡々としていながら
    原作独特の読了感と同じ感覚へと
    観る側をしっかり導いてくれる。

    なにかをすっと抜けて、どこか放心しながら
    でも、そこにとどまる感じとは少し違う。
    言葉だけでは掬い取りきることができない
    空気のクオリティがそこにはあって、
    鳥肌がたちました。

    役者たちのラフなようで
    物語に対する深度が絶妙にコントロールされた演技が
    秀逸な戯曲のニュアンスを
    さらに浮かび上がられて・・・。

    初日の観劇でしたが
    きっとさらにエッジがしっかり立っていくような
    予感をさせてくれル感じもあって
    これはこれである意味凄い。

    個性が強くて、
    若干好みは分かれるのかもしれませんが
    私的はとても惹かれるものを持った
    作品でありました。

    ☆☆☆★★★△○○○

  • 満足度★★★★★

    見ごたえばっちり!
    坂口安吾の世界を感覚で捉えたような舞台だが、その筋はきちんと立ち上げておりまったくブレのない舞台だと思う。久しぶりに満足感の味わえた公演だった。

  • 満足度★★★★

    現代的なレトロ感
    抽象的でありながら、主軸は一本通っている。
    とても多面的な世界。
    見せ方のおもしろさ、個のおもしろさ、観ていてあきない絵。

    窓の扱いはやはりちょっときつい。
    素に戻されてしまったような気がする。

    それでも濃厚な、凝縮された時間。

  • 満足度★★★★★

    幻想的な舞台
    とにかく美しく繊細な舞台だと思う。白痴・サヨのキャラクターの立ち上がりが絶妙でサヨが登場した瞬間はまるで銀の女狐がゆっくりと天上から舞い降りてきたような妖しさだった。これを演じた結がまたぴったりのはまり役だと思う。
    舞台のセットはシンプルだったが中央にブランコを吊るし、傾斜された床の下にはもう一つの繋がった世界を見せるように仕組まれていて素晴らしかった。坂口安吾の作品を忠実に描写した舞台だったと思う。しかしその表現の仕方は幻想的であまりにも美しかった。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    その家には人間と豚と犬と鶏と家鴨が住んでいたが、住む建物も各々の食物も殆ど変っていやしない。物置のようなひん曲った家の伊沢の借りている一室は母屋から分離した小屋で、ここは昔この家の肺病の息子がねていた小屋だ。

    伊沢は大学を卒業すると新聞記者になり、つづいて文化映画の演出家になった男だったから場末の小工場とアパートにとりかこまれた商店街の生態が低俗なものだとは想像もしていなかった。けれども最大の人物は伊沢の隣人であった。

    気違いは三十前後で、母親があり、二十五、六の女房があった。母親は強度のヒステリーで、気違いの女房は白痴であった。白痴の女房は娘のような品の良さで、眼の細々と、瓜実顔の古風の人形か能面のような美しい顔立ちだった。

    戦時中の動乱の時代に伊沢の情熱は死んでいたがある晩、遅く帰宅すると積み重ねた蒲団の横に白痴の女がかくれていた。伊沢は多分母親から叱られて思い余って逃げこんで来たのだろうと思ったから一夜泊めてやった。これがきっかけで伊沢の心には奇妙な勇気が湧いてきた。その実体は生活上の感情喪失に対する好奇心と刺戟との魅力に惹かれただけのものであったが、同時に白痴の女の一夜を保護するという眼前の義務の為だと自分自身に言いきかした。

    しかし女は叱られて逃げ場に窮してそれだけの理由によって来たのではない。伊沢の愛情を目算に入れていたのであった。この事態で、白痴の心の素直さや幼い子供の無心さと変るところがないのを知ることになったのだった。

    伊沢は哀れな白痴の女の保護感に囚われた。女はまるで最も薄い一枚のガラスのように喜怒哀楽の微風にすら反響し、放心と怯えの皺の間へ人の意志を受け入れ通過させているだけだ。この女はまるで俺のために造られた悲しい人形のようではないか。伊沢はこの女と抱き合い、暗い曠野を飄々と風に吹かれて歩いている、無限の旅路を目に描いた。

    彼は毎朝出勤し、その留守宅の押入の中に一人の白痴が残されて彼の帰りを待っている。しかし彼は一歩外へ出るとこの白痴のことは忘れてしまう。彼は自分の本質が低俗な世間なみにすぎないことを咒い憤るのみだった。白痴の女はただ待ちもうけている肉体であるにすぎず、伊沢の手が女の肉体の一部にふれるというだけで、在るものはただ無自覚な肉慾のみ。それはあらゆる時間に目覚め、虫の如き倦まざる反応の蠢動を起す肉体であるにすぎない。

    ある日、井沢と白痴はふとんを被って押入の中で、爆撃が終わるのを待っていた。このとき彼は見た。白痴の顔を。それはただ本能的な死への恐怖と死への苦悶があるだけで、心の影の片鱗もない苦悶の相の見るに堪えぬ醜悪さだった。

    もし白痴の女が焼け死んだら・・・、土から作られた人形が土にかえるだけではないか。もしこの街に焼夷弾のふりそそぐ夜がきたら・・・俺は女を殺しはしない。俺は卑劣で、低俗な男だ。俺にはそれだけの度胸はない。だが、戦争がたぶん女を殺すだろう。その戦争の冷酷な手を女の頭上へ向けるためのちょっとした手掛りだけをつかめばいいのだ。そして伊沢は空襲をきわめて冷静に待ち構えていた。

    いよいよ空襲のとき、彼がこの場所を逃げだすためには、あたりの人々がみんな立去った後でなければならないのだ。さもなければ、白痴の姿を見られてしまう。
     
    米機の爆音、高射砲、落下音、爆発の音響、跫音、屋根を打つ弾片。しかし気が付くと彼は白痴の女を抱くように蒲団をかぶって走りでていた。それから一分間ぐらいのことが全然夢中で分らなかった。

    伊沢は女と肩を組み、蒲団をかぶり、「死ぬ時は、こうして、二人一緒だよ。怖れるな。そして、俺から離れるな。分ったね」女はごくんと頷いた。その頷きは稚拙であったが、伊沢は感動のために狂いそうになるのであった。

    女は眠いといった。そうして女は微かであるが今まで聞き覚えのない鼾声をたてていた。それは豚の鳴声に似ていた。まったくこの女自体が豚そのものだと伊沢は思った。そして彼は子供の頃の小さな記憶の断片をふと思いだしていた。一人の餓鬼大将の命令で十何人かの子供たちが仔豚を追いまわしていた。追いつめて、餓鬼大将はジャックナイフでいくらかの豚の尻肉を切りとった。豚は痛そうな顔もせず、特別の鳴声もたてなかった。尻の肉を切りとられたことも知らないように、ただ逃げまわっているだけだった。

    女の眠りこけているうちに女を置いて立去りたいとも思ったが、それすらも面倒くさくなっていた。女に対して微塵の愛情もなかったし、未練もなかったが、捨てるだけの張合いもなかった。生きるための、明日の希望がないからだった。


    闇市や賭場、淫売が横行し、商店街の生態はひどく荒みきっていた最中の伊沢の心の内を描写したものだったが、ともすれば汚いどん底の情景を幻想的で美しい演出に変えていた。人間の本心を求めて理想を追う伊沢が導き出した結論は「蔑まされようと愛されようと関係なくただ、生きている」白痴の心に重心を置いた作品だった。

    次回もこの劇団の作品は観たいと心から思う。
  • 満足度★★★★★

    浸透
    舞台上で表現されていることの美しさともどかしさとに悶えながら観劇している自分がいました。
    ラストの美しさにはただただ見惚れるばかりでした。
    俳優が役に陶酔しきっていないところがとても好感が持て、すんなりと話が入ってきました。
    他の純文学2作品も観てみたかったです。
    素敵な時間を有難うございました。

  • 満足度★★★★

    戦時下の
    町の片隅を描いた文学作品らしい雰囲気が漂っていました。

    ネタバレBOX

    白痴の女性というか、白肌の女性でした。薄緑と白の衣装がこの世のものとは思えない感じを与えていました。

    かまってもらえない、触れてもらえないことで女性が閉じこもるシーンは、原作を読んだ時は重要な箇所だと思っていました。そして、本作品にも出てきましたが、無理やり入れたという感じで、さらに言うと、この作品においてはあまり意味のないことのように思えました。

    それよりも、戦時下においても物欲、色欲は凄まじく、そうした欲望のまま動く者たちを表現することの方に重きがあったように感じました。

    そんな彼らを豚に例えていましたが、ブーブーのハミングで君が代を歌うことによって、太平洋戦争が愚かしく誰かの欲望によって遂行されたことがよく分かりました。

    豚になりたくない男も、生活のためには社会の流れに妥協せざるを得ないのが実情です。卑屈にもなりますが、一方で心に素直に生きるのも人間で、豚と人間の差なんて実は無かったのですね。

    空襲時に恐怖の気持ちとともに湧き起こる一種の高揚感が、空襲が終り命が助かったことが分かった後の脱力感に変わる様を、OFFOFFシアターの鉄窓を開けて外の光と喧騒を取り込むことで表現していました。

    ところで、白痴の女性が話すときにエコーがかかっていましたが、どのようにしていたのか不思議でした。
  • 満足度★★

    うむ頑張っていました
    傾斜した舞台に、観音開きの扉や、象徴的な白いブランコ。
    狂言回しの男も入れて、舞台の作品への引き込み方は上手でした。
    単純で分かり易く短い原作でもあり、舞台にするうえで、
    いろいろ工夫されていて、うまく巻き込まれました。

    ネタバレBOX

    主人公の投影であった狂言回しの男が、最後に取った壁に穴開けて。
    外の世界の光と音を入れたのは、象徴的過ぎて。チョット引きました。

    主人公の家の大家さんは、恰幅といい。なかなか合っていました。

    あと主人公のヘタレ具合の役も上手かった。

    白痴の女の衣装の白さも芝居にマッチしていました。

    破れた衣装が、戦時中の混乱の様子を象徴しており。
    納得出来ましたね。
  • 満足度★★★★

    呆然。
    観劇後、暫く立ち上がれませんでした。

    ネタバレBOX

    ほさか氏の紡ぐ「言葉」が頭から降ってきました。
    すごく浸透しました。
    ホンの仕掛けたものと、演出の仕掛けたもの、とに
    ただただ飲み込まれていきました。

    呆然となったラスト。
    不思議と涙が溢れました。
    まさか白痴で泣くなんて…。

    すごくいいものを拝見させていただきました。

    余談:上手側というのか、奥側で観たのですが、
    脳天までグラリとやられた後で舞台を抜けて出口に向かうと、
    予想以上のヤオヤ舞台に、思わずヨロメキ。
    ここであの迫真の演技をされていたキャストの皆さんに改めて脱帽。
    お怪我なきよう、千秋楽まで多くの方を魅了してください。

    気になった事:別な方も書かれていますが冒頭の「コンビニ袋」とか、「緑色のメガホン」とか、「カッターナイフ」とか、お母さん役の方の着付とか。現代っぽさの投入は、どこまでが演出なのかしら?と気になってしまいました。
    最後スクリーンを切り刻むときに、カッターの「チチチ…」と音が入ったのはなんか残念でした。
  • 満足度★★★★

    入り込んでしまいました
    いやー面白い。芝居の中にどっぷりと入り込んでしまいました。こんな芝居をつくれる人たちがうらやましい。

  • 満足度★★★★

    地味な舞台
    なのかと思っていましたが、見せ方がとてもユニークで、特に登場する場所が面白い。個性的な登場人物、メリハリのある会話で楽しめました。 ただ、窓のシーンはひと工夫が必要ですね。

  • 満足度★★★★

    静謐な舞台
    思いの外、実験的な演出で幻想的で美しい舞台でした。
    原作を読んだことがないので、脚本で原作からどう変えたのかは分かりませんが、いくつかの場面が何回か繰り返されて物語が明らかになっていくのが効果的でした。

    対面に配置された客席の間に傾いた舞台があり、舞台上にはブランコと電柱のみというシンプルな美術と、煽情的にならない控え目な音響が役者の演技を引き立てていて良かったです。
    演技も方向性がバラバラのようでいて統一感があって不思議でした。

    1人2役や、1人称と3人称の文体の切り替えが効果的に使われていて、演劇ならではの作品になっていたと思います。
    言い争いのシーンなど騒がしいシーンもあるのですが、観終わった後は
    とても静かな作品という印象が残っています。

  • 満足度★★★★

    胸が苦しかった。
    苦しくなるほど、素晴らしかった。
    思わず2回観劇。
    何回でも観たいと思いました。
    素敵な舞台をありがとうございました。

  • 満足度★★★★

    夢見るように眠りたい
    初726。
    原作を読んだのは遥か昔ながら、読後と観劇後の印象が変わらなかった。
    オリジナルの要素も多分にあったので巧みな脚色なのだと思う。
    対面座席にする必要あったのかなと、終盤まで疑問だったが、なるほどなるほど。
    ラストシーンの余韻がとても好きだ。

    ネタバレBOX

    終盤の窓を開ける演出は、マチネとソワレで印象が変わりそう。
  • 満足度★★★

    うーん
    良かったと思いますが。。。

    ネタバレBOX

    役者さんの声がよく通ってきれいでした。舞台も不思議な演出で、空間の使い方がうまいと思いました。開演前から開演直後まできこえていたのは外の騒音だったのか。それも不思議感を醸し出していた。

    役者さんもうまかったと思います。伊沢が芸術と生活の間で揺れるところ。大家さんの(下世話な)リアリティ。白痴の女はあの時代の中で正気でいるために白痴を装っているのか。家鴨の悲しみ。煙草屋の女の願い。本音を隠して生きる傷痍軍人。

    古典はことばがきれいですね。宮本輝の短編小説「幻の光」とかやってほしい。空間の使い方がうまいからできると思う。ただ、終わり方が混沌としていた。原作に忠実なのかもしれないけれども、現代に生きる私たちへのメッセージもほしかったかも。心に残る科白がなくて残念(あまりに期待しすぎか)。最後に、冒頭で着物姿なのにコンビ二の袋を持って出てこられたときには面食らって、最後まで気になった(もうちょっと気ィ使ってくれ)。
  • 満足度★★★★★

    対等
    日本文学の名作と対等に渡り合っていた!
    俳優のルックスと演技、衣装、演出のアイデアもグー。

    ネタバレBOX

    終盤で窓を開けた際、下北沢の雑踏とともに聞こえて来たストリートシンガーの歌が、芝居と見事にマッチしたBGMになっていた。これはタイミングを合わせて下で歌わせてたのではなくて、偶然ですよね?
  • 満足度★★★★

    おもしろかった
    構成がおもしろかった。
    役者さんがみな素敵で思わず見惚れてしまった!
    また改めて原作を読み返してみたいと思う。
    公演回数をもう少し長くやってくれていたら・・・と思ってしまった。
    今後も726の舞台を楽しみにしたい。

このページのQRコードです。

拡大