満足度★★★
そういう最高傑作ね
タイトルの最高傑作、そっち系のお話なのねと、タイトルは納得。
観終った後、理解度の悪いオイラは、まず全てが夢だったのと思ってしまった。
後、5つのオムニバスとの事であったが、確かに話が変わった感じは取れたが、変わったと思えず、そのまま続いてると思える部分もあったかな。
また、役者がいろんな役をやるから、ちょっとゴチャゴチャになってしまった。
したがって、上演時間が80分との事であったが、悪いほうでそれ以上に長く感じてしまった。
ただ、衣装や舞台を飾っている布などは綺麗でした。
満足度★★★★★
チャペックが底流にある Neo Genesis
一言で表現すれば「カレル・チャペックが底流にある Neo Genesis」、人工的に作られた「最高傑作」が人間よりも多数を占めるようになった未来を描いた連作的短篇。(ってか、各パートは交響曲などにおける「楽章」のようなものか?)
詩的でリズミカルかつ時には言葉遊びも含む台詞は耳当たりが良く、某書物と某戯曲を知っているとより楽しめる、な感じ。
また、その台詞回しや衣裳から(内容的にはシリアスな部分もありつつ)、どことなくメルヒェンチックで「やわらかい」印象も受ける。
台詞と言えば「最高傑作」たちが交わす会話は創作言語とのことで(←アフタートーク時の質問で得た回答)、その言語らしさが見事なことは ZIPANGU Stage の『航海綺譚』(05年)と双璧を成す。
で、「最高傑作」は所謂「ロボット」(=機械仕掛けの自動人形)ではない、なんてあたりでチャペックが「R.U.R.」に登場させた「ロボット」を思い出していたら「ロッサムという人が作った云々」という台詞が出てきて Bingo!みたいな…(笑)
それまでとガラリと変わったトーンで、かつプロローグと対を成すエピローグ(客電もあげる(!))で締めくくるのもイイ感じだし、最後の最後で各国語の「ありがとう」「さよなら」を(通訳付きで)羅列するのも好印象。
あと、本編でバベルの塔もモチーフとして使っているのだが、スタイリッシュなオープニング映像の中にピーテル・ブリューゲルの「バベルの塔」がもっと延びているカット(←今、書きながらフト思いついたのは「パーフェクト・ジオングみたいな」という形容…(笑))があったのにもツボを突かれる。
満足度★★★★
観客を置き去りにしない手腕は見事
「最高傑作」という題名を誤解してしまいましたが、
それも狙いのうちだったのでしょうか(笑)。
パンフレットに親切に「鑑賞のポイント」を書いて
ある。5話のオムニバスだが、ひとつの物語であること。
(柱に分断された空間を逆にうまく生かした芝居で、)
どの位置からも意図的に死角を作り、観客の想像力
にゆだねていること。
一種のSF、神話だが、傍観することなく、壁を作らずに
窓から積極的に覗き込んでほしいということ。
これを読まなかったとしても、自然にそのポイントを理解して
観るようになっている点が巧みだ。
確かに深く理解しようとすると難解だけど、佐野木雄太は
観客を置き去りにしないところが評価できる。
毎回、PPTを開き、積極的に自作を語る。
この姿勢は貴重だ。
満足度★★★★
掛かり方に磨かれて
冒頭、連作の、それぞれのパートから滲み出るニュアンスには、
バラツキというか個々にバラけたようなものもあるのですが、
ひとつずつの表現する色が深く鮮明で
目を離すことができない。
やがて
やわらかくつながるものが浮かんできて
その掛かり方に個々の作品が磨かれて・・・。
終わってみれば不思議な
満たされ感を抱えておりました。
満足度★★★
意欲的な作品!
前回、シアターグリーンで刺激的な舞台を作り、今回は「最高傑作」というので嫌でも期待に胸膨らませて見に行った。
結論から言うと、私には少し難しい芝居だった。5つのオムニバスによって構成されたひとつの物語ということだが、そのひとつひとつの位置づけがいまいちよく理解できなかった。
ルデコは銀石には使いづらかったのではないだろうか?前回、幕あきから圧倒的な空間演出で魅せてくれた印象があるので、今回は少し会場が狭すぎたのではないかと感じた。
役者では内山唯美に魅力を感じた。また横田秀充がいい味を出していた。
随所に光る部分があったので、これからどんどん良くなっていくだろう。