最新の観てきた!クチコミ一覧

1021-1040件 / 189526件中
Fランク大学殺人事件

Fランク大学殺人事件

バザール44℃

スタジオ空洞(東京都)

2025/09/30 (火) ~ 2025/10/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/30 (火) 19:00

休日に文化祭準備のためミステリー研究会の部室を訪れた女学生は先輩部員の遺体を見付ける。ひょんなことから彼女に同行したその年の主席合格者は追試を受けるため同じ学バスで登校した学生たちの中に犯人がいるのでは?と推理するが……な物語。
基本的にはサスペンスコメディの体をしていながらミステリー要素もそれなりに備えているし、三流どころか「Fランク」の大学に通う学生の自虐あるいは自暴自棄的な心境も描き、そんな彼らにエールを送るようでいてラストで落とすなどまさに「糖衣錠の毒薬」?(笑)
で、劇中人物になりきってのヘタクソな開演前諸注意や遺体発見時の楽屋落ち的な転換、演劇部員が語る演劇の良さなど「演劇で遊ぶ」演出の楽しさ/可笑しさたるや! こういうの、好き♪
あと、開場~開演の間に投影されているクロスワードパズルや、それに使ったプロジェクターの本編での使い方などのアイデアも良かった。

Jeanne d’Arc -ジャンヌ・ダルク-

Jeanne d’Arc -ジャンヌ・ダルク-

劇団ミュ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/10/02 (木) ~ 2025/10/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

10月8日14時00分シノン観劇。生演奏と生声の歌がとても迫ってくる感じで良かった。

キツキツマンキツ宇宙船のゆらぎ

キツキツマンキツ宇宙船のゆらぎ

システマ・アンジェリカ

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2025/09/26 (金) ~ 2025/09/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/09/29 (月) 13:00

[以下性的表現があります]

主宰/脚本/演出 高野希彼の作品は 2作目。1作目で大いに期待を持った。
男性性、上演作品のフライヤーのデザインにある男性性(男根か)。見ている内に思った、舞台美術の女性の生殖器だろうかと思う意匠。

誕生と海。

描いておられた男らしさを追い求める、かの宇宙船の若き船長と筋肉質の男、等。前作の人文借景『花潮木家ッ!!』で次作を期待していたのだけど、「男らしさ」を求める船長を通して宇宙を背景にして描こうとした展開/描写を収めるには上演時間80分は不十分だったかなと。

舞台美術の優れた意匠、7人の演者、配役、舞台美術を活かし身体を使った演出、その演技、照明/音響、フライヤーのデザイン、それらは満足に至っているところもあったけど、ジェンダー/男性の加害性という大きなテーマと、ステレオタイプな設定とその投射、物足りない/単純化し過ぎな部分、あるいはこの舞台美術がゆえに限定されてしまう部分、深みと展開の波を持たせた120分を妄想してしまう。

ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス

ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス

公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2025/10/03 (金) ~ 2025/10/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

(笑えた度)4.08(今感)4.08(完成度)4.08(平均)4

一人のアニメ声優がデビューしてから、国民的アニメの人気声優になるまでの物語。
朝ドラ風?

当パンに「物語」と書いてあるから、きっと物語なのでしょう。

ネタバレBOX

いやあ、かなりオーセンティックでレトロでPOP寄りな初期のナイロンみあるナンセンスコメディとして見ていて、
うん、待てよ、SSで横から煽ったりしてるし、
ひょっとしてガチで語ってる? となり、
タイタニックを見て安心して、なんだ、いいじゃん、と思い直したものの
アフタートークにてやはりガチで語っていたことを知り、完成度マイナス1。

あそこでタイタニック出したら、せっかくの語りが・・・
全てを笑い飛ばしているつもりなら、最高なんだけどな。
(いや、タイタニックそれ自体は最高でした!)

一方、オアシス再結成で世界中が沸きに沸いている今、
ギャラガー愛を炸裂させているので、今感プラス1。

きっと70年代あたりの全盛期少年チャンピオンとか好きだったんだろうな、
と思わせる漫画のカット割そのままの画作りとか、笑いのセンスは好きなんだけど、
物語が侵食してきて、ぶつ切りになるからマイナス1。

「ニュー御釜怪奇譚」(にゅーおかまかいきたん)

「ニュー御釜怪奇譚」(にゅーおかまかいきたん)

レティクル座

萬劇場(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めちゃくちゃ、面白ろかったです。ゾンビの辛さが辛さが伝わって来ました。最後は、程よい着地点で安定の心地良さでした!

いえないアメイジングファミリー【2,000円席有】

いえないアメイジングファミリー【2,000円席有】

sitcomLab

ザ・ポケット(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

『アダムスファミリー』を彷彿とさせるようなお話しで面白かったです。キャラがみんな可愛いかったです。

Jeanne d’Arc -ジャンヌ・ダルク-

Jeanne d’Arc -ジャンヌ・ダルク-

劇団ミュ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/10/02 (木) ~ 2025/10/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「ランス」を観劇しましたが、とても良かったです!
役者さん達のマイクを通さない歌声、演技やダンス、生演奏・・どれも素晴らしく、夢中で観ていたせいか、気付くと拳を握っていました。
ジャンヌを演じた笠井日向さん、ラストは神々しく美しくて感動でした。
その姿に、ジャンヌは本当に神そのものだったのかもしれないと思いました。
素晴らしいミュージカルでした!

D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜

D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ハプニングにつぐハプニングで、「ああ、こうなるだろうな」と思わせておいて、それでもしっかり笑わせてくれる舞台でした。
伏線回収も見事で、今回はいつも以上にコメディ色が強く、それでいてどこか温かさも感じられました。
近くにあんな喫茶店があったら、行ってみたいですね!

佐々木蔵之介ひとり芝居『ヨナ-Jonah』

佐々木蔵之介ひとり芝居『ヨナ-Jonah』

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/13 (月)公演終了

実演鑑賞

日本とルーマニアの国際共同製作による、日本人俳優・佐々木蔵之介の一人芝居。演出を担うシルヴィウ・プルカレーテとのタッグは、2017年、2022年に続き三度目とのこと。モチーフ、原作、演出、舞台美術などはルーマニアサイド、出演者は佐々木蔵之介含めて日本サイド、と捉えることができ、その共同創作、相乗効果などが作品の個性へ強く影響しています。物語を理解したい方は、可能な限り事前に下調べしておくことをおすすめします。逆に、舞台上で起きていることを直感的に受け止めたい方は、予習なしで観るのも良いかもしれません。

ネタバレBOX

物語は、旧約聖書に登場する、漁師であり預言者の「ヨナ」がクジラに飲み込まれた逸話を土台に創作されています。その背景にはルーマニア文化史なども敷かれ、かなり多層的な視点から描かれている一作と言えるでしょう。僕自身は資料を読み、全体の輪郭を掴みましたが、知識の乏しい僕にどこまで正確に読み解けたかは、あまり自信がありません。開演10分前までロビーで待機し、多くの観客がなだれ込むように劇場内へ入ると、ステージ上には出演者の佐々木蔵之介の姿が。物語自体が「クジラに飲み込まれた」設定なので、ここはクジラの体内と想像できます。そこから一枚ずつ脱皮するように世界が変わっていき、終盤近くになると一際大きく世界が変わるため、そういう新鮮な驚きも。また、一人芝居なので、舞台俳優・佐々木蔵之介の存在感、佇まいと言った、「舞台俳優の生き様」を直視できる点も魅力だと感じました。
屋上のペーパームーン

屋上のペーパームーン

くじら企画

ウイングフィールド(大阪府)

2025/09/26 (金) ~ 2025/09/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

感想遅くなりました。以前上演の作品の再演とのことでしたが、全く新しい感じで拝見しました。皆さんの演技も素晴らしく、とても面白かったです。時間がなく、打ち上げには参加できませんでしたが、またの機会に。非日常の時間を過ごせました。

D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜

D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。
色々な伏線があり、コメディもたくさんありで最初から最後まで楽しい時間になりました。登場人物、一人一人見ていて飽きが来ず、時間以上に濃い内容でした。
最後もハッピーエンドで終わって、良かったです。次の公演を楽しみにしています。ありがとうございました!
チョキの撮影、興味ありましたが、ちょっと勇気が出ませんでした・・。

焼肉ドラゴン

焼肉ドラゴン

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2025/10/07 (火) ~ 2025/10/27 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/10/07 (火) 18:30

180分。休憩15分を含む。

埋められた子供

埋められた子供

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2025/10/03 (金) ~ 2025/10/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

Pit昴公演の見ものと言えばやり過ぎ舞台美術と小道具、狂気すら感じる。今作では本物の土塊や砂がステージを覆っている。設定は普通の民家の居間なのに。登場する奴等は安いB級ホラー、スプラッター映画の馴染の連中。映画なら皆惨殺されるだろうが今作はそういうものではない。ヘロインでダウナー状態のデイヴィッド・リンチが朦朧として書き殴った覚書みたい。例えるならトビー・フーパーの撮ったエクスプロイテーション(低俗搾取)映画をタランティーノがプロデュースしてリメイク、監督にデイヴィッド・リンチを起用。『悪魔のいけにえ』のようなメジャーなものではなく、あえて『悪魔の沼』のような作品を選択するセンス。70年代ホラーの空気感とマジックリアリズムのハイブリッド。

深夜、土砂降りの大雨、長いドライブ。知り合ったばかりのヴィンスが6年振りに故郷に帰るのに付き合うあばずれのシェリー。寂れた田舎町、荒れ果てた農場、崩れ掛かった古い家。主演のシェリーには映画なら若い頃のジュリー・デルピーかロザンナ・アークエットでどうだろう。家に入るとそこに居る連中は誰一人孫であるヴィンスのことを覚えていない。どうにも噛み合わない会話。シェリーはその異様な雰囲気に帰りたくてたまらなくなる。老人に頼まれて酒を買いに行くヴィンス。シェリーは独り残される。悪い予感。

MVPはシェリーを演った髙橋慧さん。マルシア似。人参の皮を削ぐシーンが良い。
家の老主人ドッジ役金尾哲夫氏は津川雅彦みたいでカッコイイ。病気持ちで酒を止められている、
その妻、ハリー役、一柳(ひとつやなぎ)みるさんの声が冒頭二階からキンキン頭に響く。
ニューメキシコ州から実家に戻って来た長男ティルデンに佐藤洋杜氏。トウモロコシが本物なのかフェイクなのか判別つかず。
左脚が義足の次男、ブラッドリーに中西陽介氏。
ハリーと親密な関係の神父、ファーザー・デュイスに宮島岳史氏。
ドッジの孫でありティルデンの息子、ヴィンスに赤江隼平氏。藤井尚之似。

去年、名取事務所がやった『メイジー・ダガンの遺骸』に近い感触。現代のある意味ステレオタイプの家族像を過剰なまでに描き込み無意識の底をひたすらに掘り下げると集合的無意識に行き着く。誰もが何故か共有する感覚。辻褄の合わない正解の出ない物語にこそ普遍的な強度が宿るのだろう。妙な面白さに充ちていた。隠し持ったスキットルで一杯飲りたい気分。
是非観に行って頂きたい。『ツイン・ピークス』や『ロスト・ハイウェイ』好きにも。

ネタバレBOX

サム・シェパードって同姓同名かと思ったら、あのアメリカ俳優か。

※ずーっと凝視していて葉っぱが紙に糊付け?と思いつつも毎公演この量を作るのも流石に無理があるだろうと。あの量、全部作るのか···。参りました。

※ドッジとハリーの間に子供が3人。長男ティルデンは学生時代アメフトのスター、三男アンセルはバスケで名を成し、次男ブラッドリーは劣等感の塊。三男アンセルは軍隊に入った後、イタリア女と結婚するもハネムーン中にモーテルで殺された。次男ブラッドリーは事故で左脚を切断、義足生活に。長男ティルデンは母親ハリーとの間に子供を作ってしまう。家庭の平安を取り戻す為、ドッジが赤子を水に浸けて殺し、裏庭に葬る。ティルデンは家を出てニューメキシコ州で独り暮らすも酒で揉め事をやらかし逃げ帰って来る。精神を病んでいるのか、ある筈のない農園からトウモロコシや人参を掘り出して来る。病気で寝たきりのドッジ、家はハリーとブラッドリーが仕切っている。
孫を名乗るヴィンスはドッジに殺された赤子の成長した姿なのか。ドッジは財産一切を贈与する。

そもそも全てがドッジの妄想だったのか。ハリーからの愛を失い、存在しない赤子を殺したドッジ。存在しない赤子は成長して帰って来る。存在しない孫に家督を譲る。ハリーだけヴィンスに反応するのも不思議。ハリーの妄想の具現化なのか。

※アメリカを一家族に準えているのが評価されたのだろう。老いさらばえて病んだ第一世代は寝たきりで酒浸り。家庭に愛はなく信仰もまがい物。過去の栄光にばかり縋り未来なんて何処にも見えない。第二世代は心に傷を負って病んでいる。二つの世代は互いに疑心暗鬼。隠し続けてきた罪が明るみになる恐怖心。本当に自分の血が繋がっているのかさえ解らない第三世代が国を継ぐ。第二世代が掘り起こした赤子の白骨死体。やはり正当な血筋の者は死に絶えていた。
ひのないところに

ひのないところに

青春事情

駅前劇場(東京都)

2025/09/24 (水) ~ 2025/09/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/25 (木) 15:00

とある町の消防出張所の日常。
制服のまま自販機で飲料を買っていただの訓練で笑顔になっていただの理不尽な市民からの苦情などから役所の担当者と摩擦が生じ、祭りでの事故から衝突に至るのがクライマックスだが互いに相手を理解して和解するのが何とも爽やか。
また、沢山のファイルなどがあり(おそらくは)リアルに再現された執務室をメインに下手奥にソファを置いたスペースを作り署員の自宅やスナックとして使う他に舞台前面の左右に非常ランプがある柱を設置し、その中ほどに消防車などのミニカー(←劇中の台詞にも出てくる)を置いたりする舞台美術も見事。
25周年を迎えたベテランならではのワザか?

ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス

ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス

公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2025/10/03 (金) ~ 2025/10/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

三鷹市立芸術文化センターの期待の若手劇団シリーズ

東京にこにこちゃん『ドント・ルック・バック・イン・マイ・ボイス』を観劇。

あらすじ:
 テレビアニメの創成期から現代までの声優たちの物語。
まだ舞台に立った事のない新人俳優・小山笑子が、テレビアニメの声優に抜擢される。スタジオには癖のある声優たちがおり、初の声優体験は不安だらけだが、周りのアドバイスで日増しに上達していく。
仕舞いには長寿番組になっていくが、年齢と共に声が痩せていく声優たちは少しづつ引退し、小山笑子だけになってしまう。
そこでプロデューサーが生成AIを使い、永遠の声を手に入れようと画策するのだが…。

感想:
 子供の頃に見続けていたテレビアニメの声が声優の都合で交代し、違う声を当てられた衝撃は経験あるだろうが、それを基に昭和から現代までのテレビアニメ界の裏側を描いている。
 時代の変化と波、それに抗う声優たちの葛藤を存分に味わうことが出来、朝の連ドラを一気に見ているような物語は全く飽きさせない。
ボケとツッコミが満載だが、展開の匙加減としては悪くない。演出家曰く、『漫才のボケとツッコミを演劇に転用するとボケと困惑になる』と言っていたが、その困惑の上手さを演じているのが小山笑子役の
『西出結』だ。間違いなく今後、小劇場のヒロインになるであろう、彼女の演劇におけるキャラクター作りはいつも抜群だ。
 演劇を観て、笑いながら涙が出たというのは初めての経験だったが、とても良い気分で劇場を後にした。
 今後の追っかけ劇団になったようだ。
いえないアメイジングファミリー【2,000円席有】

いえないアメイジングファミリー【2,000円席有】

sitcomLab

ザ・ポケット(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

脚本が良いですね 独特な世界観ですが楽しめました

埋められた子供

埋められた子供

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2025/10/03 (金) ~ 2025/10/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

プログラムに書かれていたが、作者のサム・シェパードはベケットに傾倒した時期があったらしい。不条理で、暗くギスギスした、ショッキングな作品。
なんだか変で独特な登場人物たちを演じる俳優たちの演技は優れており、この作品のグロテスクな雰囲気を上手く伝えている。特に父親役は凄い。演出も独特で、家の中であるはずの舞台上には砂が敷きつめられ、その上で時に激しい演技をするので砂埃が舞い上がり、俳優たちは砂まみれになる。床が砂で埋まっている不自然さが汚らわしさや不気味さを高める。意図されたことと思うが、狙いどおりなのではないか。

誠實浴池 せいじつよくじょう

誠實浴池 せいじつよくじょう

庭劇団ペニノ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2025/10/03 (金) ~ 2025/10/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

庭劇団ペニノと、台湾の団体「Shakespeare's Wild Sisters Group」による合同公演。初演は2024年に台湾にて、今年2025年に豊岡、富山、そして東京とツアーを行ってきました。タイトルを日本語で表記するのなら『誠実浴場』でしょう。浴場又は欲情。あるいは浴場で欲情。かもしれません。ホームページには、「夜毎、大衆浴場に戦死した男たちがやってきて、残してきた女を想い〈プレイ=演劇〉する─。」との記載があり、これも的確なコピーだと感じます。スタッフクレジットを見ると、その大部分が台湾の方々。にも関わらず、僕の記憶にあるペニノの様相や世界観を強く想起させられたことが驚きでした。平たく言えば「すごくペニノっぽい」と感じつつ、合同創作であることは間違いないため、とても相性の良い二団体による合同公演だと思います。

ネタバレBOX

当日パンフに記載されたタニノさんのコメントに「海で戦死した兵士たち専用のSMクラブ」という言葉があり、それに深く納得。戦死した兵士たち専用なので、風俗店を訪れるのは、いわゆる「魂」のような存在。その魂が、現世に残してきた後悔や戦死した状況などを語り、それらと向き合うようなイメージプレイ(=
演劇)を行う。演劇そのものと言える内容でもあり、呪術的、儀式的と捉えることもできます。一般的に語られる「泣ける演目」とは異なるのかもしれませんが、個人的にはすごく泣ける上演だと感じました。ラストへ向かう展開も、魂の浄化や平穏を連想させるもので、心に迫るものがありました。にも関わらず、見た目がユーモラスであることも、ペニノらしい魅力と言えます。
いえないアメイジングファミリー【2,000円席有】

いえないアメイジングファミリー【2,000円席有】

sitcomLab

ザ・ポケット(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

舞台全体をとおして感じたのは役者をはじめ劇団全体に余裕を感じました。お客をいじるのも空気をつくるのもうまいなと思いました。今回は役者がシャッフルされた回のようで役者さんのなかには1日でセリフを覚えた人もいるとかほんと考えられません。役者さんの脳みそどうなっているのかと…です。

Jeanne d’Arc -ジャンヌ・ダルク-

Jeanne d’Arc -ジャンヌ・ダルク-

劇団ミュ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/10/02 (木) ~ 2025/10/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「シノン」を観劇

「ジャンヌ異聞」とでもいうものかと思っていたら、正統的な「ジャンヌ物語」であった。

この「観てきた!」ではここまで満点ばかり。ミュージカル好きの私は期待して出かけてみたのだが、少しハードルを上げすぎてしまったようだ。
もちろん訓練された歌うまな方がほとんどなのだが残念な方々もいらして、<…ああだ…こうだ…>と悪口を連ねてみたのだがこちらの気も下がってしまったのでとりあえずはボツ。

ポジティブなことを書くと、一番の収穫は常川藍里さん。ホームページのやさしい好青年風の写真とはまるで違った切れの良い悪役ぶりは舞台の中盤を支配していた。もちろん歌も一級品だ。
とはいえ歌のうまさは松原剛志さんが圧倒的。レベルが違いすぎて浮いてしまうくらいだ。

ところで、わが日本の高市ジャンヌは本物なのだろうか。最初の戦いで倒れてしまうような偽物なのだろうか。私は結構期待しているのだが。

ネタバレBOX

歌が残念なのはシャルル7世役の俳優さん。全く訓練を受けたことのない普通の歌い方でしかも音の高さが全体にずれている。その結果、折角のジャンヌとのデュエットがまるでハモらない。

このページのQRコードです。

拡大