マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人 公演情報 マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
21-39件 / 39件中
  • 満足度★★★★

    身近なマリー
    あいだに休憩を入れるほどの長いお芝居でしたが、全く飽きることなくどんどん引き込まれていく迫力と魅力ある舞台でした。

    個人的にはもっとドロリとした何かを予想しておりましたが、意外とあっさりとマリーを受け入れてしまった自分が悲しい。

    自分の中にもマリーがいるから。

  • 観劇
    初日。最前列に座りました。
    一生に一度、あんなドレスを着てみたい!

  • 満足度★★★★★

    凄かった
    いろんな意味で。初日&千秋楽

  • 満足度★★★★

    登場人物と役者が
    見事にハマッていてまったく違和感ないですね。ストーリーも解りやすし楽しく観劇しました。

    ネタバレBOX

    休憩なしで一気に観たかった。
    酒巻さんヘアースタイル「初恋」の時のままですよね(違うか?)

    最前列中央で観ました。「観てきた!」の皆さんの意見を参考にして良かった。たしかに2列目以降は観ずらいでしょうね。
  • 満足度★★★★

    商才もある谷賢一
    これだけの観客動員数を集める商才には秘密がある。それはチケットプレゼントに応募した方にはご存知だと思うが。

    ただ惜しむらくは役者の立ち居地に配慮がなかった為、ほぼ中央に座らないと観えない箇所があったこと。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    マリーが貧民を労わりぶどう酒を飲ませる場面では、マリーの目の動きがひじょうに気になった。優しい微笑の上で時折見せる視線のぶれ。
    その視線の先には空虚な、怪しい光が輝いていた。その視線が気になって、清水那保はどうしてあんなに視線が彷徨うの?なんつって、その演技力に不満だったけれど、終盤になってその視線のゆくえがはっきりしてくると、今度は清水の演技力の緻密さに驚き仰け反った。

    要するに、かりそめの優しさ、慈愛の裏にはわざとらしい笑みや自己演出しか意識していないマリーが居て、世の中の何かをさも信じているような素振りで、そのくせ目に見える世界の全てを疑っている。だから、マリーは世の中というものに何も期待していない代わりに、金に執着する。
    それでも悪人と呼ばれる大抵の人々はある境界で身内をも殺す行為にまで及ぶと精神を破綻するはずだが、彼女はそんなこともなく淡々と日々を過ごしていた。いつものように怜悧な目をして。

    だから、彼女の落ち着き払ったその視線には、およそ何の感情も浮かべていないように見えた。乾いているわけではない。むしろひんやりと濡れている。

    いったいこの物語はどんな風に落ち着くのか?そんな先の読めない後半では背筋にぞくりとするものを感じてとにかく見入った。
    地の底から湧き出てくるような悪魔的な、それでいて静謐な磁力のあるマリーに対比してマリーの家族の、現実に目を閉じて生きている人間の滑稽さが露見する。はっきりと見えている絶望的な現実を敢えて見ないようにしている。見たいものしか見ない。気付かないふりをする。本当はマリーを疑いながらも、そうやって自分を誤魔化し続けて問題を先送りにしてしまう。そうして奈落の底に落ちる。

    やがてマリーの悪行はフランソワーズによってばれてしまうのだが、この少女自身も自分の立ち居地だけは意識しているようで、風見鶏のように大人の隙間を渡り歩いていく。
    こうしてマリーは処刑されるのだが、「全ての人が罪を生きているのに、どうして私だけが命を落とさなくちゃいけないのかしら・・。」と、ずけりと言う。

    素晴らしい本と演技でした。フランソワーズがマリーとゴオダンに弄られるシーンが役者の立ち居地でまったく観えなかったのが今でもストレス!
  • 綺麗な舞台
    自分の中にあった小劇場の演劇というイメージとは異なる作品でした。
    風景の作り方が綺麗でした。
    2時間を超える作品でしたが舞台への集中が途切れることなく
    楽しませていただきました。
    (けして楽しい話ではないけれど。。。)
    役者の皆さんもそれぞれ生きていて良かったです。

    ネタバレBOX

    同時進行で複数の場面が展開するとき、
    セリフを言っている役者さんに目がいきがちですが、
    話していない役者さんを見ているのも楽しいです。
    そっちのほうが胸に伝わる部分もあったり。

    衣装も素敵でしたがマリーのドレス丈が短いの気になりました。
    まぁ階段の昇降があるから仕方ないのかもしれませんが、
    しっかりとつくりこんでいる衣装だけに残念でした。
  • 満足度★★★★

    谷さんの行き先
    隣の席で観られていたお客さんが終演後に
    「本当っぽかったねー」と言っていました。
    それ位、力のある戯曲だったと思います。
    非常に面白かった。

    役者さんも、翻訳調台詞に惑わされることなく
    ちゃんと存在していて満足度も高かったです。

    ただ、モリエールなので。
    後方の端で観てしまったため
    大分観られないシーンが多く、かなりストレスでした。
    もっと早く行けばよかった…。

  • 満足度★★★★

    うーむ、すごいな
    なにがすごいって、まだ20歳後半の谷さんがこの戯曲を書いたということ。
    台詞も古典的かと思えば、突然本音が現代口調で発せられる、
    そのたびに、人格の裏側を見てしまったようにはっとさせられる。

    近世とか海外とかが舞台になってる作品は、ちょっと観るとき
    臆病になるのですが、とまどうことなく完全に引き込まれました。

    清水さんはすごかったなあ。なんて悪女っぷり。
    難しい長い台詞も多かったのに、言わされてる感を感じなかった。

  • 200908161900
    200908161900@新宿シアターモリエール

  • 満足度★★★

    キレイな画の大作ですね。
    陰鬱でジメジメした世界に、張りつめたそれぞれの思いとか色々表現されてて顛末から終焉まで、不思議な余韻も感じさせるお話しでした。壁などの常設セットがないのに見えるフランス。人が登らないと気が付かない階段が効果的で照明も常に抑えて、時折自画像を隠したレンブラントの夜警のようなシーンに綺麗さを感じました。物語としては3ですが皆様の熱演とモリエールでこれだけ大作感のある作品が見れたので評価3.5位です。詳細はTBした方に書いてあります(ネタバレ注意)舞台を始めて見る方には名前や関係を追うのに慣れてないと大変だと思います。演技の迫力は伝わりますけど

  • 硬度の高い、結晶化された、凄い戯曲
    なんだろう、小劇場目線で作品つくってなんかないよ、ここは日生だよ、帝劇だよ!
    と、高らかに宣言するかのような、強度のある、凄い戯曲。
    一応、文章を生業としている者からすれば、あの言葉たちの美しさには正直、嫉妬すら覚える。
    あるいはラストに結ばれる“像”、現代としっかりと絡みあう、したたかさに。

    ネタバレBOX

    ただ反面、自分に向けてはつくられていなかった、ように感じてしまったのは残念。
    うーん、
    オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』やラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』の世界観は大好きなんだけど、
    客入れ時のニルヴァーナな雰囲気で突っ走って欲しかった気も。

    清水那保のとてつもなく“いやーな”毒婦に圧倒される。
    堀奈津美も含め、ダルカラ組はあの難解な台詞群を軽々と柔らかく発せてしまうのね。
    一方、酒巻誉洋は逆に、自分の感情に言葉を組み従える感じで熱演。
    また、七味まゆ味は佇まいだけで汚れたイノセントを魅せる
  • 満足度★★★★

    140分
    なのにあきさせない、ストレートなのに、翻訳劇風なのに、すげ

  • がっつりあかげもの。
    このセリフを紡ぎだしたことに拍手。
    役者さん好演。清水嬢、酒巻氏、原田氏が特に。

    モリエールの芝居は大抵そうなんだけど、後ろに座ると座り芝居がほぼ全滅なのが難。これからご覧の方は是非前列で。

  • そこに
    セットは
    ほとんどなく
    シンプル

    洗練されたコトバ
    役者力で 魅せていく

  • もう一度観たい。
    最近あまり投稿していなかったので「初心者にオススメ」のマーク使用権が失われています。とはいえ、失っておらずとも使用していなかったですね。もう一度観たいのは再び楽しみたい気持ちからではなくて、今回だけではよく見えなかったからです。
    もっと臓物を抉られる様などうしようもない不快感に煽られるのを期待していました。これまでのダルカラで耐性が出来ていた訳でもないだろうに、あまり引っ掛からずにスルっと観てしまった自分がいます。衣装や台詞の綺麗さから、放っておいても目と耳は「なんか綺麗なイメージ」で受け取る作品になっている。例え的外れな観点で表面上しか捉えていなくともそうそう誤った印象が持たれなそうな作品。深く深く裏を探ればいくらでもあれこれが見えてくるけど、見ようとしなければろくすっぽ見えない。隠されてなくても奥まってると探すのが下手な奴には見えない。その場合は「なんか綺麗なイメージ」という当たり障わりのない受け取られ方をしてしまうのはあまりにもリスキー。
    役者はあちこちで名前を目にする方々ばかりで流石に粒揃い。各々は確かにこなすべくいい仕事をこなしつつ、遣り取りで生まれて相乗される「何か」の発熱がどうも個人的には足りなかった様な気も。『あの役者が!この役者が!』とウハウハ出来る方はあまり深く考えずにウハウハしたら良いと思います。
    前から三列目でさえよく見えなかったので、本気で見たいなら是非とも開場と同時に飛び込んで最前列をゲットしてください。

    ネタバレBOX

    あ、見ますか?隠されているから見えないのにわざわざ見ますか。ここはネタバレBOXですけれど、特にネタには触れません。個人的な表立って記す事でもない事を記します。
    「ピンと来なかった」。これが結局のところの今回の感想。団体初見だった「ベツレヘム精神病院」の時は「あぁ。こんなすげーのやる人がいるなら自分がやってもしょうがないや。演劇から足を洗おうかな」と以降の数日間を悩みました。それだけズシンと来た。でも今回はそういう波及効果は一切得られず。個人的に小劇場はテレビの深夜番組みたいなジャンルであって、金も人材も限られる中でどれだけ勝負出来るかを期待しています。そこからゴールデン進出を狙う訳だけど、いざその時に万人受けしようとしたり手の掛け方をミスしたら詰まらなくなる。どうも、今回はそれに近い印象。
    役者は粒揃い。しかし各自で孤軍奮闘していて連携プレイがあまり決まらなかった感じ。かといって和が乱れていたかと言えば、上手い人ばかりだからなんだかんだでバランスは取れていた。しかしながらずっと一定の水準。溶け合う程にシンクロ率が上がりもしないし、急激な変化によるスリルもない。危なげが欲しかった。荒削りじゃなく洗練されたロックを聴いた感じ。というか、ライブじゃなくCDやダウンロードなんかの録音媒体で聴いた感じ。ヘッドホンなし。客観的。尚且つ舞台美術がアレで、音質も満足いかない録音レベルだった。音質というかミックス具合か。
    あの台詞の扱い方は今回の役者達にとっても難しかったのだろうか。体に染みていなかった人が。歌う動機がなく歌うミュージカルの様に、語る動機がなく語っていた姿が見えた。これ、一番残念。
  • 満足度★★★

    いい。
    この脚本を、谷賢一が書いたのかと思うと、
    わくわくしてぞくぞくした。

    ネタバレBOX

    流麗かつ力強さのある骨太な台詞
    重なり合う場面と場面
    そこに潜む黒々とした何か。
    聞いていて、「あぁ、この台詞言ってみたい」と思える本。

    チラシにも書いてある、インパクトのある台詞
    「隠されているものは、絶対に見えない」
    この言葉と、マリーの最後の台詞がなんだか呼応しているようで鳥肌が立つ。
    これに関連して個人的に印象に残った場面が、マリーの旦那、ゴブラン(大塚秀記)らが賭けに興じる場面。
    真相を知るサントクロワを挟み、侯爵らが「遺産ががっぽり転がり込む」的な会話をしているシーンはなんというかどす黒いものを感じた。

    僕の大好きな漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に、「本当の悪は、自分の事を悪と思っていない悪だ」みたいな台詞があるんだが、そんな感じ。
    決して、事件が解決してスッキリみたいな話じゃない。
    このスッキリしない感じ、心にどす黒い膿が溜まったままみたいな感覚がどこから来るのかよくわからないが、
    この『マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人』という芝居が巨大な何かにぶち当たる姿が、僕をこんな気分にさせているんだと思う。
    地獄の底から不穏さを匂わせるような音と、不自然に明るくチャーミングなメロディーが交錯する劇場の空気は、なんだか(悪い意味ではなく)気持ちが悪かった。

    どこが良かったとか、そういう事でなく、よかった。
    全体的に、一つの芝居として。

    細かい事を言うと、
    役者陣の若干が、谷賢一の書いた台詞に飲まれていた感がある。
    台詞を制御できていないというか、操りきれていないというか、
    自分の血肉になっていないというか。
    シェイクスピアの芝居とか観に行くとたまに出会う現象が起きていたように思えて、なんだか歯がゆい思いをした。あぁ、いい台詞なのに、と。
    そんな中、印象に残ったのがテレーズ・ドオブレ(堀奈津美)。
    鮮やかな感情の表現、クリアに心に響く台詞には、従来の安定感に加えてダイナミックさが窺えた。
    DULL‐COLORED POPにおける堀奈津美の立ち位置の重要性を改めて思い知る公演でした。

    ま、あれです。細かい事抜きにして、いい芝居でした。
    決して楽しい芝居ではないけれど。

    ☆5つだと思うんですが、これからもがんがんいい芝居を観たいので3つにしときます。
  • 満足度★★★★★

    記念碑となる作品!
     27歳の演出家が小劇場の役者を集めて、17世紀のブランヴィリエを演るという、一見途方もないミスマッチが、逆に反作用のエネルギーとなって、舞台の質を高めている。小劇場でこんな芝居が出来る劇団が他にあるか!という演出家の声が聞こえてきそうだ。

     連続殺人犯として名高い実在のブランヴィリエ公爵夫人を谷賢一がどう料理するかと想像を巡らせていたが、あくまで正攻法でこの猟奇的物語に挑んでいた。そして正面から堂々とこの物語に対しながら、既に事件自体で劇的なこの物語を、ダルカラの色に染めて美しく見せてくれた。すごい演出力だと思う。

     チラシを観た瞬間からこの劇団が今回の公演にいかに賭けているかということがよくわかったが、期待どおり見事な作品に仕上がった。

     初日で役者が若干噛んだところを除いてはパーフェクトと言っていい。モリエール進出と併せて、DULL-COLORED POPが一段階、駆け上がった記念碑となる作品だ。

  • 満足度★★★★

    脚本と俳優がすばらしい
    毒殺魔という人間を描ききった脚本と演じきった女優に、盛大な拍手を送りたいです。
    硬質な言葉にも酔わされましたし、その言葉をモノにしている俳優にも魅了されました。

    ネタバレBOX

    演出的にまだまだ見ごたえを出せる脚本だと思いましたが、意識が細かいところまできちんと行き届いていることには好感を持ちました。

    階段の踊り場から妹に向けて呪いの言葉を投げかけるマリーの姿、いとおしくてたまりませんでした。
  • 毒の品格
    吟味された美しい言葉と、野蛮な色気を満喫。
    エグイようでいて、必ず一筋の品格が漂うという不思議な味わい。
    七味さんの存在感が眩しい。他の俳優も、皆、好演。

    客電落としで流れる、カヴァレリア・ルスティカーナのインテルメッツオ。
    本編とは直接関連ないのだが、カヴァレリア・ルスティカーナというオペラはドロドロの三角関係の仕立てなのに、このインテルメッツォとフォアシュピールの2曲は、泣きたい程の透明感をたたえているのが特徴だった、と、ふと思い出した。
    この相反するものの同居は、この作品にも通ずるものがあるように思った。

    私は最前列で見たのだが、後ろの方の人は床芝居になると殆ど見えなかったらしい・・。劇場の構造とはいえ、この点は残念だ。
    余すところ無く見たい人は、ぜひ前の方で。

    ネタバレBOX

    パリの夕暮れのシーンが、素晴らしい。とても引き込まれた。
    貧民街から、一瞬にして貴族の行き交う町並みに変貌する魔法は演劇ならではの喜びに満ちている。

    気になったことがふたつ。
    ラストの修道女のはしゃぎ方が、完全にいまどきの女の子に見えたこと。
    自分が、6年間修道女と日々を過ごしていたせいもあるが、正直違和感あり。
    貴族チームの佇まいに、ちゃんと時代の説得力があり、かなり感心しただけに残念。

    ぶっとんでいるマリーが、たまに正論で生きているようにも見える瞬間が面白いと思うが、欲望以外の点で何かもうひとつ、一般人の自分にも感情移入できるような鍵があるとより深く楽しめたかも。
    つまり、殺人という手段を選び取ることになった動機みたいのを、いつのまにか求めてしまう自分がいた。
    「皆、罪深く生きているのに、なぜ私だけ命を絶たれるのかしら?」
    に集約されている気もするとはいえ・・・これは本当に個人の趣味。
    たぶん、動機なんてないんだろうけど。

    全体を通して、吟味されつくした言葉の宝石箱のようで、この点だけでもかなり満足できる。説得力のある美しい台詞というのは、選ばれた人の仕事だ。
    構成も、ぎゅっと引き締まっていて一気に見せてくれる。
    この作家が、4年後30代になってどういう作品を展開するかがとても楽しみ。

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