笑の大学
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2023/02/08 (水) ~ 2023/03/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
三谷幸喜の代表作と言われながら、96年以来、舞台では上演されていなかった作品のパルコ劇場50周年記念公演、全国ツアーもある。今回は作者本人の演出。配役も、小劇場らしい顔合わせだった西村雅彦、近藤芳正から、内野聖陽、瀬戸康史に変わった。25年ぶりの晴れやかな再演である。
脚本をなかなか出版しない(戯曲未刊行)作者だから、再演の細部の変更はわからないが、ほぼ初演と変わらない感じ。(映画は取り組みが違う)。一つのセットで二人だけの役者で二時間弱、誰もが楽しめる舞台になっている。
良いところをあげていくと、まずは、俳優二人の快演。パルコはかなり大きな舞台なので取調室内の二人だけの室内劇では隙間があるのではないかと危惧したが、全くそういうことはない。内野はこう言う軽喜劇の経験が少ないが、軽重巧みに取り合わせて融通の利かない検閲官を肉付けした。対する瀬戸康史。湿っぽくないのが良い。それが最終幕で逆転する。
間口を狭め、奥に向かった遠近をつけた堀尾幸雄の単純浴び術も効果を上げている。
脚本はすでに数々の賞がある出来だが、今回改めて「笑の大学」というタイトルが単に瀬戸の演じる軽演劇劇団の名前だけでなく、作品全体が笑いの構造を追及する「大学」になっていることがわかった。くすぐり、地口からはじめて、ドタバタ、さらには喜劇というテーマへと難題を膨らませていくうちに「喜劇」を大学レベルまで、考えさせてくれる。作者の、「喜劇」へのこだわり、ともすれば、喜劇を安全な社会批判の道具にしか考えてこなかった日本の演劇対する批判も見える。
久しぶりに、老若男女ほどよく案配された満席の良い客席だった。
三谷幸喜は、これで、現在の日本の演劇界の一角を代表する作家になったと言えるだろうが、これからも、日本の演劇のレベルを底辺で叱り支えて良い作品を見せてほしい。
アベベのベ 2
劇団チャリT企画
駅前劇場(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
期待しすぎたのか、つまらなすぎて引きました。
途中見てられなかった本当に。
素敵な俳優さんが2名いたのでなんとか心を保ったまま座っていられましたが、本が面白いだけに勿体無いなあと思いました。
キャスティングのミスかな。
時事問題を切り取るチャリTさんの着眼点はとても天晴れだとは思っています。勿体無かった。
磁界
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ああ・・・ってなった。
舞台美術がすごく印象的で素敵だった。
照明と大道具の使い方も効果的で美しかった。
今思えば「磁界」だからあの
演出なのかあ!と納得したり。
とってもじわじわくる作品です。
割とゆっくり進むので前半
寝ちゃってる人とかいたけど
観て損はないと思います。
磁界
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
警察組織内部の閉鎖された環境。立場により変わっていく心の動きが繊細に描かれていて夢中で観ていました。西尾友樹さん、とても素敵です。お勧めします。
Angelic Miicry
DANCETERIA-ANNEX
大倉山記念館(神奈川県)
2023/02/07 (火) ~ 2023/02/10 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
今回も少し難しい内容だったけど、
上海のあの時代は大変なのだと分かった。
ソンリェンカッコいい!クーシンと姉様かわいい!
磁界
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
夢と理想を持って警察官になったにも関わらず、警察組織内部の論理に絡めとられ、次第に押し潰され順応してしまう若い警察官の葛藤を描く。
劇団チョコレートケーキの西尾友樹さんをはじめ元KAKUTAの異儀田夏葉さん、文学座の大滝寛さんなど手練れの役者さんたちの演技の確かさ、濃密さ、熱量が見事。
磁界
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても重厚な素晴らしいお芝居でした。二時間弱の公演時間もあっという間で、役者の皆さんの演技もとても真に迫っており本当に面白かったです。内容もリアルで申し分ありません。立場立場で誰も悪くない。でも、なんとなかったのではという気持ちがとてもよくわかりました。たぶん初めて拝見した団体さんですが、今後も気になる団体さんになりそうです。
磁界
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/02/13 (月) 19:00
JACROWの中村が作・演出した舞台。タイトでいい芝居だった。(4分推し)114分。
実在の事件をベースにしているが、犯罪そのものでなく生活安全課という警察の組織の問題を扱う。難しい判断を迫られる生活安全課の警察官を演じた首藤(西尾友樹)と捜索を訴える姉(柿丸美智恵)がいいが、他の役者陣も熱演で緊張感ある舞台を作る。。異儀田夏葉は大変だったろうなぁ…の役。タイトルは、特定の意識・価値観に捕われた世界を言っているのだと思う。
対話
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2023/02/10 (金) ~ 2023/02/24 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
強姦殺人事件の被害者の娘の父母と、加害者の母、姉弟、伯父。さらに調停人のマニングと、性犯罪者の更生に取り組む心理療法家、8人出ずっぱりの会話劇。被害者遺族の夫婦は、怒りと憎しみをぶつけ、加害者の母は「私たちも痛みを抱えています」「それでも私の息子なんです」と許しを請う。弟は「殺人犯の弟」の烙印を押された恨み、終身刑の兄スコットに死んでほしいと、被害者遺族と同じ気持ちだと叫ぶ。大学卒の姉は、弟の貧しく放置された生育環境を考慮してほしいと自説をぶつ。心理療法家の女性は「彼は良くなっていた。釈放を求めた判断に誤りはない」と自己弁護する。
遺族の母は「あなたたちは私たちの痛みを理解する入り口にも立っていない」と迫り「奪われたのは未来だけではない、娘の過去も奪った」と。アルバムを見ると、悲惨な最後に至ることが思い出されて、アルバムもみられないと泣き崩れる。
どこにも救いの見えない前半から、どう何らかの結末を引き出すのか、目が離せない。
出演者はみな熱演で、ヤマ場では本当に互いに泣いていた。加害者の母を演じた山本順子は、貧しく弱く哀れな母親そのものだった。2時間10分休憩なし
あの春の約束を歩き出す君のために2023
東京印
ザ・ポケット(東京都)
2023/02/08 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/02/10 (金)
中野ザ・ポケットにて東京印『あの春の約束を歩き出す君のために2023』を観劇。
初見のカンパニーでしたが、客席に一歩足を踏み入れた瞬間、ステージ上にそびえ立つ古民家のような造りの舞台セットが目に入り、いきなりテンションが上がりました。 玄関、廊下、居室、庭などの間取りに加え、家具や小物など、細かな部分まで凝っているセットは圧巻。しかも、このような昭和レトロな雰囲気のセットは個人的にも好みのテイスト。このセットを見るだけでも価値があるなと感じました。それくらい惹き付けるものがあったような気がします。
「~あなたが大切な人に届けたいものはなんですか~」というサブタイトルが付けられたこの作品は、下宿屋「桃山荘」を舞台に繰り広げられる人間ドラマ。過去にシェアハウスを舞台とした作品は何度か観たことがありましたが、この作品も似たような雰囲気を感じました。年齢も性別も趣味もバラバラの人々が一つ屋根の下、共同生活を送っているという設定は、何かが起こる予感しかなく、ワクワク感が高まるのです。
しかし、いよいよ本編が始まり、キャラの濃い人物達が次々に登場してきたのですが、、。確かにひとつひとつのシチュエーションはユニークで、それ単体で見れば面白いものの、間の取り方の問題なのか、あまりにも一定のテンポで進行する各シーンに、逆に違和感を覚えてしまいました。もともと台本ありきで進むフィクション作品に求める部分ではないのかもしれませんが、日常生活を映し出したドラマであれば、もう少しテンポに変化が欲しかったような気がします。順番に次から次にポンポンと台詞が出てくる会話劇は、見ていて飽きない部分はあるものの、いかにも演じているだけという作品にも見えてしまい、若干感情移入がしにくいような印象を受けました。実際、サブタイトルに込められたテーマよりも、賑やかなドタバタコメディーだったという感想の方が先行したような気がします。ウケを狙ったキャラ、台詞が多く、じっくり楽しむというよりは勢いで一気見するような感覚。また、暗転が多く、各エピソードに繋がりが見えにくいようにも感じました。単に面白いシチュエーションを詰め込んだだけのような、 短編のオムニバス作品を観ている感覚に近いような…?
冒頭に書いた豪華な舞台セットに関してももう少し活かして欲しかったかなと思います。全体的なセットは勿論ですが、奥の部屋や隣の書店の部分などを含め、とてもしっかりと作られているように見えたので、その辺をもう少し見せるシーンがあっても良いような気がしました(個人的に見たかったです)。
舞台の雰囲気、BGMの雰囲気、フライヤーの雰囲気、タイトルの雰囲気と、内容が若干合っていないような印象を受けましたが、個々のエピソードは面白く、熱量の高い作品だと感じました。
OH! MY GOD!〜2023
パン・プランニング
博品館劇場(東京都)
2023/02/10 (金) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
昭和の雰囲気が何とも楽しく地上波ギリアウトかな どうかなという毒加減も絶妙
手を変え品を変え散々笑いつくしたというのに後に何も残っていないというのもある意味贅沢な娯楽だったなと
超くだらない部分が好物か否かでハマり具合が変わりそう
友人同士とかで観に行って高揚した気分のままワイワイお茶して帰る
これがベストな観劇スタイルじゃないかと思える公演でした
磁界
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
重い話だったが、1時間55分があっという間に終わる感じる舞台。
印象的だったのは、医者の件のセリフは自分自身にすっと入ってきて印象的な掛け合いでした。
Angelic Miicry
DANCETERIA-ANNEX
大倉山記念館(神奈川県)
2023/02/07 (火) ~ 2023/02/10 (金)公演終了
Angelic Miicry
DANCETERIA-ANNEX
大倉山記念館(神奈川県)
2023/02/07 (火) ~ 2023/02/10 (金)公演終了
武士とジェントルマン
朗読劇『武士とジェントルマン』製作委員会
サンシャイン劇場(東京都)
2023/02/01 (水) ~ 2023/02/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/02/03 (金) 13:00
タイトルだけから幕末か明治初期の話かと思いましたが、現代日本で無骨に生きる男とイギリスから来た人の話でした。トランスジェンダーも登場する、頭の柔らかい、やさしい気持ちにつつまれる作品。
朗読劇タチヨミー第十巻ー
タイキマニアプロデュース
サンシャイン劇場(東京都)
2023/02/08 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
声優さんたちの朗読劇、バラエティーに富んでなかなかに楽しめました。さとうきび畑の歌とこの曲をモチーフにした朗読劇には涙しました。
FLAGLIA THE MUSICAL
サンライズプロモーション東京
日本青年館ホール(東京都)
2023/02/03 (金) ~ 2023/02/09 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/02/08 (水) 13:00
テレビでたまたま見つけたアニメ・バージョンを少し見て予習してから行ったのですが、私が見たところはこのステージを補完する脚注みたいな部分だったと判明。スケールが大きい物語で、役者たち(特に堂珍)の歌唱力に圧倒されました。
OH! MY GOD!〜2023
パン・プランニング
博品館劇場(東京都)
2023/02/10 (金) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/02/11 (土) 13:00
いろんな方面から叱られそうな過激で毒のある笑いが多く、とても刺激的でした。歌とダンスも素敵でした。
磁界
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
L字型の客席。舞台美術(金安凌平氏、西山みのりさん)がやり過ぎぐらいに凝っている。打ちっぱなしのコンクリート。(加工したシートを敷き詰めている)。廃墟ビルの埃の溜まった一室。雑然とそこら中に転がる椅子。両端に積み上げられた縄で縛られた椅子の山。ディストピア感満載、流れるインダストリアル・ミュージック。
二人が向き合い会話を進める途中でノイズ音が走る。するとカメラを切り替えしたように、互いの場所を入れ替えて会話の続きを始める。どちら側に座っている客にも役者の表情が見えるようにとの配慮だろう。とにかく客に見せたいものがハッキリしている。
磁界とは磁気が働く空間の状態のこと。
「教示願います。」
マルガイ(被害者)、マルヒ(被疑者)、警察用語が飛び交う。
署長(青山勝氏)、課長(大滝寛氏)、係長(谷中恵輔氏)、主任(西尾友樹氏)、巡査(井上拓哉氏)のヒエラルキー。それぞれ味のある役者が重厚なハーモニーを奏でる。格と名のあるプロレスラーが次々にリングに登場し、ファンの妄想を刺激するような。青山勝氏は怖ろしい。権力という暴力を身に纏っている。
失踪した妹に電話で金を無心された姉(柿丸美智恵さん)、双子の妹(異儀田夏葉さん)、相談を受ける弁護士(狩野和馬氏)。
柿丸美智恵さんの居酒屋のシーンは人間的で良かった。
双子という設定で、失踪した妹役も異儀田夏葉さんが演ることの予想はつく。判っていても度肝を抜かれる。
熊井啓映画の気分。反権力弁護士は鈴木瑞穂にやらせたい。
西尾友樹氏はテッド・バンディみたいなサイコパス役が似合うと思う。企業舎弟のインテリヤクザや新興宗教の広報(上祐史浩的役回り)なんか打って付け。まともな善人役では勿体無い奥行き。目の玉が据わる演技が凄い。ティム・ロス流か?目の玉のくすみで役柄の内面の変化を表現する技術。ゾッとした。ここだけでも今作を観る価値は充分ある。
まっくらやみ・女の筑豊(やま)
椿組
新宿シアタートップス(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
戦前の筑豊の女鉱夫の生き様が迫力ある舞台演出で、凄みを増していました。舞台の使い方も驚きがあり、力のある役者さんたちの素晴らしい舞台でした。