最新の観てきた!クチコミ一覧

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二十一時、宝来館

二十一時、宝来館

On7

オメガ東京(東京都)

2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

地方の女性の後期青春劇スケッチである。時折、新劇団の作者としても名を見るようになった作者なので見物に行った。
高知県の片田舎の地方のつぶれそうになった宴会ホテルで三十代後半の高校クラス会が開かれている。たばこも据える休憩室が舞台だが、いまはたばこ受難期だから、もちろんタバコは吸えない。使えなくなったたばこの灰皿が一人の登場人物で、あとは三人の同級生。いつまでも高校気分のままなんとなく都会と行き来している女、地元で子持ちになった女。達観している地元のクリーニング屋になった情報通の女。灰皿が擬人化しているところがミソでコメディタッチである。1時間。
まずまずの出来だが、大きな発見もなく器用にまとまっている感じで、まだこの作家よくわからない。筆者は舞台となった高知の片田舎は若いころの仕事の関係で、ちょっと知っている。六十年前は、もっと奔放な人物がたくさんいて仰天したものだが、今は、都会も地方もあまり変わらないな、とちょっと寂しい気分でもあった
疎開中に獅子文六がこの地と山一つ越えたところを舞台に書いた南国滑稽譚とか大番の世界は、そのころは現実だったのだから。
余談で言うと、この新しい小劇場、折りたたみいすは仕方がないとはいえ、あまりにも小さすぎる。中学校の生徒までのようなイスでは、夏場隣席の人の肌にも触れてトラブルが起きないか、と思ってしまう。

野球

野球

エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ・Office ENDLESS・DisGOONie

天王洲 銀河劇場(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

時系列が納得できないところがありましたが、そんなところは気にしなくても良いのかも。野球を愛する少年たちの思いと友情と運命に涙しました。
しかし、日頃野球をあまり見ない上に日本語ルールになっていて、え?今のそれ何?と分かりづらかったです。
舞台を縦横無尽に使い、時には本物のボールも投げられ、少年たちが客席の通路まで降りてくる演出が良かったです。

精肉店のロミオとヴィーガンのジュリエット

精肉店のロミオとヴィーガンのジュリエット

啓蒙ヌードル

インディペンデントシアターOji(東京都)

2024/06/27 (木) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/06/27 (木) 19:30

120分。休憩なし。

雨とベンツと国道と私

雨とベンツと国道と私

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/06/08 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

パワハラを扱ったお話かと思って見に行きましたが、それだけじゃなかったですね。
笑えるところもあって面白かったです。
ラストの五味ちゃんの声かけさえ「パワハラ」と取られかねないんでしょうか。
「パワハラ」も難しいです。
もう40年近く前に小劇団のお手伝いをしたことがあります。今回の監督に比べたらパワハラ(などという言葉はまだなかった)と言えるようなものではなかったですが、やはりきつい言葉やダメ出しはあって、それを座長がやんわりととりなしてと言う感じで稽古と舞台は続いたのですが、途中から私は耳鳴りが始まり、耳鼻科に行ったら「ストレスでは?」と言われました。自覚はなかったのですが、公演が終わって劇団の人たちと会う事もなくなったらすっかり治ってしまったのでした。ただのお手伝いの私は演出家に怒られる事も怒鳴られた事もなかったのですが、その場にいるだけで被害者になってしまった五味ちゃんの気持ちがわかる気がしました。

野球

野球

エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ・Office ENDLESS・DisGOONie

天王洲 銀河劇場(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/06/26 (水) 13:00

広いグランドでプレイしているような演出が巧み。しかも、マルチアングル的な手法。毎年夏になると増える特攻隊の物語だが、この作品も目頭がじい〜ん。

二十一時、宝来館

二十一時、宝来館

On7

オメガ東京(東京都)

2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。本音が見えかくれする様が分かりやすく表現されていて素晴らしかったです。あと、灰皿よかったですね。方言もよかった。楽しい時間でした。ありがとうございました。

もしも日々が続くから

もしも日々が続くから

劇団水中ランナー

OFF・OFFシアター(東京都)

2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

心に沁み渡り、ジワジワと感動が溢れてきました。
こう内側からゆっくりと込み上げてくる感動ってあるのですね。
観終わった後ずっと思い出して浸ってました。

それにしても複雑で深い演技を目の当たりにしたなと思いました。
バックグラウンドがあり、一つ一つの言動にいくつの感情や心の声があったことでしょうか。
学ばせていただきました。

もしも日々が続くから

もしも日々が続くから

劇団水中ランナー

OFF・OFFシアター(東京都)

2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すばらしかったです。ふとしたトラブルでいろんな人の人生が思わぬ方向に動き出し、そして意外な方向に動き出した人生でまたいろんな出会いがあり…というのはある程度年を重ねるとあるよなーと。演出もすばらしく楽しめました。

しまって、あけないで

しまって、あけないで

‐ヨドミ‐

TACCS1179(東京都)

2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

テンポ感よく、人間の苦しみに光を当てながら、コメディー要素もあり、タイトルの深みも感じた。涙している人も多数。時間を作って見に行くべき芝居!

おちょこの傘持つメリー・ポピンズ

おちょこの傘持つメリー・ポピンズ

新宿梁山泊

新宿花園神社境内特設紫テント(東京都)

2024/06/15 (土) ~ 2024/06/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「豪華布陣によるきらびやかな言葉の応酬」

 1976年に状況劇場が初演し現代でも頻繁に再演される名作を、長年唐十郎作品を手がけている新宿梁山泊が上演した。劇団のチームワークと豪華な外部出演陣が合わさり素晴らしい成果をあげた。

ネタバレBOX

 すえたドブ川のたもとにあるうらぶれた傘屋のおちょこ(中村勘九郎)は、傘の修理を依頼してきた石川カナ(寺島しのぶ)に恋をしていて、彼女の傘をメリー・ポピンズのように空飛べるものにしようと、居候の檜垣(豊川悦司)を相手に実験に勤しんでいる。やがて姿を現したカナは檜垣とは古馴染みであった。ふたりにはある大物歌手のスキャンダルを巡る因縁があったことがここでわかる。

 おちょこのもとには、じつはいかかがわしい生業をしているカナを目当てに来たトラックドライバーの男(六平直政)や、檜垣と旧知の仲である芸能マネージャーの釜鍋(風間杜夫)らが入り込んできて騒がしい。カナは故郷の下関に戻ろうとしているが、その目的は? そしてじょじょに追い詰められるカナは逃げきることができるのか……

 実際のスキャンダルに取材したという本作は、他の唐作品同様に一癖も二癖もある登場人物たちが絡み合い、地名や初演時の風俗、映画や歌謡曲といったさまざまなイメージを散りばめた言葉の応酬が見ものである。

 勘九郎のおちょこは自由自在、流れるような台詞回しが群をぬいている。NODA・MAP『走れメルス』(2004年)や野田版歌舞伎4作で磨いたのであろう力量が生きており、歌舞伎公演で観るよりもイキイキ軽々とした身のこなしである。テント芝居ではよくある客イジりもなく、アドリブはほどほどに、戯曲の要求した生真面目で一本気なおちょこを熱演していた。寺島しのぶのカナは黒いドレスと傘で花道から登場したその出から目が離せず、恋に生きる謎めいた女性に見えて時折品のない言葉を挟む達者ぶりで、Project Nyx『伯爵令嬢小鷹狩鞠子の七つの大罪』(2011年)にも通じるアングラ芝居の世界を十分に生きていた。そのカナを案じる豊川悦司の檜垣の凛とした立ち姿、胸を抑えながらタバコをくゆらせる色気に見惚れた観客は少なくないだろう。これまで数々の映像で寺島と組んできた盟友ならではの安定感であった。

 六平直政が鼻血をおさえたティッシュを客席に投げたり、風間杜夫が歌手のモノマネをして大爆笑をとるなど、ベテランたちは客席を大いに湧かせていた。私が鑑賞した回でおちょこの店を訪れる元女優の保健所員を演じた三輪桂古のクセのある色気、終盤で保健所所長(松田洋治)の先導でカナを捕らえにやってきた大勢の所員の群像など、端役にいたるまで抜群のアンサンブルであった。

 カナをとられ檜垣を失い悲しみにくれるおちょこが預かった傘で空を飛ぶラストは、舞台奥が開き紅葉のなかの宙乗りを見せ圧巻である。かつて十八代目勘三郎が紅テントをヒントに平成中村座を作り、その実子である勘九郎がテント芝居をするというめぐり合わせに胸が熱くなった。


柳家さん喬 独演会

柳家さん喬 独演会

公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/06/22 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「円熟の話芸と新たな息吹」

 半年に1度の柳家さん喬による三鷹市芸術文化センターの独演会である。今回は東京では初となる桂枝光改め四代目桂梅枝の襲名披露を兼ねた盛会となった。

ネタバレBOX

 夜の部はさん喬門下の前座小きちによる「芋俵」で幕が開く。芋俵に隠れて大店に侵入した泥棒だったが、身体を逆さにされたまま土間に置かれたうえ、夜半空腹を覚えた女中に俵越しに体を弄られたりして辟易する様をコミカルに描く。大きな目とまっすぐな声の小きちの語りが印象に残る。

 同じくさん喬門下の兄弟子㐂三郎は出た側から客席にVサインを向け湧かせる。「このご時世ですが吉原の噺を…」と切り出した「徳ちゃん」は、粗末な部屋に案内された若い噺家が不格好な女郎に追い回されて痛い目に遭うという筋である。郭の呼び込みから浅薄な噺家ふたり、そして芋をバリバリ食いながらゴジラよろしく入室する女郎と自在な演じ分けに観客は大喜びであった。

 お待ちかねのさん喬が披露したのは「天狗裁き」である。夢の内容を妻に問われても答えず、長屋の隣人から大家、そして奉行果ては天狗に問われても答えない、というよりそもそも夢を見ていないから答えられない…という悪夢にうなされる男の滑稽さを、愛嬌ある話しぶりで披露してくれた。

 中入り前は柳家門下の花緑による「あたま山」。吝嗇な男が落ちているさくらんぼを食べすぎたばかりに頭に桜の木が生え、格好の見物となったものの煩わしくなり木を抜くと、今度はそこにできた穴に水が溜まり皆が釣りをして……やや過剰なほどのリアクションと声音の使い方で主人公や隣家の年寄りを演じ分けた花緑は、襲名にそぐわないとサゲを独自にアレンジしたのが印象に残った。

 中入り後の襲名披露口上には前座を除くここまでの出演者に加え、新梅枝と三鷹市芸術文化センターの森元隆樹が並ぶ。新梅枝の妻がデザインしたという浅葱色に桃色の花、萌黄色の鳥と定紋があしらわれた祝幕を背景に各人が新梅枝の人柄を述べ、三本締めで今後の活躍を祈った。

 本日二度目となるさん喬は「八五郎出世」で、朴訥な八五郎が大名に貰われた妹のお鶴との再会をおかしくもしみじみと語って聞き応えがあった。大名の屋敷にあがり田舎言葉で大名家の人々とやり合うくだりはまさに自在である。

 トリの新梅枝は高座を飛び出さんばかりのオーバーリアクションでさん喬やほかの噺家との逸話を披露しまずはドッカンドッカン湧かせる。放蕩の限りを尽くし蔵に囚われた若旦那を待ちわびる芸者小糸がやがて亡くなってしまうという悲劇「立ち切れ線香」で、まくらとは打って変わった静けさが客席を占め、皆の新梅枝への注目を感じさせた。小糸が何度も送った恋文が若旦那のもとには届かなかったことを女将が回想するくだりは特に印象に残った。
「囚・囚・囚!(トラ・トラ・トラ!)」

「囚・囚・囚!(トラ・トラ・トラ!)」

Oi-SCALE

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2024/06/10 (月) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/06/16 (日) 13:00

【SIDE A】
タイトル通り「囚われた」人々を描いた短編集だが、いずれも切り口や味わいが異なり「そういう視点もアリか♪」というのが面白い。
一方、夢(それも悪夢?)をを見ているように変幻自在だったりつかみどころがなかったり、どこか都市伝説っぽかったりという点は共通。普段のOI-SCALE作品と趣が異なるがこれはこれで佳き。
あと、4編目「しの6」での居酒屋の皿、ジョッキからつまみまで段ボールで表現した小道具に感服。
また、3編目「Remember」で、独房の壁を人物と接する部分だけ登場した黒衣が表現するのも面白かった。

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ナイロン100℃初の時代劇。劇作家として幅広い作品群を持つKERAさんなので、少し意外な気もするし、楽しみでもある。公演チラシのテイストから「ナンセンス強め」を想像しましたが、やはりナンセンス度合いは高く、時代劇×ナンセンスな笑いという珍しい一作。ナイロンらしいとも言える。

ネタバレBOX

「江戸時代の思い出」というと、明治時代を生きた人が過去を回想する…という設定が想像できるが、今作は、「江戸時代の侍が自身の思い出話をしようとして、途中を飛ばそうと時間を先送りしているうちに、なぜか令和の思い出話を語ってしまう」というトリッキーな設定。つまり、江戸と令和を行き来する展開になる。ただ、この時間往来がずっと続く訳ではなく、数々のナンセンスが全編至る所に散りばめられている。あの手この手で「ナンセンスな笑い」が繰り広げられ、その手数の豊富さは「さすがナイロン」と言いたい。この笑いも、力技よりも巧みの洗練さが感じられ、どこか上品にすら感じる。これらは劇団員をはじめとした出演俳優の洗練によるものかもしれない。ラストシーンは余韻の残る爽やかな印象で、やはり全体的に上品な一作に感じられた。
いつか思い出してくれますように

いつか思い出してくれますように

完全右脳アルコロジー

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

アル組を観劇しました。
優しいファンタジーという印象で、面白かったです。
正直、混乱する部分があり、ラストも自分の理解で良いのか?と思われましたが、ボクは誰なのか?ボクとソウイチロウの関係は?と、惹き込まれました。
優しい気持ちになる舞台で、良い舞台でした。

生活と革命 vol.2

生活と革命 vol.2

マチルダアパルトマン

イズモギャラリー(東京都)

2024/06/26 (水) ~ 2024/07/03 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

何かぼんやりとしてしまう。毎日の生活を繰り返すだけの日々に底知れぬ不安と無力感、そして虚しさ。暗い穴をじっと覗き込んでいるようだ。

小久音さんはコリー・フェルドマン系の顔。

ネタバレBOX

①前説 池亀三太氏。我が市の紹介。郷土の偉人である文化人と彼の研究したオオアリクイにちなんだ公園について。

②「たらいまわしのウィンドウ」⑴坂本七秋氏。地底アイドルの推し活に人生を注ぎ込んだ男。いつも現場で一緒になるヲタ三人衆だったが、実は他の二人は父親と彼氏だった。披露宴に招待されることに。

③「なけなし3000」 ⑴早舩聖さん、樋口双葉さん。男に金を騙し取られた二人は殺害計画を練る。

④「あれはてたガーデン」坂本七秋氏、小久音さん、つぼみちゆきさん。突然福岡の実家に帰宅した兄。父親が死んでからというもの、誰も手入れしない為荒れ果てている庭。母親は韓流アイドルの追っ掛けとフラダンスに夢中。冷蔵庫に大根とペットボトルの烏龍茶を一緒に入れるのが気になった。

⑤「たらいまわしのウィンドウ」⑵久間健裕氏。カニコロッケでご飯を食べる女について。

⑥「なけなし3000」⑵トリカブトを買う為にバイトをすることに。

⑦「たらいまわしのウィンドウ」⑶早舩聖さん。鳥葬に憧れチベットに行こうとパスポートを申請する女。

⑧「いけずのハネムーン」久間健裕氏、樋口双葉さん。婚姻届を書いている二人と数年後離婚届を書いている二人を混在させて描く。

⑨「たらいまわしのウィンドウ」⑷樋口双葉さん。離婚届を出しに行く。

⑩「けしかけたドッグ」池亀三太氏、早舩聖さん。犬に噛まれて怪我をした男の家に飼い主の女がクッキーを持って謝罪に来る。池亀三太氏はバカリズムに見えた。

(11)「たらいまわしのウィンドウ」⑸小久音さん。家ではいつも裸族の女がカーテンを引きっ放し。近所の小学生の間で化物が住んでいると噂になりピンポンダッシュをされる。

(12)「なけなし3000」⑶早舩聖さんは殺害計画を「やめない?」と訊き、樋口双葉さんは「やめない!」と返す。

何か魔法がかかっていない気がした。「あれはてたガーデン」はこれじゃ勿体ない。「けしかけたドッグ」はキャスティングが違う。「いけずのハネムーン」は流石の出来だが、もっと胸を打つものになる筈。全体として何かパーツが嵌っていない。全く別の話だったのに一つの帰結に誘導していかないと。日常を革命する、ちょっとした視点の呈示に期待。
野球

野球

エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ・Office ENDLESS・DisGOONie

天王洲 銀河劇場(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

タイトルがズバリ「野球」とあるだけに丸々一試合描かれるプレイシーンの表現力が素晴らしい!
グラウンドとなる舞台はいわゆる八百屋舞台
その傾斜があるおかげで絶妙な遠近感(奥行)と臨場感が生まれ、しかも様々なアングルで見せてくれるものだからその都度目を見張ってしまう
キャスティングから鑑みても若い女性客が中心で、会場中にすすり泣きが拡がっていくのは必然というものだけれど、これって一番涙腺が崩壊してしまうのは思わず我が子を登場人物に重ねてしまう母親(父親)世代ではないかと

野球

野球

エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ・Office ENDLESS・DisGOONie

天王洲 銀河劇場(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

泣きました!もう途中から目頭がじんわりして、最後にはどっと溢れ出た!多分キャストの大半が2.5次元でカラコン、カラーウィッグ、キラキラ衣装で華やかにステージに立っていることが多いんじゃないかと思います。が、今回の作品、髪をきりっとまとめて、汗や砂ぼこりにまみれた地味なユニフォーム。実に地味です。だけど、その分、彼らの真っすぐで汚れのない、内側から溢れるキラキラした輝きがまぶしいほどの舞台でした。

新ハムレット

新ハムレット

早坂彩 トレモロ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2024/03/22 (金) ~ 2024/03/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

太宰治の小説『新ハムレット』を舞台化した本作は、小劇場でありながら大掛かりで完成度の高い舞台美術と照明、そして俳優の演技に魅了される作品となっていた。

ネタバレBOX

『新ハムレット』は(小説の冒頭に太宰の言葉で説明されており、それは上演作品の冒頭でも読まれていたが)元々戯曲として描かれたのではなく、しかもシェイクスピアの『ハムレット』とは展開も結末もかなり違っている。したがって、戯曲としてというよりは太宰の小説として楽しむテキストであるが、トレモロはそのことについて明らかに自覚的であった。というのも、俳優は大振りな演技でもって太宰の書いたセリフを演じており、その文体を存分に聞かせるものとなっていたからである。太宰を連想させる人物が舞台上を徘徊していることからも、観客に太宰を常に意識させる造りになっていることは明白である。
特筆すべきは舞台美術と照明、衣装の美しさである。昭和モダンの雰囲気を醸しつつも完全な昭和時代のリアリズムにはせず、ファンタジーとの折衷的世界が展開されていた。こまばアゴラ劇場は決して広い空間ではないが、実際よりもかなり広いように感じられたことから空間演出の秀逸さが窺えた。
他方で、なぜ『新ハムレット』を取り上げたのか、という点についてはわからないままだったのが残念だった。すなわち、『ハムレット』でもなく太宰の他のテキストでもなく、なぜ太宰の『新ハムレット』だったのかを観客に納得させるだけのテーマが見えて来なかったのである。確かに太宰の文体は面白いのだが、それは読んでもわかることである。太宰自体が小説であるという点を強調している以上、この点についての演劇側の解釈や応答はそれなりのものでないと説得力がない。空間演出や俳優の演技が豪華であっただけに、もったいない上演だったと言わざるを得ない。
波間

波間

ブルーエゴナク

森下スタジオ(東京都)

2024/03/15 (金) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

正直に告白すると、ブルーエゴナグ『波間』は扱っているテーマからやや警戒していた。自死を扱っていたからである。しかしそれは杞憂に終わり、本作は自死を直接的には描いていなかったし、それどころか、(よくある傾向に反して)自死へ向かうプロセスをドラマチックには描かず、したがって観客が登場人物に安易に同情したり共感したりしない構成になっていた点において、作者への信頼がおけた。

ネタバレBOX

自死は美化していなかったが、作品それ自体はとても美しいものだった。かなり特徴的な空間と言える森下スタジオを、その特徴を活かす形で用いていたのも評価できる。体育館のような空間で、登場人物たちの学校生活をテーマにした作品ということで相性も良かったのだろうが、演出はその場に合わせて変えているというからその臨機応変さが功を奏したのだろう。
「安易に同情したり共感したりしない構成」と前述したが、本作は登場人物の過去と夢の景色が混在しており、物語内容を把握することがやや難しくなっている。だがそれは観客の思考も茫洋としていくのを楽しめるような構成だった。別の言い方をすれば、見る人をやや選ぶ造りであろう。そのような作品を見慣れている人からすれば楽しめるのだが、ドラマ的な造りに慣れている人からすればややストレスに感じることもあるのではないだろうか。
演出や照明、音響は非常に美しかったのだが難点があったとすれば、機材が古いのか、スモークが焚かれた瞬間に喉と鼻がやられたことである。恐らく制作サイドもそれを把握しており、各座席にマスクと飴が置かれていたが、それらを用いても防ぎ切れない程だったのには閉口した。
雨降りのヌエ

雨降りのヌエ

コトリ会議

扇町ミュージアムキューブ・CUBE05(大阪府)

2024/03/09 (土) ~ 2024/03/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

コトリ会議は書類選考の段階で期待値が非常に高かった。作品単体もさることながら企画のコンセプトに惹かれたのも大きい。会場となる扇町ミュージアムキューブを終日開放し、観客は好きなだけいることができるというアイデアは、「劇場」という場の本来のあり方、すなわち広場的役割を果たそうとしている。結果としてその期待値を裏切らなかったと評価できる。

ネタバレBOX

『雨降りのヌエ』はオムニバス作品群であり、全5作品の中から2作品ずつの上演が、期間中の日に2回ある。対象となった作品は「第夜話:縫いの鼎」で、離婚届を出そうとする夫婦を、死んだはずの兄が、離婚届に「クマさんハンコ」を押すことで妨害する話である。話の内容から分かるように、深刻な雰囲気が笑いへと転換されるユーモアの技術は秀逸である。短編でありながら不条理劇さえ想起させる。そのユーモアは俳優3人に共通しているが、特に「死んだ兄」役の若旦那家康の存在感は抜きん出ている。直前まで前説を和やかに行っていた彼が、突然「死んだ兄」としてそこにおり、無表情なのに、いや無表情だからこそ、やっていることのくだらなさが際立つ。
感想を書いてボードに貼れる付箋が当日パンフレットと共に配られたり、壁にかけてあるコンセプトボード(絵画)が日ごと増えたりというアイデアは、劇場がただ上演作品を見るだけの場所ではないことを観客に思い出させる。私はどうしても時間が取れず、開演直前に着いて終演直後に東京に蜻蛉返りせざるを得なかったのだが、スケジュールをキャンセルしてもその場に残ろうかと思ったぐらい居心地が良かった。
小規模でありながら劇場本来のあり方を模索する、深刻な状況でも笑える…そのような二重性を感じさせるコトリ会議の構成力と制作力は、アイデア落ちではなく、どこまでも観客思いの温かいものだった。

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