『F』 公演情報 『F』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-20件 / 37件中
  • 満足度★★★★★

    2回目
    観ました。

  • 満足度★★★★★

    「明日」を売って「今日」を手に入れようとした少女の物語。
    季節と共に移り変わっていく2人(?)の“想い”が切なくて胸が苦しくなりました。端田さん、多田さん二人ともとてもキュートでした。タイトルの『F』の意味は作家さん以外誰も知らないそうですが、端田さんと同じく僕も“ふたり”という意味だと思いました。

  • 満足度★★★★★

    「F」というトリガーから広がる世界
    近未来の話として観ていたはずなのに・・・。

    とても、近しく切ない感覚に浸潤されました。

    ネタバレBOX

    舞台が始まって少しの間は
    近未来の話をのほほんと観るような感覚でした。

    冒頭のお花見の感覚、
    男性がアンドロイドであることから
    それが近未来の話であることがわかる。
    執事ロボット杓子定規な言葉づかいから
    急に砕けた言葉に代わって、
    少しずつ互いの理解が生まれていきます。
    ちょっとヴィヴィドで楽しげな雰囲気さえある。

    でも、二人の会話から
    女性の背景が明らかになるにつれて
    彼女の口調とは裏腹の、
    舞台上の心を締めつけるような世界観が明らかになっていきます。

    明日がこない、
    永遠に今日が続くような貧困から
    命と引き換えに抜け出した彼女。
    彼女の利益を守るという前提の中で
    次第に彼女の感覚を理解していく・・・、
    でも彼女の愛を受け取るすべを知らないアンドロイド。

    彼女が通過する四季、
    季節のシンボルと交わる、
    切ないほどにいびつな感覚が
    観る側の心を繊細に強く締めつけます。
    浴衣の着付けをするふたりの滑稽さ。
    自らが夏にいることを確認するようにはしゃぐ女性が
    火のつかない線香花火をもって花火と確認する姿から、
    彼女のうちに刻まれたどこかうすっぺらな時間への
    切実さとはかなさを感じて。

    彼女が命と引き換えに得た富で得られるもの。
    命が満たすものの重さ。
    正しい意見はいらないと女は言います。
    楽しくないからと・・・。
    その感覚がとても自然でナチュラルなものに感じて、
    近未来の感覚がふっと消えて
    その世界の今で彼女を観ていることに気がつく。

    秋の味覚、
    一緒にできない食事。
    彼女が求める時間とアンドロイドが差し出す満足の乖離。
    ただ、食事をしただけで、
    それを秋と自分を言い含める彼女の姿に
    涙があふれてしまいました。
    「小さい秋みつけた」に編み込まれた
    うつろうような秋の気配が
    劇場内を満たすひととき。
    彼女の唇から発せられるその秋が
    数口の味覚に置き換えられてしまうことが
    あまりにも切ない。
    あまりにも切ないのですが、
    でも、その数口がまるでモルヒネのように
    彼女のひと時の痛みを和らげていることが
    観る側に諦観を与えていく。

    冬、クリスマスツリー、
    彼女に漂う終末の雰囲気。
    七夕の偽物で
    クリスマスツリーに祈る。
    その祈りに、彼女の想いが溢れる・・・。。
    彼女のうちに膨らんだ愛する気持ちが
    静かにまっすぐその部屋に広がっていく。
    その言葉の行き場のなさを覆い隠すように
    彼女に言われたアンドロイドが
    かりそめのクリスマスを祝う。
    その死は,物語のなかではしごく当然にやってくることで・・・。
    だから、アンドロイドのチアと裏腹の
    彼女の最期自体は淡々と観ることができました。
    でも、抱きあげられた彼女の姿を観て
    彼女が刻んだ思い出の行く末が
    どこにもないことに気がついて。
    アンドロイドの言葉に再び目頭が熱くなった。

    帰りの電車の中で、本当にいろんなことが頭をめぐりました。
    貧困が奪うもの、命の重さ、人の平等という建前と現実。
    思い出ってなんだろう。彼女は不幸だったのだろうか。
    すこし醒めた見方をすれば、
    よしんばリアルな世界であっても
    愛されたいと思う気持ちや人を思う気持ちの虚実って、
    実は彼女とアンドロイドの関係にも似ているかもしれないとか思ったり。

    さらには、アンケートにもありましたが、「F」ってなんの象徴だろうか・・・。
    Fake,Future、Feel, Feed, Fortune, Free, Forget, Fear、Fare。
    さまざまな[F]がこの物語に溶け込んでいることに気づく。
    「F]のトリガーから浮かび上がる物語の奥深さに
    再び息を呑んだことでした。
  • 満足度★★★★★

    味わい深き、かなしみ
    近未来を舞台に繰り広げられる出会いはずの無い少女とアンドロイドの悲しい物語。


    それにしても、青年団リンクのクオリティーの高さに、昨年から驚かされてばかりである。

    ネタバレBOX

    自然が破壊しつくされ、特殊な温室のなかでしか桜が咲かないような荒廃した近未来。
    弱者と勝者の地位が圧倒的に固定化され、弱者は勝者の世界を夢見ることさえ、許されないような世界。
    毎日、食べるものにさえ事欠く生活を送っていた少女は自らの命と引き換えに、一瞬の「生」を手に入れる。
    少女は、新薬開発の人体実験に自らの体を差し出す。健康体に、不治の病のウィルスを宿し、そのウィルスへの新薬飲むことでつかの間、命を長らえる。
    新薬は開発段階のもので、効き目は定かではない。というより、効果は期待できず、死んだ後の検体に製薬会社の目は向かられている。

    少女は貧困のただなかにある生活に意味なないと考え、人体実験に身をささげることで、お金を得、初めて「人間」らしい生活を手に入れる。
    少女は確実に死ぬことを自覚しながら、一瞬の生に感謝し、後悔は一切ないと言い切る。

    少女は命と引き換えにつかんだ大金で、アンドロイドを購入する。
    その人型をし、感情以外はすべて人間と同じにプログラミングされたアンドロイドは「彼女の利益を守るためにプログラミングされている」という。

    今まで、誰からも人間扱いされたことがなかったであろう少女は、アンドロイドの振る舞いにと毎度ながらも次第にアンドロイドにひかれていく。
    死を自覚すればするほど、アンドロイドへの思いは募り。。。
    当然のことながら、彼女を思うをアンドロイドは受け止めることができない。
    彼女とアンドロイドの思いがすれ違うさまは何とも物悲しい。

    舞台(彼女の命)の終焉に近づき、彼女はアンドロイドに、アンドロイド自身のために生きるよう諭す。
    それはまるで、自分の死を受けう入れながらも、自分の分身として、生きていくことを願うかのように。
    この一瞬の彼女の生が凝縮されているかのように。

    終幕、アンドロイドは何を彼女に囁いたのであろうか。
    また、アンドロイドは彼女を抱え、どこにつれさったのであろうか。

    見終わった後も、想像力をかきたてらる秀作であった。



  • 満足度★★★★★

    もっともっと・・・
    観た後、こんなに切なく自分の中に残っているお芝居は少ない。内容はとても切ない。でも思わず笑ってしまった瞬間に、「あ」と心臓をつかまれてしまう。
    こまばアゴラ劇場という空間にぴったり、照明も音楽もその空間に私たちを存在させてくれる役者さんのようです。2人きりのお芝居ですが、みんなあの場所にいて、一緒に一人と一体との時間をすごしたな、と思います。そして劇場を後にして歩きだす時には、ぎゅっと口をかみしめるのですが、口角をあげて歩きだせるお芝居です。

  • 満足度★★★★★

    せつない芝居でした。
    終演後、いろんなことを考えながら電車で帰りました。端田さん多田さんよい芝居でした。

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    なんとも切ない話。もう1回観たい。お勧めです。

  • 満足度★★★★★

    好きな雰囲気
    いい脚本だと思う。好みの雰囲気を持った芝居だった。
    密度の濃い二人芝居。終わり方に関して、色々考えさせられる作品だった。

    ネタバレBOX

    彼女は、どんな気持ちで死んでいったのか?
    彼は、その後、どうしたのか?

    僕は、彼女は幸せだったと思う。たとえ、つかの間だったとしても。
    たとえ、彼女の想いが、彼に理解されなかったとしても。
    人間の気持ちが理解できない彼。それでも、彼女の気持ちに
    答えようとする多田さんの演技は、とても良かった。
    それは痛みでもある。

    彼女の死後、彼は逃げたりはしなかっただろう。
    彼の思考は止まる。思い出の中に。

    「F」とは何か。分からない。でも、それが彼女の名前で、
    それをずっと忘れずにいるアンドロイドがいたとしたら、
    とても幸せな事じゃないかと思う。
  • 満足度★★★★★

    ひと言で言えば切ない
    人間ってやっかいだな、って思う。人間に生まれてきた女がアンドロイドに愛情を持ち始めたのをきっかけに一人と一体の言葉による交差が表現される。いわば人間の心の襞を表現した舞台だけに切ないのだ。しっかりした芝居だった。観てよかったと心から思う。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    舞台の序盤、あれ?正月?みたいな音楽が流れる。そのうちポップな音楽に切り替わる。

    一人の女が登場するがやたら元気だ。ちっさなガキ大将みたいにやんちゃで楽しそうだ。一方もう一人の男はこの女の僕のように振舞っている。しかし女は男のそんな慇懃でよそよそしい態度に「もっと友達みたいに対等にして。」と要求する。その要求に男は従う。なぜって彼は女の利益を一番に考えるアンドロイドだったからだ。

    女は新薬開発の機関から、契約金をもらって施設に隔離されていた。毎日、未認可の薬を飲み続けて人体実験をさせられていたのだ。だから、女は時間の経過と共に、だんだん体が衰弱していく。それでも確実に死に近づく薬を飲み続けなければならない。死んだあとは献体をも契約していた。

    そんな彼女をアンドロイドは親身に世話をやく。「オレはお前の利益を守る。」といって至れり尽くせりなのだ。まるで父親がちっさな子供をあやすように女の幸せや楽しみの為なら自分を犠牲にしてでも尽くす。こんなアンドロイドが常に傍に居たらどんな鉄仮面の女だって、「よよよ・・・よ・・?」と燃えてしまうのだ。「ああ、ワタクシの命はこの蝋燭の長さなの。燃え尽きてしまったらワタクシの命も消えちゃうの。」なんつってヒロインにだってなっちゃう!笑

    そして女もやがてこのアンドロイドに恋をする。女は自分の命の火が灯っている間は季節を楽しもうとする。春にはアンドロイドと桜を愛で、夏にはアンドロイドと浴衣を着て花火を観、秋はアンドロイドと紅葉の話をする。冬はアンドロイドとツリーを飾り、そうしてやがて女は潰えていく。それでもアンドロイドは涙一つ流さないで、まるで自分に与えられた使命のごとく、女を抱いて何か呟く。

    舞台の中盤に女が歌うシーン「小さい秋」ってあんなに美しい歌詞だったんだね。端田の声が素敵だ。そしてあくまでも正論を言いながら与えられた情報どおりに動くアンドロイドを愛してしまった女が、心の苛立ちやどうしようもない感情を何処にぶつけたらいいのか解らない心理をアンドロイドに八つ当たりする場面で見せる。終盤では女の死と共に廃虚処分される運命にあるアンドロイドに「逃げて!」という思いやる場面もあり、グッと響く。けれど・・・、ワタクシは思うのだ。人間を相手にするより楽なんじゃないか?って。こう思うのは病んでるだろうか?それでもこんな風に感じることって皆にもあるはずだ。

    想像するに女は今まで他人と深く関わらず、全てを受け流すように生きてきたのかも知れない。だから摩擦も無く嫉妬などという醜い感情にも振り回されることもなく稀薄な生き方が身についていたのだと察する。しかし突如、このアンドロイドに特別な感情を抱く事で、投げやりだった生を真正面から見つめるきっかけにもなる。死と愛の狭間で揺れる人間の感情と、あくまで正義的に女の利益を追求するアンドロイドの機械的対応が春夏秋冬の催しに反映して美しくも哀しい情緒的な場面でもある。


  • 満足度★★★★★

    春夏秋冬
    俳優としての多田さんを見たいという興味で観ました(SPでしか見たことが無かったので) 作品にも充分満足しました。

    ネタバレBOX

    秋で、女がモルモット契約していて薬を飲み続け失敗すれば死んで献体になる条件。明日よりも今日、一瞬の富裕層になり桜をみる喜び。「金も明日もないのに、命だけあってもしようがない」悲惨な世界観を感じる。女とアンドロイドの関係も変に甘くならなかったも良かった。ラスト、死んだ女は献体、アンドロイドは廃棄処分。部屋の隣、いや建物全体に同じようにモルモット生活をしている人間とアンドロイドが数多くいるような気がした。
  • 満足度★★★★

    切ない!
    出口の無い格差社会の底辺にいる若者の究極の選択、切ない!

    アンドロイドという友達との生活、切ない!

    ネタバレBOX

    人間をお世話するアンドロイドが存在する近未来。

    そんな繁栄とは全く縁の無いスラム街に住む、仕事もない、もしかすると名前すらないかもしれない若い女性が選択した道は…。

    用意された部屋の中で危険薬の臨床試験と引き換えに莫大な金を手に入れ、アンドロイドを買って世話をさせながら贅沢な暮らしをするというもの。

    貧困で死ぬか、死ぬかもしれないが贅沢するか、他に選択肢は無いのか、悲しい!

    ところで、当初丁寧語で話すくらいですから、購入する段階ではアンドロイドはきちんとしているはず。何が言いたいかっていうと、髪型がぼさぼさのはずはないってこと!!執事的髪型のはずです。

    桜、ゆかたときて、春夏秋冬、『F』はFour Seasonsだと思いました。

    そして、冬がラストシーンになることが分かってしまい、ああつまらない!

    ゆかたの着付けは勉強になりましたが、長すぎです!

    薬が見たことのあるマーブルチョコレートのようなお菓子では緊迫感が出ませんでした。
  • 満足度★★★★

    結局ヒトはわかり合えない、けど、ヒト同士だから救われることもある
    アンドロイドの台詞のトーンが変わってからの、舞台での空気の変化が素晴らしいと思った。
    予定されている結末へ一直線なのだが、それでも見入ってしまう魅力がそこにあった。

    ネタバレBOX

    フライヤーなどの説明を読んで「ああ、アンドロイドねぇ」と思いつつも観劇。
    つまり、アンドロイドという生命のないモノから、「無生物・生物」という境界を経て、命みたいなものを感じるような作品なんだろうと考えていた。
    確かに、そんな糸口を見せながら、浮かんでくるのは、人の「孤独さ」。
    そして「不自由さ」。

    一生懸命努力しても他人のことはわからない。
    それは人の心がわからないアンドロイドだけのことではない。
    察しの悪い人、鈍い人だけのことでもない。
    誰も他人のことなんかわかるはずがない。

    人間同士がわかり合っているように見えるのは、「曖昧さ」があるからで、その曖昧さ、ゆるさの隙間に相手の感情を入れることで、「わかったような気がする」だけなのではないだろうか。
    お互いがその「曖昧さ」の中にお互いを入れ合うことで、「わかり合った感じ」が産まれてくるのだろう。

    アンドロイドには、もちろんそういう曖昧さがない。
    だから、わかり合うことができない。
    お互いにもどかしい関係となる。

    タイトルの「F」には「Free」を一番に感じた。

    お金や階級みたいなものに縛られていた女が、お金で自由を買ったようでも、やっぱりお金に縛られて、そのために時間に縛られ、さらに部屋に縛られる(外出できたのは春だけだったようだし)。アンドロイドも契約に縛られ、ご主人様に縛られる。

    自由がまったくない。

    お金で買った自由で、パートナーとして選んだのは、お金で買える相手。
    唯一自由であるはずの、心の自由までも失ってしまった。

    女は最後に「自由」について考えが及んだのだが、時すでに遅く、自分はどうにもならない状態にあった。だからこそ、アンドロイドに「逃げろ」と言う。
    時間は戻らず、自由は誰の手にも入らない。

    アンドロイドは、なまじヒトガタをしているだけに、また反応が言葉で返ってくるだけに、始末が悪い。
    人との交流を期待してしまうからだ。これだったら、テレビとか電子レンジとかに向かって話していたほうがマシだ。

    女が欲しかったのは、「パートナー」であり、「どこまでも従順な召使い」ではない。
    「そんなことやめろ」と強く言ったり、女がわがままを言ったら、怒ってくれたり、反論してくれるパートナーだったはずだ。

    たぶん今までの生活でもそういう相手がいなかったから、女はそういう相手が必要だったことに気がつかなかったのだろう。もっとも、そういう相手がいたら、こういう危険な治験には応募しなかっただろう。
    女もそのことに薄々気がついてくる。

    だって、数カ月もともにいるのに、女はアンドロイドをパートナーとして認めていないのだ。ペットにだって名前を付けるのに、アンドロイドは「オレ」としか呼ばれない。一緒にやっていくつもりだったら、名前ぐらい付けるだろうと思う。
    たぶん、自分の時間と引き換えにアンドロイドを手入れた選択が失敗だったことは、アンドロイドと最初に話したときに気づいてしまったのではないだろうか。

    相当哀しい物語だ。
    アンドロイドが男性の形をしているということも含めて。
    (男性型を選択したのは女なのだから)

    「人はわかり合えない」「人は孤独だ」と書いてきたが、それでもやはり、ヒト同士ならば「わかり合えた」ような「幻想」を抱くことができるだけマシだ、ということか。
    何でも自分のことをきいてくれる人よりも、ぶつかり合いながらも語り合ったりできる相手こそが人には必要なのだろう。
    そういう関係は、本当の意味での「救い」であろう。



    物干に衣装が掛かっていくことでの時間の積み重ね方、そして、舞台をとてもうまく広がりと緊密さをもって活用した演出の巧みさは素晴らしいと思った。

    また、出演の2人もとてもよかった。
    女の声のトーンの響きが、響けば響くほど空しくて哀しいのも良かった。

    そして「小さい秋」は、とても美しい歌だった。
  • 満足度★★★★

    切ない
    切ない。女の感情がぐるぐり変化していく。
    どうしょうもないこと言うね、女の人は。でもだから女の人なんだろうな。

    東京デスロックというユニットなのに東京での上演を封印した東京デスロックの多田淳之介、彼が俳優やってるところなんて滅多に観られないから嬉しかった。今度はデスロック、横浜でもやってくれるらしい。キラリは遠いもん。

    照明が凝ってましたね。せりふの進行にリンクしめまぐるしく、赤や青が入りました。けどベースとしてホワイトでがつーんと照らしてるから、赤が入ろうが青が入ろうが、微妙なニュアンスが変わる・・・?くらいの変化しかない。そんな照明演出のことをあれこれ聞いてみたかった。

    いいホンだなと思ったので、台本も購入。ホチキスで止めただけのものだけど、500円って安いでしょ。

  • 満足度★★★★

    みたー
     確実に死に近づいてゆく人間と、廃棄さえない限り存在しつづけるアンドロイドという関係は、ブレードランナー(「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」)の逆バージョンのよう(ブレードランナーは、寿命をプログラミングされたアンドロイドが死に恐怖する話)。人間もアンドロイドもたいした違いはないのじゃないか、と考えさせる点は同じですね。

     アンドロイドは、主人(人間)の最大の利益は"生命を守る"ことだと考えているようです(花火をしたいという女の願いを遮って、身体を休めることを主張しているから)。
     治験を続ける女に対し、アンドロイドは他の治療法ならば助かるのではないかと提案します。しかし、「たとえ助かっても、今の報酬はもらえなくなり、元のひとりぼっちの生活に戻るだけと」女は、その提案を受け入れません。
     命は地球よりも重いというアンドロイドに対し、そんなのはウソッパチだという女。

     ここでアンドロイドがどう学習したのかは興味深いところ。主人の願いは、命を失っても今の生活を続けたいということですから。もし、女が「私を殺して」と願ったらアンドロイドはどうしただろうか?

     やがて女は命つきます。切なさを感じないわけではありませんでしたが、それ以上に「看取ってくれた人がいてよかったね」という気持ちがはるかに強く生じました。一人でしんでゆくのはあまりに悲しすぎる、だからアンドロイドをそばに置いたのでしょう。

     印象に残った場面がふたつ。

     1.二人がキスをする場面。アンドロイドの表情が無表情だったこと。

     2.女が亡くなる場面。目をあけたまま、電池が切れるように動かなくなりました。それは人間というよりもアンドロイドのようでした。

     この2つがなかったら、単なる甘ったるいお話になっていたかも。

     人間の望むことが、最初は理解できないアンドロイドですが、人間同士だって初対面から理解しあえるんなんて滅多にないですし、たとえ長く付き合っても、このアンドロイドのように理解してくれるとは限らないわけです。そういう意味では、この作品、ハッピーエンドなのかもしれませんね。

  • 満足度★★★★

    とても良かったです。
    観られたことに感謝。
    まさか、あんなに泣かされるとは・・・。

    ネタバレBOX

    「ずっと一緒にいられるよ」
    優しい嘘がつけるようになるくらいに
    学習したアンドロイド。
    でも、それは愛情じゃない。
    「俺はおまえの利益を守る」
    プログラミングの所為でも、
    愛情があるように見えてしまうから
    尚の事ふたりの微妙なズレが切ない。
  • 満足度★★★★

    俺とお前がこの場所で
    なるほど口語はこういう舞台に活きる。
    個人的に女子胸キュンな関係性や展開というものが好みではないので楽しめたかというとほどほどなのだが、じんわり素敵な舞台。

  • 満足度★★★★

    素直によかった、観てよかった
    役者さん2人がともに好演。いつの間にか涙腺が弱ってる自分に気がついた時はマジックにでもかけられた気分でした。やられた。先日拝見したユニークポイントさんもそうでしたが、明りの生みだしてる効果が◎。照明って凄いなって今更思う最近です。ポストパフォーマンストークも良かったです。

  • 満足度★★★★

    どうにもせつない、やるせない。
    見終わって、普通に近くにいる人を大事にしなきゃ、とか自分のためだけじゃなく命を大切にしなきゃって思った。染みる。96分。

    ネタバレBOX

    近未来、過度な格差社会の中、少女が命と引換えに得た大金で得たのは高価なアンドロイド。でも本当に欲しかったのが"物"ではなくて、分かり合える大切な相手、というのにグッとくるものがある。

    一貫して彼女の利益を守ろうとするアンドロイドと見返りを求めずに思い出と通い合いを求める少女。見た目以上に平行線な二人の在り方がすごく心に響く。それはアンドロイドが学習していき、見た目の距離感が近くなればなるほどなおさらに。

    役者は二人とも達者。多田淳之介氏の役者姿はやはり魅力的。端田新菜嬢の全開の少女っぷりとのタッグで見せる四季の一コマ一コマは緩急のつけかたも含め絶妙。
  • 満足度★★★★

    Fって何?
    four(四季)だと私はおもいました。でもいろいろなうけとめかたができるFだと思います。

  • 満足度★★★★

    叶わない望み
    女とアンドロイドは、哀しいことに女と男ではない。
    いや、あるいは幸せなことに。

    「あなたのことを思えば思うほど、あなたが遠くなっていく。」

    ネタバレBOX

    最下層の人間と、富裕層の人間。
    人間とアンドロイド。
    お金のために命を売る。

    わかりやすいキーワードで、向かっていく結末は明らか。

    じわじわと、「定番」な流れで進んでいくストーリー。


    それでも、ずっと心が揺さぶられる。

    演劇とは 小劇場の醍醐味とは
    目の前で手に取るように伝わってくる感情を、同じ空間で体感することなんだな、と心から実感。

    端田新菜と多田淳之介。

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