Sea on a Spoon 公演情報 Sea on a Spoon」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.2
1-20件 / 33件中
  • 満足度★★★

    観劇
    興味深い題材。
    素晴らしい脚本。
    達者な役者。
    おもしろく、特に物語が急展開する後半は引き込まれていった。
    でも、なぜかフォーマットが違うと感じてしまったのだ。舞台ではなく映画やテレビ、もしくは小説にした方がより良い作品になるような。
    ある意味で見事なのだが、客席と舞台が完全に分断されていて、よく言われる「客席を巻き込んだ舞台」というものは全く求めていないのを感じた。私も途中から映画を見るような気分に切り換えて楽しんだ。
    でもね。そうなると小劇場の座席環境だときついのだなあ。映画館のようなフカフカのシート、もしくは自分の部屋でくつろいで見てる分には十分楽しめるのだが。
    そういう点から、この作品を通して演劇(特に小劇場)というジャンルの映画やテレビには絶対ない「魅力」を再確認した気がする。
    作品自体のクオリティーは非常に高かったです。言葉を大切にしている芝居という印象を受けました。

  • 満足度★★★

    悪くはなかったんですが・・・
    音響や照明の演出がとてもよかったです。
    舞台装置も良く考えられていたと思います。
    ストーリーは冒頭からとても惹きつけられました。
    ですが、何の説明もないまま、投げっぱなしになる中心人物のエピソードなど、
    どうもうまく纏まっていない様に感じてしまいました。

    初めの印象が良く、期待も高まってしまった為に、
    終わってみたらなんだか消化不良な感じがしてしまったので、
    評価が厳しくなってしまったかもしれません。

    ネタバレBOX

    冒頭の暗闇に顔だけが浮かびあがり、独白するシーンがとても印象深かったです。
    かなり惹きこまれました。

    主人公は嘘をついて【救い手】となったが、その嘘についても
    海にとけてしまった人々についても、何の説明もなく
    ただ『嘘をついて救い手となった』『皆、海にとけてなくなった』と言うだけ。
    【つづき】であるはずの現在の本筋である原発の話には、何も深くは関わってこない。
    主人公に”そんな過去があった”だたそれだけになってしまった印象。
    ”唯一の生き残り”の【救い手】だった彼女をもう少し料理して欲しかった。
    せっかく良い材料があるのに勿体無い!と思ってしまいました。

    それぞれのキャラクターも、一人の人物のはずなのに、その場その場で急に印象が変わったように感じられる台詞を喋りだして、とても違和感を感じることが多く、
    ”こんな場面を見せたい””こんな台詞を喋らせたい”と継ぎ接ぎな感じがして、
    その人物がその台詞を話すに至る気持ちの過程が読み取れなかった。

    あと、台詞が客席まで届かない事が多かったのがかなり残念。

    とても良かったと評価されている方もいらっしゃるので、
    私の感受性が鈍いだけなのかもしれません。
    はじめの掴みが良かっただけに、おしいなぁ・・・残念だなぁ・・・との印象が強く残ってしまいました。
  • 無題
     これこれ、こういうのが観たくて小劇場に通ってるんだよと納得した。最初は穏やかで優しそうに見えた人々の、ドス黒い本性が次第に明らかになっていく緊張感。誰が誰と結託して誰を裏切っているのか。さらに悪いヤツがいるかもしれないという不安。正しい者が最後に勝つなんて保証のないシリアスさ。

     原子力発電所のある町が舞台で、一見社会的メッセージ性のある作品のように見えなくもないけれど、原発はあくまでもモチーフであり、描いているのは人間の怖い姿。ぞくぞくする作品でした。

    ネタバレBOX

     ところで、町役場の菊池役を演じていた佐伯佳奈杷さん、前半は今時のかわいい女の子という顔だったのが後半ジワジワと恐るべき正体を現していくのですが、最初のシーンからなんとなく悪役臭がただよってました。計算ずくなら怖い演技力です。初見な気がしなかったのですが自分の観劇記録に名前が見当たらず。
  • 満足度★★★

    いろいろ意外
    初めて観たのですが、意外にもスタンダードな芝居で驚きました。役者さんはちらほらと空気読めてないような微妙な感じがあったのが残念。 話は奇抜ではないものの、いつの間にか狂気を感じゾッとしました。音と照明が素晴らしいからだと思います。体に響く全ての音が気持ちよかった。

  • 20100905
    。・`ω´・)ノ

  • 満足度★★★

    みました
    舞台美術、素敵でした。
    オープニングがとても印象的。俳優さんたちはがんばっていましたが、もう少し訓練が必要なのでは?個々については好印象ではありました。

    ストーリーは可もなく不可もなく。
    狂気に陥るときのベタな演出(演技?)と、が残念。
    浴衣を綺麗に着こなしてほしかったです。

  • 満足度★★★

    しお おんな すぷーん
    こゆび侍「 Sea on a Spoon 」観劇。
    しお おんな すぷーんと読むらしい。

    生と死と贖罪の物語。

    照明と重低音の音響が悲しみと恐怖にリンクしてすごく効果的だった。
    ドアの上の楕円のオブジェが象徴的。

    ラストは意外だった。
    後味の悪さのインパクトはあったけれど。
    ちょっとだけラスト、私にはいまいちかな。

    ずっと観てみたかった佐藤みゆきサン、ステキな女優さんでした。

    今回「 Sea on a Spoon 」チラシのオカヤイズミさんのイラストがすごくイイ。あらためて見ると舞台のイメージをうまく表しているイラストだなぁと思う。スプーンにひとすくいですくわれるだけでなく、運命に飲み込まれスプーンの端から流れこぼれ落ちていくかんじにも見えて。

    ネタバレBOX

    ある海でおきた大量行方不明事件で村がひとつ消えた。
    塩にふれたナメクジのように…
    服だけ残してみんなが溶けるように消えた
    ナメクジのように…が何とも言えず気になる表現。

    しお=なめくじのように?かな。
    おんな=生き残った少女?それとも原発?
    すぷーん=救い手…たぶん

    ドアの上の楕円のオブジェ「スプーン」の中で
    すくわれた人が証言する姿が印象的だった。
  • 満足度★★

    意欲作ですが、苦手でした。
    初めて拝見しました。
    セットや見せ方の表現、照明の使い方など、成島さんの演出力に唸らされる舞台でした。
    佐藤みゆきさんは、やはり魅力的な役者さんですね。

    完成度は高く意欲的ですが、
    ただ、私にはニガテでした。

    ネタバレBOX

    蛍のシーン、潰すのは表現的にまぁ許容できますが、
    セロテープが本当に本当に無理。
    お芝居で初めて目を背けました。

    あと…浴衣の着付が最低です。
    早替えがあってあれではなく、終始あの浴衣姿なら、もう少し綺麗に着ていただきたかったです。後半の着崩れは致し方ないにしても。
  • 満足度★★★

    「日常」と「非日常」
    「日常」のように見え、実はかなり「非日常」的精神状態な登場人物たちが登場するわけですが、個人的にはあまりにその抱える「非日常」が見え無さ過ぎてチョット乗り切れませんでした。例えばなんですけど「今日生まれて初めて万引きをするぞ!」という決心をしてる人って、かなりのドキドキ感に溢れてると思うんですよね?この作品の登場人物たちはもっともっとデカく、危険な事を考えていたハズなのに、あまりにも呑気というかなんというか…。「罪の意識のなさ」「罪の価値観」みたいなモノがテーマにあるのかもわかりませんが、だとしたら逆にもっと狂気に感じてしまってもいいのかな~とか。悪い事を悪い事って思わないでやる人って、なんか怖いじゃないですか…。スピーカーから出る低音にあおられた様な気もしてちょっともったいないような。まだこゆび侍さん初見でしたので、また観ます!

  • 満足度★★★★

    芯までくっきりと描かれる
    これまでの「こゆび侍」ワールドがさらに洗練された印象を持ちました。

    一番芯になる部分がくっきりと浮かび上がり、研がれた切っ先としてやってきました。

    ネタバレBOX

    原発をめぐる物語なのですが、
    核開発にかかわるイデオロギーの匂いを
    ほとんど感じさせないほどに、
    個々の人間から抽出されるものに洗練がありました。

    ある種の悲劇的な構造をもっていて
    個々のキャラクターに怠慢がない。
    シチュエーションの中で
    それぞれが自らに課せられたものにたいして、
    焦点がしっかりと絞られて
    とても真摯なのです。

    ただ漫然と人物が描かれていたら
    とても薄っぺらいアンチ原発のドラマになっていたかもしれません。
    でも、作り手には、不要な葉っぱをそぎ落とし
    幹や枝を浮かび上がらせ
    物語のシチュエーションをくっきりと描き上げ、
    そこに果実のようにキャラクターを実らせるだけの
    手腕があって・・・。

    物語のボディに当たる部分の観る側の視点を
    町役場の一室のみに固定して
    一本道ではないプロットを
    秀逸に編み上げて
    プロローグとエピローグで挟み込んで
    一気に見せ切る力に瞠目。

    役者たちも、
    キャラクターにいたずらにデフォルメを加えることなく、
    丁寧にその場の個々を、
    くっきりと演じ上げていきます。

    音と照明が鳥肌が立つほどにしなやかで
    がっつりとした切れとボリューム感で
    舞台を支えていく。

    結果、原発の存在感が借景となって、
    人間それぞれのコアにあるものが、
    くっきりと浮かび上がってくるのです。

    これまでのこゆび侍の作品には
    終盤に内心のカオスが
    そのまま観る側を押し切ってしまうような部分がありましたが、
    今回は、そこに人間が無意識に持つ
    意識の底にある、真摯やずるさ、「業」のようなものまでも
    くっきりと浮かび上がってきて・・・。

    その向こう側にある作り手の
    冷徹で秀逸な眼力を感じてぞくっとなる。

    正直なところ、作品としてのパワーは、
    抽出された様々な想いをそのまま集約して観客に押し込んだ
    従前の作品の方が強いように感じました。
    でも、今回の作品が残していく感覚には
    そこからもう一歩踏み込んだような
    独特のテイストがあって・・・。
    作り手は醸しだしたものを溢れさせるにとどまらず
    そこから、もう一段純化させるような、
    更なる手練を身につけたように思う・・。

    今回の作品の秀逸に、
    べたな言い方をすれば
    腕を上げた作り手や演じ手たちの
    さらなる可能性の広がりを感じたことでした。


    ☆☆★★◎△







  • 満足度★★★★

    救い
    ファンタジーな作風の中に現実をピリリと交えてくるこゆび侍さん。
    でも、今回のファンタジーな部分は必要だったのかな?
    成長した少女とある企みとがうまく噛みあっていないというか、別にまとめる必要はなかったのではないかな、と感じてしまいました。

    ある企み、テロが計画され進行してゆく中、複雑に絡み合う人間関係からくる緊迫感がとても引き込まれました。
    それだけでも十分成立していたと思います。
    その部分が自分的には圧倒的に面白かったです。

    ネタバレBOX

    少女の贖罪の物語というけど、この台本の中心になっていたのかどうかはちょっと疑問。
    でも、原発の爆破を計画する人々と、その一筋縄ではいかない人間関係に引き込まれました。
    町おこしのためにフェスを開いて3万人の客を集め、そのフェス会場でもある原発を爆破するという大胆な計画。
    原発職員や町の職員が裏で計画しているというのが悲しい。
    原発反対のために大事故を起こすという計画は恐ろしい。
    そんな緊張感とスピード感、メンバーの裏切りが占める後半が特に手に汗握る展開で、素晴らしかったです。
  • 照明がすばらしい
    照明がすばらしい。うつくしい!冒頭の独白、シンクあてや配管あて。
    みとれましたよ。
    音響の曲のチョイスもわたしごのみ。
    チラシは出色の出来。部屋に飾っときたいくらい。
    ちなみにこゆび侍という劇団名もすごくいいと思う。

    ネタバレBOX

    スプーンはモチーフとして出てこなかった。
    原発を爆発させようと本気で思ってることにあまり説得力がなかった。
    宇見がさいご断罪されるシーン・それを受け入れるシーンが腑に落ちなかった。
    ウランの重さとかよりも宇見の過去をもっと知りたかった。
    ほんとうによけいなお世話なのですが、脚本はよい要素がたくさんあるのに、作家が世界観に沿ってない描き方をしていたり、キャラクターの動きがへんだったり、どうにも不自然な演出をしていた場面がいくつかあったように思う。
    練り直したらきっともっとずっとよくなるはずです。また観に行きます。いい劇団名だし。
  • 満足度★★★★

    なかなか
    重いんですが面白かったです。
    最初と最後はちょっと苦手ですね…

    ハンバーガーの肉が旨いのに
    バンズがまずいみたいな…

    肉だけで味付けし直してくれれば
    けっこう好きな料理だったかもしれません。

  • 満足度★★★

    入り込めなくて少々残念。
    作品の本テーマではないけれど
    舞台となっている環境が自分の仕事の浅からぬ関係があるので、くすぐったい思いが時折走るので、物語にのめり込めなかったんです。でも、謎は謎のまま、深まって行くのは好きな展開です。最後はここで終わりかな?と思っても2度更新されて、私ダメだなぁ~と思いました。作品はよかったんじゃないかと思いますが個人的には★3つ、次回作は息を止めてしまうようなラストがまた見たいですね

  • 満足度★★★★

    好きなタイプです
    ダークな物語で人間の嫌な面が胸に突き刺さり、観劇後は翻って自分自身はどうなのかとも考えさせられました。
    また、役者さんの演技も素晴らしく、その行動や言動に嫌悪感を抱きつ引き込まれていきましたが、ラストが納得出来ないと言うか、自分とはあいませんでした。

  • 満足度★★

    オープニングから
    謎多きストーリー。イカレた連中が原発爆破して市民を殺し、役所の金を奪って逃げようとして失敗する話?
    仲間内で裏切りがあって菊池の悪女振りは面白かったけど、職員夫婦のDVの扱いも気持悪いだけだしなあ。今回は私には合わなかっただけで次回作期待。

    ネタバレBOX

    北陸関西電力の原発内で仕事をすることがあるだけに今回は話に乗り切れなかった。
  • 満足度★★★★

    世界観が好き
    面白かった。ただ理解できるかというと難しい。でも理解するしないじゃないんだろな。(自分が)フワフワしてる感じですが、世界観が好きだと思った。次の公演も見に行く。

  • 201009051730
    201009051730@王子小劇場

  • 満足度★★★

    罪と罰とを乞う痛み
    犯した罪と背負う罰に目を瞑り、その狭間でゆれうごく、
    誰かのこころのなかに棲む闇を
    固唾をのんでずっと見守っているような一時だった。
    物語にはたくさんの詩といくつかの幻想で溢れていたけれど、
    誰のことばを信じていいのかよくわからない、とおもうことも多々あった。
    この話に出てくるひとたちの言動には全然共感できないけれど。
    もしもそれが誰かに認めてもらうための正しい選択であるのだとするならば、
    あながち否定できないかもしれない・・・。

    ネタバレBOX

    原発の補助金しか財源のないさびれた港町、浜和町の町役場に勤める宇見コズエには、誰にも言えない秘密がある。
    それは今から20年前。彼女が7歳の時。
    村人たちを『幸福で満たされた地』へと導く『救い手』(救い人)であるのは、自分だと偽った彼女を信じた村人たちが、全員残らずナメクジのように海に溶けてしまい、ひとり生き残った彼女はこのさびれた港町でひっそりと暮らしているのだった・・・。
    世にも奇妙な宇見の真相を確かめるために市役所へやってきたジャーナリストの向井。

    その頃役場では、原発のふもとで開催される数万人規模のロック・フェスティバルの準備に追われていた。忙しくて来客に構ってられないといった様子で、原発職員、フェスティバル実行委員らと打ち合わせをする職員たち。

    ここでの会話はフェスのマスコットキャラクターのことだとか、アクアウォーターに放射能が汚染されているだのいないだのとか、役場の職員と原発職員が恋仲にあるだとか、そういったとりとめのない事柄ばかり。

    そんな中、向井は宇見にある忠告をする。
    「ひょっとしてアナタの周りにいるひとたちはあなたに何かを隠してはいないだろうか・・・。」と。その言葉をきっかけにして物語は大きく舵を切る。

    向井の忠告した通り、宇見の周りにいる人間は皆テロリストであり、フェス当日に原発を爆破させることを目的としていたのだった。

    犯行前夜、明日のルート確認を行う際に目印として地図上に配置していったホタルを一匹づつ潰していくシーンは、ホタルの光、原発が爆発する光、そしてその光は人間の生命を消滅させるという意味を持つ、象徴的なシーンだった。この時に背後で流れるふわふわとした音楽はむしろ、人間のダークサイドをゆるやかに加速させていて、やわらかい狂気を醸しだすのに充分だった。
    人間の凶暴性に無垢な笑顔が宿ったような、この空気感は、とても独特で、すごくいいとおもった。

    ただ、この場面に辿りつくまでに、彼らのバックグラウンドが雲隠れしていたので、唐突に『テロリスト』という旗を掲げられたように思えてしまってことも事実。

    たとえば彼らのなかには、宇見の『救い手』によって両親や友人が犠牲になったひとはいなかったのかな、とおもったりもした。

    彼らが革命を起こすには、みなそれぞれおもうところがあって『テロリズム』へと掻き立てられるものではないのだろうか。

    また、仮に何者かわからない彼らによる突発的な理不尽なテロリズムだとしても、動機や思想がわからないまま犯行に及ぶとはおもえないし、テロリストらが犯した罪を宇見のせいにして、宇見はそれを罰として背負うことで20年前のあの事件をチャラにする・・・というのも何だか安易におもえてしまった。

    宇見の20年間のなかで彼女と関わったことのあるひとたちのエピソードが
    会話のなかから表象すれば、時間の『重み』や彼女の『痛み』が伝わってきたかもしれないのだが。

    そんな事由から後半部分が、テロリズムの描写に多くが費やされ、宇見の件が結果のみ言い渡されたような展開がちょっと腑に落ちなかった。

    個人的には、この作品はテロリズムなんか引用しなくても描ける主題だったのではないかとおもう。たとえば、町役場の人間たちに、彼女と何らかの繋がりを持たせてそこから過去をさかのぼっていくとか・・・。

    冒頭で彼女が20年前のあの時の気持ちをモノローグする詩的な場面がラストの罪を背負うというところでしか生かされなかったことがとにかく勿体ない、と感じたのでした。
  • 9月4日(土)M
    加速度的に高まっていく緊張感。堪能。

このページのQRコードです。

拡大