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『300年の絵画と鉄仮面の姫君』

『300年の絵画と鉄仮面の姫君』

KENプロデュース

萬劇場(東京都)

2025/02/20 (木) ~ 2025/02/24 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 若者、4人の活躍がグー。(追記2.28)

ネタバレBOX

 ストレート班を拝見。オープニングから歌を歌ったり作品の案内役を務めたりする女性が登場するが、節回しが微妙にずれているのが気になった。原因は、アラビア風の音程や節、音階と西洋流のそれらとの違いを明確に表現できていない所から来ているのだろうが、研究の要あり。また案内役の女性が"アラーの神“と表現していた部分は、かつて「クルアーン(コーラン)」日本語訳でアラーの神と誤訳されてきた歴史があるから致し方無い面もあるが、これは論理的にはトートロジーであり間違いである。何となればアラーはアラビア語で神という意味だからだ。
 物語はファンタジーの常として、また「アラビアンナイト」中の一話として表現されて居る為「アラジンと魔法のランプ」に登場するようなジンが登場し極めて大きな働きをするし、物語の展開する場所は砂漠を幾つか超えた所にある王国であり、平和で富み300百年の間繁栄を誇ってきたという前提である。然しその繁栄は絵画のジンと呼ばれるこの地最強のジンとの契約を守って来たことによって達成されてきた。その契約とは、年1度の祭日にこの国で最も美しい生娘を生贄として捧げるという約束であった。300年目のその娘は王の一人娘即ち王国の姫であった。
 今作に登場するジンは3体、各々その従者を持つが最強の絵画のジンには火、水、土、風4体の従者(無論、ギリシャの哲学者・エンペドクレスの唱えた世界を構成する四元素を下敷きにしている)、対抗する2体のジンの内絵画のジンに対抗し得るかも知れぬ暴れ者のジンに2体、指輪のジンに1体の従者がいる。後者2体のジンが姫を救う側に立った盗賊団・砂漠の風の4名の味方である。また舞台となる王国の王は絵画のジンに愛娘を差し出せないように計画を立てていた。東西南北から王子を招集し絵画のジンの祭日前に姫と結婚させる算段を付けていたのである。
 世界観として現代の科学に通じる元素に分解して世界を解釈するギリシャの思想を基盤に置き、方位を表す東西南北を用い、盗賊団のメンバーを4名に絞っているのも面白い。以上挙げたような要素が絡み合って展開する物語に愛が絡むのは物語の基本形ということができる。


ミュージカル・クエスト 『ゴールデン・リバティ』 / Takarazuka Spectacular 『PHOENIX RISING(フェニックス・ライジング)』

ミュージカル・クエスト 『ゴールデン・リバティ』 / Takarazuka Spectacular 『PHOENIX RISING(フェニックス・ライジング)』

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2025/01/25 (土) ~ 2025/03/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初めて宝塚を観たのですが、すごく良かったです。
歌やダンス、衣裳や演出、本当に豪華で目が釘付けでした。
1部はお芝居で、2部はショーでしたが、どちらも素敵で、目が足りませんでした。
トップスターの輝きとカッコ良さは流石でした。
あっという間に時間が過ぎて、大満足の時間でした!

ボンゴレロッソ 2025

ボンゴレロッソ 2025

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2025/02/19 (水) ~ 2025/02/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2度目のA.R.P.は前回と打って変わった物語のテイスト、絵柄(出演陣)。興味深く拝見。

ネタバレBOX

タイトルに「2025」とあるし過去作の再演なら劇団の特徴を表す作品かな、と想像逞しく劇場へ赴いたが、女性ばかりの元JKの同窓会のお話。語り手である二十歳そこそこの店員が三十歳になる店長が今日まさに同窓会を開こうとしている事を紹介。18年前憧れの教師(当時25歳位?)に告って交わした約束「30歳になってまだ自分を好きだったら結婚してやる」を実現するイベントとしてこの会を持とうとしており、舞台はその会場となる自分が店長をしているイタリアンレストラン。この設定が二人の会話で説明され、いよいよ同窓生が集うのだが、暗転の都度2,3人ずつ舞台上に現われ、近況報告がてら人物紹介、何度も暗転があって結局(主人公を除いた来訪者)12人が舞台上にひしめく。この人数の多さにまず笑ってしまう。
中心的なストーリーは、入院して来られなくなった先生のために、当時情熱をかけた文化祭でのパフォーマンスを再現する(バンド&ダンス)というもの。そこに立ち塞がるのが、メインボーカルだった優等生(同窓会の音頭も取った)の失踪(劇中では早々に仄めかされる)。その発覚が発表当日である(先生には配信で届ける段取り)。その背景である一人の元JKの高校時代から現在までの半生に分け入る事で、皆が空白の時間を共有する按配である。
さてこの劇では個人的に追求に値するテーマと考えている「音楽との融合」(音楽も演技もライブ)への挑戦があった点で心踊るものがあった。文化祭で披露したブルーハーツのある曲が最後に演奏される事は読める展開ながら、次第に焦点化されるその場面がついに到来し、ギター、ベースにはアンプを通して実際に演奏を披露する事となる。曲の中盤からダンスも加わり(演奏チームとダンスチームが人数的にほぼ半々)、「文化祭」の再現はドキュメントな要素を帯びる。(私的にはもっと生々しさ=ドキュメント性を濃く味わいたかったが、これは冒険である。)
演奏技術の巧拙はともかく(曲の情感を伝えるレベルではあった)、この挑戦には好感であった。
かしましい女子芝居、の範疇ではあったが、このサイズの芝居でこの人数(!)を巧く舞台上に配し、成立させていた。

願わくはこの作劇の着想の部分「18年前の教師と生徒の口約束」を本気にして今その時を迎えようとする女子、という「夢見がちな少女」キャラが夢潰えた時にどう変化するかも、人間ドラマとしては描いてほしかった。「ズベ公」とディスられ、反省する、という笑いオチになっていたが、彼女の「夢」が何か別の事情を回避するためにかこつけた代償であったとしたら、向き合わない不誠実、昔の恋を引っ張り出して来た(長い手紙を教師に送った)迷惑を「反省」、という事はあり得るだろうけれど、夢見る事は(子供っぽいと突っ込まれようと)全く悪くない。
また生意気な語り手が最初に「本当の主人公はこのズベ公の店長ではなく、こっち(失踪した女性)」と紹介した深刻な方の人物は、文化祭で彼女にこの歌を歌わせる事に先生がこだわった理由であった曲の歌詞(仮面を付けて生きる苦しさから解放されよと促す)を18年越しに受け止めたが、その場で笑顔になるハッピーエンドよりは、各人が三十路にあっても感じる人生の哀感と共に共有する、といったラスト、そこからの踊り!・・と行きたかった。単なる好みと言われればそれまでだが・・。

余談。当日パンフの写真付きリストの名前(+役名)が読めず、拡大コピーして役と顔の照合を試みたのが三日後だったが、全く思い出せず、役者名が上で役名が下、とは出演情報を参照して分かった(家永氏=加藤役、とは辛うじて思い出した...加藤加藤と連呼してたし)。特に店長役と優等生役、店員役、先生の今カノの名前は判りたかったが、この四人が全く分からない(役名も思い出せず、写真を見ても特定できない)。これがちと淋しい。役の「姓名」より役柄が書いてあると有難かったな(まァ写真を上げてるだけ親切ではあるが・・)
→画像検索してどうにか、中冨杏子=優等生役(とすれば、愛子=真の主人公)、中川ミコ=店長役(とすれば、あおい=表向きの主人公)らしいと絞り込めた。重石邑菜は生意気な店員役(とすれば、ひなた=語り手)かも。ちょっとスッキリ。
『300年の絵画と鉄仮面の姫君』

『300年の絵画と鉄仮面の姫君』

KENプロデュース

萬劇場(東京都)

2025/02/20 (木) ~ 2025/02/24 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「恋の魔法にかけられた 四人の若者たちの物語」…その四人が ロールプレイングゲームのように恋の話を展開していく。それを歌やダンス そしてアクションで観(魅)せるエンターテインメント作品。物語は、世界の童話集にあるような話を織り交ぜて描いているよう。そこに あまり教訓臭を出さず、逆に物語へ巧く溶け込ませ納得や共感を呼ぶ。

アクションシーンや群舞などが多いことから、舞台空間を広く観せる工夫をし、その魅力を十分に堪能させてくれる。また衣裳も華やかで魅惑的な ベリーダンスイメージである。そのダイナミックな動き、それを引き立たせる音響・音楽、そして照明の諧調が印象的だ。

少しネタバレするが、冒頭 シャハラザード(語り)が この話は眠りにつくまでの物語(枠物語の手法か)と言い、歌いながらその世界へ誘う。M-team(ミュージカル班)を観ているから頻繁に歌とダンスが披露されるが、皆うまい。タイトルから何となく想像できるが 妖(アヤカシ)が登場し、その魔法と「300年の絵画と鉄仮面の姫君」に込められた意味と謎が テンポよく明かされていく。序盤は冗長のように思えたが、妖が登場してからは面白味が加速する。
(上演時間2時間35分 休憩なし) 【M-team】 追記予定

Choco Late

Choco Late

伊達屋本舗

神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)

2025/02/21 (金) ~ 2025/02/24 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

中々のレア体験
準主役が、台詞を飛ばして台本を袖に見に行くといった 他の演者はその間を笑って何とかやり過ごしたものの、めっちゃ違和感…緊張も途切れた感じで、後味悪といった感じ
金返せレベルの体験でした🥲

ユアちゃんママとバウムクーヘン

ユアちゃんママとバウムクーヘン

iaku

新宿眼科画廊(東京都)

2025/02/21 (金) ~ 2025/02/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

何か変なリーディング公演だなと思って観ていた。横山拓也氏の「小説新潮」に書いた小説を講談師の神田松麻呂氏が絶妙の喋りで語り下ろす。ストーリーテラーであり、主人公・トラベルライターの「ジュンくんパパ」でもある。小学生の息子の所属するサッカーチーム「レアル岡町」。そのクラブマネージャーでもある「ユアちゃんママ」に橋爪未萠里さん。小説を講談師と俳優に託したら面白いんじゃないか、との試み。確かに何だかよく分からない新しい感触。

ドイツで本場のバウムクーヘンの食べ比べの仕事、硬くて甘くなくスパイシーで洋菓子っぽくない。その原稿をどう仕上げるか思案の主人公。締切が迫る中、息子のサッカーチームの合宿の下見の為、長野県戸隠にコーチと行かなくてはならなくなる。だがコーチが突然の高熱、代わりに駅にいたのは可愛くて魅力的な「ユアちゃんママ」。

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

艶笑コメディかと思っていたがラストまで来ると驚く。もっと描き込んだら映画になるネタ。成程、そういう仕掛けか。
『300年の絵画と鉄仮面の姫君』

『300年の絵画と鉄仮面の姫君』

KENプロデュース

萬劇場(東京都)

2025/02/20 (木) ~ 2025/02/24 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すばらしかったです。ミュージカル要素がかなりありすごく楽しめました。それにしても、女性陣、なかなか歌うまいですね。おみごとでした。衣装もすばらしかったし、劇団さんの力の入れようがすごく伝わりました。お姫様をめぐるバチェラーな展開よかったです^^

ミュージカル ボディ

ミュージカル ボディ

ミュージカル座

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2025/02/19 (水) ~ 2025/02/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽しかったと言う一言です。今まで私が見てきたミュージカル座の公演とは違っていて良い意味で何も考えず見れてあっという間に時間が来てしまいました。まだまだ見ていない作品がありますのでひとつづつ見ていきたいと思います。良い時間をありがとうございました。

ボンゴレロッソ 2025

ボンゴレロッソ 2025

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2025/02/19 (水) ~ 2025/02/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

これだけの数の女性キャストが舞台に揃うと、実に爽快ですね(これも男目線だなー)。芝居の方はちょいとややこしい展開でしたが、盛り沢山で大いに楽しめました。

ボンゴレロッソ 2025

ボンゴレロッソ 2025

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2025/02/19 (水) ~ 2025/02/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

女子高の同窓会を舞台にした、女性キャスト15人による公演。登場人物が多いものの、自己紹介シーンがあり、それぞれのキャラクターがしっかり立っているので混乱することなく楽しめました。
展開はある程度予想しやすい部分もありつつ、伏線の張り方や回収が巧みで、最後まで飽きさせません。
何より、言葉選びが楽しく、テンポよく進むストーリーが心地よかったです。
コメディ色が強く笑いどころ満載ですが、意外と(?)感動的な場面もあり、バランスの良さが光る舞台でした。
さらに、ダンスに歌、演奏シーンも盛り込まれ、エンタメ性たっぷりの華やかな公演でした。

オセロー/マクベス

オセロー/マクベス

劇団山の手事情社

シアター風姿花伝(東京都)

2025/02/21 (金) ~ 2025/02/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/02/21 (金) 16:00

座席1階

「オセロー」を拝見。山の手事情社の2本立ての一つで、もう一つは「マクベス」。シェークスピア4大悲劇のうち2つを扱い、それぞれ70分あまりというコンパクトな舞台に仕立てた。

山の手事情社のメソッドをたたきこまれている俳優たちの演技は、わかりにくいせりふはなく、発語もはっきり、ゆっくりで体に染み渡るように入ってくる。これはシェークスピア劇でもまったく変わらない。それどころか、スローモーションを見るような俳優の動きを含めたこのメソッドがぴったりくる感じだ。
狂言回しとして、愛する夫オセローに殺害される美貌の妻デズデモーナの「魂」の役を配置。真っ白なドレスを身にまとった女性が、静かに舞台を差配するところがとてもいい。
出世争いに敗れてオセローに憎しみを抱き、オセローを陥れようと画策するイアーゴーがいかにも悪役という風情で面白い。デズデモーナが息絶えるところも迫力があった。その「迫力」は激しい動きやせりふでもたらされるものでなく、スローペースかつ明確な動きで客席にもたらされるところが、見ていて熱波のような激しさだと思ってしまう。

客席には若い世代も多かった。山の手事情社のファンが育っているのだと思う。

『ストレイシープ』

『ストレイシープ』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2025/02/04 (火) ~ 2025/02/08 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/02/05 (水) 15:05

方向音痴だという女性に問われて親切心から案内した男性だったが何故か元の場所に戻ってしまい……という不条理な状況から始まる(一種の)ファンタジー。
その不可解さというか不思議さというかがどこか夢の中のような感覚だが途中でこの会場の特質を活かし会場中央の階段を下って階下に移動してからのパートが進むに連れてダークに転じ「そういうことか」と見えてきて切なくも面白い。
なお、比較的早い段階で「もしかしてそういうこと?」と予期したことが当たらずとも遠からず、こういうの、好きなんだなぁ。
それにしても「この会場ありき」の作品だけに、今後の再演が難しそうなのが残念。

幻滅

幻滅

劇団金馬車

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/02/08 (土) ~ 2025/02/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

上演時間が長い(約2時間)のに中だるみなく見れたのは、ホンが良くできているからか?暗転を使わずに一気に突き進む演出のおかげか?

ヨゴレピンク

ヨゴレピンク

スラステslatstick

駅前劇場(東京都)

2025/02/19 (水) ~ 2025/02/26 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

とあるバスツアーの設定で、トラブルに巻き込まれる?人たちのお話。小松台東よりだいぶソフトな感じで、登場人物の背景が見え隠れするさまが面白かった。露になるのは主人公女子2人だけど、女子あるある、もっとドロドロを期待してしまいました。人と人ごコミュニケーションしていくのに、距離感の計り方が苦手な人、世の中にたくさんいるから、ちょっと参考になるかな(ならないか)

ネタバレBOX

緒方さんの足元が気になって気になって、話が最初あまり入って来なかった…フリーダム過ぎるカメラマン最高です。
佐藤さんのキャラもいとおしい。
皆さんのキャラ、それぞれ分かるけど、もっと掘り下げてもいいかなと感じました。
ヨゴレピンク

ヨゴレピンク

スラステslatstick

駅前劇場(東京都)

2025/02/19 (水) ~ 2025/02/26 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

若き日のキラキラピンクの恋ではなく、ちょっと(かなり?)渋めのピンクの恋愛物語?
そうか、出会いはやはり偶然というのはなかなか無いからそういう設定になるのか。
さて・・・?
と思って見ていたら・・・

ネタバレBOX

チラシに書いてあったようなお話では無いと思えました。恋愛物語はどこまで行っても始まらず、そのまま終わってしまいました。
アフタートークで「チラシに書いてあったようなお話で無いと思うのですが」という質問があり、小松台東さんが「その点は本当にすみません」と答えていて、稽古が進むうちに変わって行ってしまったようでした。
とは言え、なんんともシュールな展開が面白かったです。
ボンゴレロッソ 2025

ボンゴレロッソ 2025

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2025/02/19 (水) ~ 2025/02/25 (火)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

猿若祭二月大歌舞伎

猿若祭二月大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2025/02/02 (日) ~ 2025/02/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「スケールの大きな『阿古屋琴責』」

 玉三郎が当たり役である阿古屋を東京では7年ぶりに再演した。

ネタバレBOX

 平家の武将景清の行方を詮議するべく庄司重忠(菊之助)と岩永左衛門(種之助)の前に召喚された遊君阿古屋(玉三郎)は、琴、三味線そして胡弓の三曲を弾かせ、その音色に乱れがなければ潔白を証明するという拷問にかける。

 相変わらず花道から出てきた姿はまさに女王の貫禄といったところで見るものを否が応でも源平の合戦の時代へ引き込んでいく大きなスケールである。三曲の演奏も掛け合いの三味線とよく合って惚れ惚れするような聴き応えである。特に最後の胡弓での微細にわたる高音に客席は水をうつかのごとく静まり返っていた。

 菊之助の庄司が手強く、種之助の岩永はおかしみがあって見ごたえのある一幕であった。
KUNIKO PLAYS REICH COMPLETE

KUNIKO PLAYS REICH COMPLETE

NPO法人芸術文化ワークス

横浜赤レンガ倉庫1号館(神奈川県)

2025/02/01 (土) ~ 2025/02/01 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「音の戯れに酔いしれる」

 パーカッション奏者の加藤訓子によるライヒのプロジェクトである。同日2公演で完全演奏となる会の昼の部、加藤のソロパフォーマンスを聴いた。どれもCD化されていない作品であり貴重な機会となった。

ネタバレBOX

 1曲目の「エレクトリック・カウンターポイント」はひとつのフレーズを執拗に繰り返すところに中毒性が生まれる。一瞬バチを落としたもののすぐに立て直したくだりでは思わずハラハラした。

 本来は6台のマリンバで奏でるところを、事前録音に合わせて加藤ひとりで演奏してしまうという「シックス・マリンバズ・カウンターポイント」が2曲目である。同じフレーズが徐々に位相をずらしていくところが聴かせた。

 鉄琴の音が特に印象に残る「ヴァーモント・カウンターポイント」を経ての終曲「ニューヨーク・カウンターポイント」でも音の戯れを大いに堪能した。
令和7年初春文楽公演

令和7年初春文楽公演

日本芸術文化振興会

国立文楽劇場(大阪府)

2025/01/03 (金) ~ 2025/01/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「大顔合わせの『九段目』」

 初春文楽公演第二部は「忠臣蔵」のサイドストーリーである加古川本蔵親子の物語である。

ネタバレBOX

 まずは加古川本蔵の妻戸無瀬(人形:和生/浄瑠璃:靖太夫)と小浪(人形:簑紫郎/浄瑠璃:呂勢太夫)母娘が由良助が暮らす山科へと向かう道中を描く八段目「道行旅路の嫁入り」から。清治ら三味線の合奏に酔いしれると浅葱幕が落とされて、行路の戸無瀬と小浪の姿がパッと舞台に映える。道中で小浪が見せる恥じらいを、簑紫郎と呂勢太夫がうまく見せた。

 さて、数ある浄瑠璃のなかでも特に難曲として知られる「九段目」に今日では最高の顔ぶれが揃った。まずは歌舞伎ではほとんど上演されることのない「雪転がしの段」で、祇園一力茶屋から太鼓持や仲居らを連れきこしめした体で帰宅した由良助(玉男)が、雪だるまを作って遊ぶ。奥から出てきた妻のお石(一輔)が入れた茶を飲み一子力弥(玉勢)が茶屋の人間たちを返す。そこから由良助が腹の底に隠していた忠義の意思を語る、この変化を玉男と睦太夫の語りがうまく見せる。七段目「祇園一力茶屋の段」の華やかさの余韻とここからの緊張をうまく見せる場面である。

 やがてやってきた戸無瀬と小浪がお石に力弥への縁談を請うものの受け入れられず、思い余った戸無瀬が小浪を大石家の庭で殺そうとする異様な場面となる。ここでは「鳥類でさえ子を思う」の浄瑠璃に和生の戸無瀬がうまくはまって一番の見応えである。お石が祝言を挙げる代わりに加古川本蔵の首を差し出せと戸無瀬に迫る場になって、虚無僧に身をやつした本蔵(勘十郎)が姿を表す。由良助が遊興にふける姿をなじる本蔵をお石が槍で突き刺そうするところ悶着となり、奥から出てきた力弥にわざと腹を突き刺させ、己の本心を告げるまでの巌のような大きさを勘十郎が見せる。今際の際となり奥から出てきた玉男の由良助との邂逅も、今日の人形遣いの重鎮二人の大顔合わせで大いに堪能した。
鏡男・実盛

鏡男・実盛

日本芸術文化振興会

国立能楽堂(東京都)

2025/01/24 (金) ~ 2025/01/24 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「問答が明らかにする武将の未練」 

 加賀の国篠原にやってきた遊行の上人(宝生欣哉)は、里人(茂山逸平)ら地元の人々から、説法の前後に独り言を言っていて不審がられている。上人にだけ見える老人(友枝昭世・前シテ)はかつてこの地で木曽義仲軍に討たれて命を落とした斎藤実盛の逸話を披露し、自分こそその実盛であると告げて姿を消す。夜になり念仏を唱える上人の前に姿を表した実盛の亡霊(友枝昭世・後シテ)は、白髪を黒く染め錦の直垂をまとった出で立ちでその壮絶な最期の様子を再現して闇へと消えていった。

ネタバレBOX

 友枝昭世の老人は、橋掛かりから「紫雲の立って候ふぞや」と本舞台の方を見て合掌する姿が哀切を極める。伴奏のない無音の空間で繰り広げられる上人とのやり取りは緊迫感があり、この二人が対話を重ねるごとに老人が自身の正体を明かすプロセスが明快である。ようやく始まった地謡の「幻となって失せにけり」で揚げ幕のほうへゆきかけるも、一度正面を切ってからゆくというプロセスが、実盛の此岸への未練をあらわしていた。

 後ジテの実盛の幽霊は前ジテから一転した勇壮さで驚くとともに、地謡とともに仏への信仰についての問答に迫力がある。馬上で手塚の太郎に討たれるくだりの勇壮さと嘆きが強く伝わって哀切極まるところであった。

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