満足度★★★★
観客を置き去りにしない手腕は見事
「最高傑作」という題名を誤解してしまいましたが、
それも狙いのうちだったのでしょうか(笑)。
パンフレットに親切に「鑑賞のポイント」を書いて
ある。5話のオムニバスだが、ひとつの物語であること。
(柱に分断された空間を逆にうまく生かした芝居で、)
どの位置からも意図的に死角を作り、観客の想像力
にゆだねていること。
一種のSF、神話だが、傍観することなく、壁を作らずに
窓から積極的に覗き込んでほしいということ。
これを読まなかったとしても、自然にそのポイントを理解して
観るようになっている点が巧みだ。
確かに深く理解しようとすると難解だけど、佐野木雄太は
観客を置き去りにしないところが評価できる。
毎回、PPTを開き、積極的に自作を語る。
この姿勢は貴重だ。