満足度★★★★
身近なマリー
あいだに休憩を入れるほどの長いお芝居でしたが、全く飽きることなくどんどん引き込まれていく迫力と魅力ある舞台でした。
個人的にはもっとドロリとした何かを予想しておりましたが、意外とあっさりとマリーを受け入れてしまった自分が悲しい。
自分の中にもマリーがいるから。
満足度★★★★
商才もある谷賢一
これだけの観客動員数を集める商才には秘密がある。それはチケットプレゼントに応募した方にはご存知だと思うが。
ただ惜しむらくは役者の立ち居地に配慮がなかった為、ほぼ中央に座らないと観えない箇所があったこと。
以下はネタばれBOXにて。。
綺麗な舞台
自分の中にあった小劇場の演劇というイメージとは異なる作品でした。
風景の作り方が綺麗でした。
2時間を超える作品でしたが舞台への集中が途切れることなく
楽しませていただきました。
(けして楽しい話ではないけれど。。。)
役者の皆さんもそれぞれ生きていて良かったです。
満足度★★★★
谷さんの行き先
隣の席で観られていたお客さんが終演後に
「本当っぽかったねー」と言っていました。
それ位、力のある戯曲だったと思います。
非常に面白かった。
役者さんも、翻訳調台詞に惑わされることなく
ちゃんと存在していて満足度も高かったです。
ただ、モリエールなので。
後方の端で観てしまったため
大分観られないシーンが多く、かなりストレスでした。
もっと早く行けばよかった…。
満足度★★★★
うーむ、すごいな
なにがすごいって、まだ20歳後半の谷さんがこの戯曲を書いたということ。
台詞も古典的かと思えば、突然本音が現代口調で発せられる、
そのたびに、人格の裏側を見てしまったようにはっとさせられる。
近世とか海外とかが舞台になってる作品は、ちょっと観るとき
臆病になるのですが、とまどうことなく完全に引き込まれました。
清水さんはすごかったなあ。なんて悪女っぷり。
難しい長い台詞も多かったのに、言わされてる感を感じなかった。
満足度★★★
キレイな画の大作ですね。
陰鬱でジメジメした世界に、張りつめたそれぞれの思いとか色々表現されてて顛末から終焉まで、不思議な余韻も感じさせるお話しでした。壁などの常設セットがないのに見えるフランス。人が登らないと気が付かない階段が効果的で照明も常に抑えて、時折自画像を隠したレンブラントの夜警のようなシーンに綺麗さを感じました。物語としては3ですが皆様の熱演とモリエールでこれだけ大作感のある作品が見れたので評価3.5位です。詳細はTBした方に書いてあります(ネタバレ注意)舞台を始めて見る方には名前や関係を追うのに慣れてないと大変だと思います。演技の迫力は伝わりますけど
硬度の高い、結晶化された、凄い戯曲
なんだろう、小劇場目線で作品つくってなんかないよ、ここは日生だよ、帝劇だよ!
と、高らかに宣言するかのような、強度のある、凄い戯曲。
一応、文章を生業としている者からすれば、あの言葉たちの美しさには正直、嫉妬すら覚える。
あるいはラストに結ばれる“像”、現代としっかりと絡みあう、したたかさに。
がっつりあかげもの。
このセリフを紡ぎだしたことに拍手。
役者さん好演。清水嬢、酒巻氏、原田氏が特に。
モリエールの芝居は大抵そうなんだけど、後ろに座ると座り芝居がほぼ全滅なのが難。これからご覧の方は是非前列で。
もう一度観たい。
最近あまり投稿していなかったので「初心者にオススメ」のマーク使用権が失われています。とはいえ、失っておらずとも使用していなかったですね。もう一度観たいのは再び楽しみたい気持ちからではなくて、今回だけではよく見えなかったからです。
もっと臓物を抉られる様などうしようもない不快感に煽られるのを期待していました。これまでのダルカラで耐性が出来ていた訳でもないだろうに、あまり引っ掛からずにスルっと観てしまった自分がいます。衣装や台詞の綺麗さから、放っておいても目と耳は「なんか綺麗なイメージ」で受け取る作品になっている。例え的外れな観点で表面上しか捉えていなくともそうそう誤った印象が持たれなそうな作品。深く深く裏を探ればいくらでもあれこれが見えてくるけど、見ようとしなければろくすっぽ見えない。隠されてなくても奥まってると探すのが下手な奴には見えない。その場合は「なんか綺麗なイメージ」という当たり障わりのない受け取られ方をしてしまうのはあまりにもリスキー。
役者はあちこちで名前を目にする方々ばかりで流石に粒揃い。各々は確かにこなすべくいい仕事をこなしつつ、遣り取りで生まれて相乗される「何か」の発熱がどうも個人的には足りなかった様な気も。『あの役者が!この役者が!』とウハウハ出来る方はあまり深く考えずにウハウハしたら良いと思います。
前から三列目でさえよく見えなかったので、本気で見たいなら是非とも開場と同時に飛び込んで最前列をゲットしてください。
満足度★★★★★
記念碑となる作品!
27歳の演出家が小劇場の役者を集めて、17世紀のブランヴィリエを演るという、一見途方もないミスマッチが、逆に反作用のエネルギーとなって、舞台の質を高めている。小劇場でこんな芝居が出来る劇団が他にあるか!という演出家の声が聞こえてきそうだ。
連続殺人犯として名高い実在のブランヴィリエ公爵夫人を谷賢一がどう料理するかと想像を巡らせていたが、あくまで正攻法でこの猟奇的物語に挑んでいた。そして正面から堂々とこの物語に対しながら、既に事件自体で劇的なこの物語を、ダルカラの色に染めて美しく見せてくれた。すごい演出力だと思う。
チラシを観た瞬間からこの劇団が今回の公演にいかに賭けているかということがよくわかったが、期待どおり見事な作品に仕上がった。
初日で役者が若干噛んだところを除いてはパーフェクトと言っていい。モリエール進出と併せて、DULL-COLORED POPが一段階、駆け上がった記念碑となる作品だ。
満足度★★★★
脚本と俳優がすばらしい
毒殺魔という人間を描ききった脚本と演じきった女優に、盛大な拍手を送りたいです。
硬質な言葉にも酔わされましたし、その言葉をモノにしている俳優にも魅了されました。
毒の品格
吟味された美しい言葉と、野蛮な色気を満喫。
エグイようでいて、必ず一筋の品格が漂うという不思議な味わい。
七味さんの存在感が眩しい。他の俳優も、皆、好演。
客電落としで流れる、カヴァレリア・ルスティカーナのインテルメッツオ。
本編とは直接関連ないのだが、カヴァレリア・ルスティカーナというオペラはドロドロの三角関係の仕立てなのに、このインテルメッツォとフォアシュピールの2曲は、泣きたい程の透明感をたたえているのが特徴だった、と、ふと思い出した。
この相反するものの同居は、この作品にも通ずるものがあるように思った。
私は最前列で見たのだが、後ろの方の人は床芝居になると殆ど見えなかったらしい・・。劇場の構造とはいえ、この点は残念だ。
余すところ無く見たい人は、ぜひ前の方で。