最高傑作 -Magnum Opus- 公演情報 劇団銀石「最高傑作 -Magnum Opus-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    チャペックが底流にある Neo Genesis
    一言で表現すれば「カレル・チャペックが底流にある Neo Genesis」、人工的に作られた「最高傑作」が人間よりも多数を占めるようになった未来を描いた連作的短篇。(ってか、各パートは交響曲などにおける「楽章」のようなものか?)
    詩的でリズミカルかつ時には言葉遊びも含む台詞は耳当たりが良く、某書物と某戯曲を知っているとより楽しめる、な感じ。
    また、その台詞回しや衣裳から(内容的にはシリアスな部分もありつつ)、どことなくメルヒェンチックで「やわらかい」印象も受ける。
    台詞と言えば「最高傑作」たちが交わす会話は創作言語とのことで(←アフタートーク時の質問で得た回答)、その言語らしさが見事なことは ZIPANGU Stage の『航海綺譚』(05年)と双璧を成す。
    で、「最高傑作」は所謂「ロボット」(=機械仕掛けの自動人形)ではない、なんてあたりでチャペックが「R.U.R.」に登場させた「ロボット」を思い出していたら「ロッサムという人が作った云々」という台詞が出てきて Bingo!みたいな…(笑)
    それまでとガラリと変わったトーンで、かつプロローグと対を成すエピローグ(客電もあげる(!))で締めくくるのもイイ感じだし、最後の最後で各国語の「ありがとう」「さよなら」を(通訳付きで)羅列するのも好印象。
    あと、本編でバベルの塔もモチーフとして使っているのだが、スタイリッシュなオープニング映像の中にピーテル・ブリューゲルの「バベルの塔」がもっと延びているカット(←今、書きながらフト思いついたのは「パーフェクト・ジオングみたいな」という形容…(笑))があったのにもツボを突かれる。

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    2009/12/24 10:07

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