
王国、空を飛ぶ!~アリストパネスの『鳥』~
SPAC・静岡県舞台芸術センター
静岡芸術劇場(静岡県)
2015/10/31 (土) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
左脳的テキスト、右脳的に飛ぶ(快哉)
なぜかこれは観たかった。静岡くんだりまで足を伸ばしたが、甲斐あった。ギリシャ喜劇作家・アリストパネスの現存するテキストの一つ『鳥』は、奇想天外な話で、天(神の国)と地(人間の国)の間、つまり中空に鳥たちが国を作ってしまう。この話の筋は残しつつ、作・大岡氏は現代の話として構成し直し、現代劇としてSPACの劇場にどっかと現出せしめた。これ即ち現代諷刺劇。日本の現代・現在をちくりとやっている訳だが、時々寒くもなる。だが、寒いと感じるのはそれを寒いと感じさせる「空気」を吸って生きる己の偽らざる感覚に他ならない、という事でもある。言葉にすれば身も蓋もない事実も、それが事実なら言葉にすべきである所、我々は何を口ごもり、口にしない洗練さなどと澄ま しているのか・・と。この劇は『鳥』の翻案であると共に、アリストパネス自身が作品を通じて当時の世相や事物を刺しまくったように、日本においてそれをやる、という試みでもあった。この試みに拍手を送らずして何に拍手するものか?などと興奮を噛みしめつつ帰路についたものである。

全段通し「仮名手本忠臣蔵」
遊戯空間
浅草木馬亭(東京都)
2015/12/08 (火) ~ 2015/12/10 (木)公演終了
満足度★★★★★
シェイクスピアを彷彿とさせるシナリオ
全段通しの仮名手本忠臣蔵も今年で4回目。観る度に進化し深化し続けるこの舞台は年末の楽しみである。休憩10分を挟んで約2時間50分の今作。どの段も飽きることなく引き込まれるが、基本的に用いられている言語は、江戸時代の日本語なのでやや古風と感じる向きもあろう。然し、水産高校出身で古典などの素養の殆ど無い自分でも、類推できる。殊に六段、七段は、描かれている人間関係の因果と宿命との相克が、当にシェイクスピアの傑作に該当するような深く激しく劇的な状況であるため、固唾をのんで観た。
昨年迄タイトルにリーディングという但し書きが付けられていたが、今回これは外されている。“原作に用いられている言葉から、如何様にドラマを浮き上がらせるか”に集中している為である。音響に関しても奏者が増え、厚みが増した。(若干追記2015.12.9:12.29更なる追記は後送)

泳ぐ機関車
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/15 (火)公演終了
満足度★★★★★
The 芝居!
いつも思うことなのだが、桟敷童子の開演前は活気に満ちている。
劇団員全員が観客にいい芝居を観せよう、何か感じてもらおうという雰囲気が充満している。明らかに他の劇団と違うものを自然に感じている。
私も3部作全て拝見しましたが、この”泳ぐ機関車”は白眉である。
時代背景が手に取るようにわかる年代の者には言葉で言えないものがある。
話の展開と内容の緩急、個々の人物像、照明、舞台セットまさにチーム力が柔軟かつ強固なものがそのまま示される。ドラマティックの極みである。
ハジメ役の大手忍さんの舞台上での目つき顔つきの変貌が終演後のロビーの顔と別人に見えた、驚きである。素晴らしい演技でした。

『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
是非ともコンスタントな再演を
初演時、初KAKUTAさんで心を鷲掴みにされまして、今回の再演を心待ちにしておりました。
やはりあのラストは秀逸!
普段観劇をしない人にも受け入れ易い、入り込み易い作品だと思います。定期的に上演していって欲しい舞台です。

約束だけ
同志社小劇場
同志社大学新町別館小ホール(京都府)
2015/12/04 (金) ~ 2015/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★
逆境に耐えながら生きる日本人らしさ
初々しくもあり、堂々とした新人公演でした。
経済が破綻した近未来の日本から、ヨーロッパに不法入国して出稼ぎをしている日本人と、日本人マフィア。
ヨーロッパ人から搾取されながら、堪え忍ぶ忍耐と我慢強さに日本人らしさが感じられます。
張り詰めた生活で、優しくされると、寄りかかってしまい、裏切られ…、それでも相手を思いやる日本人らしさ。
そんな日本人の愛国心と、国に残してきた人たちとの約束…。
切なく、もの悲しく、だけど逞しさを感じた公演でした。

泳ぐ機関車
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/15 (火)公演終了
満足度★★★★★
無題1684(15-373)
19:00の回(晴)
18:45会場着(今夜も大手さんが外で案内)、受付(3回券)、下手よりの指定席。役者さんの温かい案内で座席へ、昨晩も観ているので2夜連続です。本番直前ですが、みなさん受付から指定席、自由席、手洗いの誘導まで最高のホスピタリティ。
19:03開演の挨拶~21:04終演、約5分後からバックステージツアー。本作は「水」を使うのでここでも役者さんたちは予め入念に水をふき取り、足元の安全に細心の注意、お客さんも気軽に声をかけていました。
2夜連続ですが、観れば観るほどその素晴らしさが沁み渡るような気がします。どの一瞬であろうと、どの役者さんであろうと、耳を傾け、台詞に聴き入れば、演技に目を向ければ、わかる本作のよさを感じました。
前2作を観た後の本作、3姉妹が立ち向かわなければならない未来を知っているがために感じるもの。振り返ってみるとまたこの3部を観たくなるのでした。
蓄音機には本物のLPが乗っていました。

モデラート
ゆめまち劇場
浅草六区 ゆめまち劇場(東京都)
2015/12/02 (水) ~ 2015/12/09 (水)公演終了
満足度★★★★
ギターに誘われて
当日キャストからのお誘いで急遽観劇。
ラストのメドレーに懐かしさを覚え、想い出がいっぱいで心に染みる内容でした!

『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
やられました
全体的に流れが、よどみなく、演出がすごいと思いました。
話はとてもわかりやすいのですが、その中にもいろんなことがちりばめられていて、時間を感じませんでした。
文句なく、観た方がいい作品でした。

モデラート
ゆめまち劇場
浅草六区 ゆめまち劇場(東京都)
2015/12/02 (水) ~ 2015/12/09 (水)公演終了
満足度★★★★★
懐かしの曲とともにある人生
80年代のポップとともに綴られるストーリー。
曲は全て生バンドと生歌で臨場感あふれる中、役者陣の熱演が光ります。
曲のもつ力というか、曲との記憶というか、そのようなものも相まって、ストーリーがより心に響きました。
2回観劇しましたが、見れば見るほど引きこまれてしまいます。
またぜひとも観に行きたい公演です。

慕情秋桜
関西芸術座
ABCホール (大阪府)
2015/12/04 (金) ~ 2015/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★
母の愛は戦争にも負けない
戦争という極限状態でも、子に対する母の愛は奪うことはできない。そんなメッセージが込められていたのではないでしょうか。涙なしでは見れませんでした。

小さなお茶会。
空想組曲
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

水仙の花 narcissus
城山羊の会
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2015/12/04 (金) ~ 2015/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★
独特
「アレ」が「あれ」で「ねぇ」と、例によって不毛で歪んでいく男女の異様で親娘の仲。
山内氏の新作映画「友だちのパパが好き」と共通項があるのかな。
舞台から発する匂いを嗅いだら、感覚の隙間からエロが垣間見え、世代を越えた男と女の業の騒動を体験しているような、なんというか日本的ではないフレンチ作品のような舞台だった。
花言葉を調べたら、あー納得‼︎
今回も三鷹の人はいい仕事するわw。
約2時間。

ヴァギナ・デンタータ
芸術集団れんこんきすた
ART THEATER かもめ座(東京都)
2015/12/03 (木) ~ 2015/12/06 (日)公演終了

わたしのゆめ
ガラス玉遊戯
小劇場 楽園(東京都)
2015/12/02 (水) ~ 2015/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★
いつの間にか
保護者会の会議に自分が参加してるような錯覚を覚えるほど
自然な演技で、思わず挙手をしてしまいそうになった。
すごく笑えるとかではないのにとても印象深い劇でした。

泳ぐ機関車
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/15 (火)公演終了
満足度★★★★★
これぞ演劇 花5つ星
通常では考えられない三部作一挙上演というハードスケジュールである為、皆の身体は相当疲れているハズなのだが、逆にそのことが効を奏しているようにも思える。肩の力が抜けてとても自然な演技になっている。もともと桟敷童子の強みはチームワークの良さだが、役割上、華のある役に付いている役者のみならず、ワキを演ずる役者陣の演技も自然に溶け合って、観客席から観ていて、本当にイリュージョンが立ち上がってくるような舞台である。
三部作のトリをつとめる今作だが、話の内容では序章に当たる。初演は2012年12月。三部作の序章が最後に書かれているのは、東 憲司の過去への遡及が現在から始まったことを物語るのかも知れない。(ネタバレ追記後送)

泳ぐ機関車
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/15 (火)公演終了
満足度★★★★★
無題1683(15-372)
19:00の回(晴)
18:20着、受付、18:30開場(自由席は整理番号順)。2012/12の本作がこちら初めてで、今回、嬉しい再演です。
今回の三部作公演(オバケの太陽、泥花とも105分)の中では一番長く(120分)、舞台も縦(客席の間の通路)横に広く使い最も動的な印象を受けました。内容も栄枯盛衰に焦点をあてた、暖かく、深みのある内容でした。
客演の山下さん「チェインソング(2012/12@駅前)」、中野さん「ちょぼくれ花咲男(2015/6@高円寺1)」を観ていました。

12月文楽鑑賞教室公演
国立劇場
国立劇場 小劇場(東京都)
2015/12/02 (水) ~ 2015/12/14 (月)公演終了
満足度★★★★
楽しかったです。
今回は津駒大夫が出演ということで、行ってまいりました。
やっぱり津駒大夫の義太夫は、情が深くて、厚みがあります。
そして、勘十郎さんの遣うお柳は、切ない美しさがあって、素晴らしかったです。
12月公演は、義太夫さんも三味線さんも人形遣いさんも人間国宝クラスの方々は出演されません。なので、若手の方々はいつもよりもちょっといい役をもらえるようです。二人禿の義太夫さんたちがちょっと頑張れ!だったので、☆4つということで・・・・・。

泳ぐ機関車
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/15 (火)公演終了
満足度★★★★★
期待通り!
良かった!
炭鉱の町の少年の成長物語。炭鉱?明るい話の筈はない。でも、笑わせ、悲しませ、考えさせる。脚本、演技、美術、演出、全てが良い。
テーマ音楽のユーモレスク、とても切なく心に響くメロディだ。

えのもとぐりむ作品集 第5部 人の類い、十二の亜種(午・申・亥 編)
株式会社Legs&Loins
Geki地下Liberty(東京都)
2015/11/30 (月) ~ 2015/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★
猿の類い
シンプルで素朴な作りの中に、ノスタルジーとリアル絵あることからの浮遊感を感じられる、柔らかい色模様。
母親の役どころと役者さんがよかった。
後半は静かに感動の余韻が途切れず寄せては返す雰囲気で、しっとりときれいな物語。

水仙の花 narcissus
城山羊の会
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2015/12/04 (金) ~ 2015/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★
城山羊3作目、斜に見た感想
岸田戯曲賞を取った前後の舞台を観ていた。リアリティを平然と無視して「娯楽」(即ち意表を突く殺害・濡れ場・裏切りなど)を優先し、観客はそれを良しとして喜んでいる、何と低レベルで下品な空間だろうと、唾を吐きたくなる初回であった。下品さをカバーする「何か」もない(何やら有りそうな雰囲気を醸してるが・・)。ただ、二度目、相変わらずリアリティ無視のテキトーさに再度唾棄したのだったが、「真面目に作ってる」様子がどことなく伺えた。もう一度だけ見てみるかと、今回三鷹くんだりまで足を運んだが、芝居が成立しており、最後まで面白く観た。
終盤で時間経過がおかしい部分があったものの、そこで城山羊の会の特色をいま一度思い出したという事で、そこまでは破たんなく見れた。ただし、ぶっ飛んだ話である事は同様で、これを成立させていたのはひとえに役者の力、とりわけ吹越満の演じる中産階級の狂気と良識の両極に振れるキャラクター、また周囲の者を常軌を逸した行動へ突き動かす謎の女性の美形、肉親でありながら別人である事を否定し受けいれてしまう妹、その夫、謎の女性の夫、男の娘のサディストぶり、彼女と不思議なバランスで関係している彼氏、胡散臭いコンサルタントなど、いずれも常軌を逸した事態を成立させるべくそこに立っている。
城山羊の特色は、あり得ない場所やタイミングで「発情」し行為に及ぶ場面が必ずある、という事らしい(三作とも共通していたので恐らくそうだろう)。
必然性があれば文句は無いがお家芸のようにその場面を仕込む必要はないのではないかと素朴に思う。しかしそれが集客や人気に繋がっているなら、時代のほうがエログロを擁する土壌と化しているのかも。文明の爛熟の中、抑圧状況を身体が感知している・・
お話については特段何か言い添える事はなく、深読みできる余地もないが、ただある場所で、奇妙な出来事が起こり、その事態にあって初めて人間が見せる興味深い反応を、舞台上で描いて見せたものだ、と言える。で、毎度の事、その感情は人間が「追い込まれた」時のそれであり、作者の狙いもそういった修羅場での人間のありようを如何に醜悪に描き出すか、という所にありそうだ。
今回は優れた俳優(チョイス)と戯曲とのマッチングにより、他では目にできない舞台を味わえた、と思う。