8割世界番外公演『欲の整理術』×『ガハハで顎を痛めた日』 公演情報 8割世界番外公演『欲の整理術』×『ガハハで顎を痛めた日』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-20件 / 22件中
  • 満足度★★★

    本公演を
    観てみたいとは思いました。

  • 満足度★★★★

    がんばります。
    つまり理解できるようにがんばります。

    なにしろ正直言って一本目は全く意味がわからなかったので・・・。

    二本目はおもしろかったです。

    ネタバレBOX

    一本目・・・いったいなんだったんでしょう。
    男根のというところが全てでしょうか。

    いちいち紙にマジックで火炎瓶だとか書いてる感じもよくわかりませんでした。ほんとがんばります。

    二本目・・・なんだか考えさせられました。
    例の社会経験のある者に教師をさせるっていうあれですよね。
    たしかに最近の子供たちや、その大人たち、なに考えてるのかわからないですからね。
    怖いです。

    女子中学生役の二人がちょこちょことはさむ日常会話に癒されました。最後のシーンもなんだかほんわかしててよかったです。
  • 満足度★★★

    やっぱりコメディ寄り
    内容も上演時間も異なる作品の二本立てでしたが、明暗もはっきりと分かれてしまっていたように感じました。
    あえて二本立てにした狙いは何だったのだろうと考えてしまいました。
    『コメディ劇団がコメディじゃない芝居を上演する』と明言していたので、もっと硬派な芝居を見せてくれるのかと思っていましたが、かなりコメディ寄りでした。
    外部から脚本家を招いたのですし、最初からコメディ路線で行く事を考えていたわけではなく、演出で8割世界らしさを引きだしたと言うことでしょうか。
    8割世界のカラーは出ていたと思いますが、先に繋がる可能性を広げて見せてくれたかと問われると、ちょっと疑問を感じてしまいました。
    どちらか一本に絞って、本腰入れて公演したらまた違ったものが見られたのかなと思います。
    せっかくの面白い試みなので、次に繋げて欲しいです。

    ネタバレBOX

    『欲の整理術』
    数年後の日本と言う国が、日本人ではなく知能を付け始めた豚に支配されていて、支配に対し抵抗しようと立ち上がった革命家達の話。
    脚本は面白いと思いましたが、なかなか入り込めませんでした。
    一番気になったのは、音の演出方法です。
    音を演出する時は『何を聞かせたいのか』一番大切で、『音はあって当たり前。無いと違和感。気付いて欲しい時は大きい音』を念頭に置いて演出するのだと考えていますが、このお芝居ではとにかく全部の音が必要以上に大きかったのです。
    全体的に音量が大きいのではなくて、個々の音全てが大きいので、どこに注目して欲しいのか解りにくく、役者の台詞や演技を殺してしまっているように感じました。
    音と言う意味では、支配者でありまだ上手く日本語を話せない『豚』の、言葉の選び方や節回しは独特で面白かったのですが、日本語発音が流暢だったのも現実に引き戻されました。
    単語の意味と分節をしっかりと理解していないと発音というものを流暢には行えませんし、そもそも声は骨格に左右されるものなので、もっとたどたどしい言葉使いにすれば、知能発達の途中段階で人間とは解りあえない生き物の不気味さを表現できたのかもしれません。
    普通に話すのでしたら、、ボコーダーやフランジャーをかけて機械を通したっぽい音声にしてしまうと、感情が削ぎ落とされた感じが表現できて、種族の壁を感じさせられると思います。

    それぞれのキャラクターも立っているのですが、何だか小さく纏まって終わってしまった感じでした。
    もっと尖がって際立たせたら、それぞれのコントラストで奥行きが広がったのかなと思います。
    30分と言う短い時間で、最終的に着地点まで持って行けたのは素晴らしいと思いました。
    でもこの作品、観終わった直後よりも、日数がたってからの方がじわじわと面白さを感じられる内容でした。

    『ガハハで顎を痛めた日』
    民間からの社会人経験者を中学教師として採用し、人生経験を生かした指導を行って貰おうという名目で集められた、初授業を明日に控えた新人教師達がロールプレイのシュミレーションを通し心情を明らかにしていく場面と、現役女子中学生の日常場面が絡み合いはしないけれど一つの舞台で展開されていくお芝居。
    こちらは脚本も解り易くもあり、素直に面白かったです。
    先生役の役どころも、押しつけがましくも熱血、斜に構えた皮肉っぽいクール、明るく能天気な体育教師、教師になるのは夢だけどそれをはっきりと言わない当たり障りのない先生、息子が自殺未遂して命の大切さを伝える為に教師になった人、と様々なタイプを用意してあってそれぞれの役者さんが見事に演じきっていて、それぞれのキャラクターの持ち味がはっきり伝わってきました。
    女子中学生の二人も、視線の送り方やちょっとした仕草、結論のでない(今考えると)くだらない話を真剣に思いつめて話す演技等、素晴らしかったです。
    芝居上での絡みはありませんが、現役女子中学生の焦りや不安を含んだ日常と、新人教師の不安と希望のコントラストも見事でした。
    最後の事件報道と、楽しくじゃれ合う女子中学生の二人の姿に集約されているのかなとも感じました。


    会場内はとにかく暑かったです。
    満員のお客さんに、梅雨時期特有の湿気で座っていても汗が出てくる。
    しかも、選挙投票一日前に青梅街道沿いと言う事もあって、芝居の合間に選挙演説が聞こえてくる。
    仕方ない事なのかもしれませんが、救急車の音も聞こえていました。
    芝居に入り込みにくい環境なので、劇団側もお客さんも大変なだったのかもしれません。
    ☆は二つ合わせての平均評価で付けました。

    開場で購入した『勝馬』のDVDをさっそく見てみましたが、やっぱりコメディは秀逸だと思います。
    次回の本公演も観に行きたいです。
  • 満足度★★★

    無題。
    番外公演との事でフラットな気持ちで観させて頂きました。
    1本目は想像力がついて行かず内容が飲み込めないまま終わってしまった。
    短時間なので露骨なくらい説明ぶった台詞があってもよかったかも。
    高宮尚貴さん初演出、更にはもうすぐパパになるそうで(ご結婚おめでとう。)もっともっとあがいてがんばれ!!!
    2本目はキャラの配分が良くて楽しめました。教師のたまご達が思い悩む会話の間に入る女子学生の会話、全部は拾えなかったけどナチュラルで可笑しかった。


  • 満足度★★★

    落差が激しい
    エアコンが効いてないのか、かなり蒸し暑い中での観劇でした。2本立てで、1本目は豚に支配された近未来の日本でクーデターを起こすという不条理(?)劇。暑さのせいで多少ボーっとしていましたが、これが全然面白くない。実験作かもしれませんが、なんのこっちゃって感じです。残念な気持ちになって、2本目に突入。今度は社会人中学教師の赴任前日の講習会でのお話。1本目と打って変わって文句無しに面白い。教師達は皆個性的だし、ホームルームのロールプレイングゲームのやり取りも実にいい。同時進行で進む女子中学生2人組のエピソードも楽しい。実に落差が激しい2本立てでした。1本目☆、2本目☆☆☆☆☆で、平均☆☆☆。ところで、タイトルと内容の関係は何なんですか。

  • 満足度

    それほどの出来とは思えない
    ここのサイトでは評価の高い書き込みが多くて驚いてます。それにしても出演者の家族が高評価を付けるのはどうかと思う。

  • 満足度★★★★★

    楽しみな劇団
    この劇団は初見であり、今回は番外公演であったが十分楽しませてくれました。次回は本公演を観るつもりです。
    欲の整理術は最初、これはついていけないなあと感じましたが、見ているうちにじわじわと効いてきました。
    ガハハで顎を痛めた日は、社会人から教員へなる人たちが、学校で起こりそうなことを先生役と生徒役になってシミュレーションを繰り広げる話。面白く観させていただきました。

  • 満足度★★★

    劇団初見。
    「欲の~」 猿の惑星的な話かなあ。豚の勢力に対して人間が立ち上がるみたいだけど、赤い服を着た人は革命だと言いつつカメラを意識してるし、行動じたいに酔っている自分大好き人間。欲と言う事で言えば心理面では的を射ている気がする。
    「ガハハで~」 舞台上の椅子の配置を見て、歯並びに見えたので観ている私が顎かと感じながらの観劇。明日から先生という人達のシュミレーション。そんなことマジにやっていることに顎である私は笑ってしまう。学生の会話がリアルで今を感じる。シュミレーションよりも、生徒と会話しろ顎が痛くなるくらいに。そんなことを感じつつ楽しく観劇。

  • 満足度

    良かったか?
    好意的なコメントが多く困惑してます。
    どう感じるかは個人の自由だけど…
    最初の豚の話は結局何が言いたかったのか全くわからず、それでもそのうちもっと話が広がって行くのかと期待してましたが、30分の芝居…広がるわけもなく、なんだかなあ~、やたら時間を長く感じただけでした。
    二つ目の話も、別にありきたりな気がします。
    テーマは良かったと思うけど、だからこそ、もっと深く考えたり、共感させられる時間が無いと、わざわざ足を運んだ甲斐がないです。
    この劇団も初見だし、作家さんも知らないで予備知識0で見てみました。
    劇団としての口コミが良かったので期待してましたが、???で、久々早く終わらないかな~と時計とにらめっこでした。

  • 満足度★★★★

    次の本公演が楽しみ
    8割世界、今回初見です。ガレキの太鼓という劇団も未見なので今回の番外公演はとても楽しみにしていました。
    「欲の整理術」と「ガハハで顎を痛めた日」、面白い題名だと思いますが、観終わってどちらも題名と内容が結びつかない感じで、番外公演としてのキャッチに目立つタイトルにしたのかなと想像せざるをえない。
    今回、ついに本チラシを手に入れる機会がなかったのですが、当日、劇団にももう在庫が残っていないということで残念。で、どうして鶏の絵だったんでしょう。
    何か意味があるんでしょうか?具体的感想はネタバレで。

    ネタバレBOX

    「欲の整理術」

    開演前、並んだパイプ椅子の真ん中の椅子の背に豚のぬいぐるみがくっついていて、そこのスポットライトが当たっている。この演出が好きです。小道具に役割の名前を書いた紙がつけられて行くが、豚のぬいぐるみに「豚」と書いた紙がつけられたのは「わかるのに何で?」と思った。このぬいぐるみは「豚の役」として活躍はしなかったので。火炎瓶はなかなか面白かった。1回だけ効果音も照明も付かなかった火炎瓶投下があったが、不発という設定だったのだろうか。
    演出がどうかという以前にあまり脚本の内容が面白いと思えなかった。豚が人間を支配するという設定は面白いが、オリンピック参加のくだりの会話が退屈だったので。「スピードスケートに参加することに決めた」ときのリーダー(小林守)のスケートの振りが面白かったけど。全体の衣装がもうちょっと何とかならなかったのかと思う。リーダーだけ、赤のハッピの丈が長く、暴走族みたいだが、他のメンバーはスーパーの大売出しのときの店員みたいで、革命家という雰囲気が伝わってこない。
    「豚族(?)」の声が昔の機動隊の呼びかけみたいで、あまり「異形のもの」っぽさがない。しかし、「死んでもかまわないと思ってる」だの「ダンコン(断固)として」を抑揚なく頑固に繰り返すところが、人間とは違う融通性のない不気味さを表現しているようで面白かった。小林守のリーダーが、コミカルな役を演じるときの故・緒形拳のような軽妙さを感じさせ、印象に残った。

    「ガハハで顎を痛めた日」

    教師役、女子生徒役、それぞれ俳優さんに自然な実在感があり楽しめた。教師と女生徒は場面として交わるものではなく、別の世界の話なのだが、教師が話しているとき、女子生徒がそばに来ていかにも話を聞いているような表情をする演出が面白かった。
    ただ、冒頭と途中に教師の中で生徒役を演じる人たちが客席に向かって背を向けて話すシミュレーションの場面があるが、この劇に限らず、これが私は気になる。最近の若い演出家は、会議の場面など、客席に俳優がお尻を向けるということをあまり気にしないようだが、昔から日本の芝居では、必然性のある場合でも俳優は極力きもち体を斜めにして観客にお尻をみせないように演じることが不文律として守られていた。それほど、観客にお尻を見せるのは無作法だと気にしたもので、古いかもしれないが良き風習だと私などは思っている。そこが映画とは違う舞台の約束事だった。そういう習慣は抜きにしても、今回、生徒役が背を向けてしまうのは表情が見えず不都合だと思った。
    また、今回、この作品は日によって一部配役が異なるためか配役表が載っていない。HPで確認せずに観たが、今回は必ずしもローテーションを決めて配役を替えていたのではないのだろうか。「演出の都合上、ステージによって配役を変更いたします」という文章の意味もつかめない。劇団によっては親切に俳優の写真や似顔絵をプログラムに載せているところもあるけれど、私のような初見の客は劇団員の顔と名前も一致していないし、今回、客演俳優も自分は初めて見る人ばかりだったので、プログラム表記に何らかの配慮がほしかった。番外公演は、よく小劇場芝居を観ている人や劇団のなじみ客を対象と考えているのか、配役情報を重視していないのかわからないが。
    また、アンケートの感想欄が用紙に比して狭く、これも感想を書く人が少ない傾向の劇団に多いようだ(ちなみに感想をたくさん書くわが家では感想スペースが狭いと不評だ。自然、裏を使ってぎっしり書くはめになる)。もう少し広く取っていただけるとありがたい。あまり部外者のことを想定していないのかもしれないが。
    番外公演に、既成作品でなく、他劇団の作家の書き下ろし作品を選んだ意欲を高く買いたい。もちろん、今後既成の名作も観てみたいと思う。
    次の本公演も観てみたい劇団です。



  • 満足度★★★★

    脚本の厚みではないかと。
    舘さんの脚本、好きなんです。それで見に行きました。脚本に公演全体が引き上げられてた。
    やっぱり、舘さんの脚本、好きです。というかセリフなのかな。

    1本目の話は、脚本の前に何が話されているのか全く頭に入ってこなくて理解が出来なかった・・・舘さんお得意の掛け合いが盛り込まれていたと思うのですが、すごく残念・・・脚本で読んでみたいです。
    2本目のも、よく出来てるなあ。すごいいい作品。勿論役者さんたちも素敵でした。
    ただ、特に中学生役のセリフがあまり聞こえなくて残念でした。
    日ごろの8割世界を拝見したことが無いのですが、舘さんに目つけて口説き落としたのはホントいいなあと。
    本当に素敵な作品ですね。優しい作品・・・まった観たいです。
    中学時代の恩師に会いたくなりました。

  • 満足度★★★★

    民間教員の可能性
    脚本だけみると文句無しの☆5。舞台として観ると『欲の〜』が☆3、『ガハハ〜』が☆5。
    『ガハハ〜』義務教育に関わる(ろうとしている)人は必見。実際の中学生にもぜひ観てもらいたい作品。

    以下長らく書いてたものが消えたのでまた今度・・・

  • 満足度★★★★★

    「ガハハ~」2バージョン目
    養成所時代からの大の宮澤ちさえさんファンとしては、彼女の2役はどちらも観たいので、今日も行って来ました。

    まず、朝に、りいちろさんのレビューを拝読してから劇場に出向いたせいか、昨日はかなり、脚本にも構成にも、不満が多かった「欲の整理術」を、もう一度、新鮮な気持ちで観る事ができ、昨日の☆2が、今日は☆4になっていました。

    「ガハハ~」は、今日は、二宮・嶋木チームが先生、宮澤・武井チームが生徒でしたが、キャストが交代するだけで、こんなに、舞台の雰囲気が変わるのかとビックリしました。どちらも、甲乙つけ難く、魅力的でしたが、今日の二宮さんの先生は、宮澤さんに比べ、ドライな感じを受けました。
    何か問題に遭遇した時は、二宮さんの方が、無難に乗り越えて行けそうな感じ。(笑)
    武井さんは、両方の役とも、大変魅力的に演じていらして、この女優さんの実力に感銘を受けました。
    宮澤さんは、生徒も魅力的ながら、個人的見解では、先生の方が好みでした。

    両バージョン拝見し、8割世界の底力は、かなり実証できたのではないかと感じました。
    それだけに、今後の番外公演の演目は、既成の戯曲から選りすぐったものにトライされた方が、劇団員の実力発揮には効力があるのではと、改めて思いました。
    たとえば、舘さんの「とまらずの国」を、8割世界で観てみたい気もします。

    ネタバレBOX

    昨日にも増して、体育教師役の宇高さんが魅力的でした。70代の母も、50代の私も、即効ファンになってしまいました。
    雄太さんのキャステイングの才にはいつも感服します。
  • 満足度★★★★

    ユーモラスなのは持ち味?
    「欲…」は次第に加速して最高潮に達したところでスパッと終わるキレの良さ(あるいは潔さ)といくらでも深読みできる「支配者」の存在が印象的。
    「ガハハ…」は教師の卵たちと2人の女生徒に「イマの教育現場」を感じさせるリアリティがあり、2つの流れが邂逅するラストもイイ。
    で、確かにコメディではないものの、ユーモラスで楽しいのはここの持ち味によるものか?

  • 満足度★★★★

    戯曲の豊かさを作り手が受け止める
    戯曲がとてもよくて、演出家や役者もその良さに甘えることなく自分の色を出していました。

    多少荒削りな部分がなかったわけではないのですが、実直な質感をもった創意が舞台にあって楽しむことができました。

    ネタバレBOX

    30分の短篇と60分の中編二本立て。同じ作家の作品を劇団員二人がそれぞれに演出するという趣向。

    ・欲の整理術

    始まってからしばらくは、物語の枠が伝わってこないいらだちがあったのですが、
    上演中に当日パンフレットで役者の名前をちらっと確認した際に、
    作品のタイトルも目に入って、すっと舞台が腑に落ちました。
    そうなると、舞台の一つずつの要素がおもしろかったです。

    タイトルも認識しないで、芝居を観る私も、
    まったくの不心得者で恥じ入るしかないのですが
    前説時に、作品のタイトルをさりげなくしつこく観客に刷り込んでくれると
    理解の立ち上がりがもっと早かったかもw。

    作者の煩悩やいらだちへの葛藤というか、心情の様が枠として定まると、
    事象の一つずつがとてもしっくりと理解できる。
    バリケードに始まって、要求書、電話から火炎瓶まで、紙に書かれた薄っぺらい質感だからこそくっきり具現化されるものがある・・・。

    とても間口の広い戯曲だと思うのです。
    演出家や役者が自らの感覚をすっと載せていくことができる作品だと思う。
    だから、もっとかぶいてもよかったのかも知れません。
    演じ手がもっとロックであっても、もっと凡庸であっても、沈んでも
    しっかり支えられる戯曲なのだと思います。

    おもしろかったのですが、その欲の暴れ方がちょっと中庸で
    おとなしい感じもしたことでした。

    ・ガハハで顎を痛めた日

    翌日初めて教師として赴任する5人が、
    授業のシミュレーションをするというお話。

    戯曲の構成がほんとうにしたたかで、
    授業のシミュレーションという切り口から、彼らの理想がまずこぼれ出て、
    そのベクトルから、彼ら自身の価値観、不安などが溢れてくる。

    自己の価値観を誇示するあたりでは、
    もう完全に物語りに取り込まれていました。
    先生候補それぞれの、表層と内心それぞれに、
    とても生々しい実存感があって、
    個々のキャラクターの距離感の取り方も絶妙。

    しかもこの舞台はそこにもう一つの枠が織り込まれていて・・。
    現実の女学生の会話を先生たちの周りにちりばめるやり方も、
    息をのむほどにしたたか・・・。
    役者たちはロールとして女学生を演じるというよりは、
    生活の感覚ごと女学生を切り取っていく感じで、
    建前や理想や自分が抱えたもので語る教師の卵たちと
    質感の異なる想いを醸し出していく。

    その女学生たちが、
    教師のことをすらっと語る部分に、
    教師の視野と生徒側の視野が一瞬重なって、
    学校の内側の互いにコントロールしえない、
    でも絶望的というわけでもない、
    バランス感のようなものが見えてくるのです。

    このふくらみこそ、舘戯曲の真骨頂かと・・・。
    演出側の工夫、
    シミュレーションの椅子の位置での状況の示唆や、
    舞台の空気の作り方なども見事に機能して。
    しっかりとした印象の作品を拝見することができました。

    ☆☆☆★○
  • 満足度★★★

    ガハハで顎を痛めた日
    はよかったです。目新しいとかではないんですが、ストレート少しはずしのちょうどよさというか。先生シーンと学生シーンのバランスもいいですな。星は2作品トータルで。

  • 満足度★★

    勢いは買いましょう。
    しかしながら勉強不足!演出や役者は作品をどう読み込みどう表現し観客に伝えるか、不明瞭な点が多すぎた。舘氏の脚本にも期待していたのだが、【タイトル】の重要性を欠いていることにショックだった。
    客層は20代~50代と幅広かった。みな温かい眼差しで観ていたような気がする。

  • 満足度★★★★

    明暗を分けた気がする2作の出来栄え
    コメディの劇団が、コメディでない公演を打つという企画自体には大いに賛同し、試みの結果としてのみ観れば、大変意義のある公演になっていたと思うのですが、「欲の整理術」の方は、初演出の演出家には、如何にも任の重い作品でした。

    今回は、舘さんに新作書下ろしを2作も依頼し、キャスト交渉の後に、台本が完成したようですが、こういった番外公演は、それでは危険性が伴う気もして、今後、この番外公演を続けるのなら、書き下ろしより、既製の作品の中から、作品選びをした方がリスクが少ないのではと感じました。

    一方、「ガハハで顎を痛めた日」の方は、結果オーライで、かなり高レベルの作品に仕上がっていました。

    「欲~」が、☆2、「ガハハ~」が、☆4、+この公演の企画と意欲に敬意を表し、トータルでは、☆4と言ったところでしょうか。
    ただ、この公演を、本公演のコメディを更に進化させるための布石として捉えれば、この経験は、劇団員に実力を備えさせえる効力は充分あると思うので、その視点に立って評価するなら、☆5でも良いかなとも感じました。

    座った席が、空調寄りだったせいか、ひそひそ声の台詞が不明瞭で、所々、聞き取れない箇所があったのは、残念でした。特に、「欲の~」の方は、終始、台詞が明瞭でない方が数人いて、余計、内容がわかり辛くなった気がします。

    あ、題名の意味するところは、全く解りかねました。(笑)

    心配したかもめ座の椅子、高齢者にも親切な形にして頂き、心からお礼申し上げます。

    ネタバレBOX

    欲の整理術」…脚本も、演出も、どうも中途半端な印象でした。キャストは、相当掴みどころがなく、役作りに苦労されたのではと感じました。演出が、本の性質を読み違えた気もします。もっと、勇気を持って居直って、シュールさで、徹頭徹尾押し切っていたら、もっと、【面白い気がする】作品になったのかもしれません。シュールで、突き進めたら、あの中途半端な印象のラストも、もっと違った意味合いに成り得た気がします。
    この作品は、もっと大胆な発想と切り口で描くべき作品でした。人物に、不思議さがもっと必要でした。カッコ役とカントク役は、逆のキャスティングの方が、成功した気がします。れんたろうの存在が全く謎でした。
    外の世界を支配した豚の声を、演出家自ら担当していましたが、声と台詞回しに、実存感があり過ぎました。あれは、外の得体の知れない存在を想起させるためには、もっと、意味のない雰囲気の言い回しにすべきだったように思います。しゃべっている内容も、センテンスがおかしいのだから、言い方もそれに準じる方が適切だったのではと思いました。
    途中の音楽の挿入も、違和感があり、むしろ逆効果でした。
    小道具も、紙で表すのなら、ビデオカメラも、実体のないモノに統一した方が良かったのでは?

    「ガハハで顎を痛めた日」…こちらは、とても良く書けた脚本と、演出の目の確かさで、上質な人間ドラマになっていました。劇団員の宮澤さんが、今回も素敵な好演。客演の、宇高さん、武井さん、二宮さんも、それぞれ、任に合った役を好演されましたが、村松さんの演技には、一番心を鷲づかみにされました。神原さんと、今日は女子中学生を演じた嶋木さんの演技は、安心して観ていられました。
    ラストの落とし方も、とても自分好み。ただ、残念だったのは、面白そうだった女子中学生のダベリが、半分も聞き取れなかった点。これが、もっと明瞭に聴こえて来たら、この作品は、☆5つだったと思います。
  • 満足度★★★★

    30分+60分の2本立て
    コメディ劇団の8割世界が、初めてコメディ以外の内容で、かつ、他団体の脚本で上演するということで、興味津々で出かけた。
    結果、2本立てというのは、うまい構成だったと思う。リスク分散という意味でも。

    ネタバレBOX

    『欲の整理術』
    正直、奇抜な設定、30分という上演時間なので、ぱぱっと始まって、ストンと終わるような、そんなオモシロ展開を期待させるのだが、結局、面白くはならなかった。
    何に問題があるのだろうと考えると、まずはテンポではないかと思った。わずか30分の話であり、奇抜な設定なのだから、もっとスピーディに、かつ勢いで見せてほしかった。
    役者の出入りも何回もあるのだが、30分なんだから出っぱなしでもよかったのではないだろうか。そして、登場人物たちは、(演出として)常に何かをしていれば、引っ込むこともないし、舞台に勢いも出たのではと思う。
    例えば、文字を書いた紙を小道具にしているのだが、それが次々と、とんでもないぐらいに出てくるのであれば、それはそれで面白いと思うのだが、文字小道具で出てくるのは、せいぜいバリケード、火炎瓶、電話ぐらい。これじゃそんな設定にする意味があまりない。
    登場人物たちは、その小道具の文字を書きながら、つまり自分の小道具を作りながら(あるいは他人の小道具を作りながら・火炎瓶ではそんなことが行われていたけど)、ものすごいテンションで見せてくれれば、文字を書いたり、登場人物が引っ込んだりすることもなかったのではないだろうか。
    スピーディに進んで、火炎瓶の展開で、どどっと一気に終われば・・・。過剰さが足りないというか。個人的には、コメディ寄りではなく、もっと不条理寄りのほうが受け入れやすかった気がする。
    実際は、ぼやっとした感じのままラストを迎えてしまったのだった。残念。


    『ガハハで顎を痛めた日』
    こちらは、役者がいい。個々の設定がつかみやすいということもあろうが、先生にいそうなタイプがうまく揃っていたと思う(それは「演技」という意味において、いそうなタイプに「見せていた」ということ)。
    年齢的には無理があるはずの(笑)女子中学生の2人も、会話のやり取りとテンポがよく、雰囲気を出していた(お尻ボリボリ掻くような、細かい演技が効いていた)。
    とにかく、7人の役者が全員いいのだ。

    ちょっとした笑いが散りばめられているのもいい。

    物語は、超がいくつも付くほどのポジティヴな内容だ。しかし、それでも「未来」というキーワードで観ると、ほっとする自分がいる。
    これから先生になろうという人、それも社会経験があって、その上で先生になりたいという人の熱い、真摯な気持ちがストレートに表現されていた。

    この前向きな感じに嫌みがないところが、うまさなのだろうと思う。
    だから、後味もいい、希望のあるラストだったと思う。

    ここに登場する先生たちは、前回観た8割世界『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません』の先生と比べると、現実味がある。
    ここに立脚して、コメディを展開できれば、本公演のほうも、さらに面白くなるのではないかと思った。
    最初から、コメディ風味満々で行われるよりも、意外性が生まれ、いい感じに笑えると思うのだ。
    普通にうまい人たちが揃っているのだから、それをコメディにも十分に活かせるのではないかと思う。

    今回の公演で、例えば、『ガハハ』のほうでは、笑いも少し起こっていたのだから、少し手を入れるだけで、コメディとしても成立したように思える(ちょっといい話のコメディとして)。そんなコメディは楽しいと思うのだ。
    もちろん、これは個人的な感想にすぎないのだか。

    まだ終わっていないけど、今回のこの試みには、たぶん、役者もスタッフも何か感じ取るところがあるのではないだろうか。偉そうな目線であえて言えば、そういう収穫があれば、今回の番外編は成功だったのではないかと思う。

    それにしてもこの2本のタイトルは、タイトルだけ聞いてどちらがどちらの作品なのか? と聞かれてもわからないのではないかと思う。なぜこんなタイトルなのか、わかる方に教えてほしいと思うのだ。
  • 満足度★★★★

    題名の由来が良く分かりませんが、
    不思議な前提の話と、現実的な話の2本立て、満喫しました。

    ネタバレBOX

    『欲の整理術』では、何で豚なのか終始気になって気になって。

    外の豚は洋服着てるのかな…?!

    『ガハハで顎を痛めた日』、中途で先生になろうとする人たちは志が高く熱い人が多いですね。ホームルームのシミュレーションもたくさんやってるんだ。

    脇で女子中学生二人がうだうだしていて、先生の卵たちと交互に演技をしていました。ちょっと不思議な光景でしたが、うだうだではなく、あれが普通の女子中学生の実態なんですね。だらしなくスカートパタパタもするけれど、結構悩みを相談したりもするんだ。

    先生も生徒を真剣に見守ってあげてねというテーマ、優しいです!

    こばや紙…、私も学生のとき、背広でやられました。何十年経っても同じような手口があるんですね。

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