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広い世界のほとりに

広い世界のほとりに

劇団昴

あうるすぽっと(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2時間30分以上の大作で途中休憩有。作者の出身であるイギリスのストックポートの街を舞台にしており、ある家族の苦悩と再生を描いている。役者陣は実に繊細で見事な演技を見せてくれる。各人の心の機微が伝わり、感情移入しやすい。ただ、舞台設定が英国でやや文化の違いもあり、また演出上汚い言葉遣いも散見されるので、少し違和感を覚える場面もある。

『chill』

『chill』

劇団鮫軟骨

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Bチーム初日を観劇しました。
始まりはびっくりする表現(実際に見てほしい)でしたが、結局は心にグサッとくる。
ストーリーは若干、無理くり感がありましたが、
「しょうがい」は「handicap」か「character」か?
「助け」か「共感」どっちが必要か?考えさせられました。
いろいろな世代の方に観ていただきたい作品でした。

あと、エアキャッチボールがかっちょ良かったです。

『chill』

『chill』

劇団鮫軟骨

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
人は、周囲の人や環境によって自分を変える事が出来るんだなと思いました。
改めて、環境や人間関係の大切さを感じました。
ストーリーは、やや無理があると感じましたが、心が温かくなる素敵な話でした。
優しく、切なさも残る良い舞台でした。

来てけつかるべき新世界

来てけつかるべき新世界

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2024/09/19 (木) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/03 (木) 13:00

コテコテの懐かしい大阪人情喜劇、あの濃厚なソース味の人間模様に
新時代のテクノロジーを振りかけたら・・・という発想が秀逸。
テンポ良く飛び交う台詞の掛け合いに練り上げた脚本の凄さを感じる。

ネタバレBOX

大阪ミナミの新世界、通天閣が見下ろすこの昔ながらの歓楽街にある
「きて屋」という串カツ屋に集う人々は今日も賑やかこの上ない。
近頃では出前をドローンで運んだり、VRの仮想世界で詐欺に遭ったり、
警備員がロボットになったり、AIのアドバイスで将棋をしたり・・・。
新世界の面々も最初は拒否反応を示すが、使ってみるとこれが面白くて
当然のごとくドタバタが繰り広げられ、最後は丸く収まるのだった・・・。

って感じのストーリーなのだが何か懐かしかったなあ。
松竹新喜劇(藤山寛美とかちょっとテレビで見たことがある)や
落語の登場人物みたいに、情けなかったりポンコツだったり
人の弱さも愚かさも丸ごとひっくるめて受容れて付き合う、
そういう人間関係が、ショボい新世界の一画を舞台に燦然と輝くのだ。

私は初演を観ていないが、時事的なテクノロジーの情報を取り入れて
”アナログおっさんあるある”に落とし込む手法が見事。
隙の無い役者陣の台詞とテンションに惹きこまれ、
5つのエピソードとラストの大団円(?)も笑って腑に落ちる、いや落とす!

板尾さん演じる引きこもりの酒飲み父ちゃんがいいなあ。
漫才の相方がAI搭載の炊飯器って最高!
今に誰かやるんじゃないかと思った。
大変楽しく観てけつかりました!
海のない島

海のない島

劇団B♭

テアトルBONBON(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

旗揚げとは思えないくらい演者がいい!芸達者たちにびっくり。良かったです。

RTA・インマイ・ラヴァー

RTA・インマイ・ラヴァー

東京にこにこちゃん

駅前劇場(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/03 (木) 19:00

105分。休憩なし。

海のない島

海のない島

劇団B♭

テアトルBONBON(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

良かったです。

灯に佇む

灯に佇む

加藤健一事務所

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/10/03 (木) ~ 2024/10/13 (日)公演終了

実演鑑賞

カトケンはいい役者である。役を芝居らしい表現で見せる力量がある。喜劇も悲劇も出来る。舞台を仕事の中心においてブレない。芝居の好みにこだわる。個人事務所で自ら役を選ぶ。結果、いまもなおその居場所が決まっていない。珍しい俳優である。
加藤健一事務所は年に二三本の主演公演をやって40年になるという。その初期に「寿歌」(81)を見たのも、この紀伊國屋ホールだった。小劇場の一つのあり方を実践してきた。再演も多いが、公演していると、たまに見たくなる。
今回は創作劇である。医療の現場の問題を扱った「新劇」である。カトケンは地域に生きる老開業医である。次々の難題は降りかかるが、地方の開業医には自分の医師としてのささやかな志も生かせる環境がない。かつては手近なところにあった医師と地域の関係も今は遠い。こういう役に時代の未来を重ねなければならないところにも、日本の疲弊した現状が見える。
観客層は民藝に近く、昼公演が断然多くなったが、それでも七割の入りだ。出演メンバーも顔ぶれの幅が狭くなっている。今回は占部房子が初参加ではないだろうか。そこに僅かに新しい風が吹く。

嗤う伊右衛門 2024

嗤う伊右衛門 2024

Mido Labo

サンモールスタジオ(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すばらしかったです。まず言えることは大人の劇団による大人の舞台だなということ。全体的に落ち着いていて安心して観ていられました。俳優さんの動き1つとっても余分な動きがなく、セリフも過不足なく必要なことばのみを発されていますし。ほんと、筋肉だけでできた舞台です。最初「あれ、これってもしかして朗読劇?」と思いましたが、その後、ちょっと変わったつくりの舞台へとシフトしていき「ああ、こういった見せ方をするのね…」と感心しました。あと、ぜんぜん怖い話じゃありませんでしたね。ふつうに純愛ものでしたね。最高の時間をありがとうございました。

海のない島

海のない島

劇団B♭

テアトルBONBON(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても質の高い舞台でした!
役者さんたちのレベルが高いです。

ネタバレBOX

今回は事前に出演者のかたのお写真を拝見して、「THE WINDS OF GOD」のような特攻隊をストレートに描いたお話では無いのかも(失礼ながら特攻隊員や女子学生のご年齢ではなかったので)といった印象でした。

予想は的中し、いわゆる当時を舞台化しているのではく、違った角度からでとても新鮮でした。

舞台は戦後50年を描いていたので、今より30年近く前ですから寒いギャグやセクハラ連発の男性アナウンサーがいたのでしょうね笑
おへそ、おへそ、夢に出てきそうです笑
ボロ泣きはしませんでしたが、しっとりと泣きじわじわと考えさせられました。
ピンポンパン!

ピンポンパン!

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

部活のOG会が舞台の群像劇。いや~こんな話だったとは。意外な展開にすっかり感心してしまいましたね。

広い世界のほとりに

広い世界のほとりに

劇団昴

あうるすぽっと(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/03 (木) 14:00

座席1階

あうるすぽっとという比較的大きな舞台を使って、頻繁に行われる場面転換を舞台の各所にスポットライトを当てることでうまくカバー。さらに、出番の役者とはける役者のつながりも、例えばビールを飲むという行為を同時に行わせることでスムーズな動きとして描いた。演出はよかったのだが、この物語の筋立てにはあまり共感できなかった。特にラストシーンはとても性急に感じた。

劇団昴の役者たちの責任ではなく、劇作のサイモン・スティーブンズの描き方なのだろう。タイトルとのつながりもよく分からない。イェルマとかラビット・ホールとか、とてもいい海外作品を選んできた過去作に比べると、ちょっと物足りない気がした。

3世代の家族の物語。祖父と祖母、父と母はそれぞれ夫婦関係に微妙なすきま風が吹いている。10代の2人の息子のうち、兄に彼女ができて家に連れてくる。その彼女に事前に会った弟が一目ぼれして横恋慕しようとする。当然、彼女は拒否する。こうした微妙な人間関係の亀裂が、ある事件を境にとても大きくなる。どこの国にもありがちな、家族関係のほころび。父と母は不倫ではないけれど他の異性に引き込まれる場面があるのだが、この展開にもちょっと理解に苦しむ筋立てがあった。

途中の休憩は、舞台美術に手を入れる大きな場面転換があるためだ。これがなければ、一気に行ってしまった方がスッキリする。
演出はとてもよかった。ただ、劇作には言いたいことがいっぱい。

フラガール’24 東京公演

フラガール’24 東京公演

羽原組

赤坂RED/THEATER(東京都)

2024/10/01 (火) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

良く泣き良く笑うことが出来ました。
物語の情景が目に浮かんで来ました。
学生時代の同窓である藤田さんに元気をもらいました!

『chill』

『chill』

劇団鮫軟骨

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「僕は普通じゃない」…サラリーマンになった僕は、人間関係に苦しめられたが 今はその人間関係に助けられている。登場するのは皆 善人ばかり、それでも誤解や思い違いによって ぎくしゃくする人間関係の難しさを温かく見守ったヒューマンドラマ。また人の思いや考え方は複雑、一方向だけではなく 表裏(双方)を描く。変哲のない日常風景はリアルではあるが、舞台としては何か物足りない。惜しい。確かに笑いや泣きといった場面は描かれており それを紡いでいる。しかし それは表層的に並んで描かれている といった印象を受けた。

ラストは、主人公 杉本応助の妹 が兄に「運を使い果たしたね」といった件で何となく想像が…。公演は、何事も努力、やれば出来る といった根性論的なサラリーマン人生を少し見直すといった観点で描いている。何も道は一つだけではない、ただ自分に合った選択肢を見つけられるか否か。物語では良き伴侶と仕事を見つけて心豊かに そんな成長譚でもある。いろんな意味でちょっと疲れている人にはお勧め。
(上演時間2時間20分 休憩なし) 【B】 

ネタバレBOX

舞台美術は 中央に四角いボード、その左右は角材で囲った 木枠の出捌口、客席側にも同じ出捌口、要は四隅が出捌口になっている。天井には角材や裸電球が吊るされている。物語の展開(民宿)によって中央床にテーブルを設えその周りに板席を作る。板(床)は、チラシと同じような絵柄。客席は三方囲み。上演前にボード奥の螺旋階段をスーツ姿の男女が整然と降りてくる。

物語は、応助の弱く ぎこちない独白から始まる。社会人になってから対人関係に悩み、人混みは勿論 知らない人と話すだけでパニック障害を起こす。始めのうちに彼の性格などを説明する。或る日 東京への出張を命ぜられるが街中で気分が悪くなる。その時助けてくれた きよ と結婚し、地方で民宿を開業する。その名は「民宿 助きよ」? そこに来る宿泊客や地元の人々との交流を通して、人との関わりを克服していくような。

日常を淡々と描いているが、それまで鼻持ちならない奴、差別的な考えを持った者として描いていた人を別(その者)の観点で描き出す。例えば会社の同期が宿泊に来て、社内で苛めていたことを謝罪する。また視覚障碍の女性を伴ったカップルの結婚を反対する 理解のない姉など。しかし何故そのような態度をとっていたのか、それまでに伏線なしで突然理由を明かす。物語の展開は好かったが、紡ぐエピソードのようなものが深堀出来ていない感じだ。上演時間との関係もあることから、描くエピソードとその内容にメリハリが欲しい。

卑小なことだが、いくつか気になる点が…。まず 視覚障碍者が勝手を知らない民宿の中で白杖を使わず歩くのか、次に冬にも関わらず薄着でハーフパンツ姿に違和感がある。周りは冬着なのに、何人かは夏着というアンバランス。いくつかの場面で衣裳替えしているので、対応可能だと思うが…。
次回公演も楽しみにしております。
白魔来るーハクマキタルー

白魔来るーハクマキタルー

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。実話ならではの緊張感。ラストの解釈も好きです。目が離せない感じで良かったです。

広い世界のほとりに

広い世界のほとりに

劇団昴

あうるすぽっと(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

サイモン・スティーヴンスという作家の作品を初めて観たが、これは少々変わった作品のように感じた。全体として一貫したストーリー展開はあるのだが、個々の部分では違和感のある会話や場面があり、不合理で理解しがたいところがある。広い舞台を活かして舞台の位置で場面を分ける演出などは良いが、あまり労働者階級の家族に見えるようにはしておらず、少々矛盾や混乱を抱えた台本をあえてそのまま舞台にのせて観客に示しているような印象。

RTA・インマイ・ラヴァー

RTA・インマイ・ラヴァー

東京にこにこちゃん

駅前劇場(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

作家・萩田頌豊与(はぎたつぐとよ)氏の飽くなき姿勢にビンビン来る。(何故かスターダスト・プロモーション所属になった)。ある種の狂気すら感じる。独特の会話ギャグがノンストップで炸裂。初日に集った若い観客等は待ってましたの爆笑の連続。面白かろうがつまらなかろうが思い付いたこと全部ぶち込む姿勢を全面的に支持。とにかく手を伸ばしている。その先に手を伸ばしている。何でだか判らないがひたすら手を。何が正解かなんて誰にも解らない。その手を伸ばす情熱に興奮している。

主演の前田悠雅さんは綺麗すぎて怖ろしくなる程だった。ファンは全公演全通する位で丁度いい。そのぐらいの価値は断然ある舞台。損はさせない。一体全体もう I don't know!

野上篤史氏は独特なキャラ。
木下もくめさんは気が違っている。
藤本美也子さんは長身。
立川がじら氏は設楽統っぽい喋り方。
高畑遊さんはいつも通り。
てっぺい右利き氏の安定感、段々大物っぽい雰囲気に。
加藤美佐江さんは訳が分からない。

やたらスピードを競い合う世の中で何をやるにもノロマで何事も決めかねる主人公。主人公達の小学校の教室の風景から恋や部活の青春模様、成長物語が描かれていく。だが何とは言えぬ違和感が少しずつ覆い始めるとあっという間に世界は一変してしまう。
今作のテーマは「バグ」(プログラム上のミス)。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

RTA(リアルタイムアタック)というゲームをクリアするスピードを競う競技がある。バグ(プログラム上のミス)を使った裏技でチート(不正行為)OKの何でもあり。
1996年、ゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』が発売。開発会社のプログラマーが販売元の任天堂に無断で入れたプログラムのバグ。151匹目のポケモン、隠しデータ「ミュウ」。この実話エピソードが物語に深く関係する。

個人的に興奮したのが浅草九劇にて『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』の再演のチラシ。自分的にはイマイチだった作品が故に逆に気になる。観に行こう。「爍綽(しゃくしゃく)と」とは、女優・佐久間麻由さんの企画ソロユニット。

※バグでゲームを攻略するアイディアの流用でこの世の摂理もバグですり抜けようとするラスト。世界もゲームもその本質は変わらないという論理。
法王庁の避妊法

法王庁の避妊法

ロデオ★座★ヘヴン

「劇」小劇場(東京都)

2024/09/11 (水) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/09/13 (金) 14:00

作品の存在は以前から知っていたが初見。基本的にユーモラスで優しくあたたかい中に生命の神秘と倫理観や堕胎の是非なども組み込んで、それでいて娯楽性も存分な作劇に「この人はこういう役だよね」な的確な配役も加わって「至福な2時間」を体験。いいモン観たなぁ♪
今まで「生命の神秘と倫理観」というテーマは遺伝子操作や人工的な生命誕生などSF的な作品で語られるのは少なからず見たが、まさかこんな身近な題材でそれを語ろうとは、まさに「目から鱗が落ちる」状態だった。 #法王庁の避妊法
ちなみにオリジナル版は休憩を挟んだ二幕構成で上演時間は3時間近いとのこと。それを120分に収めたのもアッパレ。
以前、映画館で観た時に冗長に感じた映画が正味90分強に刈り込まれたテレビ放映で面白かったことを思い出した。(笑)

ネタバレBOX

確実に妊娠できる時期を解き明かした久作に妻が「そのようにして子を預かるのは自然の摂理に反する」と拒絶する場面に目から鱗が落ちる。「生命の神秘と倫理観」に関して遺伝子操作による「超人」や新たな生命を創りだそうとすることを「神への冒涜」とするパターンはSF系で数々あったがこんなにも身近なケースがあろうとは!
ピンポンパン!

ピンポンパン!

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
確かに会話は「ピンポンパン」だ。少しネタバレするが、舞台は或る女子高の卓球部OG会、そこで繰り広げられる会話は、漂流するようで どこに辿り着くのか分からない。しかしどうしても聞きたいコト、でも その話題に触れることは躊躇してしまう。その小骨が喉に刺さったような もどかしさを実に上手く表現している。これによって興味を惹かせる巧さ、感心する。

卓球に例えた会話は 緩急をつけ、相手を翻弄する心理戦のようであるが、試合とは違って思い遣る言葉が並ぶ。独白や会話を通して少しずつコトの真相に…。そこまでの過程をトツゲキ俱楽部らしい展開で紡ぐ。そして登場しない人物の真の優しさを知る。さらに部活動にありがちな行動、それを時代間隔による意識や態様の違いに落とし込む。たかが卓球、されど部活動…その小さいと思われる世界が大きく感じられる好公演。
(上演時間1時間40分 休憩なし) 

ネタバレBOX

女子高卓球部の部室が舞台…客席数を減らして舞台面を広げ、中央に卓球台 その周りに折りたたみ椅子を置く。冒頭、久し振りに会う体育会系(卓球部)の先輩後輩という上下関係の規律に時代間隔を現す。今はコーチといえど パワハラ・セクハラ等で厳しく糾弾される時代になりつつある。

物語は、17年振りにインターハイ出場を決めた後輩、その支援のために集まったOGたち。<女子高><17年振り>という設定が妙。これによって話の芯(コトの真相)が見える様で見えない、その もどかしさこそ チラシにある「会話はピンポンだ!」に繋がる。集まったのは3期生から23期生までのOGと元コーチと現コーチ、しかし在学当時の直接の先輩後輩はいない。つまり3(学)年以上の間隔、この設定も絶妙である。

17年前、元コーチが他校の男子生徒を殴り、インターハイ出場を辞退した事件があった。その時に何があったのか知りたくて うずうずしている。何故 暴行したのか その理由は…。気まずくなる、それを承知の上で当時のメンバーが出席しているのが肝。女子高・17年という歳月・その当時と同じ年齢の(活躍)選手がインターハイへ、そして今回OG会を開く。全てがリンクしてくる展開が見事。

元コーチは登場しないが、当時の部員達には信頼されていた という人柄が分かるエピソードが優しく温かい。卓球台をはさんでの軽妙・辛辣・濃密といった色々な会話が交わされる。ただ、事の真相を知っている人物がOG(12期)におり、全て彼女に負わせ過ぎた気もする。できれば、その役割を始めと終わりに登場する教頭に負わせてもよかったような。
次回公演も楽しみにしております。
海のない島

海のない島

劇団B♭

テアトルBONBON(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

超満員の旗揚げ公演、まずはおめでとうございます。

ネタバレBOX

インスパイアド・バイ・「楽屋」かな?

個人的には、つまらないギャグいれなければもっと全然良い作品になったのでは?もったいないなあ、と感じました。

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