★★★圧倒的存在感

FUKAIPRODUCE羽衣を観るのは、15minutes とEKKYOについで3度目になりますが、単独公演は初でした。やはり、「妙ージカル」という言葉を発明できたため、セルフプロデュースが完璧にできていますね。

★★★妙ージカル

宣伝文句に間違いはなく、妙ージカル、でした。
チラシとの世界観の違いには驚きました。
好きかそうではないか、意見が分かれる作品でしょう。
役者さん達の熱演が続き、汗や湿度が劇場内を満たす。
妙な生ナマしさが印象に残り、繰り返し歌われる歌が、今も脳内で流れています。

★★★どちらに転ぶかは紙一重

観る人によって評価は分かれるだろうなぁというのが、終わってからの第一印象。私は好印象でした。

暑苦しさ、無駄と言っていい動き、歌というより奇声に近い叫び……などなど、ダメな人はずっとダメ(笑)なところではあると思うのですが、”演劇”を観てるなぁという気にさせるのです。

演者が観客の前にいて……という、演劇を演劇たらしめる要素の一つであり醍醐味である、その力とスケールを感じさせてくれたから。

これはもう演劇に求めるもの、こうあってほしいというとても個人的なところに話が入っていってしまうのでこのあたりにしておきますが。内容などについてはネタバレにて。


★★★★灼熱の純粋性愛・妙ージカル!

 男女の性愛をおおらかに歌い、叫び、踊る、体当たりのパフォーマンスです。役者さんのはっちゃけて、振り切れて、限界を超える(?)動きっぷりに圧倒されます。そして、とにかく暑苦しい!ばかばかしい!でも感動しちゃう!(笑)

 休みなしで踊りすぎて卒倒しないのか、暴れすぎて怪我しないのか、音域の広い歌を叫んでのどを潰さないのか、劇団内恋愛禁止だけど胸焦がす恋に落ちちゃうんじゃないのか!?・・・等々、いらない心配が何度も頭をよぎりました(笑)。

 作・演出・音楽・振付・美術を手がける糸井幸之介さんの才能がまぶしいです。いつかぜひ歌手やバンドに楽曲提供していただきたいですね。

 歌詞を当日パンフレットと一緒に配布していただけるのが嬉しいです。公演前半は“ささやかなプレゼント”付き(終演後のドリンク・サービス)で、私はポカリスエットをいただきました。のどがすごく渇いていたので助かりました。

 チラシの写真・デザインがきれいで、とっても私好みです。このチラシに一目ぼれして観に来るお客様も、いらっしゃったのではないかしら。でも、セックスにまつわる表現が具体的で激しい作品であることが、このビジュアルからは伝わらないように思います。FUKAIPRODUCE羽衣の表現においては、歌も踊りもセックスも同じ位置づけなのかもしれませんが、過激な性描写にアレルギーがある観客も少なくはないので、そのあたりの配慮はしても良いのではないかと思います。

★★★★★はまってしまった。

 賛否両論分かれると聞いてきた初見の羽衣妙ジカルだが、見事にはまってしまった。面白かったとか感動したとかいう表現ではなく、糸井マジック、FUKAIワールドに洗脳されていまったという感じ。中毒性のある芝居なのでみなさんご注意を(笑)。

 全編性的描写ののオンパレード。最初はびっくりしたが、FUKAIPRODUCE羽衣(以下FUKAI)の表現は少しもいやらしくない。独特のえも言われぬ動きを繰り返す踊りは、シャーマニズムの儀式のように、神々しくさえ感じた。そう、深井順子は現代のシャーマンなのだ。

 そして途中から、これは豊穣の祭りだったんだと悟った。彼ら(彼女らの)全身からほとばしるエネルギーは我々の心の中に直接的に働きかけ、爆発的なエネルギーと生の活力をいただいた。

このページのQRコードです。

拡大