無題
彼らがなぜそんなことをしなければいけないのか、どういう経緯でその立場になったのか、誰がこのゲームを作ったのか、一切の説明抜きにいきなりゲームが始まる。映画『キューブ』を彷彿とさせる状況の中で、登場人物たちは必死で勝とうと模索する。
会話による頭脳ゲームなので、チェスや将棋のような戦略に加えて心理戦が繰り広げられていく。もちろんこんなゲームは知らないし、ルールはあまりに複雑で憶え切れない。私も含めて多くの観客は恐らく、ルールを知らずにアメフトを観戦するような感覚で観劇していただろう。ある意味、ルールを知らなくても駆け引きは楽しめるということを示してくれたのかもしれない。
割と大勢の登場人物が同時に舞台上にひしめき合っているが、意外とすっきり整理されており混乱なく追いかけることができた。ふたつのチームのそれぞれを主役にしたふたつのバージョンがあり、残念ながら片方(Mバージョン)しか観られなかったが、まあ半分以上は楽しめたと思う。
満足度★★★★★
Kバージョン観劇
今回も何故かKバージョン観劇(笑)
ゲームのルールは若干池袋盤から変更(追加?)になってましたが、基本的には変わっていません。
ただ、ゲームの内容というか、ストーリーは違ってましたが。
今回も面白かったです。2時間があっという間でした。
満足度★★★★
より完成度アップ
先日の「池袋盤」の続編で、メンバーの一部は引き続き参加しての次のゲームという設定。
ルールに関しては池袋盤で十分にのみこめたので、冒頭からジェナーがノルマをどう導くのかとか、スパイは誰なのかとか、ゲームの内容そのものに集中でき、スパイなどかなり早い段階から見抜いてしまう。
一方、罠に関する新たなルールが加わっていたり、『ライアーゲーム』のナオよろしく(笑)このゲームそのものを敵として引き分けに持ち込もうとする人物がいたりと、新要素もあって、そちらの面でも楽しめると言うシカケ。
また、池袋盤の時に感じたような「観る順によっては(あるいは一方だけでは)ワカりにくいかも?」な部分も感じず、より完成度がアップしたような。
満足度★★★★★
下北盤も両バージョン観劇
日程の都合で偶然、今回もMバージョンが先となり、24日M、25日Kバージョン観劇。池袋盤同様、両バージョン、ストーリーは同じでK、Mそれぞれのチームの視点で描かれる。
このシリーズ、自分は池袋盤が初体験だったので、池袋盤の段階ではゲームの特性を把握し、対戦過程に気をとられた。今度の下北盤では脚本的にもより一歩進めてあり、このゲームの本質や矛盾、人間の本性の問題にも踏み込んで描かれている。2公演、4バージョン全て観たことになるが、全部観たぶん、それなりに深く楽しめるようにできていて、この芝居、本当にいろんなことを考えさせられ、怖ろしくも興味深かった。
竹田哲士の作劇術には毎度やられてしまうが、観れば観るほど虜になっていく。
加えて、やはり澤村、なしおが復帰した電夏は一味違う。
満足度★★★
ゲームの中に潜むもの。
スタートしてしばらくは何をやっているのかわからなかった。しかし、次第にその世界に引き込まれていった。
新しいゲームを作るという行為は、新しい芝居を作るという行為に似ている。このシャハマーチという作品はまず、電動夏子安置システムが作った新しいゲーム(あるいは新しいスポーツ)を観戦するというところからスタートする。
まず、このゲームが奥が深い。この複雑なゲームを考えついただけで電動夏子すごいと思う。しかもそこから暗示されるものは相当奥が深い。
満足度★★★★
敵はどこにいるのか。
Mヴァージョン観劇。
勝利は行動あるのみ!と言わんばかりにゲームに翻弄されて立ち往生する傾向を持つKチームに対しMチームは、冷静沈着の頭脳集団。相手チームの行動心理を手にとるように読める神の使いのような者もおり、勝敗は戦わずして明らかであるようなものなのですが、たとえこのゲームに勝ったとしても、シャハマーチのシステムは消滅しないということへの葛藤や、ゲームの存在を疑う視点が中心となり、それがチーム間に軋轢を生みつつも、見えない巨大な敵に対する戦いを挑むという点が、非常に興味深かったです。
また、脳内仮想空間と思わしき場所で行われているこのゲームが細胞レベルで組み込まれたある種のマインドコントロールによって統制されているものなのかとおもうと空恐ろしくもあり。
それでいてシャハマーチの世界に大いに魅了されました。
満足度★★★★
好きな世界観
この仮想現実的階級社会?って言うんですかね。その中で、それぞれの倫理観と目的を持って行動する登場人物たちの心理描写と思考が実に面白いです。あれだけバラバラな人たちなのに、一つの物語として成立しているのは勿論当然なんですけど、やはり脚本の力と役者さんたちの演技力によるのでしょうか。
しかし、「ジェノルマ」のゲーム性は、普通に深夜番組になりそうな感じですね。脳みそをフルに使って心理を読む戦いは飽きないです。
満足度★★★★★
逆バージョン【K】観劇♪
ほとんど違うお芝居でした。
反対側のチームを別の日に観劇。先日は【M】
2度目のカキコミでスミマセン。
とにかく楽しかったです。
満足度★★★★
緻密なルールをあえて駆使しない。
Corichで偶然拝見してその劇団名と内容に惹かれて初鑑賞。
下北、Mチーム版を見ました。
チラシや当日パンフで複雑なルールが山ほど提示されていますが、さらっと見ておくだけで大丈夫です。本編中でわかりやすく解説してくれます。
ラーメンズとかお好きな方はツボにはまりそうだなぁと思います。
以下ネタバレで。
満足度★★★★★
シャハマーチは現代社会の縮図。
Kヴァージョン観劇。簡単に言ってシャハマーチという名の盤ゲームを『K』『M』2つのチームがゴールを目指し争っている様子を観る、というもの。駒をすすめていくには『課題(ノルマ)』をクリアーしていかなければならず、言わずものがなチームが一丸となりフォローし合えるかどうかが勝敗の鍵を握るといっても過言ではないのですが、物理的なトラップや、チームメイトにおける疑惑&憶測が矢のように飛び交いますので、とても一筋縄ではいかないようです。そうやって盤上で右往左往するひとたちの様相や小さなトラブルやドラマの連なりは、人間が社会の駒(歯車)となって生きることの世知辛さや諦め、さらには哀切すら醸しだし、あらゆる困難を乗り越えて会社がひとつのプロジェクトを達成させる過程に類似しているようにもみえます。
また、劇中繰り出される数々の会話のなかには、あからさまな理不尽さや不当な扱いを受ける場面もあり、共感するとともに、なぜそんな思いをしてまでゲームに参加するのか?という謎がなぜ人は生きるのか?という根源的な命題に直結し、生きるということは人間としての義務『ノルマ』をこなしていくことこそに意味があるのだろうか・・・と考えさせられました。
シャハマーチの存在自体が資本主義社会をメタファーにしていることや、ヒエラルキーの構造をゲーム仕立てにわかりやすく解説しているように思われる点も世界観の奥行きを感じさせますが、堅苦しいことや難しいことは何もなく、時にはコミカルなコントを挟み、ガス抜きをしつつ見せてくれますので気軽に楽しめるのが嬉しいです。作品は、K&Mのどちらかを選択したチームをクローズアップしてゲームの動向を追っていく見せ方なのでやはり、2ヴァージョンみて、あの時敵陣営はどんな作戦を立てていたのか?などの裏を知り、その世界をより一層深めていくのが楽しそうです。私も日を改めてMヴァージョンを観にいきます。皆さまも現代社会の縮図ともいえるシャハマーチに踊らされに行きましょう!笑
満足度★★★★
痛快
いやー、吃驚した。説明にもあるが、これは一種ののゲームであリ、そのとおりに行動しなければならないとある。
解説では小難しそうであるが、観ているとなんとなくそのルールがわかってくる。役者さんがもう熱演ですごい。始めて観るタイプの芝居であったが痛快であった。。
ただ、上演時間が2時間であり、後半は少しだれてしまったような気がする。
満足度★★★
独創的な作品
普通の物語ではなく、「シャハマーチ」というオリジナルのゲームの進行を見せるという変わった趣の作品でした。
当日パンフに27条からなるゲームのルールが載っているのですが、覚えなくても十分に楽しめると思います。
お互いの組に一人スパイがいるという設定で、チーム内に不信が生じて行く様子が面白かったです。
ルールに縛られた中でもがく人々たちのドタバタぶり、という作品の構成から生じる笑いよりかは、体型をいじったり突飛なものを取り出したりといった設定とあまり関係ない単純な笑いに重点が置かれているように見えたのがちょっと残念でした。
もう終わってしまった池袋での公演や、今回のもう一つのバージョンがどんな感じなのか気になります。
今回は台本があって、それに基づいて演じていましたが、台本なしでリアルタイムにこのゲームをしたらどうなるのかも観てみたいです。