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完全新版VSR 牡丹灯籠~全段通し

完全新版VSR 牡丹灯籠~全段通し

朗読パンダ

あうるすぽっと(東京都)

2024/08/10 (土) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「日本一わかりやすい牡丹灯籠」確かにストーリーの流れが良かったし、キャストの演じる声も板の上にはっきり乗った活きた声だった。時々起こるアドリブめいたセリフも客席を沸かせていた。私個人の好みとしては、情景背景は有りでも、劇画がかった絵は必要ないのでは?と思わないでもない。必要ないくらいしっかり声が演じていたのでしないかと思うのだが。

ゴシック

ゴシック

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2024/08/14 (水) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
冒頭から 物語へ集中させる雰囲気作りや関心を高める工夫、見応え十分。明治時代の長野県、そこの旧家を舞台にした悍ましい伝承物語。当日パンフに家系図が記載されており、登場する人間関係(立場)を明確にしている。時代背景と土地柄、そして本家・分家という家(家長)制度を絡め、人間の欲望 その深淵を描いている。

「姥捨て」する迄を前半、「御山入り」で自分の欲望と向き合うことを後半とすれば、その展開と観せ方も秀逸。隠された事実、それを解き明かすように七曲り先の六道(りくどう)、人々の欲望が剝き出しになって浮き上がる。各人の欲望に応じてテンポよく場面転換し、欲望の鏡合わせのような存在が繭(吉水雪乃サン)、その妖しい演技が印象的だ。
ちなみに舞台壁、前半と後半とで荒い岩肌から洞窟の中といった変化をみせ それが鈍く妖しく輝いているようだが、これにも伏線が仕込まれており巧い。

物語には、この家系とは別の人物を登場させ、人間の欲望とは この旧家に限ったことではない、そんな闇の広さと深さを鋭く抉っている。獣のような 出で立ちで、今まで「御山入り」した人々の魂の声が聞こえていた鍵屋の又やん(祥野獣一サン)、一方 実直な奉公人風の銭屋の照やん(山村鉄平サン)、後々の変化も含め この2人の存在が妙。
(上演時間1時間50分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、劇場入口とは反対の奥に鳥居、その前に岩が2つ。この劇場の特徴である柱には しめ縄と紙垂。前半は崖岩を思わせるような幕。上演前には水が滴り落ちるような音が不気味。物語は御厨家4代に亘る姨捨て、その儀式に隠された因習を おどろおどろしく描く。観客は見巧者ばかりではなく、直截・表層的に見て感じることが大切。その意味で この世界観の好き嫌いはあるだろうが、丁寧な公演にしていると思う。

御厨家の女 まゆをその娘 絹が姨捨てに付き添うところから始まる。60歳になったら御山入りする定めになっているが、まゆ はまだ若々しい。その美貌ゆえに生への未練があるのでは と陰口を言われた。そして娘の絹も御山入りの年齢を迎えるが…。当主の結吉には亡き妻との間に2人の娘 紬と繭がいる。そして後妻に染を娶り、その連れ子。結吉の姉で分家となった糸とその子。多くが血縁関係という閉じられた世界。いや この地域そのものが排他的だ。

絹の御山入り、そこに同行した繭の純真というか特別な存在(力)によって、御厨家の人々の欲望が浮き彫りになっていく。例えば 紬は妹の繭が疎ましい、分家では本家への蟠りと我が子を本家の跡取りへ といった思惑を抱いている。血縁・地縁という閉鎖的な環境下における欲望は陰湿で後々まで祟る。代々の御山入りした多くの屍、その光景が見えなくても その凄惨さが感じられるような迫力。

前半は御厨家の周辺、そして今起こっている出来事を点描している。後半は岩肌の幕を取り、洞窟内を思わせるような鈍い輝きの岩。前半 その鉱物に係る会話があり、物語ー姥捨て では自分の大切なものを捨てないと神になったご先祖様に会えない。繭にとって大切なものの象徴としての鉱物。先にも記したが、夫々が抱いている欲望の鏡合わせとしての存在が繭。御山入りする当人と同行する者は白装束、しかし六道での繭は赤着物で修羅の形相。その観せる演出と鬼気迫る演技が圧巻だ。

御山入りした者が里に戻ってこないように嫁殺しという毒を盛る。そこに絡む 村人の鍵屋の又やんの獣のような荒々しさ図々しさ。一方 銭屋の照やんは実直そうだが、実は金を貰いお山の管理をしている。因習に相応しく口承という台詞まで飛び出し、なぜ記録が無いのか等という詮索をさせない。そもそもが理屈に合う噺ではなく、因習という得体の知れない といった醍醐味を味わわせてくれる。
その怪しい雰囲気(全体的に暗い空間)は、裸電球や鳥居に吊るされている提灯の点滅、狂気と化した白い着物と赤い着物というビジュアルの対比、そして おどろおどろした音楽が実に効果的だ。
次回公演も楽しみにしております。
ゴシック

ゴシック

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2024/08/14 (水) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

風雷紡はこのところ連合赤軍ものばかり観ていたので新鮮だったが、「社会派的視点」は時代を変えても「ゴシック」になってもゆるぎない
不要なものとは?
社会にとって、コミュニティにとって、「家」にとって・・・
一昨年の演劇ユニット鵺的の『バロック』のオマージュだという風雷紡版「姨捨て」だが、「姨」よりもハンディを負った娘繭(吉水)と旧弊を背負った「名家」の滅びに主眼があるように思われた
「六道」での「謎解き」のプロットも上手かった
あの扱いにくい楽園の空間が実にうまく使われていた
基本的に役者動線は対角線、通常の入り口まで使われる
途中「壁」が変化するとそこを出たり入ったり(「六道」の輪廻転生)
中に入るとまず目につくのはステージの奥に設置された大きな鳥居(先日の「小夜の月」の意味も明るい鳥居とは正反対)、そこに下がる提灯、そして壁が不気味
何と言っても提灯の点滅を含め暗めの絶妙な照明がその様を倍加させていた
相変わらず祥野獣一の存在感は凄かった
出てくるだけですごい迫力
吉水雪乃の変化も素晴らしかった

妻の感覚

妻の感覚

公益社団法人日本劇団協議会

東演パラータ(東京都)

2024/08/12 (月) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

韓国作家の作品には優れたものが少なくなく、近年触れるチャンスが多くなって喜ばしいが、本作品も凄い。独創的・幻想的でやや不条理な展開の不思議な物語に観ていて引き込まれる。俳優たちの動きも独特の演出で興味深い。実力派の俳優を揃えた万全の公演と思える。

かわいいチャージ’24

かわいいチャージ’24

人間嫌い

シアター711(東京都)

2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/07/26 (金) 14:00

メイドカフェを舞台にその従業員と関係者による「かわいい論」または「かわいいに関する哲学」。
肯定的な見方、懐疑的な見方のほかにビジネスとして割り切った見方など様々で観客それぞれ共感/感情移入する人物が異なりそう。その「客観的/多角的な描き方」が見事で演を重ねていることに納得。

夏の夜の夢

夏の夜の夢

劇団山の手事情社

山の手事情社アトリエ(東京都)

2024/07/27 (土) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

以前一度訪れたと思っていた住宅街のど真ん中のアトリエではなかった。池上通りに面した建物だが「音」環境は悪くなく、この劇団の舞台仕様として劇場内部も悪くない。よく見ると若手公演とあり、観劇前に少々視る構えを変えたのだったが、山の手事情社特有のエネルギー量の表出のある演技が小気味よく展開し、前のめりになった。
逆に、突出した表現力というのかキャラ提示のある中で、「一般的な演技」に留まる俳優がいて、どこかの研究生公演などではよく頑張ってる部類だろうが、この劇団ではその先に磨かれた陶器のような独自の「色」を表出する事がその向こうの目指すべき到達点として設定されているのだろうか、それともたまたま剛力な役者が集まったのか、キャラが役に嵌まったのか・・。言いたいのはその「よくやってる」はずのオーソドックスな演技者が目立ってしまったという奇妙な現象のこと。
もう一つ厳しい論評をすれば(これほど楽しんだにも関わらず・・)、後半が特にであったが、序奏から中盤までは戯曲へのある批評的なスタンスが(恐らくは演技メソッドと身体表現、演出面からの)見られたのに対し、後半のある時間はストーリー説明のみの時間になっていた気がした。戯曲を超えられていないというか、捻じ伏せきれてないというか・・かなり高いハードル設定になってるとは思うのだが、正直な感じ方であった。

(余談だが会場整理に立っていたやや年輩の役者、最近どこかで見たと思ったら唐ゼミ「少女仮面」で目にしていた。チラシを見直すと確かに所属も書かれていた。まあそんだけの話。)

舞台「新選組! 幕末維新伝~誠の戦友~」

舞台「新選組! 幕末維新伝~誠の戦友~」

株式会社FPアドバンス

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2024/08/15 (木) ~ 2024/08/17 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしかったです。公演前、廊下で待っていたらドレスアップした女性ばかり。完全にアウェーでしたが理由わかりました。キャストがみんなチョーイケメン^^ ホストクラブのショーにきてしまったか…と思ったほど。で、舞台ですが、ほんとすばらしかったです。太刀がすごかったです。あと、音効さんがすばらしい仕事をされてましたね。ストーリーもすばらしくほんと文句なしの舞台でした。

スクールバス

スクールバス

ホチキス

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/08/15 (木) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

三谷幸喜作品が好きな人は確実にハマる作品
近未来のバスに同乗している様な時間共有感、空間共有感があって楽しい
バスが走り出したら止められない映画「スピード」の緊張感にも似ているけれど、こちらは停車あり、何なら下車もありという緩さがあって、そういうところも絶妙に可笑しい
名怪女優の小玉久仁子さんは毎回作品の肝になる配役が多いけれど、今回のキャラクターも新機軸で笑いを誘いまくり
主演の雷太さんを筆頭にオモシロの中心になっている登場人物が多いものだからもうたまりません
舞台初日「あー可笑しかった!」の証に会場いっぱいの拍手がもう鳴り止まないのでした

ゴシック

ゴシック

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2024/08/14 (水) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

時空を超えた非日常に入り浸った体験でした。
舞台は長野県で100年ぐらい昔の設定なのですが、登場人物ごとの感情の動きや個性がよく伝わってきました。
光や音の使い方もきれいで、途中全く時間を気にすることなく一気に観れる作品。

フィクショナル香港IBM

フィクショナル香港IBM

やみ・あがりシアター

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2024/05/01 (水) ~ 2024/05/06 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ネタバレしてから楽しみが倍増する作品…なので2回、3回観ても飽きるどころか、また観たくなる作品です。
私は舞台を10回観ましたが、まだ観たりないです(笑

今宵、銀河の片隅で

今宵、銀河の片隅で

妻と秋刀魚

TCC試写室(東京都)

2024/02/17 (土) ~ 2024/02/23 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

試写室での上映会の前に、舞台版を観劇しており、念願の上演会でしたので再び観れる事ができ嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

ゴシック

ゴシック

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2024/08/14 (水) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/08/14 (水) 19:00

おどろおどろしい物語だが、興味深く観た。104分。
 明治期、長野の山村の旧家での「姥捨て」を描いて、面白い物語になっていた。オープニングから重々しく始まり、若い世代のさまざまを描き、親の世代の葛藤へと展開して、「御山入り」のクライマックス、と、ある意味分かりやすく展開され、非常に面白く観た。鵺的『バロック』へのオマージュと謳っているが、そう思わなくても理解できる。近年は、実際の事件を扱って好評だった同劇団だが、以前はこの種の伝奇的物語もやっていたなぁ、と思い出した。役者陣も好演だが、「妖し」の気分をしっかり背負った祥野が目立つ。前半と後半で違った演技を見せる吉水雪乃も凄くて、長い髪が美しく印象的なシーンがあるので、見逃す勿れ。

朝日のような夕日をつれて2024

朝日のような夕日をつれて2024

サードステージ

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/08/11 (日) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/08/14 (水) 19:00

80年代学生演劇と前世紀の小劇場演劇の熱量を令和のこの時代に全身で浴びれる芝居。動ける役者陣が圧倒的な台詞量を以て全力でふざけ、演じきっている。122分。

ネタバレBOX

芝居の緩急と、原作と今を描いた書き直しのバランスが絶妙。
新しい部分で笑い、記憶に訴えるシーンや台詞で見入ってしまう。
第三舞台でなくとも、「朝日」という作品は成立するんだということを見せつけられた感じ。

客席は20代、もしくはそれ以下と思われる観客の姿もあり、幅広い層に受け入れらけているんだと改めて実感。

当日券も出ているようだし、14日の時点では通路席も出ていなかったので、気になる人は是非とも足を運んでみることをお勧めしたい。
雑種 小夜の月

雑種 小夜の月

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2024/08/10 (土) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/08/12 (月) 18:30

初めてのあやめ十八番で、初めての経験しました。
生演奏は言わずもがな。ハートフルが少し溢れて触れられそうな感じにすぐに心地よくなっちゃいます。他愛もない日々にドラマがゆるやかにクロスしていて、日常の表現力がすごいなと。
ここまでノンフィクションに距離が近くて、同じキャストで数年かけて公演が創られていてって他にあるんでしょうか。つむぎちゃんとかも含めてもはやドキュメンタリーの様な気もするし、雑種はまだまだ長く続いてほしいです。(雑種以外も気になりますが!)
人をちょっと好きになるし、団子が食べたくなる舞台でした。

ネタバレBOX

つむぎちゃんに和みながらおんちゃんに泣かされる時間でした...舞台で泣いたのも、あんなに泣いたのも初めてでした。おんちゃん優しすぎるよ。
実直に描かれる人々だからこそ心へすわっと入ってくるし、おんちゃんと貫太郎の関係性も響きました。劇的な始まりも終わりもないけど、だからこそ愛おしいというか。
余談ですが、神田のイメージが東京と有楽町の間、だったので、下町というのは初耳でした。
ミセスフィクションズのファッションウィーク

ミセスフィクションズのファッションウィーク

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2024/08/08 (木) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/08/12 (月) 12:00

短編(とは思えない充足感)×3本という初めてのタイプ、まんまと3組とも好きになりました!こんな公演があっていいんでしょうか!!
ファッションウィークということで、色んな意味で「オシャレ」だったな〜と。あぁ、自分もオシャレしたいな...
こんな素敵な方達が、理不尽に負けず公演できていることがとても嬉しいことだなと思います。また見に行きますねー!

ネタバレBOX

以下は思考ダダ漏れ徒然感想文です。

冒頭の岡野さん、齋藤さんのファッションからもうギュッと。マジでオシャでした。ずーっと。
ーーー
なかないで、毒きのこちゃん『ハオちゃんはデートです。』
・いきなりハオちゃんの可愛いすぎるダンスにきゅん。直後の叫喚のギャップでさらにきゅんでした。
・演劇版インサイド・へッドとみんなよぎると思いますが(未見)、それぞれの心が際立って暴れ回るんだけど、結局全部自分だから根底でリンクしてたり、滑稽さが面白かったです。立ち位置も心情と関係あったりするのかも。
・それぞれの心が独立したキャラだからこそハオちゃんのちょっとおかしな部分がよりコミカルに昇華されていたと感じました。瞬足履くマインドもあれば、下心もあれば、ゾゾの履歴調べちゃうハオちゃんもいたり。
・第四の壁超えて照明演出を組み込んだり、自分たちが細胞になれたの嬉しかったです。細胞の多数決とかも面白いかも。
・たっぷり時間使って描かれるのがデートの服選び、ほぼ確で両思いなのに存分に悩んじゃうのキュートで好きです。
・『ハオちゃん』ってファッションを纏って現れた時は、全部受け入れられたんだね、しかも超おしゃれじゃんって、泣いちゃいそうなくらいじーんとしました。
・ラストダンスも素敵!

幸せで楽しくてめっちゃ好きです!また見たい。ハオちゃんシリーズも見てみたいです。
ーーー
場面転換の絡みもファッションウィークならではの演出が見られて好きです。
ーーー
日本のラジオ『浴室にて改』
・ガラッと変わった世界観に綻んだ顔を整えました。Siriみたいな会話で宇宙人?かと思ったら村の人で、純粋なインモラル、イリーガルをさっぱりと描かれていたな〜と。
・村の2人が洗練されてる感じがして。デザインが先端的な村だったのかな。剥ぎ取ったのか。
・棒!
・あんまり要領をえなくてふわふわしてるけどシャープというか、みんな人間味を少しずつ削がれた感じで見たことない会話劇でした。磯野さんも仰ってましたが言葉選びが絶妙ですよね。
・途中の「作者が〜」の部分はあまりわからなかったです。私3人の会話を確保するために浴室へ行かせたことの説明でしょうか?
・閉じ方もお風呂でおしゃれでした。

お芝居、作風がおしゃれって感じました。忘れがたいコクを感じさせる、シェーブルチーズみたいだと思います。
ーーー
Mrs.fictions『およそ一兆度の恋人たちへ』
・思ったよりウルトラマンでした。ああやってオタクと周囲を演劇で描写されると刺さるものが、、
・ウルトラマン好きなのでそこも楽しめました。バルタン星人の影、笑いました。昭和のウルトラマンにも興味が湧きました。もっと小ネタ多くても楽しいかもです。
・事情が10年以上前なので、令和ウルトラマン絶賛人気の現在だと若干没入しにくかったですが、仮面ライダーと比べ苦汁を舐めていた時期をどことなく肌で感じました。
・ウルトラマンPRADA、色んな意味で厳しそうですが1話だけでも見てみたいです。
・ゼットンが好きなのでタイトルからして心小踊りでしたが、まさかあんな形で回収されるとは。。一番心がぎゅっとなりました。どっちの気持ちもよくわかりました。でもあそこまでウルトラマン好きを理解しながら「ゼットン」、一兆度の火球で例えるのはかなり酷だなって。でも最終的に応援して、思いを託してくれて少し救われました。
・2人の愛の形も嫌味がなくて微笑ましかったです。趣味を共有できるって素敵。
・岡野さんももちろん、紺谷さんがウルトラマンのヒロイン隊員すぎて圧倒されました。
・齋藤さん、うーちゃんもですがお母さんの時の方言がナチュラルすぎて感嘆しました。
・根本さんの怒涛のプレゼン、労いたいです👍
・一瞬でもウルトラマン見せてくれて嬉しかったです。屋代さん、ティガダークみたいで普通にカッコよかった。。!
・でかい声で挨拶するように心がけたい。

パロディ発進なのに(?)構成もファッションもしていて、これまた素敵でまた違う満足感を得られました。というか、3組ともファッションウィークのために作ったんじゃないかというくらい親和性というか、食べ合わせがよかったと思います。
ーーー
アフタートーク
・なぜ磯野さん?と思っていたのですが興味深い繋がりも聞けて、おわりの会にぴったりのちょうどいい温かさの時間でした。
雑種 小夜の月

雑種 小夜の月

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2024/08/10 (土) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

小劇場には珍しい季節狙いの夏芝居かと思ったら、これは日本劇作家協会の推薦・夏芝居で、この劇団のシリーズ公演の第三作でもある。
地域では知られている神社の参道にある名物団子屋一家の三代にわたる人間模様ホームドラマだ。雑種の飼い猫まで噛んでいるのもご愛嬌。
作者(堀越涼)の三十歳代の実体験が下敷きになっている由で、今も地方都市に綿々と残っている日本の伝統的な命のつながりを、神社、その祭礼儀式、伝統信仰を護る家族の生き方、地域との関係の中で、いまに続く生活ドラマとして描いている。
たとえば、加藤拓也の「ドードーが落下する」が地方の演劇青年の人生を辛く切実に描いているのに比べると、こちらに登場する都会からやってきた演劇青年(当日客演・藤原祐規)はいかにもの今時のその場に生きる青年である。どちらがいいということではなく、どちらも今までの日本の地方に生きる人々の類型から逸脱していく時代の子である。青年だけではない、伝統の中に生きている老若の登場人物たちの生き方にも、時代の生き方は反映している。そこが、夏芝居のシリーズドラマを装ってこの夏枯れの時期に上演されたこの芝居の一番の見どころだろう。
使いにくい横に長い座高円寺の舞台を中央に置いて客席を対面に組んだ古典劇のような舞台はノーセット、上手に稲荷神社の鳥居、下手に五本の竹を立て、そこに西洋音楽の四人編成のバンド(木管のファゴットが入るというユニークな編成。V,Gu,Pf)を下座として置くという抽象舞台で、劇中歌もあり、邦楽楽器も活躍する。一見無秩序な構えなのだが、これが神社の門前町という舞台によく似あう。この美術・音楽が第一。物語は女性を軸にした三代のホームドラマなのだが。人情噺の相続劇に落ちそうなところを女性個人の生き方の問題にしているところが第二。三十歳を軸に観客が同感しながら見ているのは、都会に生きる人々も地方に根があるからであろう。客席は幕内も多いがそれだけでは230の席がみるみる埋まるということにはならない。
注文を言えば、キャラを出すことに慣れている花組の俳優(男優)たちに比べ女優陣の性格表現が弱い(面白くない)ところ、広い舞台を持て余し気味で、女優陣のセリフがお互いに届かず会話が単調になってしまったこと、音楽が意欲的なのはいいが過剰なこと(饒舌に通じる)。ほかの方々も指摘されているが脚本が説明過剰なこところ、ことに出だしと最後の部分、説明は演技で埋めなければ、シチュエーションドラマは締まらない。それは17名に猫という登場人物の数がこの芝居の構えとしては多すぎるところからきている。
作・演出も俳優も甘さは目につくが、それらはすべて、物語の日常のやさしさと道具立て、夏芝居の気分で帳尻を合わせてしまった2時間5分である。
せっかくタイトルにも使っている雑種の猫の使い方までは手が回らなかった。




SAYONARA-サヨナラ-【広島公演】

SAYONARA-サヨナラ-【広島公演】

デラシネ

JMSアステールプラザ 視聴覚スタジオ(広島県)

2024/08/10 (土) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

舞台道具が椅子だけのシンプルなお芝居は初めてでした。それだけにお話に入り込み易かったです。三者三様の色んな人間性が垣間見れて良かったです。たまたま、帰省した時にタイミングが有り観劇出来て良かったです。機会が有れば東京でも観たいです。

奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話

奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話

イキウメ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/08/09 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

小泉八雲の再話した4つの怪談を2時間の「演劇」に仕立てる趣向。
短編のていを残しつつ、長編に仕上げる手腕が際立ってうまく、心地よかった。
また、一つひとつの物語は、「語り」から始まり、登場人物たちが自ら演じる「芝居」へ引き継がれるのだが、その繋がり方にも、観ながらノっていくような快感があった。

俳優たちが行う道具の転換が、能を思わせるような摺足で行われるのも、生死の狭間にあるものをそこに立ち上げるうえで、効果を発揮していただろう。

ネタバレBOX

そういう演出はともすれば、しゃらくさくなってしまうし、俳優の身体にもあまり馴染んでいないことも多いのだが、イキウメも大人の劇団になっただけに、粛々とこなされていて、先述した「語り」と「演技」のトランジットの面白さとも併せ、「演劇」のうまみを感じさせてもらった。

「これは報告書が面倒だ」(←おそらく正確ではない)という終幕の台詞。なんでもない言葉だが、あぁこういう、あやかしの物語、論理では説明しきれない物語を「報告」し続けるためにこそ、この集団、演劇はあるのかもしれないと、妙に腑に落ちた。
チャスラフスカ 東京 1964ー伝説の選手 誕生の物語ー

チャスラフスカ 東京 1964ー伝説の選手 誕生の物語ー

人形劇団プーク

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/08/02 (金) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

チェコ・アルファ劇場と人形劇団プークの共同制作公演。タイトルに「東京 1964」とあるように、チャスラフスカが東京オリンピックで金メダルをとるまでの話というか、そこまで止まりの話なので、'68年のチェコへの軍事介入以降の彼女の運命とかは描かれないが、そこまで行くと子供にも見せる舞台としてはヘビーになりすぎるという判断か。アルファ劇場の人形劇もプークも大好きなのだが、こちらが勝手に期待値を上げすぎてしまったのか、今回の共同制作は少々物足りなさも。

魚雷モグラ’24

魚雷モグラ’24

ウラダイコク

みらい館大明ブックカフェ特設ステージ(東京都)

2024/08/02 (金) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

終戦間近の長崎 ちょっとファンタジーでシュールで。良かったです。

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