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アルキメデスの大戦

アルキメデスの大戦

東宝

シアタークリエ(東京都)

2022/10/01 (土) ~ 2022/10/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

すぐれた戦争モノ・ファンタジーだ。
漫画から出発して、東宝の特撮映画、今回は商業劇場で劇化された。第二次大戦中の戦艦大和建造を素材にしたエンタティメント。演劇界期待の劇団チョコレートケーキの・作・演出のコンビが、都心の東宝の商業劇場へ初登場。巨大戦艦建造の国家の論理と、数学の合理性の対立と言う異色のテーマは成功するか、その首尾や如何。
幕前の静かな波の音のなかで、幕が開くと、敗戦まじかの海軍通信部。パラパラと置かれた安っぽい事務机で通信兵たちが無線にかかり切っている。大和沈没の報が飛び込んでくる。崩れ落ちる兵たち.このプロローグから始まるのだが、驚いたことに、この場面で使われたスカスカの机と椅子を組み合わせるだけで、海軍本部も、会社社長室も、長門や大和の船橋も、全場面を処理してしまう。緋毛氈一枚を斜めに置くだけで宮中を処理してしまった「治天の君」の、あっぱれチョコレート魂である。
結果はすべて想像以上によく纏まっていて、ジャニーズファン以外の若い客層が緊張して見ている。平日の夜、九分の入り。2時間55分(休憩25分)
チョコレートケーキにとっては手慣れた政治的対立の構図の作品だが、戦時の政治判断の失敗は、現在の政府のことに当たっての右往左往にも重なっている。それが嫌らしく表面に出ることのない表現にしているのもさすが。思い切って裸に近い汎用セットにしたのも成功している。その中でよく劇場の大きさを読み込んでスケール感を出す工夫もしている。それが、花より団子の実力派俳優陣と合っていて、敗戦のストーリーにふさわしい。一方、人気の福本莉子の設定はいかにも通俗で生かし切れていない。
ドラマの対立軸を戦争と数学の正義、と言う新しい視点にもっていったのも、ユニークで成功している。戦争は知らない観客が圧倒的に多くなった現在のエンタティメントにふさわしい。数学の板書などはちゃちいのだが、結局は普通の誰にもわかる話に落としていくのもうまい。
俳優はすっかり若くなって、軍人らしくはないが、現実に彼らが生きていた時代が遠くなってしまったのだから、これでも今の観客には馴染めるのかもしれない。造船中将(岡田広暉・好演)脇に回った役どころの少尉(宮崎秋人)の使い方も商業演劇定番ながらうまい。
クリエの興行としては大成功だろう。さすが、東宝。大手のプロの見切りの良さを十分に見せてくれた商業演劇である。

”ラクエンノミチ”

”ラクエンノミチ”

演劇サークルact

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2022/10/08 (土) ~ 2022/10/10 (月)公演終了

実演鑑賞

深夜ドラマくらいのいかがわしさ、そして観心地の良さ。
ふむふむ、ファッションヘルスってこんな感じで営業しているのか、中々リアリティーあるなぁ、中々勉強になるなぁと思いながら観ていました(笑)
(店内の受付け&お客様待機エリアが舞台です、念のため)

このお店 繁盛していないのに妙に雰囲気が良くて、切り盛りしているのはどこか人の良い店長と、気を許せそうな予約受付のゲイ男性。
お店の女の子達も、程よく距離間を保って程よく仲が良い(これは重要)
”現実”を直視しないで、毎日をこんな感じで過ごせていれば確かにここは”楽園”のようにも見える。
見えていなかったモノがうっかり露呈された途端、あっという間の連鎖で汚れ崩れ落ちていく楽園だったけれども・・・

大きな幸せなんて望まないから。

こんな日々がいつまでも続きますように。

思わぬショッキング感に驚きましたが後味はそれほど悪くない。
中々やりますね!20周年おめでとうございます。

「カレル・チャペック〜水の足音〜」

「カレル・チャペック〜水の足音〜」

劇団印象-indian elephant-

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/10/07 (金) ~ 2022/10/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

これは現在の世界状況を考えると、すごく突き刺さる作品ですね。いやはや圧倒されました。

八月のモンスター

八月のモンスター

甲斐ファクトリー

オメガ東京(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

評判通りの見事なサイコサスペンスでしたね。圧倒されました。

朗読劇 無宿の寵愛

朗読劇 無宿の寵愛

株式会社K'sLink

ザムザ阿佐谷(東京都)

2022/10/09 (日) ~ 2022/10/11 (火)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

手話裁判劇『テロ』

手話裁判劇『テロ』

神戸アートビレッジセンター

神戸アートビレッジセンター(兵庫県)

2022/10/05 (水) ~ 2022/10/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

俳優の力、脚本の力、演出の力、スタッフワークの力を強く感じました。良きものが観られて感謝です…!
無音で観たらどのように感じるのか、知りたくなりました。

汚名をそそぐ

汚名をそそぐ

G-フォレスタ

青山ビル(大阪府)

2022/10/08 (土) ~ 2022/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

再演だが、全くという程覚えていない…。痴呆が始まったのか。面白いで賞までに、解答を呼ばれたが…
次回はTシャツをゲットするゾ!

猿王記

猿王記

劇団SE・TSU・NA×魅殺陣屋

AI・HALL(兵庫県)

2022/10/07 (金) ~ 2022/10/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

猿王に戦いを挑む百嵐 妖怪 記憶 分身 幅の広い出演陣 百嵐の記憶 頭の輪の緊箍児 百嵐演じる堀江祐未さんのこれからの物語

あじわうとき

あじわうとき

一般社団法人表現者工房

表現者工房(大阪府)

2022/10/08 (土) ~ 2022/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

バブルの申し子 おのうえぬいの話をモチーフにした演劇。お金とは、なぜバブルが発生したかを教えてくれた。バブルの後始末を経験した僕としては、とても勉強になりました。

「百花屋事件帖~消えた花魁の謎」

「百花屋事件帖~消えた花魁の謎」

劇団プレイング

東文化会館メインホール(大阪府)

2022/10/09 (日) ~ 2022/10/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

開場から花魁がお出迎え 和服 衣装が本物 これれだけでも見応えが有る
花魁道中 とても綺麗 将軍の息子 好きに生きればいい 面白かった

花を摘む人

花を摘む人

空の驛舎

ウイングフィールド(大阪府)

2022/10/07 (金) ~ 2022/10/09 (日)公演終了

実演鑑賞

花を摘む 昼顔 花が咲く ダムにも ダムを訪れた女性 話す男性 弁当をもってきた家 話す女性 ここは君の家じゃない ここに居ても 花を摘む 骨は綺麗な白 バスは来ない 沈んだ村 向日葵 花を摘んだのはお祖母ちゃん 兄と妹の会話 どちらも地元を愛している バスの運転手 新たに住む人はダムを訪れた女性と話してた男 家まで送るよ。 沈んだ村 亡くなっている人 今生きる人。 花は咲く。

「カレル・チャペック〜水の足音〜」

「カレル・チャペック〜水の足音〜」

劇団印象-indian elephant-

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/10/07 (金) ~ 2022/10/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/10/10 (月)

価格4,720円

10日13時開演の千穐楽の舞台を拝見(135分)。

旧・チェコスロバキアの国民的作家の半生の背景である世界情勢は、今、まさにウクライナ・ロシア間で…さらには我が国も決して他人事ではないリアルな現実として、観客の一人一人に突きつけられていたのではないか?
しかしながら、そうした世界情勢の中にあっても、作・演の鈴木アツトさんが訴えたかったのであろう、個々の民族・政治体制に拠らず、自立した地球市民的な考え方には強い共感を覚えた。

なお、演じ手では、そんな作者の理想を具現化した人格であると個人的に感じていた、アレナ役の山村茉梨乃さんが大変印象に残った。

【追記】
”その後”のカレルの兄・ヨゼフやヤン・マサリクの最期を知り、改めて、考え込む羽目に陥った。

ネタバレBOX

【配役】
カレル・チャペック…二條正士(にじょう・まさし)さん
ヨゼフ・チャベック(カレルの兄。画家。作家)…根本大介さん
フランティシェク・ランゲル(カレルの親友。軍医。作家)…岡田篤弥(おかだ・とくや)さん
オルガ・シャインプフルゴヴァー(女優。後にカレルの妻に)…今泉舞さん
ヤルミラ・チャプコヴァ-(ヨゼフの妻。仏語の翻訳家)…岡崎さつきさん
ギルベアタ・ゼリガー(独語の教師。”民族対立の象徴”的存在だが、実は凄惨な体験が…)…勝田智子さん
トマーシュ・マサリク(チェコスロバキヤ共和国大統領)…井上一馬さん
ヤン・マサリク(トマーシュの息子。外交官。政治家)…柳内佑介さん
アレナ・チャブコヴァー(ヨゼフ、ヤルミラの娘)…山村茉梨乃さん
アンサンブル…
河波哲平さん、佐藤慶太さん、佐藤勇輝さん
星野真央さん、堀慎太郎さん、松浦プリシラ亜梨紗さん
なくなるカタチとなくならないキモチ

なくなるカタチとなくならないキモチ

一般社団法人グランツ

駅前劇場(東京都)

2022/10/07 (金) ~ 2022/10/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/10/10 (月) 14:00

座席1階

東日本大震災と原発事故で避難を強いられ、避難指示解除と同時に戻って再開した福島県楢葉町の障害者施設を運営する女性をモチーフにした舞台。知的障害者の俳優たちが所属する横浜桜座のプロデュース公演で、主人公の女性を歌手で俳優の南野陽子が主演した。

南野陽子の小劇場での公演を初めて見た。丁寧で明瞭な発声でとても好感が持てる。小劇場の舞台ではやたらとシャウトしたりオーバーな発語をする俳優が多いと感じていただけに、まるでメロディーでも聞いているようなスムーズでさわやかなせりふが心に染み入った。役柄が障害者施設で利用者たちに相対する落ち着いた人だから、まさに見事な演じぶりだと言わざるを得ない。それに加えてアイドル時代をほうふつとさせる笑顔がよかった。
彼女に引っ張られる形になったのか、ほかの俳優たちもしっかり役柄の個性を演じていて完成度は高いと思った。実際にあった話を下敷きにしていて、震災と原発事故による避難では障害者たちはその障害ゆえに苦難を強いられた。そうした事実をしっかりと描きながら、舞台に重苦しさを感じなかったのは俳優たちが足が地に着いた演技をしたためだろうと思う。
ラストシーンがよかった。桜座のメンバーたちも含めた総出演で展開したメッセージの数々はとてもいい。
障害の有無を超えて社会的な課題を考えていけるこのような舞台が、もっと増えることを願う。

朗読劇 無宿の寵愛

朗読劇 無宿の寵愛

株式会社K'sLink

ザムザ阿佐谷(東京都)

2022/10/09 (日) ~ 2022/10/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、朗読劇だが 力作といった印象である。
また楽しみに出来る劇団と出会えて嬉しく思う。

幕末の動乱期、人斬り以蔵と恐れられた「岡田以蔵」の半生を力強く語る。それは単に台本を読むだけではなく、音楽・音響、照明といった舞台技術との相乗効果も見事に発揮。なにより役者陣の熱演が物語に緩急をつけ、巧みに その世界観に引き込む。朗読劇ゆえ、殺陣等の動きこそ観られないが、表情の豊かさ、土佐弁での喋り、そして全員和装(紅一点の万姫サンは日本髪)で、外見にも気を配る。勿論、舞台美術も意味ある配置で、武家社会を端的に表している。

以蔵は、足軽という身分(1人だけ裸足)ゆえ、学がなく泥臭く地べたを這いずり回るかのような描き方であるが、不思議とその世界観は格調高い。彼の心情を激白させるが、そこには疑うことを知らない純心さ。それ故の悲哀が浮かび上がる。
(上演時間1時間30分) 

ネタバレBOX

舞台セットは、中央奥を少し高くした平台(山内容堂)、その下手側に中央より少し低い平台(武市半平太)がある。中央と上手に障子戸が立ち 和空間を表出する。下手に洋楽器があり、場面に応じて生演奏を行う。登場人物は概ね8人(箱馬の数)。一人で複数役を担う役者がおり、それによって幕末という動乱期に生きた人々(志士達)を活写する。役者陣の熱演が、この朗読劇の醍醐味そのものである。特に以蔵役の積田裕和さんの目力は、鬼気迫るものがある。

登場人物は、岡田以蔵、山内容堂、武市半平太、坂本龍馬、平井周二郎、井上佐一郎、土方歳三、そして紅一点で語りと岡田以蔵が惚れた なつ である。なつの語りで状況が丁寧に説明されるから、人物の朗読が始まっても困らない。朗読する時に立ち上がり、そこにスポットライト。全体的に薄暗い中で 特定人物への照射は、その角度によって他の人影と重なり暗殺といった光景を観せる。

物語は土佐藩士・吉田東洋が武市半平太の指示によって暗殺されるところから始まる。半平太は思惑もあって、足軽という身分低き岡田以蔵に目をかける(寵愛)。その恩義に報いようと、京都で人斬り以蔵と恐れられる存在になっていく。最初の暗殺は同じ土佐藩士の井上佐一郎(土佐からの下横目)、その絞殺場面が下手の壁に大きな人影となって覆い被さる。見事な照明効果の演出である。また音響は生演奏と音楽を流す方法で情景を印象付ける。場面によって洋楽器の演奏、和楽の音楽を流すといった使い分けが実に効果的であった。台詞(心情表現)によってはエコー効果も効かせる。

学(がく)がなく、ただ半平太に言われたことを実行する。坂本龍馬から時代の趨勢を聞かされるが、それでも半平太の言葉を盲目的に信じる。そこに悲しいまでの妄信を見る。京都の小料理屋の女・なつ は、以蔵にとって安らぎの存在となっている。淡い恋心のような、そんな”愛”も感じられるが…。
素性の知れない武士と親しく話すようになるが、それが新選組副長・土方歳三である。その会話は、敵同士でありながら暗殺談義をするような光景。以蔵は歳三に対し、同じ血の臭いを嗅ぎ取っていたのかも知れない。一方、半平太は山内容堂の逆鱗に触れ切腹する。その後、以蔵も斬首されるまでを描く。無駄死にとも取れる様な「岡田以蔵」の半生、それでも一人の幕末異端志士として力強く描いている。
次回公演も楽しみにしております。
たなびく黄昏

たなびく黄昏

浪花グランドロマン

ウイングフィールド(大阪府)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

こじれまくる3人姉妹が、がみがみ 大して変わらないことを回りの平穏を壊して思いを大声て言ってしまう。父と結婚した母 何も言わなった亡き母親 家族 親戚 送る気持ちは同じ。がみがみとそれ以外は平和な家族 家族の姿 めんどくさいですが、それぞれにあるのかも。

ラストシャフル 2022

ラストシャフル 2022

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2022/10/06 (木) ~ 2022/10/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/10/08 (土)

もう後がない崖っぷちのカップルが一人のおじいさんと出会い、商店街の草野球チームと出会い
再生していくこの物語は、今の混沌とした世の中にあって忘れていた、何か大切なものを教えて
くれた様に思う。出演者の皆さん、全員素晴らしい演技で心に沁みました。【A/B鑑賞】

ネタバレBOX

途中の歌の場面、良い曲なのに歌詞が少し聞き取りづらく勿体なかった。
前半と後半で雰囲気がガラッと変わるが、後半始まってからの久美と恭平の喧嘩の場面が秀逸。
最後に重吉じいちゃんに自分の父親を重ね合わせながら語りかける恭平に泣かされた。
『ハムレット奇譚』

『ハムレット奇譚』

劇団五期会

ABCホール (大阪府)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シェイクスピアの四大悲劇の『ハムレット』 母ガートルードが目指した物は、優しさ 国民への想い 平和 ハムレットは最後に、この国を託したのは。悲劇の中ひとり生き残ったホレイショ―は見ていなかった、観ていた道化 すべてがもう少し時間をかけて話せば、この悲劇は回避できたんだ、こちらの背景の方が腑に落ちます、面白かった。

ヴェニスの商人

ヴェニスの商人

イエローヘルメッツ(Produced by GMBH)

かなっくホール(神奈川県)

2022/08/20 (土) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前身の子供のためのシェイクスピアのファンです。
新しい方も加わりながらいつもの演者が出られて、嬉しいなと思いながら拝見しました。

コミカルなアレンジで見やすく楽しい気分にさせてくれながらも、シャイロックの苦悩や裁判の緊迫感を感じさせてくれる良い舞台でした。
一人が複数役を兼任・椅子と机のシンプルな舞台装置という以前からのスタイルを踏襲しながらも、子供のためという縛りがなくなったために、シェークスピア原作にある差別表現や下ネタがぼかさず表現されるようになり、個人的には見応えが増したと感じました。

シャイヨの狂女

シャイヨの狂女

劇団つばめ組

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2022/10/06 (木) ~ 2022/10/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

少し内容難しかったです。悪い人をやっつけたんだろうなとは思うのですが、その人たちも救われた?華やかでエンターテイメント的ではありましたが、内容はあまり入ってかなかったです。次回を期待です

車窓から、世界の

車窓から、世界の

iaku

新宿シアタートップス(東京都)

2022/10/01 (土) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

アゴラで観た初演はiaku観劇何作目だったか、「面白い!」と思った記憶があったので、今回足を運ぶ事にした。リーディングという事で何か趣向を期待したが割と普通の読みであった。アゴラの舞台は長い閑散としたホームの美術が見事だった事を思い出し、想像の翼をもがれたように序盤はもどかしく感じたのだが、恐らく今回作者が甦らせたかっただろうテキストの後半のやり取りでは、ドラマに入り込んでいた。こういう話だったか、という感じ。シリアスである。関西地方のとある新駅。ト書きの解説に、住民の要請で出来た「要請駅」の失敗例で利用客が少ないとある。この駅のホームから、中二の女子3人が電車に飛び込んだ。二人は死に、一人は重体で病院の治療室にいる。雨が降るこの日、3人が小学生時代所属していたガールスカウト主催のお別れの会がある。喪服で登場した若い女性教員と私服の若い男。恋人らしい。そこへ同じく喪服を着た女性二人は一人がPTA副会長、一人がガールスカウトでスタッフとして働く女性。電車は事故で遅れており、行き先の同じ2組はいずれ会話を交わすが、屋根のないホームの端のベンチに茫然と佇む若い男を気にして、カップル男が駅員を呼びに行く。やがて現れる駅員、その後やって来る例の若い男と、登場人物は計6人。(舞台上にはト書き読みと合わせて7人が居る。)
若い男は漫画家志望で、実は三人と接点があり、彼は描いた漫画を三人に見せていたのだが、その内の一人が漫画のストーリーに自分と男の関係を重ね合わせているらしい事を察知し、空想を諦めさせるために描いた漫画の続きを見せた所、その翌日に事件が起きてしまったと告白する。そこから、自死の責任問題が一しきり話されもするが、事の責任のありかより、不分明でありながら厳粛な事実を残された者の側に何が問われたのか(と理解すべきなのか)に問いは変質して行く。
現在ネット上で顕著な、個人の行為に対して即断罪、締め上げに走る言論が根本的に見落としている物事の多面的な理解の余地を、この戯曲は示唆する・・とまとめるのは平板過ぎるか。だが時事イシューを巡るネット言論は深刻な病みを抱え、私はこれを参照したテレビラジオ放送、ましてや政治はあり得ん、というより質の低い言論に数が多いというだけで一目置いてしまう振る舞いの奇妙さを思う。

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