泣き虫なまいき石川啄木 公演情報 泣き虫なまいき石川啄木」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
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  • 満足度★★★★★

    絡め取られる個としての存在
    本当に苦しい時、哀しい時にヒトは泣きながらも笑う。

    井上さんの戯曲、苦手なモノもあるけどコレは好きでした。

    ネタバレBOX

    個人的に、啄木と言えば『一握の砂』のイメージからか、
    よく知らないにも関わらず「貧しさ」をすぐに思い浮かべるほど。

    しかし今回の観劇まで、その由について詳細には知らなかった。
    井上さんのことだから史実に基づいたフィクションなのだろう。

    おそらく今回舞台上に立ち現れたエピソード、
    自分の家族、特に母親の愛情という名の執着に振り回され続けたこと。

    加えて、いやだからこそ
    常に生活に追われ、観ているコチラが気の毒になるほど
    芸術家という個の部分を周囲に絡め取られ侵害されつづける啄木。
    すべてがそのせいだとは言えないけれど。

    そうして日々積もっていく啄木の行き場のない怒りや焦燥、
    それでも切り離すことが出来ない情等々・・・。

    ラストのこれでも足りないかとばかりに巡り来る不遇。
    その底に這いつくばる啄木一家の姿。
    苦しくも切ないような感情を抱かずにはいられなかった。

    わずか4人のユニットに客演が2人。
    本当に達者な彼らに心底引き込まれ楽しませて貰った。

    勢いや自分の想いを構築してみせる団体の多い中、
    彼らにはこれからも自分達に合った戯曲、
    組みたい演出家を選んで欲しいと思いました。
  • 満足度★★★★

    満腹満足
    井上ひさしの戯曲をたっぷりと堪能させてもらった2時間15分。
    はじめてだと思っていた井上作品が、実は観たことがあることが判明。
    長いとういう印象の井上作品を全く飽きることなく観ることが出来た。
    濃いキャラクターの石川家の面々の中で、都会的でスマートな啄木が印象的。

  • 満足度★★★★

    さわやかな井上作品。
     いつも大笑いして見る井上ひさし作品だが、今作は少しテイストが違い、胸をしめつけられたり涙を流したりしながら観た。喜劇を観たという感じではない。それでもやはり笑いどころ満載で、たっぷり楽しませてもらったのだが。

     多根周作は晩年の石川啄木をさまざまな悩みを抱えながらも前向きに生きる人物として演じている。とてもさわやかで独特の品がある石川啄木だ。多根周作が演じると人物に気品が出てくる。さすがだ。そして金田一京助を演じた伊原農がこれまたとてもいい。スーパーお人好しの金田一氏を、魅力たっぷりに演じた。

     この作品をさわやかに仕上げるところがハイリンドの持ち味か。愛すべき劇団だ。

  • 満足度★★★★★

    面白い!
    コメディかと勘違いしたほど笑えた!特に嫁姑のいざこざの愚痴の応酬の犠牲になった京助が哀れ!笑

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    啄木の日記を元にした芝居。今回は姑役の石川カツの表情や仕草が愉快でとにかく笑った。啄木を軸に家族の人間関係や嫁姑の止まないいざこざ、借金漬けの毎日、質屋通いの日々を背景に啄木がどんな事を考え悩み、結核に倒れるまでをちょっとコメディタッチに綴ってあったものだから、楽しめた。

    舅と姑の夫婦の関係や、それをみて育った子供たち。そして今度は兄・啄木とその妻節子との関係、更に嫁姑のいざこざを目のあたりにし、啄木の妹・光子は「だから賢者は家庭を持とうとしないのよ。家庭が戦場になったら他人を救えないからよ。」なんて正論を吐くあたり、妙に納得してしまう。

    そして舅の酒好きが過ぎて仏壇までも七草に入れてしまう場面も苦々しい。そんなどーしようもない舅は常に酔っぱらって禅の道を説く!笑
    しかーし、欠陥だらけのような舅は節子が啄木の親友・宮崎と不貞を働いたような場面で「おなごの心の中には鬼と仏が住んでいる。妻を少しでも心に残ってるなら時を待て。」と啄木に説得するあたり、ただのクソ坊主ではなかった!笑

    そんな修羅場も潜り抜けどうにか収まるような流れの中、啄木と節子と姑は同じ時期に結核を患ってしまう。特に争いの絶えなかった嫁姑は急にお互いを労わりあうようになる。この展開でのカツのセリフ「近々死ぬと解ればこんなに優しくなれる。不思議だなー、人間って。」と吐く。

    啄木の怒涛のような家族と人生を解り易く魅せた舞台だった。毎回のことだが、ハイリンドのキャストらの演技がお見事だった。時に、セリフの合間にコメディ的なお茶目さが見え隠れする技は秀逸でとにかく楽しめた舞台。

  • 井上戯曲
    井上作品の完成度の高さを感じました。

  • 満足度★★★

    疑問が残った

    啄木を題材に選んだ必然性を読み取れなかった。無名の家族ではまずかったのだろうか。

    井上作品は化粧や太鼓たたいて~などの戯曲をいくつか読んだだけだったが、今作はさほど傑出しているわけでもないのではと思った。

    役者の芝居は、個々の優れた部分は伝わってきても、それで作り上げられる空気がどこかよそよそしい。外波山さんの芝居は個性が強すぎて、そこだけ一人芝居めいて周囲から浮いていた。
    タイトルである啄木に惹き付けられなかったのは、本によるものか役者によるものかは分からなかった。

    ともかく2時間15分は長かった。

  • 満足度★★★★★

    観てきた!
    観終わったあと「いいお芝居を観た」という充実感でいっぱいでした。期待を裏切りませんね、ハイリンドさんは(笑)。

  • 満足度★★★★

    満足しました
    秀逸な脚本に俳優さん達の熱演。2時間強飽きずに楽しませてもらいました。

  • 満足度★★★★★

    刹那すぎる啄木の晩年
    啄木の晩年3年間を描いた井上ひさしの戯曲を原作に沿って上演。
    井上戯曲の真髄を見事に表現。

    前作「華々しき一族/お婿さんの学校」に引き続いての観劇となったが、質の高さの脱帽。
    ハイリンドの底力を感じさせる秀作であった。

    ネタバレBOX

    啄木のはかない人生を、彼を取り巻くあまりにも人間くさい家族をからめつつし進行。
    家族の存在こそが彼の寿命を縮めさせたのであるが、終幕直前、啄木、妻、啄木の母、三者がそれぞれ結核に犯されながらも、お互いをいたわりあうシーンは涙を誘う。

    笑いと刹那さの微妙なバランスによって成り立つ井上作品。笑い、刹那さ、どちらかが多少でも多くなるとそのバランスは音を立てて崩れ去る。
    本作は、「笑いにつつまれるからこそ、浮かび上がる刹那さ」を余すとこなく表現。

    こまつ座以外で、これほどまでに井上作品を見事に演じた舞台はなかなかお目にかかれないのではないだろうか。
  • 満足度★★★★★

    笑いあり、涙あり
    畳み掛ける小気味の良い笑いと、心の隙間にスッと入り込む綺麗な言葉。
    自分でも気付かなかった心の乾きを、優しく潤してくれました♪

    とても優しい、楽しい、素敵な舞台でした。

    パンフレット300円も読みごたえ抜群でした♪
    出演者全員のサイン入りシートに釣られて、ストラップ300円も購入。
    平日割引で3500円→3000円で入ったのですが、値段以上の満足でした★★★★★

    ネタバレBOX

    人が集まると、絶えず小さな衝突が起こるけれど、誰かは避難し、誰かはなだめ、誰かはいさめ、誰かはけしかけ、上手いこと出来ているなって、掛け合いの妙技にただただため息ばかりでした。
    あ、少し嘘です、笑っているか、泣いていました。

    「(衝突しても)時がいつか解決してくれる」
    「(喧嘩や争いを雨風に例えて)天が人間を鍛えてくれる」
    本当に素敵な言葉でした☆+゚'・

    外波山さんが、スーパーチャーミングおじいでした。
    かなり酷い人の役なのに!

    満足!!
  • 充実の初日
    いい感じに席がうまったレッドシアターで、井上ひさし戯曲ならではの良さを味わうことができました。

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