8割世界番外公演『欲の整理術』×『ガハハで顎を痛めた日』 公演情報 8割世界【19日20日、愛媛公演!!】「8割世界番外公演『欲の整理術』×『ガハハで顎を痛めた日』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    明暗を分けた気がする2作の出来栄え
    コメディの劇団が、コメディでない公演を打つという企画自体には大いに賛同し、試みの結果としてのみ観れば、大変意義のある公演になっていたと思うのですが、「欲の整理術」の方は、初演出の演出家には、如何にも任の重い作品でした。

    今回は、舘さんに新作書下ろしを2作も依頼し、キャスト交渉の後に、台本が完成したようですが、こういった番外公演は、それでは危険性が伴う気もして、今後、この番外公演を続けるのなら、書き下ろしより、既製の作品の中から、作品選びをした方がリスクが少ないのではと感じました。

    一方、「ガハハで顎を痛めた日」の方は、結果オーライで、かなり高レベルの作品に仕上がっていました。

    「欲~」が、☆2、「ガハハ~」が、☆4、+この公演の企画と意欲に敬意を表し、トータルでは、☆4と言ったところでしょうか。
    ただ、この公演を、本公演のコメディを更に進化させるための布石として捉えれば、この経験は、劇団員に実力を備えさせえる効力は充分あると思うので、その視点に立って評価するなら、☆5でも良いかなとも感じました。

    座った席が、空調寄りだったせいか、ひそひそ声の台詞が不明瞭で、所々、聞き取れない箇所があったのは、残念でした。特に、「欲の~」の方は、終始、台詞が明瞭でない方が数人いて、余計、内容がわかり辛くなった気がします。

    あ、題名の意味するところは、全く解りかねました。(笑)

    心配したかもめ座の椅子、高齢者にも親切な形にして頂き、心からお礼申し上げます。

    ネタバレBOX

    欲の整理術」…脚本も、演出も、どうも中途半端な印象でした。キャストは、相当掴みどころがなく、役作りに苦労されたのではと感じました。演出が、本の性質を読み違えた気もします。もっと、勇気を持って居直って、シュールさで、徹頭徹尾押し切っていたら、もっと、【面白い気がする】作品になったのかもしれません。シュールで、突き進めたら、あの中途半端な印象のラストも、もっと違った意味合いに成り得た気がします。
    この作品は、もっと大胆な発想と切り口で描くべき作品でした。人物に、不思議さがもっと必要でした。カッコ役とカントク役は、逆のキャスティングの方が、成功した気がします。れんたろうの存在が全く謎でした。
    外の世界を支配した豚の声を、演出家自ら担当していましたが、声と台詞回しに、実存感があり過ぎました。あれは、外の得体の知れない存在を想起させるためには、もっと、意味のない雰囲気の言い回しにすべきだったように思います。しゃべっている内容も、センテンスがおかしいのだから、言い方もそれに準じる方が適切だったのではと思いました。
    途中の音楽の挿入も、違和感があり、むしろ逆効果でした。
    小道具も、紙で表すのなら、ビデオカメラも、実体のないモノに統一した方が良かったのでは?

    「ガハハで顎を痛めた日」…こちらは、とても良く書けた脚本と、演出の目の確かさで、上質な人間ドラマになっていました。劇団員の宮澤さんが、今回も素敵な好演。客演の、宇高さん、武井さん、二宮さんも、それぞれ、任に合った役を好演されましたが、村松さんの演技には、一番心を鷲づかみにされました。神原さんと、今日は女子中学生を演じた嶋木さんの演技は、安心して観ていられました。
    ラストの落とし方も、とても自分好み。ただ、残念だったのは、面白そうだった女子中学生のダベリが、半分も聞き取れなかった点。これが、もっと明瞭に聴こえて来たら、この作品は、☆5つだったと思います。

    5

    2010/07/09 19:20

    0

    0

  • tetorapack様

    コメント、ありがとうございます。
    私も今しがた、御感想を拝読したところで、主人に「わ、tetorapackさんが、また私と同じ感想だわ!」と歓喜の報告をしていたところでした。

    そうなんですよ、れんたろー、存在自体意味不明でしょ?高橋さんがお気の毒でした。あの脚本では、彼は、何をどう演じたらいいか、わからないだろうと思いました。

    ただ、今日は、昨日よりは、この舞台自体の加速が感じられ、少し、作品として進化していた気がしました。知らない脚本家ではないのだから、作者の意図をきっちり聞いて、それを具現化すればよかったのにと思ったりもしますが…。

    今日は、昨日懲りたので、上手側に座ったので、会話はばっちり聞こえ、昨日の不満は解消されました。
    ただ、武井さんに関しては、どちらの役もドンピシャでしたが、ちさえさんは、先生役の方が、より魅力的でした。昨日の、ちさえさんの先生による、授業シュミレーションの冒頭シーンは、もう最初から、頬が緩みっぱなしでした。彼女の養成所時代からの大ファンなんですが、ちさえさんが役にはまると、もう観ているだけで、ニコニコしてしまうんですよね。tetorapackさんに、こちらのバージョンをご覧頂けなかったのは、本当に、私も残念です。

    tetorapackさんの御感想に対するコメントは、後刻、そちらで書かせて頂きますね。

    2010/07/10 21:53

    KAEさん

    いま、私も自分のレビュー書き終え、KAEさんのレビュー、拝見いたしました。
    愛のムチですね。でも、相変わらず鋭い観察眼、恐れ入りました。

    >試みの結果としてのみ観れば、大変意義のある公演になっていたと思うのですが、「欲の整理術」の方は、初演出の演出家には、如何にも任の重い作品でした。

     私は、けっこう健闘していたと思います。ちなみに私は、脚本の方にも課題多い作品かと。

    >一方、「ガハハで顎を痛めた日」の方は、結果オーライで、かなり高レベルの作品に仕上がっていました。

     はい、これは秀逸でした。なんか青年団の「ピタッとはまった良作公演」に似た感覚でした。

    >この公演を、本公演のコメディを更に進化させるための布石として捉えれば、この経験は、劇団員に実力を備えさせえる効力は充分あると思うので、その視点に立って評価するなら、☆5でも良いかなとも感じました。

     これは全く同感です。

    >心配したかもめ座の椅子、高齢者にも親切な形にして頂き、心からお礼申し上げます。

     そうですね。ただ、座席数が限られる会場なので、各座席の左右の間隔については、ビシビシに詰めていたので、両隣が恰幅のよい男性同士だと、かなりきつかったですが(笑)。

    >欲の整理術」…脚本も、演出も、どうも中途半端な印象でした。キャストは、相当掴みどころがなく、役作りに苦労されたのではと感じました。演出が、本の性質を読み違えた気もします。もっと、勇気を持って居直って、シュールさで、徹頭徹尾押し切っていたら、もっと、【面白い気がする】作品になったのかもしれません。シュールで、突き進めたら、あの中途半端な印象のラストも、もっと違った意味合いに成り得た気がします。

     なるほど。深いですね。私は、やはり脚本上の分かりづらさが大きいと思います。でも、それを狙った間口が広い脚本ともいえるので、たしかに、もっと思いきって脚本をアレンジし、演出で突き抜けてしまった方が「魅力」が出た作品になったのでは、とは感じました。私、自分の方に書きましたが、どうにも、脚本からして、れん様が意味不明なんです? どう感じられました?

     「シュールで、突き進めたら」は、よく分かります。同感です。あとは、思いきって、あの脚本の一部にバイアスをかけて、そこに焦点を当ててもよかったかな、と。

    >「ガハハで顎を痛めた日」…こちらは、とても良く書けた脚本と、演出の目の確かさで、上質な人間ドラマになっていました。

     完全に同感。

    >ラストの落とし方も、とても自分好み。ただ、残念だったのは、面白そうだった女子中学生のダベリが、半分も聞き取れなかった点。これが、もっと明瞭に聴こえて来たら、この作品は、☆5つだったと思います。

     ラストの落とし方、私も好きですねぇ。ただ、私の観た回は、ちさ恵さん、武井さんの中学生2人の会話もバッチリ聞こえました。座席は最前列ほぼ中央でしたけど。席によるのかな? 

     KAEさんは私と別のバージョンの方だったんですね。ああ、私もKAEさんの観たバージョンの方も、この作品は本当に観たかった。とくにお二人のせんせいの卵ぶりを堪能したかったなぁ。スケジュール上、もう無理ですが(笑)。

    2010/07/10 19:41

    あぁ、「観たい!」コメントではなく「観てきた!」コメントでしたね…失礼しました!

    2010/07/10 09:10

    KAEさま
    ご来場いただきまして誠にありがとうございました!!

    今回、脚本からも、客演さんからもたくさんたくさん刺激をもらって、本当に有意義な企画だったと思います◎(まだ終わってないのでまだまだ振りかえれませんが(笑))そこを評価してくださり嬉しいです!!
    今日もがんばります☆☆☆

    2010/07/10 08:38

    「観たい!」コメントありがとうございます!

    本当に良い経験になりました。逆に行き先がわからずに迷走する勢いかもわかりません、それだけ色々と吸収できた…と思っております。

    他の人に書いて頂いた作品を演出するのは大変でしたが(しかもその作品のデビュー!)、なんかいつもとは違った楽しみがありました。またいずれ番外公演、やりたいと思います!

    2010/07/10 07:42

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