風のサインポール 公演情報 風のサインポール」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-9件 / 9件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    鑑賞日2022/07/22 (金) 19:00

    「観たい!」にも書いているが、4月に上演されたベンチシリーズ第1作の「いかけしごむ」はまず劇場となる3階にあがろうとして、2階の踊り場を過ぎてギョッとしたのは階段に犬の糞が落ちていたこと。が、よく見ると犬の糞に似せたもので、下から上に(3階に向かって)「いかけしごむ」と公演タイトルが形作られているのだ。片隅に黒く焼け焦げたような紙の燃えカスのようなものもある。事程左様に劇場に入る前からムード造りが秀逸で、開演を待つ間も子供の泣き声が流され(私は開演されるまで、それが劇場外から聞こえてくるものだとばかり思っていた)観応えのある舞台を創りあげていた。
    今回はそのベンチシリーズ第2作。今回は変な仕掛けはないなと思いながら階段を上ると、入口手前の手すりが「立入禁止」のトラテープ(ポリスラインテープ)で塞がれていた(笑)。
    客席と演技スペースとの間にもトラテープが張られ、奥にベンチがある。ベンチの横には床屋のサインポールが立てられ、ベンチの下にはホームベースがある。
    やがて、客席前のトラテープが剝がされて開演。

    【ネタバレBOXに続く】

    ネタバレBOX

    ユニフォームを着てベンチに座りラジオで野球中継を聴いている男。と、何度かリードをとりながら、ホームスチールよろしくヘッドスライディングで突進してきた男。この男こそ「熱海の盗塁王」と異名をとった男だった。やがてこの2人の男の因果が明らかになっていく。
    サインポールが爆弾で赤と青のコードが延びておりそのどちらを切断すればいいのというおなじみの緊迫シーンも、そのコードの色がサインポールと同じ赤と青だというのが実にウマイ。

    上演時間1時間強の不思議な味わいの作品だが、前回といい今回といい、ちょっとクセになりそうだ。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    今作も階段から雰囲気満点!演者も良いし、スタッフさんも感じ良くて、良い時間が過ごせました。ありがとうございました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2022/07/22 (金) 19:00

     真夜中のベンチに男が1人。
    その傍には床屋のクルクルが立て掛けてある。何故ここにあるのかは分からない。
    そこへもう1人の男がやってきて、パチーン!とぶつかった瞬間からへんてこな攻防がはじまり、劇が始まったが、いつまで続くとも分からない男2人の、噛み合わず、一方通行な会話が続き、そのうち床屋風の男がもう一人の男に向かって、あなたは熱海の盗塁王だと言い出して、強引にその方向に持っていこうとする滑稽さや、シニカルさ、勘違いによる笑い、そして最終的に使われなくなった野球場にいたもう一人の男がかつて、甲子園の盗塁王であった可能性が強まっていき、最後はベンチの横においてあった床屋の壊れたクルクルが誰が新しい電池を入れたでもないのに、一人でに回りだす展開には呆気にとられ、闇の中で妖しく回る床屋のクルクルが不気味に点滅する光景に不条理さと同時に、急に恐ろしくなり、気付くと、身体が強張っていた。終わった後しばらくの間は、余韻が残って、劇場の椅子から立ち上がれなかった。

     劇団俳優難民組合の公演は、前にも、別役実作の劇を見たことがあるが、今回も、独特な間や、急に興奮して大声を出すところや、不条理でナンセンスで、最後には何となく不穏で恐怖を呼び起こす終わり方になっていて、それが劇団俳優難民組合の特徴でもあり、良い意味で、別役実に多大な影響を受けていると感じた。役者の台詞術や、急に興奮するタイミング、あえて、あんまり相手の顔を見ず、相手に合わせてるようで、合わせないやり取りも含めて、よく出来ていた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    階段を上っていくと2階のカフェを過ぎたところから「立ち入り禁止」の虎テープが
    思わず「ここでいいんですか?」と尋ねる
    狭いスペースの薄暗い狭いステージにはベンチと床屋のサインポール、手前にはやはり立ち入り禁止のテープ
    懐かしいラジオのコマーシャルが流れている
    開始はまあ「不条理劇」と言っていい
    途中からだんだんと風の床屋と熱海の盗塁王(現窃盗塁王)の素性が明かされて行くにつれ不条理劇的要素は薄れていく
    ふたりの声の大きさの変化の幅が半端ない
    最後にサインポールに灯りがともって廻り出すところはとても印象的だった
    もらった劇団コースターを持って行くと今後の公演は何度でも500円引きというのは初めてだな

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     板上はホリゾント近くの中央にベンチ。その直ぐ上手に床屋のサインポール。どういう訳か、ベンチの下、真ん中辺りにホームベースが在って違和感を醸し出している。
     明転すると野球のユニフォームのような衣装を着た男が正面を向いて腰掛けている。男の横にはラジカセ、腰には黒く小さな小物入れを付けている。出捌け導線は上手客席側の通路と併用。

    ネタバレBOX


     当パンを拝見すると大きな声を出すおつむのよろしくない者達が、世の中を仕切り仕切られている者達も大声で仕切る愚か者も真実を求める者の価値が見えず、掛かるが故に真実を追う者を馬鹿にする。というようなことが書いてあり、そのメゲルような状況の中で大抵の人は愚行に走り、いつしかその愚かさに気付いて成長してゆくのではないか? との視座が提示される。だが、大声で何かを偉そうに謂う者達の声に基本的に真剣に相手をしても始まるまい。言葉は静かに聞き取り得る限りの声で語られるのが理想だ。大抵大声を発する者達の発言自体が、内容の貧しさを隠す為であることを知る必要があろう。
     ところでベンチシリーズvol.1は別役さんの「いかけしごむ」であった。Vol.1の面白さは、例えばフランス語のabsurdeに「馬鹿げた」、或は「不合理な」という元々分かり易い訳語を当てるより漢語の難しい「不条理」という訳語を当てたがる滑稽に掉さしているような点に在るのかも知れない。別役さんの作品創りはそもそもこのように現実の持つバカバカしさを極めて鋭く独特の論理で批判解体した上で自分の思考・創造の過程でメタ化した台詞の面白さにあると言えよう。「いかけしごむ」には、製作者の論理的な思考があり、その思考や証言に矛盾が無いにも拘わらず、発想の突飛故論理的整合性や発明者の言動を信じることができない男の追及がある。即ち常識とされる在りきたりの発想しか出来ない者にとってこの発明者の言動は単に容認できない言動に過ぎない。観客は、そこで起きる事象を観ることによってこれら諸関係の在り様を正確に捉えることができ、このケッタイな発明と常識がぶつかり合った結果を知るのである。シナリオはそのように書かれていたと考えられるから、其処にセンチメンタリズム等が入り込む余地は無い。入り込めるのは、関係性を俯瞰した時にしみじみ見えてくるペーソスまでだろう。
     話題は少々飛ぶが川柳にこんな作品がある。‟あきらめましょうと どうあきらめた あきらめきれぬとあきらめた“ このようなメンタリティーは庶民の実感に極めて近く同時に多くの類音を用い、やんわり情に訴えることで成立していて、別役作品のようなドライなタッチとは質的に異なる。それゆえにcreativityでは劣るもののシンパシーを感じやすい作品として成立しているのだと言えよう。
     それに対して今回のvol.2は、台詞が余りに生であるように思う。或る意味素直な応答なのだが、捻りが無い。つまり作品の作り方としてベタな感じがするのを否めない。別の言い方をすれば人間の情や生きるということへの執着を何とかアウフヘーベンしようとするもののそれを実現する為の明確なヴィジョンも方法的な論理構築も未だ根拠を持てずにいるようだ。その原因として考えられるのは、我ら人間の位置が確定できていないことだろう。例えば地球という環境の中に存在するウィルスから総ての動植物に至る生態系の何処にどのように存在しているのが人間なのか? を考えてみるのも良いかも知れない。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    前回に引き続きベンチシリーズですが、前ほどミステリアスさが無いので少し物足りなかったかな。
    セットや雰囲気がとても良いので次も楽しみです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ベンチシリーズ第二弾。前作は、別役実「いかけしごむ」で孤独と寂寞といった世界観を観せてくれたが、本作は同じようにベンチを使用しているが、また違った雰囲気を漂わせている。どちらかと言えば、分かり易いストレートな内容で前作ほどの味わいは感じられない。しかし心情・情景描写といった演技力・舞台技術(特に音響効果)は印象的だ。
    (上演時間1時間)

    ネタバレBOX

    会場に入るまでの階段にキープアウトテープ、そして舞台と客席の間にもある。上演前に取り外し、奥は暗幕で囲われ中央に青ベンチ、その下に何故かホームベースがある。ベンチの右に持ち運びできるサインポールが置かれている。物語の進展によって、ここは立ち入り禁止になっている野球場であることが分かる。別役作品で用いられる街灯は、この物語では客席側上部に設えた、球場内を照らすライトといったイメージだ。
    出演者は男優二人。役名は「床屋」と「青年」で、敢えて抽象的な存在にすることで、個人ではなく“人間性”を浮き彫りにしているかのよう。

    真夜中 風が吹きすさぶ中、一人の男・床屋(山田隼平サン)はベンチに座り髪型(分け目)9:1分けを説明している。取り留めのない独り言、そこへ上手 客席側から一人の男・青年(福本雄樹サン)がホームスチールしてくる。偶然か必然か分からないが、二人は出会う。実は床屋は青年を知っているようで、親しげに話しかける。青年は、床屋が思い込んでいる男ではなく人違いだと説明するが….。
    因みに髪型9:1分けは、その人の(強烈な)個性を表現しているような。

    二人の ちぐはぐな会話、しかし少しずつ状況と心境が変化し、なぜ床屋が青年の正体に拘るのか、といった謎が明かされる。この噛み合わない、いや惚ける会話と展開の妙が見せ所であろう。出会い方こそ不明確であるが、以降の展開は分かり易い。前作のような孤独・寂寞といった雰囲気はなく、不条理といった味わいとは別の、どちらかと言えば未来志向を思わせる内容だ。床屋(父親というワンクッションを入れず、自分の現実〈過去〉の話の方が説得力がある)としての生き様は青年と共にあり、青年のリスタートは床屋の生き甲斐にも通じている。青年の野球人としての活躍、そして期待外れの結果は、その後の人生を一変させる。世間に背を向けて、ひっそりと生きる。

    青年が野球選手であったことは分かるが、プロ選手ではない。高校野球とも違うようで実業団野球か?世間に背を向けることは、自分が所属していたチームメイトとの関係性へ及ぶ。ホームベースの存在の意味、そこに隠された謎こそ青年が背負った苦悩のように思える。終盤、二人の道行きは「サインポール」の仕掛け、どちら(赤or青の切断)を選ぶのか。それは人生の岐路の選択のようでもある。
    男優二人の演技は確かで、ベンチに座ったり、その上に立ったり存分に活用しており、“ベンチシリーズ”に相応しい観せ方だった。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    本日伺いました。前回とは少し違いましたが、独特のテイスト、ちょっと難しかった部分ありましたが、楽しめました。また機会があれば拝見したいと思います。

この公演に関するtwitter

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  1. 劇団俳優難民組合第三回公演 『風のサインポール』 荷返しも終わり、無事に終幕です! この作品を書いてくれた加藤サラバさん。受付で9対1にしてくれた皆。 一緒にやってくれた福本雄樹。 見に来てくれた皆様。 本当に有難うございまし… https://t.co/eLCIrBIw7j

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  2. 劇団 俳優難民組合 第三回公演 ベンチシリーズvol,2 加藤 サラバ 作 『風のサインポール』 終演いたしました。 コロナ禍の中にご来場いただいた皆様には、深く御礼申し上げます。 有難うございました!! https://t.co/5KuKwm2egJ

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  3. 間もなく! 最終『風のサインポール』 開演いたします!! https://t.co/ogBIXjsZoG

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  4. 劇団俳優難民組合「風のサインポール」別役実さんのオマージュっぽいけど、それをさらに自分たちの表現に昇華した舞台。謎が謎を招き、停滞し、炸裂して解放する。シンプルな台詞と表情で戦う二人。これは俳難でしか味わえない世界観と思う。良かった。

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  5. 劇団俳優難民組合「風のサインポール」スターダスト。脚本加藤サラバさん。ベンチシリーズの第1作が流れちゃって残念だったけど、やっぱ転んでもタダじゃ起きなかったですね。3回観たので俳難が何を演りたいのか?なんかわかりました。硬派の連中の舞台は必見です。

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  6. 風のサインポール 千秋楽! お返事を返せてないかたすみません。 とにかく今日も2公演 13:00 18:00 どちらも当日券あります。 お待ちしております! https://t.co/6XYT1396gT

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  7. 昨日、劇団俳優難民組合『風のサインポール』を観劇。 だいぶナンセンスなくせに、なんだかよくわからないセンチメンタルさに、やられましたー。 ついでに野球中継はラジオに限ると、どうでもいい事も思いました。 https://t.co/M9m6GJObar

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  8. 劇団俳優難民組合 第3回公演 ベンチシリーズvol.2 『風のサインポール』 山田隼平さん福本雄樹さん ベンチにホームベースに… そこからもう不思議な世界に そこに風の床屋さんと盗塁王 そして山田くんは いい声だといつも思ってしま… https://t.co/IOcaMhaf0e

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  9. ご一緒して下さる、山田隼平さん(@0shunpe1) 「風のサインポール」今日初日でございました。 楽しみだなぁ~ こちらにもうちのチラシの折込あります! お手に取って下さいませ。 8/24(水)~28(日)北と… https://t.co/7Qhkc3tBp1 #雷を振れり

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  10. 本番前最後の休み。 とても楽しみにしてた2本観劇。 やむなく1作品のみになってしまった けども、是非みてほしい、、! 下北沢駅から徒歩1分 下北沢スターダストにて 「風のサインポール」 新井薬師前駅から徒歩7分 ウエストエンド… https://t.co/byQKF55YcC

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  11. 劇団 俳優難民組合 第三回公演 ベンチシリーズvol,2 『風のサインポール』 開演しております!! 本日は残りステージは19時公演! 23日 (土) 14時開演 19時開演 24日 (日) 13時開演 1… https://t.co/44f4XANd4l

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  12. 風のサインポール 本当におかげさまで、本日初日を向かえます。有難うございます! 🕘14:00開演   19:00開演 🚃下北沢スターダスト まだ数席お席ご用意できます! 連絡お待ちしてます! https://t.co/HTLNpqtD2d

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  13. 【こりっちチケットプレゼント!7/21(木)〆切(東京)】 劇団俳優難民組合「風のサインポール」7/22(金)~7/24(日)於:下北沢 スターダスト CoRich舞台芸術!: https://t.co/3dJFP1W3Uf ※ロ… https://t.co/Qeu2DqT83L

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  14. 稽古ラスト!!! 歯みがいて、 髭そって、 髪ととのえて 風のサインポール まもなく開幕!!! https://t.co/767s6IBsNB

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  15. 【あと3日】 風のサインポール本当に素敵な作品です。あの時の熱狂をもう一度。 どうか沢山のかたに観ていただけますように。 ご予約心よりお待ちしております👍 https://t.co/Ul2CvKYEVN https://t.co/xRTvcAiSFQ

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  16. 新着公演(9/9) 7/22~24 題:風のサインポール 団体:劇団俳優難民組合 劇場:下北沢 スターダスト https://t.co/5yUcahGF22 #東京観劇カレンダー

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  17. 風のサインポール。 加藤サラバさん、脱稿しました! ここから俳優の仕事が山積みです。 下北沢7月22日からの初日まで、誠心誠意台本に向き合う所存です。 チケットご予約はこちらから!!… https://t.co/epI6HrSxcz

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