ブラック祭2016
メガバックスコレクション
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2016/08/11 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
七鬼神❗
あんな結末が待っているとはΣ( ̄ロ ̄lll)
幕開けのあの台詞が、後々に決め手となるんですね(◎-◎;)
やられました。
ホントにそうなのか、もう一度、確かめたくなります。
あいつは、悪いやつですねΣ( ̄皿 ̄;;
いつも、滝ワールドには、やられてしまいます。最後までわからない結末…そして、もう一度、観たくなる。
面白かった~💕
BENT ベント
パルコ・プロデュース
福岡市民会館(福岡県)
2016/08/16 (火) ~ 2016/08/16 (火)公演終了
満足度★★★
ラストシーン
ホルストが亡くなるシーンからのマックス。無言の演技にはまってしまいました。ナチス時代、同性愛者への過酷な扱いが、つらいです。
「ごはんと祭」
ごはん部
駅前劇場(東京都)
2016/08/15 (月) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
A日程:みんな、素晴らしい
A日程、4公演目の観劇
舞台も素晴らしいが、制作・受付の人たちも、素敵。
舞台を観る人たちの事を思ってくれているハートが伝わってくる。
まさに、祭のように、
みんなが楽しめる舞台。
みんなを楽しませようとしてくれる舞台。
ブラック祭2016
メガバックスコレクション
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2016/08/11 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
七鬼神編を観ました
雨の中出かけました。100分間のお芝居は夢中で観たので、あっという間に終わってしまいました。謎解きも、駆け引きも面白かったですが、声が少し聴き取りずらかったのが残念でした。
Kinosakinomatopee キノサキノマトペ
こまばアゴラ劇場
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/08/18 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かったんだけど・・
なかなか笑えなかったなぁ・・仕事でおかしな眼鏡さんたちにいじめられてて疲れました(苦笑
こういうのってやっぱり心の余裕が大事なんだろうな。
きょうは疲れたので休みです。ふう。
土木座
guizillen
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2016/08/17 (水) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
観て来ました
土木ガールズということでどうのような話が本当に想像できずに観に行きました。フラガールの映画の土木版みたいに思っていた男性陣が沢山出て来て自分の想像とは全く違う物語でした。
土木ファンタジー(男性陣のウエディングドレスとか)夏休みに観させていただくには、疲れすぎずちょうどよかったです。
pack
PUSH UP
TORII HALL(大阪府)
2016/08/18 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
人間ドラマ
初日を見て来ました。
これ、メチャクチャ良かったです。
物語にも引き込まれたし、様々な人間ドラマも見れました。
また、、、宇田作品とは凄く相性がいいです。
笑いのツボや、泣きのツボがメッチャ、はまってしまいました。
久し振りに見終わった後、グッタリしてしまいました。
虚構の劇団 第12回公演「天使は瞳を閉じて」
虚構の劇団
座・高円寺1(東京都)
2016/08/05 (金) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
天使は瞳を閉じて
透明なドームは実験施設のはずだから、外からの情報が無いとは考えにくいし、放射能が安全とは言われながら残っている地域だったのに影響はなかったのだろうか?、透明なんだからその外の世界がどうなっているのか見えていると思うのに外に出たいのだろうか?などと考えてしまいました。見守ることが仕事のはずの天使が・・・
ネタバレBOX
やむにやまれず手を差し出してしまったり、自分が人間になってしまったり。それでも救えなかった悲しさのあまり瞳を閉じてしまったのでしょうか?1986年のチェルノブイリの事故から着想を得たのだと思いますが2011年にも放射能汚染は起こっている訳で、もっと違う切り口で描いてほしいと思いました。
かぜのゆくえ
ナイスコンプレックス
ザ・ポケット(東京都)
2016/08/10 (水) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
満足度★★★
観てきました
役者さん達が、とても丁寧に演じていることが感じられて、よかったです。
ブラック祭2016
メガバックスコレクション
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2016/08/11 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かったです
七鬼神編を観ました。他人の命を奪い合うという怖い話の筈なのですが、頭脳ゲームという要素が強いので、怖いより面白かったという印象でした。自分の頭だけでは、生き残りの組み合わせが混乱するので、組み合わせが提示されていたので助かりました。役者さん達は熱演していましたが、拉致された人達の恐怖が、あまり伝わってきませんでした(自分がゲームに一生懸命になってしまったせいもありますが)。とは言え、良く出来た脚本で、面白かったです!
ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜
ことのはbox
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2016/08/18 (木) ~ 2016/08/22 (月)公演終了
満足度★★★★
共生を感じるような...
この脚本「ジプシー~千の輪の切り株の上の物語」(横内謙介 氏)は、1989年初演で、今から約30年前のものという。台詞から感じる状況・背景は少し古いような気もするが...。しかし、色々な対比を通して普遍的なテーマも透けて見えてくる。
さて、バブル期にマンションを購入した夫婦、特に夫のはしゃぎようは分かる。一方、説明にある建築中のマンションに闖入・占拠しているジプシーは物質や定住に拘らない。建築中でコンクリートむき出しの殺伐とした所になぜ居るのか。後に分かるが、ジプシーの正体、この場所にいる意味と謎が氷解していく。
そこに見た「生ある存在」と、登場する人々との交流を通して描かれた心温まる物語。色々な意味で「共生」を感じる。
(上演時間1時間45分)
ネタバレBOX
梗概は、説明から「マンションを買った若い夫婦が完成を待ちきれず、建築中の建物に忍び込んてだ。そこには既にジプシーの大家族が住んでいた」と。
舞台セットは、コンクリート壁、中央に窓になるであろう部分が刳り貫かれ、その向こうに建築足場のパイプ組が見える。
バブル期には無理してでもマンション(住宅)を購入しようとする風潮。一方、パート時給が○円という低賃金で働くという貧富さ。マンション(購入)を持つことによって経済・精神、そしてその地にしばられ自由が失なわれる。他方、ジプシーは物質や地にとらわれず、住(棲)みやすい場所を転々とする自由さ。この建築現場、以前は大きな木があったという。コンクリートと木という ぬくもり...などいくつか対比を描く。物語ではどちらが正解か、そのような導きはしない。色々な考えがあり、その上での自己判断。ここまでが普遍的と思えるところ。
さて、誤解を生みそうな気もするが、移民(ジプシーとは違う)の問題を想起してしまう。寛容と自己防衛(移民問題とテロが同時に俎上に上がることもある)の鬩ぎあいを思ってしまう。欧州では国境線が変わり帰属する国も変わる、という歴史を繰り返してきた。そのことで政治体制はもちろん、文化・宗教も変わる。自分と異なる他者が現れると畏怖し排除しようとする。この側面が現代的と思ってしまう。
上演後、演出・原田直樹氏と話をさせていただいた。自分はこの演出で、特に次のところが気に入っている。
音楽...ジプシーの合唱において、地声と裏声で歌わせている。具体的には母親は裏声で子が地声である。地声の方が個性的で感情表現の幅が広くなる。一方裏声は美しく聞こえるが音色の変化に乏しく歌い手の個性が発揮しにくい。その違い(個性)を成長期の子に担わせている。
もう1つは照明での印象付である。舞台セットは内装前のコンクリート壁のみ。この殺風景な空間に木の陰影を照らし出す。それはモノトーンであり、夫が希望する部屋内装のコンセプトそのもの。超高山、深海は色が段々となくなり「生」のイメージが少なくなる。さてジプシーの衣装はカラフルで、その色合いからは...。
このジプシーの正体は...、以前あった木(欅)に梅雨時だけ「居る」というもの。
初日観劇したが、台詞や歌声に硬さが見られたこと、動き(動線)が不自然なところも見受けられたが、だんだんと良くなっていくだろう。
次回公演も楽しみにしております。
ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜
ことのはbox
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2016/08/18 (木) ~ 2016/08/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
良い!泣いたぁ~でも爽やかぁ~
粗を探せば色々あるけど、観終わった第一印象は「良かった!」ですね~。大平さんの器用さ矢嶋さんの真っすぐさが素敵、「絶対奥さんのが強いぜぇw」って思ったけどw。奥居さんの深みと存在感が良い。新田さんは演じて・歌って・踊って良しの舞台女優っぷりが素敵。原さんいい味出てますたっぷり。葭本さん・槇野さんのエイエイ!ってシーンが超かわいかった。書くと切りがないけど、他の演者さんもみなさん素敵でした。演出も小細工なく媚びてない感じが好みです。良かったぁ~。
ま○この話~あるいはヴァギナ・モノローグス~
On7
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2016/07/14 (木) ~ 2016/07/18 (月)公演終了
満足度★★★★★
1ヶ月経つ節目に
思うことをブログに書いたモノを「ネタバレ」に貼ってみました。なので、ここにはオンタイムで感じたことをつぶやいたツイッターを貼っておきます。◆初日。ついに観たよツイート。美術が素敵だった。ショーのウォーキング👠でのオープニングで、一気にテンション上がる❗キラキラ✨オーラは流石は女優😘2時間とは思えない濃厚な時間。嬉し恥ずかしから、心抉る告白まで。彼女たちと生きてみたらいい。◆音楽の選曲もイイ🎵 マイルス・デイビス🎺もイイ。ワタシの結婚式の乾杯時に使ったビートルズ「愛こそはすべて」が見事にハマる。そして、短いけれど『ディアハンター』の曲が絶妙で鳥肌❗◆一番イキイキして見えるのは宮山知衣さん。「ヴァルヴァ・グラブ」もそうだけど、全編感じる。他のモノローグを聴く姿が7人みんな素晴らしい。その中で、宮山さんがとても優雅。そして楽しそう。自然と目が行く。視線を奪われるんだよなぁ😌◆渋谷はるかさんは揺るぎない世界を持っている。一瞬にして飲み込む。息を呑んで、彼女が身を削るように絞り出す言葉に耳を傾ける。道徳的通念によって刷り込まれた性への関心に対する嫌悪に身を焦がし、もがき苦しみ、そして恐る恐る手探りで自分を解放していく…その告白から血の滲むような心の痛みが伝わってくる。渋谷はるかという女優さんの真骨頂。ヒリヒリする時間だ。このモノローグを体感するだけで価値がある。男としてどうあるべきかを考えよう。マスターベーションのようなSEXではいけない❗男よ立ち上がれ❗◆女性が純粋に快楽を求めることがあってイイ。当然の権利だ。それをしっかりと認識させられ…少しの動揺を自覚した。ベッドを共にするなら、互いの快楽を享受できる行為でなければならないのだなぁ。反省と責任が渦巻く🌀◆小暮智美さんは、シーツを闘牛士のように翻し、見事に行為を立ち上がらせた。右足がまるで別のイキモノのように饒舌。立てた赤いソフトチェアに首だけ乗せて、クリトリスだった人とは思えない😁◆最も酷しく聴く人の心に刺さるモノローグで、吉田久美さんをひとり残す演出は酷だったが、抗えない状況と恐怖を連想した。シーンとして痛々しさを感じた。◆老女の保亜美さんが話途中で帰ろうとするのが可愛くて可笑しい。彼女が閉ざしてしまった人生を思うと泣けてくる。尾身美詞さんのアレは会場中が大ウケだった。楽しんでやるしかないだろうけど…思いきっなぁ。美詞さん、クセになるでしょ⁉◆安藤瞳さんが舵取り役。全編を通して、サウンド・オブ・ミュージックのマリアのポジションだな。◆取材、アンケート、独白を元にしたテキストは、演じる者にも観る者にも痛みを与える。彼女たちはその痛みを体感しながら語る。そして、自らのモノローグを迫られる。まさに身を削って板に立っている。彼女たちの覚悟を目撃した。◆2回目での最大の発見は、吉田久美さんを残して出ていく6人のこと。舞台に後ろ髪を引かれながら扉を閉める様子に恐怖を感じた。彼女が語るのは、慈しみと嫌悪、清らかさと穢れ、愛情と憎悪、安らぎと恐怖…それらが引いたり押し寄せたり、割り込んだりしながら語られる。その支離滅裂にも思える文脈の混乱が、彼女の肉体と精神を破壊したことを物語っている。ある意味、彼女は生きながら死んでいる。いつか、平和で美しい村を取り戻せることを願う。◆前楽。観納め。3回観て解った。物語は舞台の上で生まれているという真実。上演すること、回を重ねることでドラマが生まれてる。◆「お怒り」の赤裸々告白に、メンバーも自分自身も突き動かされ、作品も人生も歩み出す。それが他のモノローグを変えていく。キャストとモノローグがどんどん一体化していくのが見える。初日で既に高みに立っていた渋谷はるかさんに引っ張られたのも間違いないが…吸収してどんどん変化し向上し同化するキャストに敬服。安藤瞳さんが圧巻。「毛」の立ち姿、その語りかける温度と響きに神が宿っていた。その神は13歳の彼女にもちゃんといて…マリア様に抱かれていると思った。◆劇団のように「方向性を定め、色を持ち、こんな作品を作る」というコンセプトではなく、可能性を探り様々なタイプの作品に挑戦してみる。だから、次はどんな姿を披露してくれるのか、どんな作品に出会わせてくれるのか、彼女たちの七変化から目が離せない。◆そんなオンナ7人の七変化を応援しょう。次はどんな色の彼女たちが観られるのか、考えただけで楽しいではないか。演劇の大海原に航海するOn7が作る引き波は美しく広がる気がする。そう、彼女たちはまさに演劇の宝船🚢に乗る七福神👼
ネタバレBOX
『ま○この話』終演から1ヶ月。あの興奮を、この節目に少し落ち着いて記しておこうと思う。
何故、麗しき7人の女優たちがこの戯曲に、そしてこの邦題を立てて上演したのか。
それを書き出すと、On7結成の趣旨まで遡らなければならないようなので、
それはまた別の機会にすることにしよう。
だから、今作品に感じたことのみを…
既に前置きが長いな。
それでももう一つ、先に触れておきたいことがある。
それは、今回、公演の1ヶ月前に1週間に渡るワークインプログレス(以後WP)を開催したこと。
台本の初読み合わせを公開し、
美容講座なども開催し、
最後に成果発表と題して、通しに近い稽古を公開したこと。
それを拝見する機会を得たが、もうかなりの形を成していたことを公演を観て理解した。
それはつまり、7人が戯曲に対して深い理解を既に持ち得ていたということと、
演出の谷賢一さんが7人の思いを大切にして作品を構築してくださったのだろうということ。
もちろん精度の問題はあるが、WPで拝見したそれが、本当に見事に舞台で披露されていて驚いた。
それと同時に、
稽古開始に合わせてWPを開催することやクラウドファンディングに取り組んだことなどから、
観客も含めた多くの人と関わり共有しながら創り育てていこうとする
彼女たちの姿勢を拝見することができた。
それは作品と演劇そのものに対する愛情に他ならない。
その愛は紛れもなく、わたしたち演劇を楽しむ観客にも向けられている。
そんなOn7と彼女たちの作品を”好きにならずにいられない”。
■開場■
劇場に入るとセットを目にする。
同時に客席の形状及び舞台の形状を知る。
それはまさにファッションショーのランウェイだった。
いま流行のアリーナ級のそれではなく、
アトリエやギャラリーで開催されるような洗練されたコレクションのそれだ。
これはキャストに対する、いや果敢にチャレンジする7人に対する
演出家からの敬意だったに違いない。
そしてそれは、きっと全女性に対しても向けられているのだと思う。
■オープニング■
美しく着飾って、メイクを決めた7人が力強く登場する。
そうだ。
オンナは美しく鎧を纏って戦闘モードに入っていく。
世の理不尽に戦いを挑む。
スーパーモデルよろしくポーズを決めて客席に笑顔を振りまくキャスト。
それは歌舞伎役者が見得を切る姿にも見える。
その中央で一人、安藤瞳さんが絶望した表情をしている。
或いは疲弊した表情だ。
彼女が投げ上げたパンプスが全女性に向けた「いざ出陣」のメッセージであり、
全男性及び社会に対する宣戦布告の狼煙だ。
それを合図に、彼女たちはまるでプロムの大学生が帽子を投げ上げて卒業を喜ぶ時のように
自らの戦闘服を剥ぎ取る。
吊された衣装を降ろしステージで着替えさせる演出は、
谷賢一さんの故蜷川幸雄に対するオマージュだろうと勝手に思っている。
そうして彼女たちはオーディエンスの前で普段着の自分…
つまり素の自分を曝け出す態勢を整える。
そう、これは真実を解放する戦いだ。
さぁ、いざ勝負。
★ただ、このあと客席に「~ですよね。」と語りかけるのだが、
この語りの方が着替えを見せることよりよっぽど恥ずかしく、
今作で最も難しいシーン及び台詞だったのではないだろうか。
少なくともわたしは、こそばゆくて、一番直視できないシーンだった。
■毛■安藤瞳さん
作品中、通して、安藤さんがコンダクターを担う。
その彼女が口火を切る。
夫の性癖による剃毛強要という性的虐待。
そこから派生する夫の浮気。
そこに、欧米では珍しくない性交渉に関わるカウンセリングが一石を投じる。
女性セラピストからの理不尽な提言を一人三役で再現する様が滑稽だ。
その如何にもな雰囲気のセラピストと、
提言をご褒美と捉える夫の、剃毛に没頭して流血にも気付けない様から受ける絶望と激痛。
一人芝居の質が上がれば上がるほど、
その可笑しさと彼女の絶望とのギャップが浮き彫りになり切なくなる。
●男の愚かさが嘆かわしい。
■大洪水■保亜美さん
メンバーが保亜美さんにスカーフを巻き付けたりスタイリングして老婆を作り上げる。
仕上げは90度近く折った腰。
見事に可愛らしいお婆さんが現れる。
自身の女性器についての話を求められた老婆の恥じらいと苛立ちを、
悪態を吐くことと逃亡しようとすることで立ち上がらせた。
逃げようとする彼女を引き止めるメンバーが(引き止めることを楽しんでいる面も含めて)可愛い。
話を聞く様子が回を重ねる毎にオーバーアクションになっていったが、
老婆の話を有り難く聞き入るという関係性が見えて微笑ましい。
保さんが発する「地下室」や「閉店」という言葉が、恐怖と絶望、そしてトラウマを感じさせる。
話し終え立ち去る彼女。
袖で腰を伸ばし老婆のベールを脱いで、初めて人に話したことを告げる。
その後ろ姿に鼻の奥がツンとする。
彼女は何十年も縛られていた苦しみから解放されたのだろうか。
あの後ろ姿の持つ意味は、まだもう少し宿題にしておこうと思う。
●男の度量が女性の幸不幸を決めることを実感し、身震いする。
■ヴァギナ・ワークショップ■渋谷はるかさん
個人的に一番辛いエピソード。
男としての責任というものを考えさせられる。
人間に与えられた快楽。
男は行為の最後に絶頂を手にする。
しかし女性は必ずしもそうはならない。
その理不尽を突きつけられ愕然とした。
果たして充分に理解している男はどれほどいるだろうか。
女性がそれを手に入れるスイッチを、倒したソファーに顔を乗せて表現する小暮智美さん。
可笑しいのだけれど、それでいて神秘的。
渋谷はるかさんが語り始めると、会場の空気が一変する。
理想の女性像と、自分の奥底にくすぶる欲望と、満たされない苛立ちが溢れ出す。
そうした感情が呼び水になって、身体的欠陥者ではないかという恐怖と、
「中心」発見の驚きと安堵のカオスが生まれる。
戸惑いの果てで、
すべてと繋がったと語る恍惚の表情の中に、彼女と渋谷さんが一つに融け合って見えた。
いつでも快楽に手が届くという安心、いや余裕を手に入れた彼女に、
もう男は太刀打ちできない。
渋谷さんは毎回あのピリピリの緊張の世界へ連れて行ってくれる。
感服。
●男よ、独りよがりではいかん。奉仕せよ。
★余談だが、ソファーで見守る宮山知衣さんが妖艶で困った。
■彼がまじまじ見るから■小暮智美さん
WP時と比較し、最も進化したパートではなかろうか。
WPで小暮さんが客イジリにトライされ、その相手に選ばれたことは光栄で幸福だった。
それでも、男とのやりとりを一人芝居で再現した本公演は見事だった。
出会いから発展への不自然さも、男の性癖も、
小暮さんの絶妙なデフォルメで上質なコメディに仕上げられた。
あの右足は生きていた。
命を宿したと言ってもいい。
シーツを巧みに使い、潜った男を魅力的にした。
客席の男たちは皆、男に感情移入して興奮したはずである。
可笑しいのに、堪らなく淫靡だった。
BGMもエルビス『好きにならずにいられない』で始まって、
ビートルズの『愛こそはすべて』で締める…というか歓喜に沸かせる
という流れが見事な演出だった。
●男の拘りも、共有できるモノなら可愛い。
★余談だが、椅子を抱いてSEXを連想させるシーンで、
小暮さんがバックを披露しようとした回があって度肝を抜かれた。
大笑いした。
身を削ってチャレンジしてみせる彼女の、作品に賭ける情熱に敬服する。
■おまんこ様はお怒りである■On7
このコーナーの持つ意味・意義は大きい。
パーソナルな主張や告白であるからこそ、人の心を打つ。
稽古を積む中でトライ&エラーを繰り返し整えてきたのだろうが、
実際はどれくらい自由が与えられていただろうか。
ゴングにパフォーマンス性があったにせよ、「言わせろ!」感は増長され、盛り上がった。
また、7人が互いの主張や告白に影響を受け、支え見守る姿が美しく印象的だった。
★このコーナーを全公演収録してないのだろうか。
7人の全ての叫びを拝聴したかった。
『DVD特典 全公演のお怒り収録』なんてものがあったら、かなり売れただろうに。
■私のヴァギナ、私の村■吉田久美さん
最も重い話で、聴衆の心が最も痛み軋むモノローグ。
秋元松代の『マニラ瑞穂記』という作品に
「オンナだって戦ってるのよ!」というような台詞があった。
それは戦争の最前線で戦う男たちをカラダで慰め、力づけながら稼ぐことを意味していたが、
これはその対極だ。
レイプによって引き裂かれた肉体と精神。
その恐怖を表すべく、6人が吉田久美さん一人を残して出て行く。
大きな音を立てて閉められた扉が恐怖を増加させる。
このモノローグだけはたった一人だ。
吉田さんは、健全だった村とカラダ、陵辱された国とカラダのことを混濁させて語る。
混乱し脈絡を失った話と嘆きが白痴に見せる。
ハムレットの愛を失い発狂したオフィーリアのよう。
あのセットと照明、そして「今は別の場所にいる」という台詞から、
彼女が個室病棟に収容されていると連想し震えた。
万華鏡のように表情を変え、感情の起伏の激しい彼女を生きること。
それが数分であっても、吉田さんの心身にかかった負担の大きさは計り知れない。
●男は野蛮で無慈悲で愚かだ。男であることが嫌になる。
■”ヴァルヴァ・クラブ”改め、ミホトの会■宮山知衣さん
このモノローグを『ミホトの会』と改名した谷賢一さんの功績は大きい。
今作品には、
「ヴァギナ」という女性器名称を「まんこ」と呼ぶことに躊躇するということが根幹にある。
その苛立ちや困惑を解消する提案であり、目から鱗が落ちる思いだ。
ましてや古事記にまで遡った日本古来の言葉によるという神話っぽさが、
愛着を抱かせるのに申し分ない。
「美火戸」漢字もイイ。
黒魔術のような儀式を行う不思議少女を宮山さんが怪演。
「ミヨコ~トゥミトゥミ~レイジ~ポコタ~ン」は今でも頭をグルグル回っている。 ちょっと舌っ足らずの幼児言葉で甘えたように喋るノリノリの宮山さんがツボだった。
これまでのイメージを完全に打ち破った。
「ミホト」に巡り会ったときの表情が可笑しすぎ。
座席番号A列6番(付近)の男性に迫る件にも驚いた。
★わたしも一度その席に座る幸運に恵まれた。
しかし、あまりの速さに気づいたら目の前でアワアワした。
何も出来ぬまま(しちゃダメだけど)一瞬のうちに行ってしまった。
嗚呼、もっと堪能したかった。不覚。
●男も一緒に楽しんであげられれば平和で幸福なんだな。
■まけるな!ちっちゃなクーチ・スノーチャ■On7
一人の成長を7人で追った。
悪戯(触ること)を我慢した渋谷さんが超キュート。
ベッドのスプリングでハプニングの保さんが可愛すぎで可笑しすぎ。
衝撃の事件で座り込む小暮さんの可愛らしさが、会えなくなった父親の気持ちになって切ない。
そこからの転落期が悲惨すぎて息苦しい。
彼女を救ってくれたのは神や宗教ではなく、友達でもましてや男でなどあるはずもない。
メシアは綺麗なお姉さま。
それもその世界でしか生きられないようにしたのではなく、
ノーマルに(バイ込みで)導いてくれた。
体操?で息を切らしてママに秘密を持った安藤さんが素敵。
そして転落期の小暮・尾身ペアがみんなに労われ祝福されているのが微笑ましく、
父親気分で安堵した。
●男ってちっちぇーな。
■ヴァギナを喜ばせし女■尾身美詞さん
最も華やかなコーナー。
その華やかさに紛れているが、男の不甲斐なさが前提にある。
それを補う救いの手は女性である事実。
結局、女性を悦ばせることが出来るのは、自分自身か同性。オトコよ目覚めろ。
覚醒したのは尾身美詞さん。
真っ赤なドレスが眩しい。
それでガーターベルトと黒い下着が露わになることも厭わず、
何パターンもの喘ぎ声をレクチャー。
尾身さんは恥じらいを見せず、楽しんでいるように見える。
それはまるでスポーツのよう。
彼女を取り囲むSPのような黒服にサングラスのブレーンがカッコイイ。
そのくせ舌なめずりしたり頷いたりする姿が可笑しすぎる。
一人、インテリ女性秘書風なメガネの宮山さんが輪をかけて可笑しい。
6人の可笑しなサポートが卑猥さを軽減し、エンターテイメントに転化したワザだ。
●男って…バカだなぁ。
★それにしても、どこまでが戯曲にあり、
ネコ型ロボット系を筆頭にどこからがオリジナルなのだろうか。
また、メンバーで「こんなのは?あんなのは?」とレクチャーし合ったことを想像すると
笑ってしまう。
■私はそこにいました■安藤瞳さん~On7
女性であることが厳かで神秘であるモノローグ。
唯一、他者としてのモノローグ。
妊婦と新しい命を慈しむ安藤さんの柔らかな言葉と表情が神々しい。
セットと照明がステンドグラスを思わせ、まるで教会の中にいるよう。
7人が愛を繋ぎ、言葉をリレーする。
やがて、モノローグの視点は胎内の人へと移る。
舞台中央には小さなスポットライト。
これは、差し込む「きらめく光」だ。
それが脈打つように微かに広がったり狭まったりしている。
つまりそれは「社会の窓」だ。
「社会の窓」は男のズボンなんかには無い。
母となる女性の美火戸だ。
果たして君の瞳に「きらめく光」の向こうの世界は、どう映るのだろう。
わたしたちは、どんな世界を用意しているのか、もう一度顧みなければならない。
両手を広げて迎え入れるのなら、その責任について考える必要があるはずだ。
●男は、ただオロオロとして、祈るしかない。
これは奇跡の公演だ。
同じキャストとスタッフで再演したとしても、絶対に再現はできない。
なぜなら、生き、生活していることの全てがダイレクトに影響を与える作品であるから。
7人が抱える問題は解決したり変化し、また新たな問題に頭を悩ませているだろう。
だからこそ、その時の生き様を晒す公演として、いつかまた披露してくれることを期待したい。
On7第3回公演。
0回公演を含めれば4作品と番外のパフォーマンスを合わせても、
一つとして同じ色、同じ匂いのするものがない。
On7七変化。
それこそがOn7がOn7 たる意義であり所以だ。
次はどんな新しい顔を披露してくれるだろう。
七変化を超えて、二十面相でも百面相でも、万華鏡までも追いかけよう。
彼女たちの挑戦が、演劇の世界に新しい風を吹き込んでいると信じている。
その風がたくさんの可能性を巻き上げ、
大きなうねりとなって、
素晴らしい作品がたくさん生まれることを願う。
牧神の午後
KARAS
KARAS APPARATUS(東京都)
2016/08/10 (水) ~ 2016/08/18 (木)公演終了
満足度★★★★★
無題1912(16-202)
20:00の回(曇、帰宅中に大雨)
お客さん多い、19:50開場、20:12開演~21:02終演、21:13トーク終了。
先週(8/11)観ているので2回目、そのとき少し復習。今夜が最終日。
舞台を覆うのは...「蚊帳」で画像検索すると出てきます。こんなかんじの大きいもの。
布を大胆に使った演出は今までもありましたが、客席/舞台を隔てるようなものは初めて。
絞り切った明り~眩しさを感じる明るさ、自在に変化する照明は一貫してマニュアル操作(鰐川さん)。
もともとクラシックは滅多に聴かないので既知のものはありませんでした。
アップデイトとして38公演目。同じものはひとつとしてなく、予想すら不可能、開演するまでいろいろ想像していたものが当たったためしはありません。
それがこれからも続く。
次回は「米とりんご2」鰐川さん
ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜
ことのはbox
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2016/08/18 (木) ~ 2016/08/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
プチ文明の衝突
ジプシーの魅力を生き生きと描いた作品。
頭の中では、近い将来自分の家になるところにジプシー一家に入り込まれて困る夫婦や建設会社の人と同じ立場なんだけど、心のほうはジプシーの魅力にぐいぐい引き込まれていきました。コーラスも良かったな。
ブラック祭2016
メガバックスコレクション
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2016/08/11 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
ブラックルームRS
「お客様に彼らの運命を決めてもらいます」みたいな司会役の男性の言葉に、なんて趣味の悪い舞台を見に来てしまったんだろ・・・なんて思っていたのでしたがいざ始まってみるとトランプの数字にドキドキ。それを見て反応する登場人物に同情したり、うざいヤツだと思ったり。やがて客席でもトランプをひくことになりこいつは助けたいと思ってカードをあげた人が実はいやなヤツだったり。最後までハラハラしてしまいましたが、Eさんに「お前ら笑っていただろ!」とカメラ越し(と言うことになっている)に言われて思わず「ごめんなさい」の気分。それでも帰り際にF君に「次に来たら殺してやる!」と言わずにいられませんでした。とは言え、1回ごとに設定も配役も変ると言うことで次ぎにはいい人になってるのかも。どこまでが設定でどこからがアドリブか分かりませんが、舞台全体がおもしろいものになるかどうかは役者さんの力量にかかっていると思いました。その意味ではちょっと残念だったかも。観客が結果を当てるお芝居は「人狼」とかそこから派生した諸々を見たことがありますが、当てるだけではなく観客の参加が結果にまで影響するのは初めて見ました。楽しかったと言っては語弊があるのですが、おもしろかったです。水ようかん当てたかったです(笑)。
追記:時間がなくてF君に逆襲しに行けませんが、友人に会うとついつい「変ったお芝居見たんだけどね、あれがこうしてこうなってねー」と語ってしまうのでした。
Kinosakinomatopee キノサキノマトペ
こまばアゴラ劇場
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/08/18 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★
約55分
オノマトペを含む音声表現が、ほぼ笑いを生むことにのみ使われているのが残念。
悲しみだとか怒りだとか切なさだとか尊さだとか不気味さだとか、もっと多様なものが表現できるはずなのに。
またその笑いってのが、私にはクスリともこなくって。。。
ネタバレBOX
オリジナルのオノマトペが思いのほか少なかったことにも不満。
LIFE
三ツ星キッチン
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2016/07/30 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
個性的なミュージカル
面白い♪
主役・高田安男のキャラが強烈です。
関西なら間違いなく完全にイロモノに走るキャラですが、笑いあり涙あり、しっかりとしたミュージカルになってました。
特に石川えりなさんと武者真由さんの歌が(少し演歌系が入っているそうですが…)上手かった!
強烈キャラの安男が、旧友と愛する妻を救うため、現在と過去で奮闘する心温まる物語にほっこりしました。
SLeeVe‐RefRain
ENG
六行会ホール(東京都)
2016/08/17 (水) ~ 2016/08/22 (月)公演終了
満足度★★★★
妖艶かも…面白い!
ビジュアル系エンターテイメント...人の心に巣食う闇を好み弄ぶ。そんな自称「狐」が仕切る三日三晩の百鬼夜行の話。
ある結界か特定場所なのかは判然としないが、その地に集う人とその背後霊ならぬ妖怪(守護のような)が、一つの願いを叶える石-玉(ぎょく)を手中にするためのバトルロイヤル。登場人物それぞれの心を表す妖怪、その形容すべき姿(特徴)は、メイク、衣装を凝らしなかなか魅力的であった。いくつかツッコミ所はあるが、それは矮小なことと自分を押し込め、この異様な世界観を楽しんだ。
(上演時間2時間15分)
ネタバレBOX
警察官が平然と不正や醜い行為をし、それを誰も怪しまない無秩序さ。元警官同士の憎しみと復讐が、狐による百鬼夜行に参加することになる。その抗い切れない気持がいつの間にか自己再生に向かう姿に変貌していく。
舞台セットは、中央に高さのある舞台を設置し、上手側は客席に向かう回り階段、下手側は無。また奥には飛び降り口。その非対称さが、心の歪さを表すと同時に、アクションシーンを魅力あるものとして観せる。シンプルなセットは、アクション・スペースを確保する。そして縦横に動きやすくすることで、壮大感を演出する。映像的な感覚であるが、役者の体現する立体姿が見える。その演出手法は見事である。
物語は、確かに人間の内面を描いている。無差別殺人、ファンによるアイドルの偶像化。そこには動機や本人不在(気持の無視)の空虚なもの。感情という表現し難い面を、本人を妖怪の同化(例えば主人公=河童…人の死を遠ざける、殺人鬼=雪女…秘密漏えいの殺人)に見立て三日間の戦いで炙り出す。その意味で、人の喜怒哀楽を描いており色褪せないテーマが透けて見えてくる。同時に芝居としての娯楽性も強く印象付けている。
異空間にいる妖怪...その姿とキャラクターは際立ち愛嬌があるもの。それを演じている役者陣は、他公演では主役になるような人達である。その役者が脇を固めるという豪華な顔ぶれである。その演技・アクションは華麗にして力強い。
次回公演を楽しみにしております。
土木座
guizillen
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2016/08/17 (水) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
象徴的
ナンセンスコメディー風の前半とはうってかわって、後半はどこか哲学的な雰囲気になり、精神性の高い作品になっていました。3姉妹の素晴らしい成長譚。