無畏 公演情報 無畏 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

    言葉では言い表せないほど素晴らしい。A級戦犯で死刑になった松井石根の話。多くの資料を参考に史実とフィクションを紡ぎ合わせて最高のドラマを観せてくれる。好みはあるけど(近代史好き、重い話好き、笑い無し等)、1年に1本しか観劇をしないという人がいたら、この劇団を勧めるかもしれない。今回もホントに凄い作品だった。

  • 満足度★★★★★

    松井役の林竜三と上室役の西尾友樹の演技が圧巻
    暴走した二人の中将、柳川と中島役の原口健太郎と今里真もいい味を出していた
    松井の心底をあぶりだすべく上室が略奪・強姦を表現して机や椅子をひっくり返すシーンはものすごい迫力だった(西尾の持ち込みだとか)
    相変わらず暗いトーンの舞台の、巣鴨プリズン内のセットの天井からしたたる水が印象に残った

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/07/31 (金)

    久しぶりの観劇に震える。戦争で生まれるものは…。あ~いつの時代も…。これからどのような世の中になっていくのだろうか、と考えがぐるぐると渦巻いた。配信も見ました。が、やっぱり家では集中できない。

  • 満足度★★★★

    リアルタイム配信(その後アーカイブ鑑賞1日可)のみ。上演は駅前劇場。劇チョコらしい芝居が観られたが、配信での観劇「体験」は濃度として薄いためか、観劇した事を暫く忘れていた。見ている間は興味深く物語に入って行ったが・・。
    (元々配信時間14時には観る事はできず、夜中に見るつもりであった。が、途中体調による睡魔に襲われ、翌13時まで危うかった。助かったのは「読み込み」によって期限を過ぎても見続ける事ができたこと。不明点を見直したり、十分堪能した。)
    松井石根という唯一「政治家でない」処刑されたA級先般の名前は耳にしていたが、日中友好を願う親中派であった事、南京での無法な兵士の所行に怒り軍規引き締めを通達した等は「虐殺の司令官」イメージとはかけ離れ、どの程度事実が反映されたかは不明でも人物としてのリアリティはあった。むしろ「善意」の決断が結果的に何を招来したかを考察する適材を与えている。
    戦後巣鴨プリズンの彼を訪ね真相に迫ろうとする弁護士(西尾友樹)と松井(林竜三)が舞台の後半、何気に30分を超える(測ってないがもっと長いかも)息詰まるやり取りがある。弁護士は「何故こうなったのか」「何を誤ったのか」の問いを、手を変え品を変え松井に投げて行くが、松井が自分を支えていた「善意」なるものの確信が揺らぎ、支えを失ったそれを差し出し裁きに委ねるまでを台詞にした脚本、命を吹き込んだ俳優に感服した。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/08/10 (月) 14:00

    古川さんことだ、南京事件を描こうということは、かなり前から決めていたことだろう。
    そのタイミングがここということ。
    「南京大虐殺」という虚構の廃絶に振り回されることなく、真摯にこの事件に向き合う姿勢はさすが。松井石根をただの善人あるいは理想論者として片づけない。
    ただ、史実を洗いなおす過程で、彼から引き出せるものは、「南京攻略を急いだのは、私の野心のため」と言わせるのが精一杯と感じたのだろう。おそらく、彼を断罪するよりも、あるいは、いかに反省の弁をのべさせるかよりも、松井の罪業が理念と現実、清廉と非道の狭間でいかような様相を呈したのか、西尾氏の弁護士と、浅野氏の教誨師を配置することで描き出そうとしたのだと思う。松井は、ただただ彼らに回答を求めたのだ。そこに、この芝居の松井石根への、滔々とした残酷さを感じずにはいられない。

    千秋楽、ラストコールでの西尾友樹氏の満面の笑みが、コロナ禍で活きる劇団員の矜持として印象に残った。

  • 満足度★★★★

    松井大将の存在感が凄すぎて、その反面、弁護士と教誨師のお坊さんがどういう人なのかがよく掴めなかった。弁護士は、弁護士というより、松井死刑囚がどう総括すべきかの答えを定めそれ以外の答えを許さずに断罪する神か閻魔大王と感じられたが(人間であれば、たまたまその場にいなかったことをいいことに囚人相手にマウントとってあのように一方的に人を断罪するなど許されない)、山に登ってハアハア息をついたり景色に対する感想を無感動な現代の若者風にそっけなく述べたり、と、いったいどういう存在なのか私の中ではまとまらなかった。教誨師も、物語上の存在意義が感じられず、主人公とどう関わっているのか、あるいは関わっていないのか、その立場が最後までわからなかった。閻魔大王の弁護士と同じ立場?この二人の存在には違和感が否めなかった。
    ただただ主人公松井大将を観る作品ということか。他の将校たちの演技も良い。

  • 満足度★★★★

    配信で鑑賞。本当は舞台で見たかったが、都合が合わなかった。
    中支方面軍司令官で南京事件当時の責任者だった松井石根の、南京事件の責任に迫る。松井は東京裁判で絞首刑になった

    松井は日中が提携してアジアを発展させるべきという大アジア主義者で、中国を愛していた(と描かれている)しかし、南京事件は起きた。補給のないままの徴発による進軍、東京の大本営を無視した作戦行動などは、同僚・部下の軍人たちがすすめた。予備役から引っ張り出された高齢の松井は、直接虐殺を命令したわけではない。ぎゃくに軍規のひきしめを繰り返し強調していた。

    ネタバレBOX

    それでも松井に罪はあることを、弁護士との対決場面で最後に明らかにする。徴発で暴力になじんでいった兵士たちが、強姦の禁令のために、自分たちの強姦を隠すために女を殺す結果になった。禁令が、逆に暴力を誘発した。
    「私が南京攻略を急いだのは、中国人のためでも何でもない。私の野心のために過ぎない。それがどこかで私にもわかっていた。だから苦しかった」と。松井は「私は失敗をした。許されない失敗だ。それでも心から中国を愛していた。中国の民衆を傷つけるつもりはなかった」と泣き崩れる。

    「地獄への道は善意で敷き詰められている」(これはレーニンの座右銘)という言葉を思い出した。。軍司令官の独りよがりの善意と、意地と虚栄心が南京事件を起こした(防げなかった)という、歴史観を本作は示している。松井も「許してくれとは言わない。到底償いきれない重い罪だ」と最後は認める。説得力のあるものだった。
  • 満足度★★★★

    非常に衝撃的な作品。ドラマとして観れば平坦な作りだが、自分は論戦として受け止めた。
    東京裁判にて死刑となる、南京大虐殺の最高責任者、当時の陸軍大将松井石根(林竜三氏熱演)と弁護士との対話。
    このネタは時代が時代なら大揉めで酷い難癖をつけられていたことであろう。NNNドキュメント『南京事件』のような良作も糞味噌に言われる世の中なのだから。
    初フェイスシールドは思ったより悪くはなかった。ここまでして、舞台を演り、舞台を観る、というのが人間の面白い所。コロナを逆手に取った新しい観劇スタイルなんかが生まれてくるんだろうなあ。
    南京事件を扱った作品は巨匠チャン・イーモウ監督の『ザ・フラワーズ・オブ・ウォー』ですら黙殺される日本。(主演クリスチャン・ベール。韓国版Blu-rayにて日本語字幕有り。)
    「何故、自称愛国者達はこれらの事(従軍慰安婦問題など)を禁忌としたのか?」「これらが事実であると何がまずいのか?」そここそが日本人論の焦点。
    クライマックスの弁護士の詰問はド迫力。作者が時空を越えて松井石根を恫喝しているようにすら見えた。ここまでするか・・・。流石である。

    ネタバレBOX

    クライマックスからのエピローグが饒舌で冗長。各フォローのように見えて斬れ味が雑に。
    『私は知らない事であるが、全ての責任は立場上私が取る』という日本人的美学を作者は糾弾する。そんな悲劇の善人が断罪された物語では何も解決しない。それでは何も後世に教訓が生きない。その美学を剥ぎ取り、自らの無力さをさらけ出してこそ、何故こんなことになってしまったのかを考え始める礎となる。永遠のテーマであり、また必ず同じことが繰り返されるであろうから。
    大東亜共栄圏、もしくは大東亜協同体論などの理想を掲げて起きた出来事は「"大義‘’の過程において犠牲はやむを得ない。全ては輝かしき未来の為の瑣末事でしかない。」という詭弁にも感ずる。
    作家宮崎学氏が連合赤軍植垣康博氏の著書に寄せた一文、『目的は正しかったが、手段を間違えた』という言い分は誤りで、『間違った手段を選ばせるような目的はそもそもが間違っていたのではないか?』との考察を思い起こす。
    中国映画『南京!南京!』があの場の肌触りや空気感を巧く再現。自分がそこにいたら何を見てどんな気持ちになっていたのか?Amazonプライムなどの配信では日本語字幕付きで観れるのでこれもお薦め。
  •  人の心の闇に潜む本性にぐっと迫り、
    その複雑な多面性を深く鋭く突いている作品。

     松井石根と上室弁護士との間で行われる、南京戦での
    軍紀崩壊による惨劇についての最後の検証問答の場面
    は圧巻。

     ただ、主人公の松井石根へ焦点を合わせ過ぎた分、
    まわりの人物像がぼやけ平板的になっていたような。
    人物造形描写の点では共焦点多焦点というより単焦点の感あり。

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