最新の観てきた!クチコミ一覧

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愛の不時着

愛の不時着

宝塚歌劇団

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/01 (日) 11:00

数年前に話題になった韓国ドラマが宝塚に。
「絶対にあり得ない!」「それはないなぁ〜」とずっと思いながら観ましたが、ストーリー良く纏まっていたと思う。
沢山の方に観てほしいですが、人気公演なのでチケット難。

朧の森に棲む鬼

朧の森に棲む鬼

松竹

新橋演舞場(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/26 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/02 (月) 11:30

松也さんの主演バージョンを観ました
平安の物語とシェークスピアがしっくり馴染んでました

みえないもの

みえないもの

アンティークス

「劇」小劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

冒頭からページをめくる様にいろんなシーンに移り変わっていく
それらひとつひとつを受け止め、楽しんでいるうちにシーンのピース同志が繋がっていく面白味も加わっていくので、進むほどに世界観が深まっていくよう
案外終盤に近づくに連れて境界線を見失っていくような感覚になったものの、これもある意味狙いかもしれず、創り手の伝えたいメッセージはちゃんと届いてくるので決して心地悪さはない

生きていく中 辛い事がどんなにあっても、しっかりと感謝の気持ちや優しさを持ち続けている人の手で紡がれた物語だと思う
幸福感というのは決して嬉しい事 楽しい事だけで成立する感情ではないと気付かされる公演でした

みえないもの

みえないもの

アンティークス

「劇」小劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2024/12/04 (水) 19:00

価格3,500円

初日を観劇

ゴーギャンおやじ2

ゴーギャンおやじ2

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

グワイニャオンさんは二回目、とても面白く最後はスカッとしました!
横田基地は昔近くに住んでいて、飛行機の騒音とかも懐かしく、時代も私よりちょっと前ですが、過去の時代の色々が思い出され、必死に生きる人たちの姿が胸に染みました。

ネタバレBOX

悪い人を作らない演劇もいいですが、悪いやつとっちめるのも大好きだよな、って思いました。
おかえりなさせませんなさい

おかえりなさせませんなさい

コトリ会議

AI・HALL(兵庫県)

2024/12/05 (木) ~ 2024/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★

コトリらしい内容
ファンタジー感強いかな〰️
第8.5次世界大戦真っ只中の日本
燕とのハイブリッドになるか徴兵されるかの二者択一の情勢
家族(父母と子供👦1👧2)と子供たちの配偶者?やハイブリッドした(ハイブリッドすると人間の記憶が三割しか残らないというオプション付)人々と燕の家族が繰り広げる、生きていくこと(自分なりの生き方の選択)の大変さを描いていたと思うのだが…
悩んでおきます‼️

『晴耕雨読』

『晴耕雨読』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/28 (木) 15:05

雨の日に友人に自己の著作(と未完の原稿)を読ませる作家、という趣向で演じられる3つのの短編……ではあるがいずれも寸止めというか「で、それから?」なところで次に進んでしまってもやもやするが、作家と友人の場に戻り「ある秘密」を明かすと共にそれぞれの結末を提示する構造(往年の深夜ドラマ「ハートにS」を想起)が面白い。
なお、昨年の SPIRAL MOON 版は未見。

みえないもの

みえないもの

アンティークス

「劇」小劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すばらしかったです。舞台の最初のほうですべてのキャストが入れ代わり立ち代わりステージに現れちょっと情報整理に大変でした(←人間関係の整理にとまどいました)。が、その後、徐々に人間関係がクリアーになっていき「ああ、そういうことなのね」の連続でした。丁寧につくりこまれた舞台に感銘を受けました。

はんなま砦は夜更けまで

はんなま砦は夜更けまで

大統領師匠

駅前劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

大統領師匠初観劇。いやー、何だこれは。すっごく面白いではないか。セットの造り、音響も秀逸。

リフレクション

リフレクション

レイジーボーンズ

小劇場 楽園(東京都)

2024/12/03 (火) ~ 2024/12/11 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/05 (木) 14:00

座席1階

先人たちが書いているとおり、豪華メンバーだ。当初は道学先生の青山勝、JACROWの狩野和馬の二人芝居だったそうだが、いつのまにかシンガーソングライターの宏菜がアコースティックギターにオリジナルソングを抱えて登場する三人芝居になったという。台本はJACROWの中村ノブアキ、演出はOneor8の田村孝裕​。これが豪華メンバーの内訳だ。

冒頭がおもしろい。青山、狩野の二人が登場し「重大なお知らせがある。劇団道学兄弟は解散します」。ん?道学先生ならぬ道学兄弟とは。とにかくここから物語が転がっていく。小説家である原作者とテレビの脚本家。「これは自分が書いた作品ではない。書き直してほしい」。日テレの「セクシー田中さん」でも問題になったが、脚本家がどこまで原作に手を入れることができるのかはルールもあるわけでなし、未だに難しい問題だ。今作は両者が劇中劇として役者として演じながら、小説家と脚本家の丁々発止、そして宏菜を絡めた人間関係も加わるという3重構造の舞台となっている。これが、最大の見どころだ。

二人は二重の役柄を演じ分けるのだが、この早変わりを高品質の演技でこなしていくのがさすが、青山と狩野というベテランの妙味だ。さらに、宏菜のギターと歌が超絶うまい(プロなのだから当たり前かもしれないが)。いでたちは白いドレスに腰までかかる長い髪。その妖艶さを小劇場楽園という客席と舞台が融合したような小劇場で間近に鑑賞できる、ここももう一つの見どころである。
ただ、狩野和馬はおなじみの田中角栄を演じているときと同じようにものすごい声量だから、せりふが飛ぶたびにどきっとするのは心臓に悪いかも。

二役が回転ドアのようにクロスオーバーするという台本だけに、若干のわかりにくさはある。しかし、息をもつかせぬ90分の舞台体験は、先人たちも書いているとおり一見の価値がある。青山曰く、なぜかチケットは売れていないようなので、立ち寄ってみるのも悪くないと思います。

はんなま砦は夜更けまで

はんなま砦は夜更けまで

大統領師匠

駅前劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ルックスの良いのが揃ってる。6番シード系のエンタメ劇団。
主演の遊佐邦博氏は大泉洋っぽい三枚目。
大島朋恵さんは復讐に燃える狂った姉。
石塚みづきさんはジャミラ風の着ぐるみの腹から何でも食う化け物。
牢屋をすり抜ける斉藤有希さんは印象に残る。
音野暁(ぎょう)氏はヒールの怪演系。
ヒロインの橘沙穂さんは演劇部顔。
一人秀でたルックスと存在感の騎士、塩崎こうせい氏は作品の要。

筒井康隆の『パプリカ』、DCミニという装置を使って他人の夢(無意識)に潜入し精神の病を治癒するサイコセラピストの話。これを実写化したようなジェニファー・ロペスの映画『ザ・セル』。
今作もその流れで患者の精神世界に入って記憶を書き換える治療を行なう研究所が舞台。

ネタバレBOX

事故で昏睡状態の女性(橘沙穂さん)は大資産家の祖父の全財産の相続人。その金を狙った医院長(音野暁氏)は記憶を書き換えて目覚めさせようと精神潜入員(遊佐邦博氏と野口オリジナル氏)を送り込む。ガマズミという器具。
彼女の精神世界はファンタジーRPG調の中世ヨーロッパ、強固に築かれた砦を騎士達が守っていた。彼等は昏睡から目覚めると主に危険が迫ると、このまま眠らせておく為の自己防御本能のエス。
だが橘沙穂さんの姉である大島朋恵さん(現実世界では精神病者で事故による植物人間状態)が既に潜入に成功していた。彼女は父親から「脚が綺麗」と褒められたことを潜在意識にとどめており、彼女の念が強い場には脚が生えている。そして妹の恋人を誘惑し妊娠していた彼女。出産されずに事故で亡くなったその胎児の意識も「あみ子」(石塚みづきさん)として現れていた。

あみ子が母である大島朋恵さんを喰らい、強制退去砲で橘沙穂さんの精神世界から消える。意識を取り戻した橘沙穂さんは現実世界に帰還。ハッピーエンドに見せかけてもどうも彼女の正体は大島朋恵さんっぽい。そして遊佐邦博氏の口の中からは脚が生えてくるラスト。

ちょっと設定がぬるく笑いも半端な印象を受けた。
みえないもの

みえないもの

アンティークス

「劇」小劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「この世界は、みえないもので、うまれる」
私には見えないままかもしれないですが、素敵な物語でした。
追記はしたいですが・・・

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

カスタムプロジェクト

調布市せんがわ劇場(東京都)

2024/11/29 (金) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。推理形式観客参加型は、初めてでしたので楽しめました。推理ものが得意でない私は案の定外してしまいましたが楽しませていただきました!

沖縄戦と琉球泡盛

沖縄戦と琉球泡盛

燐光群

吉祥寺シアター(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

タイトルそのままの内容である。
坂手洋二は90年代から、一貫して政治的立場(支持政党という意味ではない)を明らかにして演劇を作り続けてきた演劇人でその演劇を上演する自ら主宰する燐光群もまたいくつかの他の作家作品もあるが、坂手作品を上演し続けてきた。出発は小劇場だから、旧党派的左翼演劇とは明確に一線を画し、ポジションを言えばいわゆる「リベラル・左派」といったところだろうか、旧弊としか言いようのない旧新劇の主流と異なる体制批判演劇を作ってきた。時代とともにスタイルも新しい。レッテル張りは坂手の望むところではないだろうが、その立場からいくつかの世に広く受け入れられた優れた作品もある。もともと素材の選び方も、芝居のつくりも「うまい」作家なのである。
坂手が推進した社会の現実の葛藤とその進むべき道筋にドラマを見るいわゆる「社会派」作品も時代とともにかわってきた。
ここ十年ほどは、中津留章仁。古川健。横山拓也、シライケイタ、と若い作家の台頭も著しい。彼らは、体制や政治批判に軸足を置くときも、坂手以前の作家が置いたように、敵役に安易に批判対象を置いたりしない。敵役もまたこの社会の中で機能を持っている現実をよく知っているからである。彼らは左右を問わず政治的党派の言説を鵜呑みにしたりはしていない。彼らは事実やデータを重視する。カポーテ以来のニュージャーナリズムに近い。
この坂手の新作は、根底に日本の琉球に対する長年の批判があるが、それを琉球の酒事情の事実から解こうとしている。ドキュメンタリ-演劇といったスタイルである。作家本人が酒好きだなと、思わせるところもあって、そういうところでは足を取られない長年ぶれずに作品を発表し続けてきた円熟さが見えた。
それにしても長年劇団を支え、最近ではテレビや映画のいい脇役が務まるようになった長年の戦友の俳優たちも年輪を重ねたなぁ。長い公演だがほぼ満席。


はんなま砦は夜更けまで

はんなま砦は夜更けまで

大統領師匠

駅前劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/04 (水) 19:00

名前は知っててベテラン劇団だが観るのは初めて。ファンタジーかと思ったら違って(ある意味ファンタジーかもしれないが)、SFチックな展開のコメディだが、シリアスな部分もあり面白い。115分。
 中心メンバーの遊佐邦博は電動夏子やサイコシス・かはづ書屋などで観てるが、今回は大島朋恵出演ということで観に行くことに。中世を思わせる「砦」が舞台のファンタジー、…、かと思ったら、全然違って、すぐにSFっぽい流れとなって、興味深い物語が展開される。笑わせる要素が多いし、実際笑うのだけれど、若干ご都合主義ながら深刻な要素も含み謎解きの要素もある、という見事なストーリーだった。変幻自在の美術も巧みな感じで楽しませてもらった。推しの大島は癖のある脇役、かと思ったら、超重要な役割を演じて、これもまた楽しい(コメディっぽい演技をする大島を観るのは何以来かなぁ)。

ポプコーンの降る街2024

ポプコーンの降る街2024

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日観劇、ほぼ満席。
現実と夢想を交差させ、優しくも切ないファンタジー作品。それは心の彷徨のようでもある。梗概は説明の通りだが、その謎めいたことを記すとネタバレになってしまう。当日パンフによれば、本作は1992年 文化庁舞台芸術創作奨励賞佳作を受賞し、劇団大樹では2005年に初演したとある。そして20年振りの再演にあたり、新たなシーンを追加し更に深みが加わっていると。初演を観ていないから何とも言えないが、タイトルや説明にある「ポプコーン」が膨らんで弾けたような…映画を観ながら食べた記憶があるが、その懐かしき味わいと香りがするよう。

登場する中で、名前があるのは探偵・野放風太郎と助手・タキ、それ以外は女・男・老人であり正体が知れない。この抽象的な設定が肝かもしれない。人物の過去や現在など背負っているものを明らかにしていない。唐突にして曖昧な出会い方、緩い関係性の中で謎を膨らませていく。そして絵画の人物とは という謎へ繋げていく。途中から だんだんと事情が分かってきて、言葉の端々から滋味溢れる物語が構築されていく。全体的に抒情的な印象だが、物語とその雰囲気を支えているのがアコーディオンの生演奏、とても好かった。

コロナ禍を経て不寛容・無関心といった世の中になったような気がするが、本作は未練と想いが しっかり詰まっている。それは人間だけではなく身近な動植物に愛と情を注いでいるよう。少しネタバレするが擬人化した猫、そしてアンサンブルとして踊る姿が愛らしく、しかも力強いといった感じもする。そこに過去だけではなく未来が…。
(上演時間1時間50分 休憩なし) 12.08追記

ネタバレBOX

舞台美術は、上演前にキャスタ付の衝立4枚、1枚はドアで他はレンガ壁。そこにHOTEL REGRETの看板が掲げられている。上手にはビールケースが積まれている。開演すると衝立を回転させ探偵事務所内の淡い壁とドアに変わる。要は衝立の表裏は、外観と内装を表している。事務所内の中央にソファ、壁に女性の肖像画が飾られ、上手奥には桜の木、その幹は太く枝は天井を這うように伸びている。下手に演奏スペース。

或る日、突然 サラダオイルを持った女が探偵事務所に入ってきて、風太郎に向かって「私の後をつけていたでしょう」と詰問する。自分をつけていた男の風貌と行動を並び立て事務所を出て行く。その女、壁の肖像画の女に似ている。それから頻繁に事務所に来るようになる。いつしか街に鳥籠を持った老人が現れる。しかし籠に鳥は入っていない。この鳥を探して旅を続けているという。

女が、風太郎に20数年前の消印がある手紙を示し、差出人を探してほしいと依頼する。ここから風太郎と女、そして肖像画の女の関りが愁いを帯びて紡がれる。2人は高校の同窓生、といっても風太郎(20歳)は夜間、女(17歳)は昼間で会ったことがない。2人は同じ座席、風太郎が机に推理小説を忘れ、それを女が読み興味を持った。いつしか文通を、そして会う約束をするが…。その待ち合わせ場所に向かう途中で、風太郎はバイク事故で亡くなる。物語は風太郎の夢オチのよう。風太郎は女一筋だが、女は恋愛を重ね 結婚する。そこに生者と死者の愛情感覚の現実的な違い。

風太郎の夢想の中に女が入り込んだのか、女も死んだのかは判然としない。ラスト 男がサラダオイルを買いに出たまま帰らない妻を探すよう 探偵事務所を訪ねてくるが 廃墟。物語の中で既に時間軸が狂っている。何となく〈浅茅が宿〉を連想してしまう。助手・タキは風太郎の飼い猫。既に20年以上生きている。一方 街に来た老人には生または小さな幸せ(青い鳥)を感じる。女が売春婦に身を落としても生きることが大切。同じ街で、死と生という人が抗えない宿命を描いている。
次回公演も楽しみにしております。
ポプコーンの降る街2024

ポプコーンの降る街2024

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日、観てきました。これは大人のメルヘンか?あるいはクリスマスの奇跡なのか?自分自身沢山の作品を観てきましたがこれは自分にとって新しいジャンルの作品でした。映画にでもなりそうな作品ですね。この団体さん次回作も観たいですね。





品川猿の告白 Confessions of a Shinagawa Monkey

品川猿の告白 Confessions of a Shinagawa Monkey

KAAT神奈川芸術劇場、Vanishing Point Theatre Company

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

一言で言えば、宣伝にあるとおり、幻想的なコミックミステリーである。世界的な人気作家・村上春樹の短編から、主人公が共通の二作を、KAAT芸術監督の長塚圭史がイギリス滞在中に見た英国劇団(Vanishing point)と、日英の俳優、舞台技術を出し合った共同制作の舞台だ。二作をつなぐ主人公は人語を解し語る大きな白い尻尾を待つ猿である。物語は、巧みな人形操作を伴いながらイギリス人俳優が演じるこの「品川猿」が、群馬の鄙びた温泉宿の湯男として旅人の前に現れるところから始まる。ファンタジックであり、同時に日本の風俗も生かしたユニークな発端である。この猿が、日本語を教育した先生の仕込みで音楽の好みはRシュトラウスと聞くと、これはきっと村上春樹流のブッキシュな趣向の心得が必要ではないかと身構えてしまう。
だが、(言葉の問題は後で触れるが)難しい心配はご無用で、旅人と猿は就寝時間になった深夜、ひそかに寝酒を楽しんだりする。この発端のエピソードと並んで、港区の高級住宅で、いつの間にか、かつてつけていた自分の名札から「名前」を盗まれたと訴える若い妻とその相談に乗るカウンセラーの物語が展開する。名札を盗んで人間になりたかった猿の犯行で、その犯人を現代の都会の地下の巨大な排水管で追うのが後半の展開である。
あらすじを追うと、荒唐無稽なファンタジックなコメディになるが、その仕掛けはうまく出来ていて面白く見られる。舞台は何もない抽象舞台から始まるが、設定は二つに絞られていて一方は、古来の日本の生活伝統を残す群馬の温泉宿、一方は日本の先端の住宅地港区の地上マンションとその地下である。そこに顕れる品川猿によって、この日本の現代人の生活がコメディになっていく。構成演出のマシュー・レントンはうまいもので、原作を生かしながら、スタイリッシュにテンポよくその世界を進めていく。品川猿に出会うことで、現代人が直面する男女関係や社会での人間関係の在り方は多面的だが、ツボを押さえていて笑いながら、見られる。
休憩なしの1時間30分。
演劇の国際共同制作は最近多面的になっているが、この作品は原作も舞台設定もツーリスティックな風俗的興味からスタートしていながら、その先に現代社会のテーマを見、しかもその謎解きサスペンスに人語を話す猿というユニークな登場人物を配することでコメディとしても成功している。
だがその中で、いつも共通の問題を上げれば、共同制作の言葉の問題だろう。今回は舞台の上部の黒い空間にすべてのセリフを英語と日本語で横書きに表示していくという手法で解決している。悪くはないが、やはり隔靴掻痒の感はぬぐえない。AI時代で最も演劇にとって有効なのは言葉の即時翻訳の発明だと改めて感じた。
来年はイギリスでも地方を皮切りにロンドンを目指すのだろうが、日本の宮崎駿ばかりがおもてはやされているロンドン劇界にも新しい日本発見をもたらすものと期待できる。



はんなま砦は夜更けまで

はんなま砦は夜更けまで

大統領師匠

駅前劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すばらしかったです。まず、舞台の装飾に圧倒されました。アート大好きな人には舞台の装飾に「細かいところにまでこだわってるなー」と感じるはず。そのぐらいよくできています。あと、音効さんがいい仕事されていますね。とくに、爆音がなるシーンでは「ここはIMAXか…」と思えるほどの音圧。舞台の内容もタイムリープものあるあるのわかりにくさがなくすごくよかったです^^

沖縄戦と琉球泡盛

沖縄戦と琉球泡盛

燐光群

吉祥寺シアター(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 小生、長年の不摂生が祟って今年は正月明けからアルコールにドクターストップが掛かっているが、今作が提示する深刻極まる沖縄の状況にも関わらず、泡盛を心底飲みたいと思わせる暗くなり過ぎない作品に仕上がっている。ベシミル!!

ネタバレBOX


 板上は天井から吊り下げられた3本の太い筒のような物体が3本。予算の関係で他の物(泡盛の瓶が立ち並んだ棚やカウンター代わりのテーブル、椅子等は場面に応じて適宜用意される)は、簡易な形態の物を用いている。沖縄の苦境を描くとこのような状況に陥るのかも。なんちって!
 ソ連崩壊以降のデタントで北方に展開していた自衛隊員の多くが対中国戦へとシフト。第1列島線に沿う形で殊に島嶼部である奄美から琉球弧全域に掛けてシフトしたのは気を付けている人々には自明のこと。今作では沖縄のことを描いている関係からであろう、鹿児島県に属する奄美のことには触れていないが興味のある方は調べてみると良い。何れも最大の被害を見込まれる地域の既存の条例等を日本国家というアメリカの属国が無視しアメリカの言うなりに対中国の最前線戦闘地域として機能すべく設定されているのは自明である。自衛隊員は定員割れが続き仮に日本政府が並べる御託通りにある時期戦闘が展開するにしても、中露が組めば核弾頭の数だけでもアメリカを凌駕するし、中国の現在の軍事費を観れば到底日本等の及ぶべき規模ではない。何れが有利か少し頭を冷やして考え直してみるべきである。イケイケで実際に戦闘状態になれば、第Ⅰ列島線状に連なる島嶼地域は再び地獄と化さざるを得まい。こんな愚を避けたい。そのような島民の切なる念(思い)を込めて仕次を繰り返し第2次大戦で失われる迄は200年、300年の古酒(クース)が保存されていた沖縄に再び戦禍が無いよう祈りのような作品である。つまり古酒が生まれる為には平和な世が続くことが前提となる。泡盛が古酒になる迄に親酒(アヒャー)となるものの他により新しい年の酒が理想的には4つ必要だ。最古のアヒャーを1とすると、1の甕から幾らかを飲むなりして減らし2の甕の酒を蒸散などを含めて減った分1の甕に移す。2の甕には3の甕から減った分を移す・・・と継ぎ足し混交して順次より古い古酒としてゆく。この過程で甕が割れるような戦が起こらないことが大事な条件の1つということになる。
 このように沖縄の平和を願う杜氏たちや泡盛を出す飲み屋等の関係者を縦糸に沖縄県東村高江へのヘリパッド建設反対運動に関わって高江に通っていた女性を織機の横糸を通す杼にして物語を自由闊達に編み込んでゆく。

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