天保十二年のシェイクスピア【東京公演中止2月28日(金)~29日(土)/大阪公演中止3/5(木)~3/10(火)】 公演情報 東宝「天保十二年のシェイクスピア【東京公演中止2月28日(金)~29日(土)/大阪公演中止3/5(木)~3/10(火)】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    いやあ面白かった。いわばシェイクスピア劇の名場面集なのだが、個々バラバラでなく、全体が一つのストーリーになっている。浮かび上がるのは、欲望のままに権謀術数の限りを尽くした男の、成り上がりと転落の悲劇。次々人が死んでいく世の非情と無常。そして最後は悪王を倒す民衆の力である。3時間半と長いのに、全く飽きるところがなく、時間が短く感じた。

    〇五年の蜷川幸雄演出はDVDで見た。もとの4時間を超える戯曲をカットしたそうだが、まだ4時間あり、これでも長くてごちゃごちゃした印象だった。今回はさらに30分短縮。その結果非常にテンポがよくなった。素晴らしい。

    キ印の王次(ハムレット)の浦井健治は新国立でシェイクスピアの歴史劇を続けてきた経験が生きている。緩急つけて客席を沸かせる見せ場はさすが。シェイクスピアの悪役(リチャード三世、イヤゴーなど)を一人にまとめたような高橋一生も後半、凄みを増した。任侠者とお嬢様の双子を演じる唯月ふうかも可愛いうえに芸達者で、貫禄があった。蜷川版では篠原涼子がやっていた役。メイクのせいか今回も篠原涼子に似て見えて、それもまたよかった。

    旅籠屋や、二階のある日本家屋を左右二つのセットを組み合わせて作った。美術もシンプルなのに、リアルだったし、転セットをぐるぐる回しての場面転換もスピーディーでよかった。

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    2020/02/16 00:04

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