満足度★★★★
ポップでカジュアルなフランス史の1ページ
タイトルの通り「オルレアンの乙女」の生涯(後半が中心)を描いた作品。
一言で表現すれば「ポップでカジュアルなフランス史の1ページ」、事前に予習していたことに加えて、当時のフランスの国内事情(江戸時代の日本に喩えるのも巧い)や対イグランド関係についても劇中で解説があり、予習で疑問に思った部分までカイケツとは…
そのポップでカジュアルな表現に『ジーザス・クライスト・スーパースター』を思い浮かべていたら、終盤、悩むジャン・ピエールのもとに処刑されたジャンヌが現れるなんてところがあり、これまた首をくくったユダが登場して磔前のジーザスに疑問をなげかける「スーパースター」のシーンのようで、もうこれはトドメ?(笑)
欲を言えば、劇中に登場する地名がすべて舞台後方に掲げられた地図にあればよりとらえやすかったかもしれないけれど、漠然と知っている気になっていたジャンヌ・ダルクについて改めてキチンと(←予習した部分も含む)知ることができたのは有難い。
満足度★★★★★
アロッタファジャイナ・ゼロ
派手なセットや小道具はなく、衣装替えもなく。アロッタには珍しくフェティッシュエピソードや目まぐるしい場面転換もなし。しかしそれが、役者個人の肉体だけを使って、演劇と人間の持つ力を最大限に引き出そうとした試み・・・つまり「アロッタファジャイナ・ゼロ」だと気づいたときに、俄然舞台を面白く観られるようになりました。数回追加で足を運び、最終的に8回観ました。
一人最大7役の演じ分け、膨大な長セリフ、人によっては毛嫌いするであろう、史実の説明部分の講義的演出。その実験的な舞台の中に、一見膨大な史実を詰め込みすぎの感のある脚本から浮かび上がる「偽伝」に盛り込まれた人間達の様々な「生」。ジャンヌを火刑台に送り込んだ人間達の点と線を結びつけることによって再度ランスへと導く脚本は、まさに「奇蹟」。なんて途方も無い課題を松枝さんは役者さん達に与えたのかと驚きますが、この志の高さこそが私の好きなアロッタファジャイナの姿、なのです。
この試みが成功したかというと、必ずしもそうであったとは言えません。チーム・ホワイトは菅野貴夫さんの貫禄十分の演技、若宮亮くんの色気と茶目っ気たっぷりの演技、そして峯尾晶くんの狂気のジル・ド・レが好印象で千秋楽には死ぬほど泣きましたが、チーム・ブルーは殆どの役者さんが迷いの多い演技だったように思い、全体的な完成度は決して高くなかったです。
しかし、この公演中の劇団の迷走や成長具合が演劇、そして人間の力の素晴らしさを教えてくれて、私にとっては心に残る奇蹟の舞台になりました。完成度は前公演の『今日も、ふつう。』の方が圧倒的に高かったですが、愛着は本公演の方に強く感じています。
しかし、大概の人は1回しか観ないのだから、クオリティの高さは常に維持してほしいなとも思います(^-^;)再演の際には、初日から完成度の高いお芝居で魅せてください。きっと、誰にとっても素晴らしい奇蹟の舞台となることでしょう。
評価は、作品の完成度では☆3つ、しかし愛すべき作品ということで☆5つ。
ちなみに、安川結花ちゃんは、聖女ジャンヌ・ダルクそのものでした。ミラ・ジョヴォヴィッチのジャンヌなんて足元にも及びません。
満足度★★★
役者個人の色をたのしめた公演だったかな。
乃木太郎さんの王の演説に心を揺さぶられ、
加藤沙織さんのかわいらしいはじけた演技に「あんたはSDキャラか!」って突っ込みたくなり、
峯尾晶さん、菅野貴夫さん、若宮亮さんの変幻自在で多彩な演技に幻惑され、花音さんの美しい死に際に涙し、神か悪魔かというような感じで世界を一気に作りあげてしまうナカヤマミチコさんのストーリーテリング(個人的にはミッチさんが本公演のMVPだとおもいます。)にさまざまな感情を掻き立てられつつ、ジャンヌを演じた安川結花ちゃんとともに神の声に聞き耳をたててた。そんな感じでした。
満足度★★★★
強い思いが伝わる舞台でした
かなり挑戦的な構成。
2つのチーム制に2つの衣装。面白いとは思うが何回も観ることが
できない人が大半の中で、観ているほうの意識を保つのも大変だったと感じました。
しかし、壮大な物語を収めるにあたり、シンプルな舞台、絶妙な音楽、根本的な軸がぶれていないところも良く、それぞれの役者さんの思いが一致したときにはすごく良い結果になるのだなと思いました。
満足度★★★★★
どんな素材でも芝居は芝居
初日の白チーム、4日目青チームはやや物足りない感ありました。
が、楽日の白チーム素晴らしかった☆
ジャンヌ以外の7人の役者が、膨大な「与えられた説明ゼリフ」に気持ちを込めることが出来たから見事な舞台になったと思います!感動です!
満足度★★★★
ジャンヌの奇蹟に迫る好舞台
ジャンヌの奇蹟にスポットを当て、彼女と彼女を取り巻く国家・官僚・教会・軍などの人々の関係を真摯にとらえた好感もてる舞台。感動しました。
その濃密な歴史の真偽を1時間40分に収めるため、あえて派手な演出や舞台装置、衣装などはデフォルメした構成も、より奇蹟にスポットを当てた意味で効果があったと思います。
こうした手法の舞台も、観た後の充実感があり、よかったです。
それと、進行役のナカヤマさんと重要な役柄の管野さん、うまかったなぁ。
気持ちよく楽しませてもらいました。今後のアロッタにも「次はどんな芝居を見せてくれるのか」と楽しみです。
アロッタファジャイナ第11回公演『偽伝、ジャンヌ・ダルク』を観た
普段本を全く読まないオレには、知識が増えた!というのが感想。
清廉潔白のジャンヌ・ダルクよりジル(?)を主役にした方が、
ダークで深みのある物語になったと思う。
芝居は身一つで勝負の潔いスタイルではあるが、
それだけ役者の技術・力量が求められる。
正直、やりたいスタイルに役者がついていけてなく感じた。
身一つで表現しなければいけないのだから
パワーマイム等過剰肉体表現を取り入れたら良いのに、
さほど普通の演技と変わらなかった。
照明変化も意図的に極力抑えられていると思うので、
役者があらゆる手を駆使して展開と変化を見せるべきだったはず。
不思議なのは音響だけは極めてスタンダードだったことだ。
しかも選曲もテッパンだったため、
オレの中では音響効果だけが芝居から浮き出て良かった。
客入れが大変そうでした。
盛況なのですねー。客席が狭く感じました。
関係者の方たちが何人も出ていらして、お客様ひとりひとりに
座席を割り振っておられたのが、親切だなぁと思いました。
私が観たチームは普段着じゃないほうのチームだったのかな?
男性のスーツはビシっとなっているとかっこよいですね。
高揚感は圧倒的
ブルーチームを観ました。
時代を語る部分の冷静さとジャンヌダルクを描く時の高揚感の温度差が
観客をきちんと引っ張っていて・・・。
観ていて時間を忘れるほどに引き込まれる力が舞台に満ちて、でも一方でさらに昇華できる可能性も多く含まれた作品と感じました。
満足度★★★★★
偽伝、ジャンヌ・ダルク
大変、感動いたしました。
舞台は初めてでしたが、身近に感じることが出来、自分もその世界に入り込んでいるような錯覚を起こしました。
また、4月11日に観賞しに行きます。