満足度★★★★★
ホンモノ!
エンタメとかファンタジーが全盛の時代に、その真逆を突っ走る志しと潔さが好きだ。ストーリーというよりも作品の質感、例えば手触り感だとか匂いだとか、そういったものがしっかりと感じられるところに演劇としてホンモノを感じる。
さまざまなエピソードを重ねながら、誰しもが心に持つ闇の部分をベールをはぐように見せていく。この劇団、終わった後、カーテンコールがない。いやカーテンコールなど出来ないのだ。何故出来ないのか、舞台上提示されたものは全て現実であり、幕が下りたとしてもリセット出来るものではない。役者も同様、終わった瞬間に現実の自分にすぐ戻れるような作りの芝居ではないのだ。
見終わった後、観客は心に残った重いものを引きずって会場を出る。好き嫌いはわかれるだろうが、これこそが演劇ではないだろうか?
満足度★★★★★
素敵でした
ポスターが印象的で内容にも惹かれるものがあり見させていただきました.
村の人々が様々な原因で悩みながらも暮らしているさまがよく伝わってきました.
満足度★★★★★
生きることへの渇望、生命力が心の奥にじんわりと広がる。
この作品を観に行くのに自宅の最寄駅から乗った電車が人身事故に合ってしまって。
生き方を決める人たちの話を観るまえに、偶然にも人生に大きな決断を下してしまった人の片燐に触れてたような気がして、立ち会った現実と切り離せないまま、祈るような気持ちで観ていました。
どんなことがあろうとも生きることに対して真剣であったひとたちをみて、何だか荒んでいた心が浄化されたような、明日から前向きに、ひとにやさしく生きようとおもえました。
満足度★★★★
神の目線
孤島の教会を舞台に,その町に住む人々の生きざまを丁寧に描かれた作品です.それぞれの人はそれぞれの問題や悩みを抱えていて,作中でそれが解決されることはありません.もしかしたら観客は教会の神の目線だったのかも.登場人物の背景を説明しすぎるわけでもなくしすぎないわけでもなく,かなり楽しめました.
満足度★★★★
濃密な空気漂う
出演者の大半が客演なのに紛れも無く elePHANTMoon そのもので、舞台が教会ということもあってか静謐な空気も感じさせる。
「静かな演劇」の範疇に入るのだろうが SPIRAL MOON や先日の『忘却曲線』とはまた異なる感覚。
満足度★★★★
観れてよかった
もし2年前に公演されていたら観る事ができなかった作品です。
張り詰めた空気が苦じゃない。
ただ切なくて涙が溢れました。
喪失と絶望の果て・・・それでもみんな生きていくんですね。
満足度★★★★
耐えられない軽さの秀逸
一つずつのシーンに満たされていく、
言葉にすると崩れてしまうような、
観る側にとってどこか逃げ場を失ったような
底の浅さや軽さ、
さらには滴り匂う
人間の本質に息を呑みました。
そこには、
演劇でなければ表現しえないような質感を感じました。
満足度★★★★
人々から目が離せなかった
とある島の教会内で起こる日常を描いた作品となっています。日常を描いている事から、大きな事件や騒動などは起こらない作品です。(ただ、捕らえ方によっては日常より少し騒がしい日常が描かれていると思うかもしれませんが)
大きな事件や騒動などは起こりませんし、そこに生きている人々が淡々と描かれてるだけですが、でもその人々から目が離せなかったです。
確かに、少し宗教色が強い感じがしたり、逆に何か理由があって精神的な束縛をされているような感じをもう少し強くてもよかったかなとの感じは受けましたが。
とはいえ、なかなか濃厚な時間でした。
満足度★★★★
最後の誘惑
離島の教会に集う人々の悲喜交々を、意外にもコミカルな描写を交えて。
両性具有や得体の知れない人面魚が出てきたりもするのだが、
作者の視線は一貫して温かなものだったと思う。
信國輝彦と松葉祥子の安定感、菊池佳南の好演が印象に残る。
満足度★★★★
とても静かで激しい
とても静かな一方、
本能のままに激しい部分も持ち合わせた
興味深い舞台だった。
チラシのインパクトは
しっかり舞台内容に織り込まれていた。
舞台美術の教会がすごく美しかった。
elePHANTMoonは初めて。
すごく興味を持った。次回の作品も是非みたい。
満足度★★★★
絶妙なバランス
チラシのビジュアルや過去に上演中止になったエピソードから過激な感じなのかと思いきや、作・演出のマキタさんが当日パンフにも書いてある通り、とても地味な作品でした。しかし、とても印象に残る作品でした。
両性具有や不妊、知的障害、在日韓国人、自殺、信仰など重いテーマが次々に出てくるのですが、殊更に暗いわけでもなく、笑って良いのか悪いのか微妙なところを突いてくる、ウケ狙いではないユーモアもあり、単純に楽しいとか悲しいとかにならないバランスが良かったです。
それぞれの登場人物が抱える問題をすぐに明らかにせず、話の展開から少しずつ見え隠れしてくる物語の展開が、説明し過ぎず、しなさ過ぎずで良いバランスでした。
役者の演技はそれぞれの役に合っていてとても自然でした。特に牧師さん役の方は何ともいえない暖かみを感じさせ、本当の牧師さんみたいでした。
客電を落とすのに必然性を持たせた始まり方と、さりげなく舞台から誰もいなくなってカーテンコールを起こさせない終わり方が現実の生活の一部を切り取って舞台に乗せた様な効果を出していて素敵でした。
満足度★★★
話に耳を傾けてきた
登場人物のやり取りが入れ替わり立ち代りで、何を中心にして見れば良いか、分かりにくいところがあった。やり取りによっては間延びして、飽きてしまうところもあると思うのだが、「登場人物の話している内容に如何に耳を傾けられるか」がこの作品のポイントだと思う。あくまでも一個人の受け取り方に留まるので、多数の解釈はあると思うが、自分は各々の背負うものの独白に耳を傾けてきた。その独白に応えることに詰まるのは、自分もやはり、人の気持ちの分からない人間なのか?と思う。
(2年前にこの公演をお蔵入りにした理由はこの際考えないことにする。)
満足度★★★
スナックおんちゃん
劇団特有の胃にぐっとくる様な重さが無くライトな感じで観られた。一見悲しそうな物語に見えそうだけど優しさがジワーと感じる。ただその優しさが人によっては残酷的でもあると思うけど。
『スナックおんちゃん』 扉の奥にチラッと見えたけど合っていますか?ママは山口オンさん?