かげきはたちのいるところ【2021年春に延期&創作は継続】
Aga-risk Entertainment(東京都)
公演に携わっているメンバー:12人
- 【団体紹介】
- 読み方は「アガリスクエンターテイメント」。アガリクスではなくアガリスクで、エンターテインメントではなくエンターテイメント。
キャッチコピーは「屁理屈シチュエーションコメディ劇団」。
一つの場所で巻き起こる事件や状況で笑わせる喜劇、シチュエーションコメディを得意としており、最近では大勢の人物がごちゃごちゃ理屈をこねたり議論をするコメディを作っています。
母体が存在せず、千葉県市川市の公民館で自然発生した野良劇団ではありますが、主宰・冨坂のルーツである千葉県立国府台高校を題材にした作品が多く、代表作の「ナイゲン」は各地の高校・大学の演劇部や劇団で上演されています。
そのシリーズとして、2020年1月にfilamentzとの合同公演で開催した「国府台ダブルス」では『いざ、生徒総会』『卒業式、実行』を同時上演し、1600名を動員しました。
活動スタイルの特徴としては、最近の小劇場団体には珍しく多数の劇団員を擁し、劇団員中心での創作を行っています。
また、ホテルでの出張公演、外部企業とコラボレーションして映像コンテンツの製作、TVバラエティ(テレビ東京「ゴッドタン」)への劇団単位での出演など、他企業や他媒体に劇団単位で関わっていく点が挙げられます。
- 【応募公演への意気込み】
- 今回は、二年間の休団を経て復帰する塩原俊之含む劇団員9人と、劇団員より常連な客演の斉藤コータ氏(コメディユニット磯川家)の10名による、“アガリスクエンターテイメントらしさ”を究めた公演となります。
本作は「現代に生きる極左暴力集団」を題材にしつつ、かつて劇団でシェアして居住していた一軒家「アガリスクハウス」での共同生活をモデルにして、若者集団の隆盛と崩壊、理想と生活のギャップをコメディとして、痛々しく描く青春(の終わり)群像劇です。
そのために劇団員と、所属劇団でのルームシェア経験を持つ斉藤コータ氏という、自身の経験や境遇や帰属意識を投影できるメンバーだけを集めた座組みを作りました。
また、本興行では「演劇公演はお祭りであり、だからこそ準備すら楽しむべきイベントである」という思想のもと、創作過程をほぼ全て詳細にレポートし、作品が出来上がる過程をドキュメンタリー的に追ってもらえる施策を行います。
①毎稽古ごとに出演者が日記を書いて提出することで創作過程での個人の発見や進捗を公開。
②「視点」という係を導入し、記者が頻繁に稽古や創作過程を文章にてレポートします。
③全ての稽古・全ての会議を映像で記録し、インタビューも交えて第三者がドキュメンタリー作品として完成させることで「2020年に、劇団が、小劇場の演劇公演を作る方法」を克明に残します
さらに、チケットの販売方法、公演中のグッズ販売の形態、いわゆる「役者面会」の問題など、小劇場演劇の公演において問題となっている制作上の問題についても、現時点で劇団の思う解決策を提示していく所存です。
- 【将来のビジョン】
- 当面は主に二つの方向で発展を目指します。
一つは、自団体の演劇公演をより多くの方々に見ていただくこと。
単純に興行規模を大きくするということではなく、再演を重ねることで、「その作品を届ける人数」を増やしていきたいと考えています。
特に、2019年に再演した「わが家の最終的解決」、2020年夏に初演した「発表せよ!大本営!」などの歴史モノのコメディは、普遍的に楽しんでいただける作品であり、劇団員が年齢を重ねても上演が可能なことから、再演やツアー公演を重ねて何度も上演していきたいと思っています(そして本作もそういう作品にしたい)。
作品としての完成度には自信があるからこそ、大幅改稿やリメイクをすることなく、興行の打ち方、宣伝の仕方などのプロデュース方面に力を入れ、より多くの方々に届けることを視野に入れています。
二つ目は、劇場での演劇公演以外での劇団の創作活動を商業ベースに乗せること。
現在も、地方ホテルからの依頼で出張公演、企業からの依頼を受けての映像製作など、他業種とコラボレーションした創作活動を行なっています。
その受注の件数や規模を拡大し、まずは「舞台公演ではないけれど劇団員での創作で経済を回す」ところまで持っていくのが当面の目標です。
そのために、法人格を得て他業種とのやりとりをスムーズに行ったり、主催する演劇公演と他業種を繋げる試みを行っていきます。