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音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしかったです。
舞台の使い方、お話の進め方、色々な小道具を変化させて何物にも見せてしまう技術、そして素晴らしい役者の方々ほんとに素晴らしかった。歌詞が心に染みいり何度も涙しました。

パンセク♡

パンセク♡

spacenoid

小劇場B1(東京都)

2025/07/09 (水) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/09 (水) 19:00

LGBTQ+を題材に、コメディタッチながら真剣に扱った快作の再演。とても良くできている。85分。
 作・演出のニシオカ・ト・ニールが、自身の劇団で2018年に上演した作品を改訂しての再演で、初演も観ている。とても良く出来た戯曲だし、題材も作りも攻めているが嫌味はない。良い人ばかり出て来るけど、みんなが幸せになるのは難しい、という展開で、6人とは思えない深みのある作品だった。アイドル系の若手2人を巧く使うベテラン勢というキャスティングもまた見事。ママ役の柿丸をもっともっと観たかったなぁとは思う。

Queen'sPirates〜赤いドラゴンに宛てる手紙〜

Queen'sPirates〜赤いドラゴンに宛てる手紙〜

つばきProduce

タブラオ・フラメンコ・ガルロチ(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

レストランで観る海賊ものの演劇。
これだけでとてもテンションがあがります。
前説から始まり最後まで、とにかく末原拓馬さんの存在感が凄まじかったです。
物語に引き込む力が本当に強く、身を任せて心ゆくまで引き込んでもらえました。
全体的なクオリティとしては正直「うーん…」といった感じでもありましたが、会場の雰囲気と末原さんのお芝居で総合的な満足度はそこそこあったと思います。

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしいの一言に尽きる。とにかく,観劇後の満足感が半端ない。いつも思うのですが,あやめ十八番さんの芝居は,まず舞台装置が秀逸で,芝居がホント立体的で臨場感を創り出しています。特に,今回は前方の席だったので,役者さんが近いこともあり,芝居が迫ってくる感には芝居の醍醐味を感じざるを得ません。また,楽士さんの配置もその一つで,役者との兼務がスムーズでもあり,舞台造りの構想にはただただ感心です。さて,今回のこのお芝居,入り込むのにちょっと時間がかかりましたが,時代背景,物語が理解できると加速度的に面白さが増していきます。良く出来たホンだと思いました。そして,皆さん,歌も芝居も素晴らしく,演技に文句のつけようなどありません。とにかく,観劇の満足感があり,ちょっと事情により多くの舞台観劇が難しくなってきましたが,あやめ十八番さんの芝居だけは観続けていきたいと心に誓うほどの観劇でした。絶対におススメの舞台です。

六道追分(ろくどうおいわけ)~第七期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第七期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/07/09 (水) ~ 2025/07/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

第三期に続いて2回目観劇。やはり楽しんで観てもらう、そんなサービス精神に溢れたエンターテインメント作品。そして改めて、人と人の繋がりの大切さ、思いやりといった心情、それを優しく見つめるような劇作。法は 体を縛るが心は縛れない、そこに庶民の気骨をみる。

物語は 悲恋であるが、笑いも交え小気味よく展開していく。少しネタバレするが、旅は江戸(吉原)から大井川までの東海道、その僅かな旅路が2人にとっての幸せな時間。華やかな雰囲気と非情な成り行きの中で、情感豊かに描き 観客の心を揺さぶる。また場面転換や心情表現にダンスを挿入するなど、観(魅)せる工夫も好かった。
(上演時間1時間40分 休憩なし) 【第七期 龍】

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に格子状の衝立2つ。それを可動させ 遊郭の格子戸(籬節か?)を表す。上手は 場景に応じて遊郭の半円障子や道中の石垣など、柱状の装置を半回転させる。下手は 丘のような階段状、その奥に朽ちた平板を組み合わせ、ラストは磔 処刑場。吉原へ通じる場所は、観てのお楽しみ。小さい劇場(空間)を巧く使った演出が妙。


梗概…清吉(通称・鬼アザミ)は子分の粂次郎、伊助、三吉(妻が病弱でいつか医者になりたい)と共に世を騒がせる”義賊”。いつしか守銭奴達を懲らしめる清吉一味は、江戸庶民の憂さを晴らす存在になっていた。しかし奉行所の取り締まりは厳しくなり、これを潮時と 最後に選んだ場所が不夜城「吉原」である。特に悪どいやり方で暴利を貪る大店ばかりに忍び込む。
一方、呼出し花魁 お菊は 刃傷沙汰を起こし、足抜けを余儀なくされていた。そんな時、忍び込んだ鬼アザミ一家と出会い...。六道を彷徨う人達の、馬鹿馬鹿しくも切ない道中が始まる。吉原と東海道(大井川)を舞台に、人情味溢れる逃亡劇が始まる。清吉とお菊は旅を通じて お互いが孤独を癒し心を通わせていく。その過程を面白可笑しく描く。ラスト お互いを思いやる気持が 切なく そして痛々しい。

人別改帳にも記載されない、無宿として生まれた男と吉原という苦界に生まれ育った女の逃避行を描いた悲恋物語。どちらも不幸・不遇な身の上、その2人がひょんなことから一緒に旅をすることになる。旅の途中で出会った僧から「六道」の話を聞き、人の世の儚さと尊さを知る といった人情味ある内容。タイトルにある「六道」を物語に巧みに織り込んで、人の心の在り様 を考えさせる。人間道で生きているが、その現世は因果の道理に…。ラストは、六道の輪廻転生ー色々な世界を死んだり生きたりしながら、グルグル回るーといった内容を2人の覚悟・心情に重ねるようだ。

華やかな雰囲気、それは出演者(特に女性)が吉原という場所柄、花魁姿の艶やかさを出し、旅に出てからは町娘に扮しての可憐さなど、いずれにしてもその”艶技”であろう。そして下っ端役人(岡っ引き等)の庶民感覚と、与力などの武士とでは考え方が違う。
第三期と比べ、少し気になったのは、遊郭内での刃傷沙汰や大井川の氾濫時の緊迫感がないこと、(旅途中の)茶屋でのゆったりとした様子(清吉とお菊の至福のひと時)がないこと。物語(内容)としては同じだが、メリハリが弱いように感じた。キャストによって雰囲気が違う、まさに「舞台は生もの」を再認識した。
次回公演も楽しみにしております。
受取人不明 ADDRESS UNKNOWN

受取人不明 ADDRESS UNKNOWN

アン・ラト(unrato)

赤坂RED/THEATER(東京都)

2025/07/04 (金) ~ 2025/07/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

再演だそうだが、自分は今回初めて。Aチームでの鑑賞。二人芝居だが、それぞれ相手への書簡を口述する場面のみ(その際の演技や演出はある)の形態で表現上の制約が多いはずの設定だが、最高に面白い。制約ある設定をうまく利用した巧みな台本で人間心理が浮き彫りになる。往復書簡だけでここまで劇的な構成の物語を作り出すとは。タイトルも意味深。
二人の俳優たちの演技もこの巧妙な台本を見事に舞台上に実現する素晴らしいものだった。天宮良氏のもっと若い頃の舞台を観たことがあるが、今回観て、何と円熟というか貫禄がついたものか、と。他のチームも観てみたいが、チケットは残っているのだろうか。

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

テレビ黎明期とそれ以前を描いた群像劇。
本格的な音楽劇。
歌、踊り、演奏みんな見事。

これだけ豪華な作品をこの入場料で上演したのは奇跡と思う。助成されているとはいえ。

ネタバレBOX

特にピアニストは演奏も上手い上に、演技も本物の俳優の演技。ただただ感心。
六道追分(ろくどうおいわけ)~第七期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第七期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/07/09 (水) ~ 2025/07/20 (日)公演終了

実演鑑賞

初日に観劇。

ネタバレBOX

初日だったためか、残念というか不満な部分はある回でした。

出演者の中で魅力を感じたのは高島さん(だと思う)。
ルックスも良いし華もあると思う。
この人のお菊も見てみたいなと。
ENGRAVE DREAMS

ENGRAVE DREAMS

ENG

六行会ホール(東京都)

2025/07/02 (水) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。
初日と千秋楽を観劇。

小説家のいる現実世界と、小説の中の世界。
持田さんは現実世界ではクールな姉、小説世界ではクールで強い使用人。物理的な強さです。ご自身も仰ってるように元々クールと強さは得意分野ですよね。最近では2月の「魔法少女育成計画F2P」で、錫杖を使う無敵の強さでした。
今回は初めて扱う武器だったと思います。オリジナリティもあってお見事でした。武器を持っていない左手の位置にこだわりを感じました。

ネタバレBOX

異世界ファンタジー。主人公の特殊能力。「中2!」。

異世界転生ものはいくつか読んでます。「転生」は本来は「死んで生まれ変わる」こと。ただし赤ん坊から始めては話が作れないのでしょう、ある程度の年齢から始まったりします。序盤でさらっと「交通事故をきっかけに異世界に転生」と言ってますが、そういうことなんですよね。元の世界では死んでしまっているので、「戻る」ということは出てこないです。

モズの人がクルリとメルリを「古い友人」と言っていました。持田さんや中野さんのSNSによると、もともとモズの一員だったそうです。なるほど、話がつながりました。

S4とE2は小説にはいない、別の層の存在と解釈しました。642回繰り返したのは想像主の意識か無意識か。ゴミ箱が溢れるほどの書き直しがそれなのでしょうか。想像をかきたてます。

持田さん演じる千雛の「私が世界で最初の読者」。気のないふりして気にかけてたのですね。そうなると拓海は遅くとも高校時代から「双国のフロンティア」を書いていたことになります。ライフワークですね。

現実世界の役名は、演者さんの芸名に寄せてます。「千雛」は千妃来から。「芹崎」の芹澤良さん、など。8年前の「リトルマンメイト」を思い出しました。芹澤さんはセリーヌ、梅田悠(はるか)さんはハールでした。そうそう、中野裕理さん演出でしたね。

スイの人格が変わる件は、よく分かりませんでした。話の筋には影響なかったと思います。台本を読むと分かりやすいんですけどね。

台本といえば応援グッズのブックカバー。いい試みですね。到着を楽しみにしています。

感想はたくさんあって書ききれないくらいです。壮大なお話でした。
音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 オープニングの見事な演出は、一気に観客を演劇空間に引っ張り込む。いつもの生演奏の良さ、そしてよくぞこれだけ多くの歌の上手い而も演技もしっかりした役者を揃えたと感心させる。実力派あやめ十八番の面目躍如たる作品。観るべし! 華5つ☆ 脚本の良さは言うまでもない。

ネタバレBOX


 舞台美術が一風変わっている。通常の板下手奥に当たる部分に生演奏楽団。ホリゾントには幕が掛かり袖の役割も果たす。その手前が長尺の板。この板のセンターに階段が設えられ手前に丁度先に挙げた板に相対するように半分程の尺の板が中央を開けて組み立てられており、これら長短3つの板の間に一間程の可動板が各1つ設えられている。階段手前の隙間には場面によって照明機材や撮影機材が置かれる。また奥の組み立て板上手天井から直径4mはあろうと思われる巨大な円形蛍光装置(これは場面によって太陽の象徴としても用いられる)のような物が下がっている。時代は太平洋戦争から敗戦後GHQの支配体制が終了する頃迄。即ちラジオからTV草創期に掛けての時代だ。
 現在のような録画放送主体と異なり生放送、生放映準備期から開始迄の時期である。坩堝にカオスを仕込んだような現場は時代と価値観の大転換期で初の試みも多く技術的にも新たな民生技術が開発されるようになって人々の心は沸き立っていた。無かったのは資金や戦争で失われた人材であった。その為、現場スタッフ個々の負担は重く泊まり込み等も日常だったが仕事への熱気だけは旺盛であった。更にアプレゲールの波に乗って個性的な女性が漸くその価値を認められ始めた時期でもあった。だが一方で戦争中に挙国一致政策を採る国策下、数万の学徒動員兵に激を飛ばす任務を負わされ、息子を含む未来ある若者たちを死に追いやったと生涯苦悩する名アナウンサーら戦中から活躍していた花形スタッフの耐え難い苦悩が渦巻いていたことも忘れてはならない。
 ところで金鶏は天界に棲む金の卵を産むと伝えられる鶏であるが、この金鶏が鳴く声を合図に地上に暮らす鶏たちが明けの聲を一斉に挙げると伝えられており、勅命で金鶏を捉え金の卵を産ませて国富を増すという話もあったとの話迄出てくる。事の真偽は兎も角、フランスの国鳥は時の聲を挙げる鶏だ。人々の湧き上がる念を象徴するかのような鶏の鳴き声に先行きに期待しようとの念が象徴されるのも道理かも知れぬ。
 今作には幾つかの恋と宿命が紡がれる。一つ成就した目出度い恋はスマトラ戦線に派遣され現地で催された演芸会で歌舞伎の白波五人男を観、そのスマトラで味わった握り飯の余りの旨さに命を失うことに初めて恐怖を覚えた出雲 幹とその素敵なラブレターに応じ結婚したNHK放送団第一期生の喜代子。悲恋に終わったのは、幹と同期のNHKアナウンサー宮 義勝。彼は新番組決起を誓った席で吐血、左肺に大きな影が映るほど重い結核で倒れ由比ガ浜のサナトリウムに収容されたが、このサナトリウムでのもう1人の重病人・ハナに出会い恋に落ちた。空気だけは良いが、治る希はほぼ無く唯何もできずに生きる生活は極めて耐え難いものであった。そんな中、重病人であるハナはあくまで明るく人々に接し、光り輝いていたのである。そして彼らの療養中にアメリカで結核の特効薬・ストレプトマイシンが開発された。不治の病、業病と恐れられた結核治癒の可能性が出て来たのである。然し劇薬ストレプトマイシンが効果を挙げたのは宮のみであった。二人は結婚式の衣装を纏い出雲がライカで撮ってくれた写真に納まることはできたが添い遂げることは出来なかったのである。もう1つ、明確な恋になったかも知れない宿命の出会いがあった。以下でそれを記そう。
 正式にTV放送を始める前には準備期間が設けられこの期間中は本番同様1万ワットの照明を出演者に当て撮影に臨んでいた。それほど強い光を当てなければTV画像として放映できる像が撮れなかったからである。この為被写体として映される女性アナウンサ-・美濃 明美は角膜を焼かれ遂に現場を去る悲劇に見舞われる。照明技師・歌井 東吉は美しく撮ってやりたいと願いその為に必要な技術を駆使した。明美の目が痛い、涙が出る等の訴えは無視された。1万ワットの照明なしでは放映できる像を撮れなかった技術的問題があったことと、照明のプロとしての奢りもあった。がそれは明美の目を傷つけずにはおかなかった。無論この事例はTV草創期の悲劇の1つであり他に今作には描かれなかった多くの悲劇が在ったと考えるべきである。初めてTV映像を送信することに成功した第一人者・金原 賢三博士も草創期の技術の到達点がヒトを傷つけてしまうことに至ってしまったことを深い痛みと共に詫びているが、今作の名シーンの1つだろう。
花がこがれる

花がこがれる

アユカプロジェクト

シアター風姿花伝(東京都)

2025/07/03 (木) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/06 (日) 12:00

 花屋を目指してきた(実際には、病院のベットで重病で生死の間を彷徨っている)少女は、花屋があった筈のところで花の魔女が運営するスナックのような魔女の店に迷い込む。
 そして、魔女の店のアクが強くて個性豊かで、騒がしい常連客たち、魔女の店を切り盛りする何処か謎めいていて、でも底抜けに明るく、その場を癒し、人々の心を照らし、良い気持ちにさせるが、人懐っこいが、掴みどころのない花の魔女、また花の魔女と真逆で一見冷たく、ミステリアスで、星占いが得意で、厳格な現実主義者で、冗談が通じなくて、ニヒルで、取っ付きにくく、人と群れることを嫌い、気難しいが、本当は良い人な星の魔女たちとの少し不思議な交流を通して、少女のアイリスが少しずつ成長していくといった風に劇が途中までは進んでいた。
 なのでこれは、小説で映画化もされた『コーヒーが冷めないうちに』と似たような構造だなぁと感じた。
 常連客たちが頼むお酒や紅茶に花の汁を垂らすと、それが不思議な効果を生むという構造も、『コーヒーが冷めないうちに』における少し不思議な体験ができるコーヒーといったところが、偶然にも良い意味で似通っていた。
 更に、それに加えて、舞台所狭しと飾られた花々や微かに香るお香の匂いが劇世界に彩りを添えて、華やかで優雅な雰囲気で、『コーヒーが冷めないうちに』をより、洗練させた大人な感じで、少し不思議な最高級な世界観が出来上がっているように感じた。

 しかし劇の中盤から後半にかけて、花の魔女の店に来る常連客たちが既に生きている人間でなく、それも立派に生を全うしたというより、石膏になるのが夢だったが、馬に轢かれて事故死した男や、プリマドンナだったが、才能を周りに妬まれ、嫉まれ、追い詰められて自殺したセーラ、魔女の店に来ると南のほうに旅行に行ってきた話を周りにいる客たちに嬉々として話していたアビーも、生きていた時は北の国で夫のDVと寒さに耐えながら、精神的にも肉体的にも追い込まれて、病死して、魔女の店に彷徨っているといったような境遇の、実に凄惨で、救い難い幽霊たちが、現世と夢の境界線である魔女の家に留まっているというような実態が浮かび上がってくる。
 更に、魔女狩り、異端審問といった不吉で不穏な中世の時代に実際に行われていたことが、花の魔女や星の魔女も例外ではなく、巻き込まれていく、暗雲立ち込め、シリアスな展開に驚愕してしまった。
 但し、最後のほうで生死を彷徨っていたアイリスが時空を超え、夢と現実の狭間にある魔女の店から、皆に迷惑をかけまいとして、自ら出て行った花の魔女カガミを助けに行き、現実ではアイリスが重病から立ち直ることができるという奇跡なような展開に、途中まで救いようが無い終わり方になるのではないかという絶体絶命で、不穏な感じが漂っていて、どうなるんだろうとドキドキしていただけに、感じ入ってしまった。
 
 前半から途中までの少し不思議で謎めいてはいるが、ゆったりと優雅で大人、そして華やかさもあるような感じとは、中盤から後半にかけてはほとんど違って、暗くて、不穏な感じが劇の終盤まで続くという大きく物語が変化していき、劇が進むに従って、花の魔女カガミが隠す秘密や、魔女の店に集う常連客たちの過去が明らかになっていく展開、その構成が見事だと感じた。

 Aキャストバージョンの劇を観たが、終わった後にトークショーがあったので、聞いた。
 A、BのWキャストとも同じ役者だが、A、Bではそれぞれ違う役を演じ、役者によっては全くイメージが違う役を演じられ、劇作、演出家であり、俳優として今回の劇にも出ている港谷順さんの独断と偏見で、役を役者に振り分けた話など、込み入った話や裏話が聞けて興味深かった。
 また、トークショーの際に港谷順さんが今回の劇に出てくる登場人物たちの役名が、実際にある花の名前や鉱石から取っていたり、名作小説『ハイジ』に出てくる登場人物から取っていたり、性格も花言葉の意味から取っていたりと、港谷順さんのセンスの良さや、お洒落さ、譲れないこだわりといったものが伝わってきて、非常に興味深かった。

モテない保険2

モテない保険2

TOP BANANA

ブディストホール(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

 う~む。

ネタバレBOX

 物語が展開するのは下町場末の定食屋兼安酒場。常連の多い店である。此処にモテない
保険の営業マンがやって来て営業する話であるが、加入できるのは女性のみ。掛け金は格安、リターンは信じ難い程大きい。30歳で加入し60歳迄保険会社の提示した条件を守れればリターンは1億2000万円、人生100年と言われる昨今、女独りで生きてゆく覚悟さえできれば生涯設計は安泰という訳だ。
 だが脚本で多用されるギャグの質が単純で而もワンパターン、ギャグの面白さは思いがけない発想・飛躍や脱臼、調子っぱずれやタイミング外し等々を予想を裏切る形で繰り出したり、態とギャグの無い時間を入れて間延びさせたりしつつ、観客の反応をじっくり観察し、丁々発止のアドリブを入れ乍ら展開させることによってしか生むことが出来ないと考えるが、こういった発想自体が欠けているように思った。それにモテル、モテタイという凡庸な発想の真逆の発想だけで喜劇が成立するものでもあるまい。作家が真面目過ぎる気がする。喜劇は通常のストレートプレイより遥かに難しい。それは我々の体験し続けている人生が圧倒的に悲劇的なものだからであろう。実際の体験がそのようであれば、共感を得ることもその分容易であろう。反発もその分強いこともあろうが、対応方法はいくらでもある。だが、苦労や苦悩に疲れ切り打ちのめされた人々を笑わせることは容易ではないのである。喜劇で勝負するつもりならこの辺りから再考してみる必要があるのではないだろうか?
 まあ、テーマが保険だからその縛りから抜けられないという理由はあるだろうが、ギャグを多用するならそのような社会認識の枠そのものを壊しかねない程強いインパクトを持つ非常識なギャグ的発想が欲しいのだ。
 演劇は長い間、喜劇と悲劇に大別されてきた。不条理劇が出てくる迄。それには無論深い意味があると考える。そのように分別することで極端化し易くなるからだ。当然、その分劇的効果が増すのである。
煙が目にしみる【Mura.画】

煙が目にしみる【Mura.画】

Mura.画

劇場MOMO(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

こういうシステムがあったらいいな?!なんて、思ってしまいました!
笑いあり、涙ありで面白かったです!

ケルベロス

ケルベロス

バカバッドギター

雑遊(東京都)

2025/06/28 (土) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

B級な雰囲気満載でしたが面白かったです!

人間のあくた

人間のあくた

吉祥寺GORILLA

上野ストアハウス(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

近未来な設定になるのかな!?
現実感は薄めですが、現代にも置き換えられ、
そう考えると色々思うことがありますね
面白かったです!

モテない保険2

モテない保険2

TOP BANANA

ブディストホール(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

胡散臭い話が実は.....
面白かったです!
お嬢、いいですね!
男子にもあったらいいのになぁ

徒然なるままに…  NOT TO BE, OR NOT TO BE…

徒然なるままに… NOT TO BE, OR NOT TO BE…

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今でこそ何気なく使っている「万歳」
こういった過去があるとなかなか複雑ですね!?

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。
テレビ放送の原点を描いたストーリーで、その熱さに感動しました。
生演奏、歌やダンス、パントマイム、時代を感じる衣裳等、目も耳も楽しめる内容で、何とも贅沢でした。
役者さん達の演技も素晴らしく、浜端ヨウヘイさんの声が何とも魅力的でした。
仕事への情熱、恋愛、友情、戦争、色々な物が詰まった素敵な舞台でした!

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
日本のテレビジョン実験放送に関わる人々の努力と奮闘の群像劇。公演の魅力は、舞台美術を駆使し、当時の状況を音楽を交えテンポよく展開する。休憩含め約3時間近い物語だが、飽きるどころか 目が離せない。物語は色々なエピソードを盛り込んでいるが、それらが緻密に連関していく。それを観(魅)せる演出も手が込んでいる。

本作は「金鶏 二番花」となっているが、9月には「金鶏 一番花」(池袋演劇祭参加作品)が予定されている。本作で、日本テレビジョン開発 第一人者の金原賢三がどうして これに取り組むようになったのか、その理由を語っている。その金原に焦点を当てたのが「金鶏 一番花」で、本作と併せ壮大なテレビの物語が紡がれるようだ。

物語は、NHK放送劇団・第一期生の老女が、後輩・五期生の女性のインタビューを受け、テレビ放送の黎明期を回想する形態で進む。技術も人材も未成熟で、試行錯誤の繰り返し。しかし 気概と活気に満ち溢れていたことが窺い知れる。そこには戦後の復興を願う人々の姿がある。
(上演時間2時間45分 途中休憩10分) 

ネタバレBOX

舞台美術は 回廊のような作りだが、真ん中の空いている空間も上手/下手から舞台板を動かし情景を作る。正面は幕、所々にあるハンガーに衣裳が吊るされている。NHKと刻印された箱馬、TVカメラや照明機材。上手の天井には傾いた円形(パラボラアンテナ風)。会場の高さも利用し、別空間を作る。ちなみに円形は太陽やブラウン管を表しているようだ。
下手に帝国放送効果団の演奏メンバー(ピアノ、アコーディオン、ファゴット、パーカッション、クラリネット)。上演前は設営音や喧騒が聞こえる。

金原が子供の頃、ハレー彗星の接近により地球滅亡といった噂が流れた。彼は 母に死ぬ前に何がしたいか尋ねた。「歌舞伎がもう一度観たい。(浜松から)東京へ観に行くにはお金がかかる。歌舞伎の方からこっちに来てくれれば」と。そして東京高等工業学校の入学式で恩師から「金鶏は無限に金の卵を産み、国の何処かに埋めた。国が危機に陥った時それを掘り出せ・・その金鶏が埋まっている場所は君達自身の胸の中だ。それを掘り出して国を救え」と、勿論アイデアのことであろう。

室内撮影は、光量が少ないとキレイに映せない。その熱量のため部屋は暑く、しかも人手不足でアナウンサーが映像関係の仕事を手伝っていた。スーツを脱ぎ下着姿で 上階から人形を操る姿が、滑稽であり奮闘でもある。この操り人形のパフォーマンスが秀逸で、無表情で、目だけは大きく見開き踊る。しかし強い照明光のせいで目を傷め、仕事を辞めざるを得ない といった苦悩もある。さて 幕に映した操り人形のシルエット、いろんな角度から映すが、それはテレビ撮影技法であり、ブラウン管のモノクロ映像。

多くの人に言葉を伝える仕事 アナウンサー、そのマイクを前に忸怩たる思いが甦る。戦時中、学徒出陣で戦意高揚をするような言葉を発した。また戦地で銃を撃った人間が人前で放送できるのか、そんな苦悩が付きまとう。一方、GHQの文化担当部署であるCIEとのテレビジョン放送を巡る議論が興味深い。今後の方向性について、CIEの意向を尋ねるが、先方からは自分たちで考えること。そこに敗戦国としてではなく自立を促すような示唆。戦地スマトラで、慰問のために行った素人芸の「白浪五人男(浜松に縁)」、しっかり日本の伝統芸能である歌舞伎が出てくる。

素人芸でも人の心は動かせる。この発想が、ラジオ放送 紅白音楽試合になり 今の「NHK紅白歌合戦」に続く。毎年 大晦日に行い続ければ、それは「文化」になる。CIEから敗戦国が「合戦」などと苦言を呈されるが、そこに黎明期の人々の気概を示す。
音楽劇として全16曲、希望者には歌詞が配布される。音楽劇だから、場景に応じて合唱や独唱で聴かせる。特に出雲喜代子役の金子侑加さん と 黒柏繭役の中野亜美さんは印象に残った。
次回公演も楽しみにしております。
音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前作「雑種・・」を観た同じ座・高円寺の広いステージで、前回は対面客席だったが今回は通常の一方向観劇。TV画面を覗く構図に似つかわしい。横に十一間、奥も六間はある。舞台ツラから二列目かのステージ台を両脇を残して外し、中央の一つは一列目も外し、上手下手両側に一間四方の台が可動式の台として場面ごとに動される(人一人が引っ張ったり押したりで動く。高さ1M程度だろうか)。その向こう一、二間あたりには巨大な白いレースが吊され、その手前全体がTVスタジオ、周辺の照明機材(本物)も舞台装置に馴染んで溶け込んでいる(照明係りの役が一度それを使う場面がある)。レースカーテンが切れた上部、客席からは遥か上を見上げる格好だが、キャットウォークにも人物が動く。実験放送に着手したNHK(日本放送機構)を管轄するGHQの下部機関CIE(?)の日系人トップが君臨するように歩く姿、またスタッフが糸操り人形を手板で操ったり・・。
上手のシーリング近い高さには太陽のようにデカいパラボラのような円の物体が吊るされ、ぼんやりと白く光る(これは照明を当ててそう見せている)。楽器隊は下手奥。Key、Dr、accord、ファゴット?、tpが入って五重奏と贅沢。
「音楽劇」と謳うだけあり、普段のあやめ十八番も生演奏の劇伴は劇全体に及ぶが、その比でなく、拍手ものの華麗な(レビュー曲のような)楽曲から、涙ものの胸熱の歌、他バリエーションはミュージカル並み(音楽劇との名称は控えめに感じる)。
C/Dの分数コード(の短三度上げ)のノリ(これは言葉で説明できん)が冒頭でポロリンと流れた時は「ほーらTVだよ」と無理に盛り上げ話に付き合わされる訳じゃあるまい、と一瞬警戒したがすぐに解消。戦中の回想をまじえた終戦直後が舞台のTV黎明期の話が、ありきたりにならず、戦争を都合よくドラマに利用しておらず(これには観客それぞれの感覚があるだろう)、史実を踏まえつつも遊び、と言って飛躍し過ぎず、芝居が紡がれていた。
自分はドラマの「甘さ」に敏感(否定的な意味で)なたちであるが、音楽的表現はそれを凌駕する事がある。これを勘案したらお釣りが出るほど高評価に値する舞台。

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