泳ぐ機関車 公演情報 劇団桟敷童子「泳ぐ機関車」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    The 芝居!
    いつも思うことなのだが、桟敷童子の開演前は活気に満ちている。
    劇団員全員が観客にいい芝居を観せよう、何か感じてもらおうという雰囲気が充満している。明らかに他の劇団と違うものを自然に感じている。
    私も3部作全て拝見しましたが、この”泳ぐ機関車”は白眉である。
    時代背景が手に取るようにわかる年代の者には言葉で言えないものがある。
    話の展開と内容の緩急、個々の人物像、照明、舞台セットまさにチーム力が柔軟かつ強固なものがそのまま示される。ドラマティックの極みである。
    ハジメ役の大手忍さんの舞台上での目つき顔つきの変貌が終演後のロビーの顔と別人に見えた、驚きである。素晴らしい演技でした。

    ネタバレBOX

    主人公ハジメがまだ母のお腹にいた時から話は始まる。
    父三好辰吉はアイスキャンディー売りで稼いだ100万と義母から借りた100万の合計200万で赤堀の山を買う。園山は地下水が多く、岩盤も固い為、石炭を掘ることには皆が敬遠していた。しかし辰吉は確信していたここには石炭が豊富であることを!そんな中ハジメは母の命と引換えのような形で生まれる。辰吉は義母への借金をたった1年で返済し、石炭の神と呼ばれるほどになり成功を遂げた。炭鉱夫には働きにみあった給料を支払い、経営者と労働者の垣根を超えた理想的な関係を作っていた。
    ただひとつ忘れられないことは、以前に炭鉱事故で1名を廃人にしてしまい、あげくに自殺した元炭鉱夫のことであった。家族を心配し、多忙な中毎年命日には墓参りをしていた。しかし、亡き炭鉱夫の妻は会社からの援助を受けずに、売春婦にまで身を落とし生活し、その姿を辰吉に見せつけることのより復讐としていた。すごい執念!
    それ以外は順風満帆の8年過ぎたある日、落盤事故により17人の炭鉱夫を助けることができず、逆に水を炭鉱に入れる決断に迫られ結果としては殺してしまうことになった。
    根っから生真面目な辰吉は、その17人の家族たちに石炭を掘らず、見つけ出すことを約束してしまう。
    石炭を掘らねば企業としては成り立たず、赤字、負債、倒産の一路!
    面倒見ていた炭鉱夫たちも手のひらを返したように自分たちの主張を説く。
    耐えきれない辰吉は行方不明になる、そして居場所は・・・。末路は・・・。
    ハジメは頭も良く、元気な子であったが、友達はできなかった。
    そんなハジメに神様(本当はただの孤児)と呼べる友達ができる。
    その友達と行った西町で見たものは・・・。
    すべてを失い、祖母のおかげで親戚の家に姉ふたりとハジメは引き取られることになる。3人はルールを作ったどんな時も、喧嘩はしない、贅沢はしない、向日葵のように明るい笑顔でいようと!
    ハジメの顔つきと言動が大きく変わる!

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    2015/12/09 00:39

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