泣き虫なまいき石川啄木 公演情報 ハイリンド「泣き虫なまいき石川啄木」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    刹那すぎる啄木の晩年
    啄木の晩年3年間を描いた井上ひさしの戯曲を原作に沿って上演。
    井上戯曲の真髄を見事に表現。

    前作「華々しき一族/お婿さんの学校」に引き続いての観劇となったが、質の高さの脱帽。
    ハイリンドの底力を感じさせる秀作であった。

    ネタバレBOX

    啄木のはかない人生を、彼を取り巻くあまりにも人間くさい家族をからめつつし進行。
    家族の存在こそが彼の寿命を縮めさせたのであるが、終幕直前、啄木、妻、啄木の母、三者がそれぞれ結核に犯されながらも、お互いをいたわりあうシーンは涙を誘う。

    笑いと刹那さの微妙なバランスによって成り立つ井上作品。笑い、刹那さ、どちらかが多少でも多くなるとそのバランスは音を立てて崩れ去る。
    本作は、「笑いにつつまれるからこそ、浮かび上がる刹那さ」を余すとこなく表現。

    こまつ座以外で、これほどまでに井上作品を見事に演じた舞台はなかなかお目にかかれないのではないだろうか。

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    2010/03/30 00:46

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