ハルメリ 公演情報 ハルメリ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.1
1-18件 / 18件中
  • 今更ですが
    見ました。
    テレビのシーンwww
    ハルメリ、という音の印象が鮮やかでした

  • 脚本が好きなものですから
    評価が厳しくなります。
    想像を越えてました。
    しかしながら、想像を超えてはいなかったです。

    ネタバレBOX

    うーん。
    知人も多いので控え目に・・・・・・。

    としておくと、なにが言いたいか、はまぁ。

    個人の評価は本当にアテにならないですから、
    単に、私にとって、という話です。

    俳優の個人個人には魅かれる方もおられたのですけど。
    そして、そういった方々は割と知人でしたので、嬉しかったのですけど。

    歯に物が挟まったようなことで、申し訳。
  • 満足度★★

    狭さと重さと
     なんだろう。バランスが、壊れていないかな、と思った。そして、無駄に疲れた……。チラシは良かった。すごく。

    ネタバレBOX

     戯曲が、結構すごい。批評的で、怜悧で、神様のような視線で書いている。そして、なによりもすごいのは、重いテーマをコメディとして描こうとしているのに、笑うところが一個も無いところ。坂手○二さんみたいに初めから笑わせる気がないんじゃなくて、重いテーマに飲み込まれた結果、「笑うところ」が逆に怖さになっちゃった、みたいな気がする。どうしても、こっちも難しいことを考えちゃう。批評っぽいんだもの。

     演出の人は、きっとそれを感じたんだろう。必死にポップにして、「笑い」を入れて、上演されたときの重さを緩和したかったのかな、と思った。

     自分がダメ人間であることを自覚して、他者との競争をあきらめる思想、「ハルメリ」。思想ではなくて「冗談」だよ、というエクスキューズのもとに世間を席巻するけれど、いつしか「非ハルメリ」人間を吊るし上げて排除しようとする運動に。みんな「本物のハルメリ」、ハルメリエリートを目指して競争が激化する。なんか、よく言われる、グローバリゼーションの核心としての「勝つことの中毒」みたいなものをみせる話。

     「大衆」が、描かれているのだと思った。でも、批評的な視点が強くて、この「大衆」はどこか抽象的だと思った。登場人物たちが、具体的な人としてみえてこない、漠然とした描かれ方。劇作家が一応試みた戯画化も、もっと知りたい心の機微を削ぎ落として、人々をより抽象化させてしまった。

     でも演劇は、上演されるとどうしても具体的になっちゃう。役者さんは、そこに在るカラダを持った人間なんだもの。しかもアトリエ春風舎はとっても狭くて、役者の舞台を歩く振動が直に伝わってくるくらい具体的な空間。たぶん戯曲は、こんな狭い空間を想定していない(上演そのものが意識されたかも、ちょっと疑問)。

     一方で演出は、重さを薄めようとしてか、なぜかハンドマイクで叫びまくる編集長とか、テレビのアングル切り替えをドタドタ自分たちの動きで再現だとか、戯画化の厚塗りに必死。で、これを目の前でやられると、こちらは、とんでもなく恥ずかしいのだった。

     必死さが、痛い。……。なんで、「必死さが、痛い」と書いて、背筋がぞっとするのだろう。「冗談ほど怖いものはない」とかなんとか、劇作家が書いているから? 彼女の視線は、やっぱり怖い。でも、上演するということには、また別な視点がいるんじゃないかな、と思うのです。
  • 満足度★★★

    やはり
    菊池さん芳川さんは間違いない!
    しかしなんだろうあの菊池さんのセクシーポーズは笑

  • 満足度

    うむ・・・
    なかなか周りは良い評価が多いのですが・・・・


    なんとも不完全燃焼。
    不良になりきれない感じ。

    もっと、役者は爆発しても良いんじゃないか・・・
    アイドル役の方、勿体ないです・・・
    脚本の一人歩きな感じ。
    演技、演出の一貫かもしれないけど、何言ってるか聞こえないところが多くて疲れた。

    受付、制作陣にもしっかりしていただきたい。

  • HALCAとMERRYの物語
    かと、勝手にハルカリっぽいタイトルからそう思っていたら、まるで違った(笑)。脱力どころか、アジってました、はい。

    ネタバレBOX

    冒頭、テーブルをふたりが叩き、激しく落ち着きのない子供のように踊るシーンが格好良く(とくに境宏子の美しさといったら♪)。
    さらに、大人数で繰り返されるテーブル殴打、までは素晴らしかったのだけど、クラブのシーンから一気に失速…。その後は、テレビドラマというフィルターを通したちょっと古めかしい現代、みたいなシーンが延々とつづいてしまったのは残念。

    最初は効果的に使われていた木製の大型テーブルが、すぐにポップさを削ぐ重しになってしまったんだよねぇ…。
  • 満足度★★★★

    ハルメリっていう空気みたいなものを「読む」ということが日本的
    「ハルメリ」というファッドな流行を軸に、現代の、というより、「ハルメリ現象」とも言えるような、日本人的な精神構造を描いた作品だった。

    物語の構造・演出も面白く、楽しんで観劇できた。

    ネタバレまた長くなりました・・・。

    ネタバレBOX

    冒頭のハルメリ・クラブを見て思ったのは、これって、例えば、渋谷のセンター街だったり、原宿の竹下通りだったりするのではないかということだ。
    若いエネルギーに溢れているようだが、横一線に並ぶことで安心できる空間。最先端のようで、そうではなく、よく見ると、誰も前には出ていない横並びの関係=安心がそこにある。

    「ハルメリ」とは、人より前に出ない、出る者は打たれるというような感覚であると言う。しかも、それは「負け犬」的でありながら、「冗談」であると言い切ってしまう。
    横一線にあることで安心しているのだが、やはり本当は前に出たいし、目立ちもしたい。そんな自分を気持ちが恥ずかしいから、あるいはそうできないから、「冗談」と言うしかない状況がある。

    それを「優しさ」なんていう「インチキ」で、聞こえのいい言葉で言い表してしまうことの欺瞞。そう言われたら返す言葉がないズルイ言葉によって、ハルメリは鎧を着る。
    だから、老若男女に受け入れられるし、はやりもする。受け入れない者、本音を語ってしまう者は、はじかれる。
    だから、コトの本質を見抜いてしまいそうになった男は抹殺されてしまったのだ。

    でも、よく考えてみると、そういうハルメリ感覚は、実は、現代の「若者」特有のものではない。会社の中、いや社会の中でも横並びなら安心という感覚はある。日本人特有のものではないだろうか、そういう感覚は。しかし、一歩先んじたいという意識は「冗談」という糖衣をまとって、心の奥底に間違いなくある。
    昔「ナンバーワンよりオンリーワン」なんて言葉が流行ったけれど、やっぱり(何かで)「ワン」にはなっておきたいのだ、本音は。

    ファッドはすぐに消え、新たなファッドかファッションに取って変わられる運命にある。それを知りつつもやはり、横に並びたい、人と同じでいたい、「フツウ」でいたい、という感覚で、そこに参加してしまう。
    それに心から「帰依」してしまう者もいれば、「装う」ことでしたたかに自分の位置を確保する者もいる。
    横並びなのに、「ナンバーワン」を決めるTVの企画はそこをうまくついている。

    それは、例えば、「エコ」という流行の中で、「この商品はエコです」ということを訴えるために、資源を無駄に浪費して宣伝する行為にも似ている。
    純和風なハルメリの構造はここにもある。

    さらに、ハルメリそのものを取り上げることで、視聴率や購読者を増やそうとするTVや雑誌、そのお膳立ての上でさらに自らをハルメリ商品として提供する、元主婦のコメンテーター、ハルメリ美女、アイドルたち。
    そんなハルメリそのものの面白さだけでなく、それを取り巻く人々の思惑や商売を含めて「ハルメリ現象」として描いたところに、この舞台の面白さがあったと思う。
    「ハルメリ」という設定も日本人的だし、それによって引き起こされる「ハルメリ現象」と言えるようなことも、まさに日本人的感覚なのだ。その二重構造が見事。

    ただ、、その見せ方は、TVのワイドショーを揶揄したような展開だったが、現実のワイドショーが低迷している今、なんだか変な古さを感じでしまった。何かの流行によって、コメンテーターに祭り上げられてしまうことは、ずいぶん昔のワイドショー華やかなりし頃の出来事だし、2ch実況スレみたいなものも、なんとなく古さを感じてしまった(TVの2ch実況スレ的な演出は、あるようでなかったと思い、とても面白かった)。

    「普遍的なテーマ」を「現代的な切り口」で見せたのか、あるいは逆に「現代的な見せ方」で「普遍的なテーマ」を浮かび上がらせたのかはわからないが、内容的にはとても興味深いものがあった。
    「普遍的なテーマ」であるから、この戯曲は長く残るものであるのだが、逆に「今」を素材として扱っているために、この「今」だけでしか成り立たないもののようにも感じた。

    ラスト近くで、唯一、傍観者的立場を固持していた女性記者と編集長の惨劇は、女性記者が仕事に生きることを選択にしたにもかかわらず、すでに仕事を辞めて専業主婦となっていた女性の成功と比べられることで(この女性と仕事と家庭という関係、2人の比較設定はどうなのかなぁ)引き起こされるのだが、この展開は、まるで考えるのをやめてしまったようで、イマイチ面白くない。

    ハルメリ騒動に決別するのならばそういう方向で、取り込まれるならばそういう方向で、何と言うか、リアルな、というとちょっと違うが、今回のような血を見る、安直な方向だけにはしなかったほうがよいと思った。それまでが面白いだけに。

    例えば「産まない」ことを選んだ女のように。

    たぶん、ハルメリ的な気持ちがあるのは確かだけど、ハルメリ現象には乗ることがないだろう自分を彼女に投影して観ていると、強くそう思わざるを得ない。

    そして、また、ファッドでしかない、新たなハルメリが続く。
  • 満足度★★★★

    言葉のもつ恐ろしさ
    ハルメリ、という得体の知れない言葉が世論を変えていく恐ろしさ。
    その言葉を信念に基づいて否定することで世間から抹殺されるコメンテーター。
    その一方で、その言葉に迎合することで、自分の存在価値を見出そうとする主婦。

    いつしか言葉は独り歩きをし、不気味に光を放つ。

    軽い言葉のもつ恐ろしさを実感しました。
    小泉劇場などと、わかりやすい言葉が衆目を集める今の日本をありのままに描いた秀作だと思います。
    たいへん満足でした。

  • 満足度★★★★

    ハルメリ
    この作品に嫌悪感を抱く人がいるならば、それこそまさにハルメリな人なのではないだろうか。と考えたとき、自分が既にハルメリに影響されているのだと気が付いた。さらっと染みてくる恐い作品。

    ネタバレBOX

    めまぐるしく転換するシーンや、すごいスピードでハルメリが流行っていく様が、今の浅はかな日本を見ているようで、何ともいえない嫌悪感が胸に渦巻いた。
    そしてラスト、必死にハルメリ否定を叫び続けるのし子に反しハルメリが蔓延っていくシーン、そして女が堕胎を決意するシーンにはゾクッとした。
    奥深い作品だった。

    ただ、如何せん役者の技量の差が気になった。
  • 満足度★★

    ハルメリとは?
    ハルメリって何でしょう?
    以下、ネタバレBOXへ

    ネタバレBOX

    ハルメリは、優しさ。
    優しさは、相手にしてあげる事で、自分にもしてもらうもの。

    自己肯定だけじゃ足りなくて、誰かに認められたい気持ち。
    でも、そんな気持ちをもってる自分は、嫌い。
    だから、ハルメリも嫌い。
    で、自己否定。

    ハルメリ!

    僕は、ハルメリ気持ち悪い側でした。
  • 満足度★★

    長かったです
    チケットプレゼントで観ました。ありがとうこざいました。
    テーマは伝わるものの、助走と蛇足が長すぎた気がします。
    演出以前に、戯曲が合わなかったのだと感じました。未読なので、読めば印象が変わるかも知れませんが。

  • 満足度★★★★

    副都心線
    で渋谷から行けるようになって便利になりました。はるはるめりめり。

    ネタバレBOX

    現代人の信念の無さからくる節操の無さ、があからさまに表現されていて面白かった。何かに信仰心を持って気を静めるしかないほどの貧困に喘ぐ国、までいかない今のこれでもまだまだ平和な日本をみました。
    何でもいいから何か一つ自分に信念があれば、どんな境遇にあっても答えが出るのだろう。一部例外を除き強ければ先に謝るべしなぞ。
    昔は「尊敬する人」の信念を真似て成長する子供も多かったように思うけど今は、多い意見に合わせて周囲と同化することで安心する人が多いのかどうなのか。

    私はギリギリオッケーでしたが賑やかな演出は苦手な方もいるかもしれず。(スピーカーの音量と机を叩く音)
    長野海さんが印象に残りました。

  • 満足度★★★★

    やさしさ~
    明日以降の未来がすごく嫌いになって、嫌いだから、どうにかするんだ、という、逆境の勇気というか、そんなものに火をつけられた。
    こういう形に描写されるいまにすごく危機感を持ちながら、こういう形で描写する人がいることに励まされた。演劇とか関係なく、同世代の友達に見てほしい舞台。

    ネタバレBOX

    やさしさは優れるという字を使ってあらわす、に脱帽、考えている人の言葉だと思う。
    ただ、痛々しくありながらも、どこか観客を痛めつける前に通り過ぎていく印象、これもやさしさ?
    演出・装置がオーソドックスで、最先端の素材を扱う本を立体化するには違和感があったかも…。
  • 満足度★★★★

    目が覚めるようなつかみどころのなさ
    生き生きとした舞台の表現に
    あいまいなものが、
    次第に輪郭を表していく・・・。

    冗長な部分もありましたが、
    概念のつかみどころのなさには
    観ているものをひきつけていく大きな力を感じました



    ネタバレBOX

    冒頭のハイテンションや
    創意溢れる舞台装置に目を奪われますが
    実は鳥肌が立つほど深い含蓄を持った話。
    「ハルメリ」という言葉が指し示す概念が
    次第に顕わになっていく姿には
    観客を強く引き入れる力がありました。

    必要悪であったり慰安であったりセーフティバルブであったり、連帯感のツールですらある「ハルメリ」の概念がしだいに現れてくる中で、ぬめっとやってくる居心地の悪さと麻薬のような危い感覚にぞくっとして、でも目を離すことができなくて。

    しかも後半になると「ハルメリ」は単にその概念を明らかにするだけではなく、まるで鏡面のように「ハルメリ」とかかわる家庭や友人、職場、さらにはメディアやネットの世界に至るまで、時代の姿をクリアに映し出していきます。

    「ハルメリ」発信源となったClub内の高揚感や、
    TV内部のちょっとウィットをもった表現も目を惹いて。
    夫や妻が次第に変容してく姿にどんどん取り込まれていく。

    一方で遊び心が冗長に思えたり、
    物語のふくらみにメリハリがなく散漫さや密度のむらのようなものを
    感じる部分もあるのですが、
    最後の女性が堕胎を決めるシーンには
    ぞくっとするような説得力があって、
    終わってみれば物語のコアにある「ハルメリ」の質感のようなものに
    がっつりと浸されていたことでした。

    ウォーリー木下氏の演出も創意溢れる部分が多く、舞台美術も秀逸。
    役者も多少の優劣はあるものの、充分に及第点だったと思います。

    ただ、この戯曲にしたたかに織り込まれている普遍的な部分、いろんな演出家の表現で観たいなとも感じました。
    アフタートークで劇団鹿殺しの菜月チョビ氏が、何度も戯曲にかかれている部分と演出の区切りについて質問をしていましたが、見方によっては、作品からやってきたパワーを原作と演出の力に切り分ける作業をしているようにも思えたり。

    よしんば一観客から見ても、演出家によって様々に異なる色を発する力がこの作品には内包されているような気がするのです。




  • 200906251930
    200906251930@アトリエ春風舎

  • 満足度

    ツラい…
    演出の味付けが好みではありませんでした。

    アフタートーク見る限り演出の方は「ハルメリ」をやることにそれ程乗り気じゃなかったように思えました…。

    「比較的忠実に台本を立体化した…」みたいな事をおっしゃってましたが、台本に対してのリスペクトは感じられませんでした。

    演出の方が自分のアイデアを前面に押し出して、台本を置き去りにする舞台は…見ててツラいです。

  • 満足度★★★★★

    全ての面でどこまでも伸びていく影が印象的!!
    観劇させて頂きました。この作品はもっとも簡単な言葉で表すならば、ビートとエッジのきいている物語でした!作中の物語も使用されている音楽も現代的なものであるのにもかかわらず、自分はジミヘンの音楽を思い出してしまいました!ジミヘンの表と裏の感覚が現代に置き換えられているような印象を受けてしまいました。ジミヘンの音楽のビートが刻まれるリズム感とドラッグに溺れ蝕まれていくようなものを、「ハルメリ」で物語のリズムを刻んでいき、「ハルメリ」に浸り、どこまでも「ハルメリ」が伸びしみ込み、「ハルメリ」で全てが染め上げられてしまう、そんな「ハルメリ」の物語でした!そして、舞台美術と演出にはいい意味でMTV的なものと写真の陰影の感覚が自分には感じられ、物語そのものが音楽的なリズムとその中にどこまでも伸びていく影のようなものを強く印象付けられた作品でした!ただ、この作品は「ハルメリ」で始まり「ハルメリ」で終わる作品であり、人によっては何ら強い印象の残らない物語に感じてしまうかもしれないものも感じられました。人によりそれだけ評価が分かれることがあるかもしれない要素もまた印象付けられた、非常に癖の強い作品かもしれません。今回の作品の評価は、自分の場合は「ハルメリ」肯定派であり、それ以上に「ハルメリ」のビート感覚に強く魅了された者ですから、本作品に最高評価をつけさせて頂きます!この作品を観劇させて頂き、しばらくは独り言で「ハルメリ」とつぶやきそうになりそうなくらい、本作品「ハルメリ」の物語のリズム感覚が胸に焼き付けられました!!自分の場合は、このような作品を大歓迎してしまいます!!!

  • 満足度★★★

    それほどではなかった。
    一体ハルメリとは何だ?てことなんだけれど、競争をやめてお互い優しくしあおう!みたいな思想の下、ハルメリクラブのカードを持った老若男女をハルメリという。

    まあ、第13回劇作家協会新人戯曲賞を受賞した『ハルメリ』なんだから、見る人が見れば素晴らしい!って事なんだろうけれど、絶叫系は元々嫌いだし、好みではなかった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    宗教的な思想を掲げ、洗脳されていくハルメリ。
    ハルメリをマスコミが取り上げたことで日本中の視点がハルメリに集中する。雑誌、ラジオ、TV・・。そんな状況の中、ハルメリミューズを選ぶ企画をTVが取り上げる。
    このTVの放映部分がひじょうに面白い。舞台の箱の中でTVカメラが移動しているシーンを役者が動きながらリアルに再現する。
    プっ!!(^0^)
    ここ、笑えるシーン・・。
    セットも側面を立体的に演出するなど、面白い。

    一方、そんなハルメリ効果をこれぞとばかりにしたたかに便乗してスポットを浴びるスーパー店長の妻。「自分はハルメリ大好きです!」なんて宣言したかと思うと、時と場合によって風見鶏のように振るまい、自分の立ち居地を確保していく。まるで昨今の政治家のように。

    ハルメリにのめり込む輩の共通しているものは、疲れだ。
    競争する事の疲れ。そして振り落とされる事への疲れ。
    ハルメリの本質は自己否定することらしいが、世の中がハルメリで盛り上がれば盛り上がる程、雑誌で民衆をあおった側の記者・のし子は理性的な考えが働き、世評を増長させてしまった自分を後悔する。

    ハルメリ会員は暴走し、そこに乗っかる利害者も暴走し、コメンティーターとなった妻は家庭を顧みずTVに出まくる。

    本当の正義が悪で世の中の多数決が正義と化す社会を風刺した作品。
    演出は素晴らしい。しかし物語の見せ方、描き方に優しさが感じられないところが好みではなかった物語。

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