光る河 公演情報 光る河」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
1-16件 / 16件中
  • てがみ座「光る河」
    当事者にとって、傍観者にとって、リアルとは何か?を問う構成、と解釈できなくもない。

  • 満足度★★★

    新ジャンルへの挑戦には好感
    台風による土砂降りの雨の中、放送局の経理課勤務の夫が帰宅すると暗い家の中で呆然としていた妻が「人を轢き殺した」と言い、一方、河川敷ではホームレスの老人と発達障害の少女がブルーシートハウスに戻らず…という状況から始まる物語。
    前回が4Bの鉛筆を使ってフリーハンドで「描いた」のに対して今回はロットリングと定規で「製図した」ような印象。
    それはそれで構わないのだが、第1場のショッキングな妻の告白に続く第2場で登場するTVクルーがコミカルすぎてその落差の大さから「ここ、笑うトコ?」と戸惑ってしまうし、さらにそのクルーの取材に一介の経理マンが同行するのは強引で無理があるのが残念…ということで出鼻をくじかれた感じ?
    また、群像劇でありながら「少女を殺した犯人は誰か?」という部分に気を取られてしまい(←σ(^-^) だけかもしれんが)、犯人逮捕の後で主題が提示される頃には観疲れてしまっている(全体で125分あるし)というのも惜しい。
    どうせならTVクルーをところどころでコメディリリーフ的に使うとかして息抜きをしておけばイイのに…。
    前回は4日程度で書けたのが今回は2ヶ月もかかったというハナシを終演後に伺って「さもありなん」な感もアリ。が、新ジャンルへの挑戦ということには好感。
    一方、基本的には同じながら様々な場として見せることのできる装置は前回に引き続き見事。
    開演前に見た時は「なるほど川べりのハナシなのね」と思ったが、冒頭から予想外の使い方をするし、手前にあるパーツがサンダーバードの秘密基地みたい(喩えが古いねどーも)だし……それにしても蝶番とローラーを使うのが好きねぇ。(笑)

  • 満足度★★★

    舞台美術がとてもきれい
    セットを少し移動するだけであらゆる場面が織り出されるのは
    観ていて気持ちが良かったです。謎解きはやや強引かもなあ。

    釈然としないところは、ネタバレにて。

    ネタバレBOX

    綺麗なラストを迎えますが、どうも釈然としないのです。

    ひき逃げをした妻が黙ってることに苦悩している時に、
    実は車にひかれる前に死んでたんですよ、よかったね、
    って、一度でもその思考を通過してしまうと興ざめです。

    万引きした子供が

    「ぼく、盗ってません!」
    『認めれば、今日は帰って反省して貰おうと思ったのに』
    「‥ぼくがやりました」

    的な、あざとさが生理的に受け付けないというかなんというか。

    すぐに自首した奥さんの罪を少しでも軽くするために、
    旦那が真相を探る、って方がよかったなあ。
  • 満足度★★★★★

    現時点で今年最高の作品!!!
    いい作家、いい本にはいい役者さんが集まりますね。

    前作も取材能力には感心しましたが、今回もご本人がおっしゃっているとおり取材に尽力されたことが分かりました。

    今回の取材場所は多摩川を前回よりも少し上流に上った所のようですね。

    村井美樹さんはとてもお綺麗な方で、ビックリしました。

    ネタバレBOX

    二郎さんも含めて登場人物それぞれが、二面性を持っている奥の深さには感服しました。

    しかし、確かに、子供が病気になっても親を頼れないことが事故の遠因になったのでしょうが、兄のフィアンセを横取りした夫婦という設定にまでしないといけないのかと考えさせられました。

    奥の壁に映し出された川面は綺麗でした。

    役者さんが後ろのV字を気にしながら跨ぐのが気になりました。
    \_/のようにそのまま歩いて通れるように少し間を開けておけばと思いました。

  • 満足度★★★

    初日と比べて、
    演技が丁寧になっていて、随分観やすくなった感じ。

    ネタバレBOX

    父性の様々な有り様は感じられたのですが、
    もっと母性が描れていれば良かったのかも。
  • 満足度★★★★

    描きたいものが多すぎたのでは?
    今回も、長田さんの作劇の構成力には感心しました。
    前回の2作品ともまた異なるタイプの芝居で、サスペンスタッチなストーリーなのに、筋に何の破綻もなく、ご都合主義な展開もないし、それでいて、説明台詞は極力廃しつつ、ストーリーと人物を同時に描ける筆力もある。
    やはり、相当才気のある方だと再認識しました。

    ただ、残念なのは、サスペンスタッチにしたために、事件の核心に迫る物語進行に筆が割かれ、その分、各登場人物の掘り下げが充分でなかった点です。
    本当に、実力あるキャスト揃いでした。気になる人物もたくさんいました。
    それなのに、各人の抱えている思いの表出には至らない部分が多く、もったいない感がありました。
    これだけの実力あるキャストなら、もう少し各人を掘り下げて書かれた脚本で、手塚夫妻を脇役にした、別バージョンの「光る河」が観てみたい思いに駆られました。それも、舞台ではなく映像で。  

    ネタバレBOX

    登場人物が11人。その内、主要人物が5人。でも、その上、死んだ人間二人と、手塚夫妻の姉も、キーマンとして描かれている。
    それなのに、事件の経過と顛末をストーリーとして、描かなければならない。
    描きたい題材を随所に散りばめ過ぎて、ストーリーも人物も、中途半端な描き方になってしまった気がします。
    手塚夫妻の、姉を裏切って逃げたという心理的ダメージも、想像はつくけれど、細部を理解するには、説明が不足していました。
    それを、客に提示するために、妻がひき逃げ犯になるかもしれないパニックシーンで、二人があんな回想をしたり、夫が、鞄の中に閉まっていた離婚届用紙を破り捨てるのは、情況として、考えにくい気がしました。
    父が取り上げた子供に対する、父と同じ職業を選んだ巡査の思い。人生に希望をなくして、起こった出来事に抗うのをやめた、浮浪者の女の思い。公務員でありながら、犯罪に手をそめてしまう倉橋の心の軌跡、仕事と信念の矛盾に悩む、若きテレビマン…。そういう、見届けたい素材が、最後まできちんと料理されていなくて、おいしい食事を味わいきれない不満が残りました。
    あえかさんの歌のバックに映る映像が、その足りない部分をずいぶんと補っていたので、この題材はむしろ映像向きだったように感じました。
    「天国と地獄」のような、高層マンション住人と、河川敷のホームレスの対比も 、映像の方が説得力を持ったでしょうし。
    登場人物11人で、サスペンス2時間ドラマ的題材は、不向きなのではと感じました。 

    松田正隆さんの作品や、キャラメルボックス版「容疑者Xの献身」や、黒澤監督の「天国と地獄」や、内野さん主演の「ブラック・バード」や、様々な演劇や映画が頭をよぎり、これは、長田さんの引き出しの多さが、裏目に出てしまったような気がして、観ていました。

    前回の公演で、人の良い工場従業員役だった武谷さんが、今回は、全く異なる役を好演されていて、ふり幅の大きい役者さんだと感心しました。
    田村さん、尾崎さん、大石さんと共に、今後も注目したい役者さんが、また一挙に増えて、今年は、また観劇舞台が大幅に増えてしまいそうです。
  • 満足度★★

    テーマは分かるけど...
    大胆な舞台美術、出演者の確かな技術と好演が光っていました。
    ただ、脚本が描き出したいテーマと物語の進行がちぐはぐな感じがして、違和感を感じました。物語の進行を優先するあまりに、個々のキャラクター設定や心理描写が手薄に感じられ、結果として物語全体の存在意義が薄まってしまったように感じられます。
    上演時間2時間強もやはり長いと感じました。

    ネタバレBOX

    【ストーリー】
    ある台風の夜、妻が夫にひき逃げをしてしまった事実を伝える。妻はひき逃げを隠し通す道を選ぶ。マスコミ社員でもある夫は事件現場を独自に調査するという道を選ぶ。浮かび上がってくるのは、ホームレスの少女を行き当たりばったりに殺してしまった福祉局の男。

    【感想】
    まず、ミステリーとして読み解いた場合、二つの事件の犯行動機はあまりにも行き当たりばったりだ。犯人側の悪意に満ちた完全犯罪への隠匿行為は見受けられず、日本の誇る警察力であれば95%以上は検挙されるであろう犯罪ではないだろうか。
    となれば、この作品の主軸は犯罪の真相解明ではなく、ひき逃げ犯の妻と、殺人犯の福祉局の男、それを取り巻く家族たちの心理描写に終始したヒューマンドラマではないだろうか。
    しかし、物語の進行を優先したのか、登場人物個々人の行動動機や心境変化が強引で、結果的にキャラクターの存在感が立ち上がってこなかったように感じられた。役者陣の好演でそれぞれのシーンの進行そのものはうまくいっているように見えるが、実際のところ、作者が苦しい思いをして描き出したかったテーマの奥行きが見えてこない。
    また、垣間見える事実から事件の真相が観客に伝わった後の謎解きシーンや断罪のシーンが長く感じた。手前の真相究明を短くするか、究明後のシーンを短くするかは作者のさじ加減によると思うが、なんにせよ全編2時間強は長かった。書き上げた脚本を削るのは苦しいだろうが物語のスケールとつりあいの取れた上演時間も大事な要素ではないだろうか。

    描き出したいテーマやホームレスという切り口、キャストの好演、大胆な舞台美術など、素晴らしい点も多く感じられたので、今後に期待したい。
  • 満足度★★★★

    もっとつながりがあればさらに・・・
    物語自体はとてもしっかり作られていたと思います。
    個々のシーンにも秀逸な部分がありました。
    終盤の展開も力強かったです。

    ただ、この戯曲が本来持っている力が
    100%具現化されているかというと
    まだ埋められるべき余白があるように感じられました。

    ネタバレBOX

    よくできた戯曲だと思うのですよ。

    冒頭のシーンで観客を捕まえておいて
    次第に全体像を浮かび上がらせていく物語の展開に
    飽きることはなかったし、
    川に託した想いが伝わってくるラストにも瞠目しました。

    ただ、この舞台はもっと奥行きのある想いを
    伝えられる力を内包しているのにとも思う。
    舞台上の世界が、終盤までの道程に
    客を巻き込み切れていないような感じもして。

    一番率直に感じたのはシーン達のつながりの悪さ。
    特に前半から中盤にかけての個々のシーンのイメージやニュアンスが
    後につながるシーンの雰囲気を
    うまく作り切れていないようにおもうのです。

    舞台の動かし方や場面転換などに
    いろんな工夫は感じられるのですが、
    シーンごとのブツ切れ感がある。
    その裏側には
    それぞれのシーンで作り上げられたものが
    つながれていくときに受け取る側のシーンと
    しっかりと噛み合っていかない部分があって。

    結果としてそれぞれの場面がつくる、たとえば背景の景色などが
    くっきりと浮かんでこないのです。
    大道具などを立てこんでいる舞台ではないので
    観客がシーンの風景を心に描くためには
    前に語られたことの色ってとても重要で・・・。
    その受け渡しに微妙なずれを感じる部分がある。

    たとえば、マンションの中庭に建てられたという浮浪者のテント、
    概念はしっかりわかっても、
    その後ろに広がりうる風景が舞台から十分にやってこない。
    あるいはマンションの内側のシーンにしても
    ブルーシートと比較しての豊かさを感じるものが
    舞台から観る側の感覚に伝わってこない。
    台詞や演技から想像しうるものではあるのですが
    それらが前のシーンからの伏線やつながりから醸し出されると
    観る側がさらに深く舞台に入り込んでいけるとおもうのです。

    終盤のいろんなものが解けていくような感覚に
    しっかりとした厚みを感じ、
    視座が大きく広がり、常ならぬ世界観が広がっただけに
    その足腰となる中盤のやや弱い部分が
    とてももったいなく思うのです。









  • 満足度★★★★★

    クオリティ高すぎ!
    今夜観てきたこの公演が、今年の観劇初めだった。
    作品・役者・美術。。。どれをとってもクオリティ高すぎ!
    これは抜群の出来でしょう。
    劇小劇場って狭い劇場にいることを忘れるほど空間の広がりを感じた。
    冒頭から飲み込まれて、一瞬も飽きなかった。
    こんな体験はひさしぶり。
    いやぁ、ビックリした。こういうもの創ってるとこがあるんだねー。
    何本もの糸が、一本の揺ぎ無い流れになっていく作家の手腕。
    それが全部タイトルに集約されていくのが本当によかった。

    ネタバレBOX

    いなくなった浮浪者が見えてくるようだった。
    作者がパンフレットに、演劇にこだわる理由みたいなものを書いてたけど
    それがこれかって思った。

    中盤以降の謎解きの過程が、夫のつぐないの旅になっているのがよかった。
    それによって、夫がいなくなった浮浪者の代弁者となっていく着地点。
    その遠回りな道のりが、最後の川べりのシーンにつながるんだろう。

    最後の川べりのシーンはいいねー。
    妻と夫の最後の会話部分、もう一回聴きに行きたい。
    ひとつの光景として、いつかまた思い出しそう。

    新人レポーターの眼差しで終わるのも印象的。
    これは、別な角度から見たら彼の成長物語かもしれないって思った。
    いなくなった人間がここにいたことを、彼が未来に伝えてくんだろう。

    新年一発目がこの舞台でよかった。
  • 満足度★★★★★

    良かった!
    まず終演した後「おもしろかった!」と叫びたくなるような作品。脚本、演出、役者すべて秀逸。地方都市の橋の下をイメージした舞台美術も美しかった。

    ネタバレBOX

    嵐の日、ひき逃げをしてしまった妻、それを知ってしまった夫。集まるマスコミの人々、ホームレス、警察、役所の役員・・最初は繋がりのない人々が序々に繋がっていくおもしろさ。謎解き、サスペンスの要素もありながら、人間ドラマもある作品。

    当日パンフレットの上に封筒が置いてあり、中に演出挨拶が入っている演出もおもしろかった。

  • 満足度★★★★★

    いい感じ!!
     心に響く、脚本・演出(作品)で、とても良かったです。後半から涙あふれ出し、感性が震えました。気持ち・心情が重なる場面の連続で、感情のコントロールができずに、かなり、もっていかれました。心落ち着くまでと、当日のアンケートに記入できないほど。

     公演後も、その余韻と心地よさが続き、音楽(歌:あえか)が、ステキに耳元でささやいてくる、二度目の揺り返しを楽しみました。

  • 満足度★★★

    展開に「?」も付きましたが…
    それ以上に、スマートに心を打ってくれる台詞が多かったのがとても印象的でした。

  • 満足度★★★★★

    良かった!!
    長田育恵の作り出す世界、紡ぎだす言葉、強く優しいメッセージ、サイコーでした!!
    村井美樹さんをはじめとする役者陣も、素晴らしかったです☆。
    シーンによって七変化する舞台美術、演出も観ていて飽きませんでした♪。オススメです!!

  • 満足度★★

    なんだかな。
    話の筋を追っていればそれなりに時間は過ぎていくんだけど。演出の雑さがどうにも残念。俳優それぞれの演じ方の違いを埋めてなかったり、場面転換が美しくなかったり。タイトルに対してのセットも効果的とは思えず。

    ネタバレBOX

    お話自体は映画とかのほうがいいんじゃないかな。命を大切に、みたいなメッセージを言葉にしたいなら。舞台でそういう言葉を発しちゃうと陳腐で恥ずかしい。
    あと、犯人を追って謎を解いていくって形なら誰か一人の視点を置いてくれたほうが観やすい気がします。
  • 満足度★★

    あれ?
    う~~~ん。

    ネタバレBOX

    テレビの2時間サスペンスなら成立するか...。
    武谷公雄が抜群の出来!

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