公演情報
「天保十二年のシェイクスピア【東京公演中止2月28日(金)~29日(土)/大阪公演中止3/5(木)~3/10(火)】」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
鑑賞日2020/02/15 (土) 13:30
戯曲の面白さは重々承知していたけれど、大劇場を満たす祝祭感に圧倒された。鮮やかな色彩と音楽、そして何よりたくさんの言葉が人間の業や愚かさとともに生きるエネルギーを描き出した。
豪華キャストによる沙翁尽くしの音楽劇。格子戸をはめ込んだ対になる2つの可動式装置で軽やかに場面展開。出演者と客席が近いライブの贅沢。音楽も明るく楽しい。特に「賭場の場のボサノバ♪」が好み。藤井俊太郎演出からは、井上ひさし戯曲の言葉を伝えようという強い意志が感じ取れた。歌詞の字幕もありがたい。メインキャストばかりを目立たせるのではなく、出演者一人ひとりを輝かせる群像劇になっていたことにも好感。
満足度★★★★★
シェイクスピアはほんの一般的なものしか見たことはありませんがそれでも「あ、リア王で始まるのね。でマクベスでハムレットでロミジュリでこの辺りはオセロ?」パックやオーベロンもどこかにいたのでしょうか。もっと詳しかったら更に良かったのでしょうが、私には十分面白かったです。
遊郭も兼ねる旅籠が舞台なので、際どい場面もあってドキドキしてしまいました。
満足度★★★★
二幕、3時間35分(休憩20分込み)、豪華な舞台であった。役者バカ系がごっそり揃っており、主演の高橋一生氏(白土三平調)にはニヤニヤした。シェイクスピアのエッセンスを煮込みに煮込むと、人間の業の深さに気が滅入るジェノサイド演劇に。余りに陰鬱なストーリーなのだが、終わってみるとやたら爽快な気分なのが不思議。井上ひさし流の『それも含めて人間って面白いな』という達観した人間観なのか。
歌の歌詞など、左右に字幕が映し出されるので有難い。ヒロインの唯月ふうかさんを事故以来久し振りに観たが、凄まじく巨大なオーラを放つ女優になっていた。これからどうなることか益々目が離せない存在。オフィーリアの熊谷彩春(いろは)さんも可愛かったし、浦井健治氏のハムレットも流石にカッコイイ。一度観た方が良い。
満足度★★★★★
いやあ面白かった。いわばシェイクスピア劇の名場面集なのだが、個々バラバラでなく、全体が一つのストーリーになっている。浮かび上がるのは、欲望のままに権謀術数の限りを尽くした男の、成り上がりと転落の悲劇。次々人が死んでいく世の非情と無常。そして最後は悪王を倒す民衆の力である。3時間半と長いのに、全く飽きるところがなく、時間が短く感じた。
〇五年の蜷川幸雄演出はDVDで見た。もとの4時間を超える戯曲をカットしたそうだが、まだ4時間あり、これでも長くてごちゃごちゃした印象だった。今回はさらに30分短縮。その結果非常にテンポがよくなった。素晴らしい。
キ印の王次(ハムレット)の浦井健治は新国立でシェイクスピアの歴史劇を続けてきた経験が生きている。緩急つけて客席を沸かせる見せ場はさすが。シェイクスピアの悪役(リチャード三世、イヤゴーなど)を一人にまとめたような高橋一生も後半、凄みを増した。任侠者とお嬢様の双子を演じる唯月ふうかも可愛いうえに芸達者で、貫禄があった。蜷川版では篠原涼子がやっていた役。メイクのせいか今回も篠原涼子に似て見えて、それもまたよかった。
旅籠屋や、二階のある日本家屋を左右二つのセットを組み合わせて作った。美術もシンプルなのに、リアルだったし、転セットをぐるぐる回しての場面転換もスピーディーでよかった。
満足度★★★★★
悲劇で喜劇。流れるようなシェイクスピア作品メドレー。シェイクスピアを知らなくても楽しめると思います(実際、37作品中、私は5作品しか分かりませんでした)
ただ、「リチャード三世」「マクベス」「ハムレット」あたりは何となく知ってるほうが、より舞台を楽しめます。
主人公の佐渡の三世次(高橋一生さん)は、紛うことなき極悪人でした。なんなら外道。でも、そう生きるしかなかった生い立ちというか、三世次という男の悲しいさがを感じることができて、個人的に切なくなる場面も……。陰謀と悪事を軽快に繰り返すので同情の余地はないんですが、ラストシーンは見ていて少し胸が痛くなりました。
あと舞台を観るまでは、ポスターなどから「高橋一生かっこいい悪人」と思ってたんですけど、舞台ではちゃんと醜い男でした。顔の造形じゃなくて佇まいが。声やしゃべりも何か気持ち悪かったです。さすがだなぁ…。
長丁場の舞台ですし歌います。うっかり寝ないか心配でしたが、一瞬たりとも眠くならなかった。それは、ちゃんと物語になってたし、随所に言葉遊びが散りばめられていて面白かったし、華やかな舞台装置と衣装に目をみはったし、何より登場人物それぞれのキャラが立ってて魅力的だったからです。失礼な言い方かもしれませんが、実力派ぞろい。レベル高っ!次は細かな演出にも注目したいので大阪まで観に行ってしまいそうです。
間違いなく面白い舞台でした!
満足度★★★★★
いやあ楽しい!シェークスピアの全作品に触れるというお遊び企画ではあるのだが、しっかりとした物語になっていて、さすがは井上ひさしと感心した。そこに宮川彬良の音楽が重なったところに、高橋一生、浦井健治という人気と実力を兼ね備えた役者さんが登場するのではこれ以上の贅沢はない。
最初は「リア王」と3人の娘のお馴染みの場面。ここでは天保12年(1841年)のヤクザの親分、鰤の十兵衛(辻萬長)の跡目相続である。アホ真面目な三女のお光(唯月ふうか)が弾き出され、長女のお文(樹里咲穂)と次女のお里(土井ケイト)で縄張りを分割して受け継ぐ。そのとたん、長女の夫の紋太と次女の夫の花平が争うようになる。これは「ロミオとジュリエット」のモンタギュー家とキャプレット家ではないか…。以下どんどん書きたくなるが自粛。105分+20分休憩+95分と長いが全然飽きない。
ここまでの役者さんも実に良い味を出しているが梅沢昌代さんの明るい魔女風老婆も嬉しくなるような怪演である。そして進行役の木場勝巳さんの変幻自在のうまさにはあきれるばかりだ。
この場面はシェークスピア作品の何かを考えながら観るのは実に楽しい。私は有名どころの「リア王」「ハムレット」「オセロ」「マクベス」「ロミオとジュリエット」「リチャード三世」くらいしか分からなかったが、通の人は一つ一つの動作にも連想が湧いてくるのだろう。もっともそういうことを一々考えなくても、しっかりとした衣装、美しい舞台装置もあって絢爛豪華な世界をたっぷりと楽しむことができるだろう。文句なしのスタンディングオベーション、絶対のおすすめ。