あつい胸さわぎ 公演情報 あつい胸さわぎ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-9件 / 9件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     パンとステーキとお好み焼き。食べ物って大切ですね。
     想いは、思うようにはならないものであっても、あたたかな想いは尊いと思いました。

     映画版、来年、公開されるのですね。そちらも楽しみ・・・

    ネタバレBOX

     パンとお肉。お好み焼きは両方の素材を使うお料理かなぁ。食べる物って大切ですよね。自らの身体を形成する基ですもの。
     お肉は、弱った身体に力を与えてくれるように私は思っていて、ステーキを用意していた昭子さん、ステーキを食べながら話をしようといった千夏さん、共に生きることに前向きに対面する覚悟に至ったことがうかがわれました。
     ちなみに、パンは、手軽につまみ食いするような位置づけかな・・・美味しく思うところはあるけれど・・・

     ここで少し考えると、冒頭の、冷蔵庫に調味料以外何もないというのは、少し、「うーん」かなぁ・・・後で、木村さんのために昭子さんが保存食を作るエピソードが、昭子さんが「男狂い」したようにも映ります、千夏さんには、日常において、そういう配慮ができなかったのかと・・・でも、千夏さんのブラジャーのエピソードなども勘案すると、昭子さんの感性は、千夏さんほど細やかではないことを表現しておきたかったのかなぁ・・・

     そういえば、木村さんの転職は、ブラジャーが関連していましたねぇ・・・胸つながりかな・・・

     千夏さんは、とっても「かわいい」し、魅力的でした。創作課題がとっても雄弁にいろいろ語っていて・・・胸って、いろいろな表現につながっているのだなぁと思いました。それだからこそ、検査の結果は重かったなぁ・・・
     昭子さんは、千夏さんよりもざっくりとした性向のようだけれど、愛情深い人で、千夏さんを育てることで一所懸命だったのだろうなと・・・
     透子さんは、「実践あるのみ」の人なのかもしれないけれど、最近別れたばかりで、すぐに年下の誘いに乗ってしまう軽い人に見えたのが、少し残念かなぁ・・・パーソナルな接触で好きになってしまう・・・というような表現だとニンフォマニアみたいで・・・でも、千夏さんの思いを知っての展開を考えると、もう少し、年下の男によろめいてしまった背景の設定が見えるようになっていた方が、透子さんをすきになれたかもしれません。悪い人ではないのだけれど・・・パン好き人間。
     男性陣2人は、どちらも、コミュ力に問題がありそうで、意識せずに人を傷つけていそうかなぁ・・・役者さんが悪いわけではなく、そういう設定に見えました。
     なんだろう・・・女性陣に対する視線に比べて、男性陣に向ける視線が幾分ぞんざいかも・・・
     でも、それだからこそ、千夏さんと昭子さんのお話にスポットライトが当たるのでしょうね。
     
     最終日、滑り込みでしたけれど、観に行って良かったなぁと・・・
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    あつい胸さわぎの初演は観ていたが、
    今回の再演でも泣いてしまった。やはりこういう演劇は好きだ。コロナで新作が厳しいなら過去作の
    再演をまたやって欲しい。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    凄まじい傑作。これを見逃すことを考えるとゾッとした。評判の良いものはきちんとチェックしておいた方がいい。観ればすぐに解るように出来ている。
    かなり映画向きの題材、今作のラストをきっちり作品化できる奴がいれば凄い技量。(来年公開予定ですでに撮影済み!やれんのか!?)
    役者陣はもう何一つ言及する必要がない完璧な布陣。初演の辻凪子さんヴァージョンも観たかった。

    主演の芸大生、千夏役の平山咲彩さん。今作を観て彼女のファンにならない人がいるとは思えない。彼女の醸し出す等身大の痛みや生活の質感は至極。少女にこそ、これを体感して貰いたい。
    その母、昭子役の枝元萌さん。もうこの方は黒澤明クラスの映画の女優。この人が象徴している表現はすでに作品の枠を超えている。
    昭子の勤める縫製会社の後輩、透子役の橋爪未萠里(いゆり)さん。物語のキーパーソン、難役を見事に成立。
    縫製会社の新任係長、木村役の瓜生和成氏。全く演技なのか素なのか判断つかない。最早素人には解読不能。
    千夏の幼馴染みの役者志望の芸大生、光輝役の田中亨氏。凄くリアル、絶妙な配役。

    シングル・マザーで娘を大学にまでに入れた昭子。母子二人の暮らしには近すぎるが故の口に出せない痛みが点在。千夏は小説という手段で胸の内を吐き出そうとするが。

    田舎町にやって来たサーカス小屋、その色褪せたテントの美しさ。皆精一杯に優しくて精一杯に正しかった。ただただその無力さに泣くしかない展開。だがそれだけでは終わらない。

    ネタバレBOX

    「そんな話は置いといて、まずは腹ごしらえ、ステーキを食おう」。これまでの負け戦の分析ではなく、これからを生き延びる為のルートを探るラスト。「書き続ける事こそが生きる事」と言わんばかりにノートに無我夢中に書き殴り始める千夏。この瞬間こそが文学の誕生で、ひたすら書き殴った文字列がこの世界の根本を揺るがす。生きることは目的なのか、書く為の手段なのか、世界と自分との関係性がぐるぐる廻り始める。クラクラする終幕。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    三年前にアゴラで初演を見た。平成から令和へ、幕開きの傑作だった。
    再演は、コロナのただなか、劇場もスズナリに変った。配役は主人公の女子大一年生の役が辻凪子から平山咲彩に。最も印象が変わったのは美術で、アゴラでは数枚の平台をいろいろな形で組み合わせ、柱を立て、そこに赤い糸が張ってあった。今回は中央の円形の台を置き、その上に二つの丸い机を相似形に置き、それを囲むように抽象的な縦線の入った壁が垂直に立っている。
    セットが抽象化されたように本もずいぶんよく整理されていて、人間関係のドラマがテンポよく進む。大分短くなっているのではないか。今回は1時間50分。俳優の出入りも初演の不定形のセットと違って動きやすい。ちょっといいなと思っていた主人公が試作する課題の鮫(だったか?)の童話や、舞台になっている中小企業の繊維工場の生活感のあるシーンはかなりカットされている。その代わり後半になると、乳房をめぐる女性の生き方の論議などは補強されていてこの三年の間にもジェンダー問題はずいぶん深くなったと思う。
    この本は、作者がコロナ騒ぎの時に暢気すぎると批判されるのではないかと危惧するように(確かに私は、これは京塚と波野で新派で見たかったとも思った)、初演では、京阪神の地方都市の夏の情景を地方色濃く描いていてホームドラマとしても青春ドラマとしても、それを包括した時代のドラマとしても卓越した作品だった。大阪の現代の「はんなり」も素晴らしかった。令和を代表する一作品であることは初演も再演も同じ、時代を代表する傑作である。
    しかし、自分の好みで言えば、夏の縁台に続いているような母子家庭の母子の夏物語が人情噺の色濃く演じられた初演の方が好きだ。今回は大阪弁もせせこましい。初演のゆったりと演じられたサーカス見物のシーンなど忘れられない。橋爪未萌里は今回はなかなか良かった。瓜生は初演の時の笑い声の工夫など捨てなくてもよかったのに。全体に「軽さ」「世話物の人情(赤い糸)」が薄くなったのが私としては残念に思うが、それだけ、解りやすく、ドラマとしてはテーマの緊迫度が深まったともいえるので悩ましいところだ。

    ネタバレBOX

    地方から出てきたいい作者を時に東京の演劇界はつぶす。つぶすというのは言葉が悪いが東京の演劇界は興行と眼前で直結しているので、作者その対応にうんざりしてしまうということはあるだろう。。パルコも贔屓の引き倒しにならないように祈っている。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2022/08/08 (月) 13:00

    座席1階

    けしてハッピーエンドではないが、見終わって前向きになれる、少しの希望を分けてもらえるようないい舞台だった。

    大阪で会社勤めをこなしながら、一人娘を育てたシングルマザー。入学金などは家計に響いたが娘は大学に入学し、とりあえずホッと一息。そんな中、東京から上司が転勤してくる。大阪トークにほんろうされながらも誠実な受け答えに、この母はすこしだけ好意を持つ。一方、娘はこれまで恋愛経験なしという人生だったが、中学のころからの幼馴染が偶然同じ大学に入り、急に意識しだす。これがなんだか初恋となりそうだ。イケメンに成長した彼との会話も増えていい感じになってきたが、大学で受けた健康診断で再検査の通知が来てしまう。

    iakuのヒット作となったこの作品を、今回の再演でようやく見ることができた。映画化も決まっており、さらなるブレークとなるかもしれない。
    回転ドアのように出演者が出入りして場面転換を重ね、テンポのいい会話で物語が進む。舞台が大阪で、東京から(正確に言うと千葉から)転勤してきた男を飛び込ませるという設定は、大阪と東京で活躍する横山拓也のうまいところかもしれない。
    それよりも何よりも、この親子のそれぞれ恋の行方が今一つ暗くても、娘の健康に影を差す出来事が起きていても、舞台が閉じた後は「自分も、明日は少し頑張ってみようか」という気持ちになる会話劇がとても、さわやかに思える。

    演劇でこのような気持ちを受け取りたいなら、この舞台、見ないと損するかも。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    iakuの『あつい胸さわぎ』を観劇。

    夫と離婚後、娘をひとりで育てた母・昭子は、娘・千夏の芸術大学の入学に喜んではいるが、「学費が高い!」「将来は大丈夫なのか?」と嘆いている。
    幼馴染の光輝も同じ大学へ進み千夏の恋心が芽生え始め、昭子も会社の上司に関心へ持ってしまい、貧しいながらも親子は幸せな日々を過ごしている。
    そんな最中、千夏の大学での健康診断が再検査になってしまい、親子の人生を揺るがす出来事が起こってしまったのである…。

    胸をモチーフにした内容で、日常の中に突然に迫ってきた死をどのように選択していくか親子の葛藤が描かれている。
    少女の頃、胸の膨らみを好きな男子にからかわれた瞬間、初めてのブラジャー、恋心を抱いた時の胸さわぎ、希望の道に進める胸いっぱいの気持ち、19歳での乳癌と胸のエピソードからこんな物語を作れ、作・演出が男性とは驚きでもあるが、年齢、男女問わず、微妙な感情を描くことを得意とするiakuは今作でも完成度は高く、戯曲と演出力は本物である。毎作ごと、飽きることなく、観客の満足度は常に高い。
    先日観劇した野田秀樹も良いが、こちらも同等に素晴らしい!
    お勧めである。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    素晴らしい舞台でした。

    ネタバレBOX

    親子の掛け合いが楽しく、序盤から引き込まれた。
    親子の関係、恋、病気と、様々な悩みが交錯しながらも、爽やかに迎えるラストシーンがとても素敵でした。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    素晴らしい作品だった。
    コントのような笑いが散りばめられて楽しませてくれる中、母娘の微妙な関係性を見せてくれた。お母さん役の枝元萌さんが秀逸。おばちゃんの図々しさや粗雑さと、その中に見える感情を見事に演じられていて、さらに好きになった。
    ラストの終わり方も好き。語りすぎなのが良い。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    私の見てきた中でもベスト舞台の一つ。初演も良かったが、再演の今回も期待を裏切らない素晴らしい舞台だった。冒頭の夜食があるかないかをめぐる母娘の会話から笑える。母役の枝元萌が絶品。娘(平山咲彩)も、幼馴染の男の子コウちゃん(田中亨)に対する、臆病な恋心が仕草の端々から醸し出されて微笑ましい。
    さらに母親の職場の、上司の木村さん(瓜生和成)と透子ちゃん(橋爪未萠里)を入れた会話も笑える。この笑いはボケとツッコミが基本で、上質なコントや漫才のつくりである。母がボケても、東京(実は千葉)から来たばかりの不器用な木村は突っ込めず、そこがまた笑えたりする(笑)

    女性の「胸」をめぐって話が回っていく作劇が見事。喜び、恥じらい、成長、母と子のずれ、びょうき。肉体に関わるときめきや、性の目覚め、自意識が、胸によって具体化される。

    ネタバレBOX

    後半、娘の乳がんが発見されて、母と娘の関係が、無邪気でたわいなかったものから、真剣でヒリヒリしたものに変わる。とくに母親が娘に向かって真剣に語るラストが胸を打つ。

    母と娘の恋の行方もドキドキしさせつつ、二人ともサラリと失恋してしまう。ここの描き方がうまい。相手は何も気づかないまま、無理なく、本人に失恋を悟らせて、変にしこりを残さない。
    それが、母と娘の関係のラストをいっそう印象深くする。

    最後の母の言葉が、自分についての、20年も恋などしなかった、久しぶりの恋心と失恋の話だった。記憶では、娘のことをもっと語ったと思っていたが、それは「いつの間にか大きくなっていたんだね」(言外に胸も)「気づかなくてごめんね」の一言だけだった。あとは娘が「肉食って話そう」云々で、話の続きを予想させて終わる。それで見る方は涙腺が緩んでしまう。喋りすぎない、リアリティーを壊さない、余韻と余白を残したラストだった。

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