最新の観てきた!クチコミ一覧

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煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2023/08/18 (金) ~ 2023/08/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

東京公演を2回ほど観劇させていただきました。
演出がとても素晴らしく、終始圧巻でした。
内容も面白く、没入感がすごい舞台だと思いました。
特に不死鳥が美しく可憐で良かったです。
壱劇屋さんの舞台を観劇したのは初でしたが、「また見に行きたい!違う作品も見たい!」と思うような作品だったので、もし興味がある方がいたら1度見に行ったほうが良いかもしれません。
最高に幸せな時間、空間をありがとうございました。

刈田に秋雨

刈田に秋雨

鯨椅子project

町家物語館(旧川本家住宅)(奈良県)

2023/09/01 (金) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

満足度★★★★

日露戦争後の日本の話
天皇がわざわざ奈良まで出向いて軍事演習をする為に、あと少しで刈り入れが出来る田んぼの稲🌾を刈らなければならなくなり…
天皇なんか無責任で世間知らず なぜ未だあんな税金の無駄使いをするのか理解できない…必要か?
悲しい😢話

オミソ(2023)

オミソ(2023)

日穏-bion-

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/08/25 (金) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/08/29 (火)

赤坂RED/THEATERにて 日穏-bion-『オミソ(2023)』を観劇。
老舗味噌屋が舞台の家族ドラマ。劇場に一歩足を踏み入れた瞬間から広がる安定の日穏クオリティ。何もかもが非常に丁寧に創られていて、見事な1時間50分でした。
とはいえ、何事においても好みや価値観は人それぞれで、それは演劇の世界においても同じだと思います。Aさんは好きだけど、Bさんにとってはそうでもない。また、Bさんには響いたけど、Aさんにはあまり響かなかったなど。それは極自然なことであり、むしろそれで良いと思います。なので、自分自身の好みをあまり他人に強要するようなことは極力控えるべきかなとも思いますし、基本的には自分は自分、人は人の考え方でいることが大事だと思っているのですが、この日穏-bion-さんに関しては、日本人として、いや、人として、ぜひとも観るべきカンパニーではないかと感じてしまいます。それくらい心が清らかになるというか、心が豊かになるというか、とにかく大切な何かに気付かされることが多いカンパニーだと思うのです。今回も大満足の内容でした。
日穏-bion-さんはたまたま拝見した2014年公演の『Gift ~星空の向こうから~』で一気にハマり、そこからコンスタントに観劇させていただいています。個人的に好きな劇団・カンパニーをランキング形式に並べたら、間違いなくトップレベルに君臨しているのではないかと勝手に思っているのですが、それは、登場する人物それぞれに感情移入してしまいそうな絶妙な設定・背景・エピソードに加え、心が穏やかになるストーリー展開、さらに、思わずクスッと笑ってしまう優しい笑い、細部までよく作り込まれた舞台セット、物語の時代背景に合わせたBGM演出など、挙げたらキリがないくらいの好要素があり、非常に丁寧な作品創りをされているからだと思っています。
コロナ禍の影響もあり、日穏-bion-さんの作品を観るのは2020年の『初恋』以来3年ぶりでしたが、終始感じた懐かしい雰囲気、安定の見応え、そして感動。これぞ日穏-bion-さんの作品だと強く思いましたし、改めてこのカンパニー好きだなと認識させられました。様々な展開が繰り広げられながらも、誰も傷付けないほっこりとする結末に持っていくのはさすがです。
演者さん一人一人も個性的で、とにかく演技が素晴らしい。芝居であることを忘れてしまいそうな、とても自然体な会話劇が印象的でした。中でも内浦純一さん、岩瀬顕子さん、剣持直明さん、伊原農さん、鈴木朝代さんらが印象に残りました。特に栃木弁全開の剣持さんの存在感は圧巻。台詞を言わなくても舞台上にいるだけで見せ場を作れる素敵な存在だと思います。大好きな役者さんの一人です。種村愛さんも難しい年頃の心情を上手く演じられていたと思いました。

怪獣は襲ってくれない

怪獣は襲ってくれない

株式会社スタイルオフィス

新宿シアタートップス(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

歌舞伎町、あの混沌とした磁場みたいなものが世間とは全く異なった社会を生み出していっても全くおかしくない
殺人や自殺、売春問題などトー横キッズにまつわる事件の数々
これまで頻繁に報道されてきたような部分も作中では描かれ、もうせっかくの若さをむやみに切り売りしているとしか思えない、狂気さえはらんでいる
この子達の将来はどうなってしまうのだろうと思っていたところ、まるで観客につかみかかってくる様な勢いで迫ってくるという・・・えっ!?と驚いたけれど、抜け殻になってしまう様な結末よりはずっと良かったのかもしれない
良識ある大人が手を差し伸べたとしても、中々簡単にはその手を握ってはくれない、ここに集う若者の繊細で強烈な拒絶を感じる舞台でした

いつぞやは【8月27日公演中止】

いつぞやは【8月27日公演中止】

シス・カンパニー

シアタートラム(東京都)

2023/08/26 (土) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

8/21、一番集客があるであろう窪田正孝氏が第一頚椎の剥離骨折による降板を発表。開幕まで一週間を切った状態で平原テツ氏が代役をすることに。加藤拓也氏にとって最も頼れる俳優。流石に文句なしの演技。ただ窪田正孝氏バージョンも観てみたかった。本来はどんな作品を構想していたのか。

主人公の劇作家(橋本淳氏)が5歳年上の役者の友人(平原テツ氏)と久し振りに会う。大腸癌のステージ4で、青森の実家に帰るとのこと。帰る前に何か演劇的なものをやりたくなる役者仲間達。平原テツ氏は帰省後、地元でヤンキー仲間の鈴木杏さんと再会する。劇作家は思う。「そう言えば彼は『自分の人生を舞台にしてくれ』とよく言っていたっけ」。

多分実際の友達の話なのだろう。何年か前、加藤拓也氏が三軒茶屋の居酒屋で演った芝居を観た。入場料は500円。ふざけた仲間内の下らない与太話だったが面白かった。
死んだ友達について作品を書くという行為。『ドードーが落下する』も話としては同じ系統だった。酷く突き放して冷たい目線でないと良い作品にはならない。非人間的な作業。ドキュメンタリー映画の監督が対象にもっと残酷な展開をねだるように。所詮はこんなもの、他人に供する娯楽でしかない。それを書く自分自身の醜さも冷徹に見つめて。

ネタバレBOX

まああんまり面白くない。大麻でラリってクラブでノリノリ、なんてギャグとも思えず。宙に浮く風船人形が良かった位。平原テツ氏がテーブルに反吐を吐き、それを綺麗に掃除する鈴木杏さん。たっぷり時間を掛けてステージ上の小道具を一つ一つ収納していく。この時間が自分的には一番面白いシーンだった。反吐と天井からの落下物が『た組。』のお約束。
橋本淳氏の書き込みが無さすぎてバランスが悪い。

ペドロ・アルモドバルの『ペイン・アンド・グローリー』という傑作自伝映画がある。かつて世界的名声を誇った映画監督、今では病による全身の痛みを癒す為、ヘロイン中毒となっている。想い出す幼き日々、同性愛に目覚めることとなった出逢い。失った恋人との偶然の再会が、もう一度生き直す切っ掛けを生む。久し振りに撮り始める新作は勿論この作品自身。
過去と現在と撮影中の映画が混合して魔法をかける不思議な時間。他人の話なのに観客の魂が再生される。
演るんならそんな作品を期待してしまう。

窪田正孝氏目当ての女性客が多かったと思う。感想を聞いてみたい。忖度なしで。
無理して自分の経験から物語を捻り出す必要はない。じっとその時まで溜めておけばいい。長谷川和彦の『太陽を盗んだ男』なんか舞台化すれば合うのではないか。

平原テツ氏は役作りの為にわざとハゲを作っているのか?
たまの「さよなら人類」が耳に残る。
越後拓哉氏。
新・ワーグナー家の女

新・ワーグナー家の女

Brave Step 

アトリエ第Q藝術(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

話は面白く母と娘の関係性がとても良かっただけに、取り巻く人間関係がわからない部分がありもっとワーグナーの事を勉強してから見ればよかったと反省。ピアノ演奏と照明が舞台をより華やかに演出していて良かったです。

ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしかったです。

今日ほど舞台がキラキラと輝いているのをここ何年か見たことがありません。主演女優にはオスカーゴーズトゥーの言葉をかけてあげたいくらいですが、きっと「変なヤツ」と思われるでしょうからやめておきます。

ネタバレBOX

あんなにも熱くロリコンの性癖を語っているのにそれはもうただただ家族への愛情の言葉でしかないという、どうやってそのやり方考えたの?と脚本家に詰め寄って問いただしたくなるほどに巧妙なラストシーンに、並べられたワードからだけでは絶対にそんなことになるはずがないのに、と変な疑問で頭がおかしくなりそうになりながらも目から流れ出る涙を止めることができませんでした。

そして、なぜ彼女が演じていたかの種明かしに至るストーリー展開。いやはや、ただただやられたといった感じで僕の今夜の酒はいつもより間違いなく甘く美味しいものになりそうです。
ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

本当に力作。ちょっと長丁場でしたが、とても丁寧に話を進めていて、飽きずに集中していられました。

親の顔が見たい

親の顔が見たい

劇団昴

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この演目一度観たことがありますが、今回はよりリアルに迫ってきましたね。最近の旭川女子中学生いじめ凍死事件のことを考えながら、陰惨たる気持ちになりました。

ナビゲーション in 池袋

ナビゲーション in 池袋

タルトプロデュース

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
脚本・演出は、設定の妙と惹き込む力、そして演技のメリハリ…演劇の魅力を凝縮したような公演。タイトルからロードムービー的な展開を想像させるが、実はハートフルな物語である。
まず 主人公 横山凪紗は傷害罪で執行猶予中、そして同僚の遺体を山形まで車で運ぶ途中で当たり屋と思われる女を乗せるハメに…この途中で乗せた女が物語の肝。この話は実話をベースに江頭美智留さんが脚本にしたもの。勿論 遺体を運ぶことには抵抗(報酬を得ているから違法か)があるが、無理を承知で実行したことで 凪紗の心に変化が…。

東京公演には大阪公演を観た観客が多数来ており、人気の程がうかがえる。勿論 キャスト目当てもあろうが、作品の魅力…ミステリー サスペンス調の仕掛け、抒情を感じさせる挿入歌など、観せる力・聴かせる力が 再び劇場へ、となるのではなかろうか。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

中央に車一台。勿論ドアもなければ窓もなく、その開け閉めはパントマイムで行う。
横山凪紗(22歳)は5歳の時に母と死に別れ、父は その3年後に再婚した。母が亡くなり17回忌法要を行うと父から連絡があったが、継母との関係が気まずく出席しないと決めていた。

そんな時、職場の上司で身元引受人の佐々木陽子から急死した同僚の遺体を山形まで運ぶよう頼まれる。渋々引き受けて出発するが、途中 奇妙な女が飛び出してくる。孤独に凝り固まる横山凪紗を演じる NMB48の佐月愛果さんは、実にキュートだ。他人と関わることが苦手、それが旅を通して人との触れ合いに温かさを感じ始める。そんな繊細な難役を見事に表現していた。また出番は少ないが、佐々木陽子を演じる 桐さと実さんは見守るという包容力を観せる。

単に遺体を運ぶだけではなく、途中で凶悪犯と思しき人物を乗車させたり といったサスペンス ミステリー風な展開へ。ハラハラドキドキするような場面を挿入することで、観客の集中力・緊張感を逸らさない。一方、車内で凪紗と途中で乗せた謎の女 菅原陽向子(村崎真彩サン)が歌う曲が切なく心に沁みる。
因みに謎の女の正体は、ぜひ劇場で確かめて。

他人と密な関係を築かず生きることが当たり前のような現代、しかし<築く>ではなく<気づく>ことがなかった人の優しさ温かさを知ることになったロードドラマ。孤独と孤立に凍った心が解けていくような、そんな心温まる秀作。
次回公演も楽しみにしております。
台所のエレクトラ

台所のエレクトラ

清流劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

清流劇場という関西の始めてみる劇団だが、すでに長い上演歴を持つ。ことにギリシャ劇は7本目で、ギリシャ劇を身近なものに、とか今の生活で解るように補綴したりしている。
関西では木ノ下歌舞伎があるからこういう古典の上演法も小劇場まで行き届いているのか、とも思うが、両者の間にはかなり距離がある。ギリシャ劇は今とは遠い(当たり前だ)から解りやすいようにあらすじを前説したり、登場人物が境遇説明をしたりするが,今をなぞって通り一遍で、ただただややこしくなるだけでギリシャ劇の芝居の核心について入って行かない。木ノ下の前説では、芝居のキモを演者が出てきてやってみたりもする。説明の技術も濃度も違う。これでは下手な前説のスジ売りなどない方がすっきりする。
大阪弁で身近に,というが、もともとギリシャ劇は何千年も昔の断片で,わかりが良いものではない。それを関西弁で、シチュエーションを台所にしたくらいで身近になると思っている方が考え違いである。ギリシャ劇を現代にダブらせれば、それは完全な誤解である。この舞台を見ているとそこはよくわかる。
無理な現代解釈は,演技にもおよび、解りやすいマンガ調になってしまう。俳優の中には達者な人もいて,それはそれで面白く笑ってしまうのだが,それは一時的な笑いを呼ぶだけで、劇とはあまリ関係ない。挿入歌はうまく入っている。2時間ほど。8分のいり。やってる意味がよくわからない。


マイネームイズ

マイネームイズ

壁ノ花団

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2023/09/01 (金) ~ 2023/09/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/01 (金) 19:00

長年住み込みの家庭教師文子先生がいなくなり新しい先生がきた。文子先生との思い出、新しい先生が本名で呼ばれ馴染むまでの話。存在感のある演技。70分の短い上演時間でしたが見ごたえのある芝居でした。金替さん内田さんの脇役もよかった。

「夏の夜の夢」※『夏の夜の夢』はやりません

「夏の夜の夢」※『夏の夜の夢』はやりません

無限のネコ定理

SOOO dramatic!(東京都)

2023/09/03 (日) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

観客から、場所と状況のアンケートをとり、抽選で選んだそのお題に加え、脚本・演出・音響・美術・衣装・広報といった役割も全て抽選。3時間という限られた時間で、いろいろなプロセスを経て作られる15分ほどの本番までを見せる試み。

正直なところ、もっとダラダラした3時間になるのじゃないかと想像していたが、無理矢理な設定から生まれた第一稿から始まり、どうにかして面白く観てもらえるものにしようとする数々の試行錯誤がとても興味深く、最後まで飽きずに観ていられた。

それなのに楽しいと言う

それなのに楽しいと言う

The Stone Age

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

外れ無い劇団のスリーTopの一つ
ストーンエイジと言えば武田さん
いい味出してました
アドリブに対する返しも良かった‼️
内容はアルツハイマーとなった母にどう対応して良いかわからない娘
勉強になりました❗

佐山家シンフォニア・夏

佐山家シンフォニア・夏

劇団シアターザロケッツ

テアトルBONBON(東京都)

2023/08/23 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても懐かしい感じに胸があつくなりますね。かわらず、笑いあり感動ありで、胸あつの舞台です。
毎回、思う事ですが、役者さんって、スゲーなぁと。もう。千秋楽ではありますが、これからも続く事を願います。先にの事は、何があるかわかりません。ですが、結果を気にする事より今の気持ちを大切に、また、会いましょうと言って欲しいなと思います。

怪獣は襲ってくれない

怪獣は襲ってくれない

株式会社スタイルオフィス

新宿シアタートップス(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

かなり衝撃的なストーリー。今まで観てきたものとは全く違うものを感じた。若いキャストの生々しい演技、ストーリーだけでなくそれらもリアル過ぎて怖くて悲しい。救いのない子供たちがさらに落ちて、助けて欲しいと思いつつ、そこから出ることに恐れさえ感じている。綺麗事が全くないこの舞台。最後の最後まで外野にいる者たちにぶつけられた、吐き出された想いも圧倒的だった。
凄いものを観た、といって良いと思う。

ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ロリコン( 幼女 ・ 少女 への恋愛感情)という性癖のある人々の心情吐露、それを世間(実態を知らない人々)というフィルターを通すことで不器用と不寛容が浮き彫りになるような公演。芝居として表層的には面白いが、少女愛への共感・共鳴は出来ない…そう感情移入が出来ないのだ。冒頭、フィクションと ことわりがあり、理屈で考え 観るつもりはなかったが、どこか醒めた目で観ていた と思う。

さて、物語では ロリコンの対象年齢が小学生以下のようだが、登場するロリコンの人々は大人の女性と恋愛をし結婚もしている。勿論 ロリコンとうさん というから 父親 である。この<親>ということが肝。ちなみにロリコンとうさんの身長は 149.9cmと小柄、舞台では桑田佳澄さんがランドセルを背負って熱演している。

当日用チラシにもあったが、ネットで募集した40人以上の「ロリコンの方」と会い、通話し、テキストを送り取材した、フィールドワークに基づいて作劇したという。それゆえ、ロリコンという性癖の描きは、実に自然体だ。何となく解らないのが、どうしてロリコンになったのか、その理由や原因、または生まれもった性癖であったのだろうか(自分の知識・認識不足か?)。フィールドワークで そこを質問しなかったのだろうか? そんな 素朴な疑問を持った。

終演後の挨拶で 作・演出のイトウシンタロウ氏が まだ次回作の予定がないと言う。ロリコン公演に全力を注いだのであれば、今度は「シスコン」などは…。
(上演時間2時間10分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

ほぼ素舞台。中央に「LOLIcom」と書かれたオブジェが設置。
自分のロリコンという性癖に向き合う人々の悲哀と可笑しみに満ちた暮らし、その生き様をフィールドワークに基づいて作劇した野心または挑戦作。タイトルからは想像できないほど真面目に描いており、その物語性(展開)も巧い。イトウシンタロウ氏は、世間から偏見の目で見られそうなロリコンという性癖に独自の<光>をあてたようだ。

痛みに似たような感覚、それを分かち合うような独自の作家性ー舞台という虚構性に現実の存在を取り入れーと熱い思い入れが伝わる。どうしても創り上げたかった、その強烈な渇望に満ちた渾身の一作のようだ。
本作はフィールドワークに基づいているから、自ずとロリコンという性癖を持つ人の視点。しかし ロリコンとは知らず付き合っている女性の気持はどうなのか、が気になる。

ロリコンとうさん:桑田澄太郎役を小柄な桑田佳澄さんが演じているが、何故 彼女が演じているのか。その謎が最後に明かされるが、その性癖ゆえに悩ましく切ない。自分に正直に生きようとすれば するほど悩みは深くなり、周囲の人々との関係も微妙になるようだ。舞台という虚構性の中に、リアルな思いを巧みに掬い上げ興味深く表現していた。
次回公演も楽しみにしております。
好きなのに

好きなのに

中央大学第二演劇研究会

中央大学(多摩キャンパス)(東京都)

2023/09/01 (金) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 生まれて初めて中大多摩キャンパスを訪れた。上演した場所は、学生会館として利用されていると思われるキャンパス入口から直ぐの建物4号館の4201教室、イベントスペースNightである。都区内に居を構えていた多くの大学が郊外に移転し始めて既に50年近く経つのか? 中大のお茶の水校舎は、学食が安くて旨いと評判だったこともあり、時々出掛けていたが、学館らしき建物は、我々の学生時代の学館に何となく似た雰囲気を漂わせている。閑話休題、本筋に入ろう。

ネタバレBOX


 言うまでもなく「恋」は、多くの表現ジャンルで最も多く扱われる題材の1つである。それは誰もが何らかの形で経験しその人生の中で最も深く、激しく身悶え深く生きる経験でもある。大抵は何らかの障害があり、その障害が益々恋心を燃え立たせる。常に不安と希望が己が心の中で争闘を繰り返し、一瞬も魂の安らぐことはない。厳しく辛く己が身を焦がす昏い炎でもあるが、何か成就の兆しが見えれば空にも昇らんばかりの歓喜に包まれるのも事実。
 一方、これら通常の恋が成立し得ない、してはいけない関係というものがあるのも事実である。滾り立つパッションが抗うことのできない、本人にとっては最も根源的なアンヴィヴァレンツが、互いの滾る念を引き裂いているとしたら? その時、ヒトは人としてどのような選択をし、どのように生きられるか? そこまで踏み込んだ脚本であり、その宿命を若い人々が描いた作品である。実際にはどのように物語が紡がれてゆくか、実地に体験することをお勧めする。
 舞台美術は、かなりしっかり作り込まれている。側壁天井やホリゾント近くから下がる濃紺系統の布の間に「の右方向の線を更に右に延ばしたような白いパネルを2つ、前後に人の通れるほどの距離をとって設え出捌けの裏導線とした他、側壁に掛かる濃紺の布部分を出捌けに用いるなど都合3か所の出捌け。板正面の壁際には下手コーナー辺りに収納家具、センター辺りに本棚が見え、これらの手前、観客席側の板中央辺りに応接セットのソファ、テーブルが置かれている。また、上手壁際にはバーカウンターと丸椅子が置かれ喫茶店のカウンターを表している。応接セットやバーカウンターなどには花が生けられ大切な働きをするのも、今作に登場する人物たちの幾人かの繊細なメンタリティーを現すのに寄与し小道具の使い方も上手い。お勧めの70分である。
 脚本、演出、演技も良く、舞台美術もおしゃれだし、小道具の使い方も上手いが、いつも通りスタッフの対応も良い。
親の顔が見たい

親の顔が見たい

劇団昴

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

まったくお見事としか言いようのない完成された舞台。この演目はずっと観たいと思っていて,それが叶って嬉しいが,こんなに目が離せない,そして親のエゴと正義の在り方について考えさせられる芝居であったとは,想像以上であった。ホンが良いのはもちろんであろうが,役者さんたちの演技が素晴らしい。しぐさ,発声のみならず,その場に自分がいるような存在を感じさせてくれる。さすがに歴史のある劇団さんで,至福の観劇時間であったことに感謝ばかりであった。

ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/02 (土) 19:00

恐らく旗揚げからほとんど観てるユニットの渾身の1作。面白いが考えさせられる。(3分押し)117分。
 冒頭、ランドセルを背負った少女が出て来て観客に語りかけるところから始まる。いわゆるロリコンという嗜好を持つ人々が次々に出て来るが、冒頭の少女の正体が徐々に分かるところが本作の真骨頂と言えるだろうか。個人的には、ロリコンの対象は小学生ではないと思っているので、若干の違和感があるのだが、それを越えて面白い。

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