ベルリン、わが愛
宝塚歌劇団
東京宝塚劇場(東京都)
2017/11/24 (金) ~ 2017/12/24 (日)公演終了
満足度★★★
ミュージカル『ベルリン、わが愛』は★4つ。原田さんの演出が、予想以上に面白かった。内容はシンプルだけど、期待以上でした。タカラヅカレビュー90周年『Bouquet de TAKARAZUKA』は★2つ。特にパッとせず。。。
勝手にPV
制作「山口ちはる」プロデュース
OFF OFFシアター(東京都)
2017/12/27 (水) ~ 2018/01/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
昨日久しぶり山口ちはるプロデュース作品観劇した
観劇する側と演じる側一つになり観劇するがも作品一つ、セットシンプル
照明使い方上手かった!
ダンス、歌懐メロで良かった
演出の仕方が考えてつかない方向から考えられていて、なるほどねて感じの表現しかた!
山口ちはるさん素晴らしい!
楽しい舞台でした
役者素晴らしい人ばかりで2,3回観劇したい作品です
プライムたちの夜
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2017/11/07 (火) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★★★
介護は肉親だからこそうまくいかないことがある。
そして介護には後悔がつきまとう。家族に先立たれた者も同じ。
テクノロジーが慰めてくれることもない。
プライムとは「 ′ 」のこと。舞台に登場する「アンドロイド」のことを指し、いわゆる「不気味の谷」のことを指しているのではないかと思う。
その「不気味の谷」を演じることで人間との違いを見せた役者が上手い。
そしてラストの不気味さ。
浅丘ルリ子さんの“普通にどこにでもいるおばあさん”ではない感が、翻訳物に登場するアメリカ人のおばあさん役にぴったり、とも言える。
ただ、どのタイミングでも付けまつげたっぷりお化粧バッチリなのは、少々違うとは思うのだか(笑)。
トロイ戦争は起こらない
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2017/10/05 (木) ~ 2017/10/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
運命は神が決めるのではなく、人が決めるのだ。
「戦争の門」は人の手によって開かれる。
それを人は押しとどめることができるのか。
ジャン・ジロドゥによって第二次世界大戦前夜に書かれた戯曲が素晴らしい。
彼が大戦前夜に感じたであろうヒリヒリ感が、トロイ戦争のそれと重なる。
戯曲のタイトルもとてもいい。
どの台詞も重く示唆するところは深い。
舞台上ではエクトール(鈴木亮平さん)とオデュッセウス(谷田歩さん)の対決に鈍く火花が散る。
ラストの演出は少々外連味すぎかも。
バイオリン一挺の生演奏もいいのだが、休憩前の1幕の終わり、バイオリンがまだ鳴っているのに席を立つ観客が多かったのは残念。
鳴り終わるまで1幕ではないのか。
ボーイ・ミート・ガール!!~凝り性のサンタ、苦労する~
ピヨピヨレボリューション
シアター風姿花伝(東京都)
2017/11/10 (金) ~ 2017/11/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
たたたた楽しすぎる!
ピヨピヨレボリューションを観るのは初めて。
この長さの作品でダンスシーンを見事に入れ込んだ。
そして、ダンスも上手い!
本公演も観たいと思った。
東理紗さんがとても良い。
キレのいい動きのmacoさんも良い。
この作品1本でこの2人のファンになってしまいそう(笑)。
やっぱり猫が行方不明
MU
シアター風姿花伝(東京都)
2017/11/10 (金) ~ 2017/11/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
あいかわらず台詞のエッジが効いている。
ネタバレBOX
日頃から短編鍛えているMUらしい作品。
あいかわらず台詞のエッジが効いている。
元の作品にベタな展開を入れ、笑い度はアップした。
ただし“黒さ”へのベクトルは少し弱めたのかも。
……とは言え「甲子園の土!」など変態チックなのは健在で、ついニタニタしてしまう(笑)。
妻役の古市みみさんの佇まいがいい。
天の敵
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/05/16 (火) ~ 2017/06/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
①今年一番👍観劇人生においてもトップクラス。今後何度も話題にするだろう作品❗
無駄がない。無駄かと思える二品の調理もしっかり回収。説明のようなモノローグを説明し過ぎず展開し、観客に預ける。想像させる豊かな幅に酔う。
ネタバレBOX
②今作にもノンクレジットだが、イキウメ作品のレギュラーともいえる「太陽」が活躍する。
銀河鉄道999の哲郎が求めた機械の体。生命の泉は浪漫だ。でも、かぐや姫のいない世界に意味はないと薬を燃やした帝。生きるとは。
③人は若さと美を追求する。人魚は美しい声と引き換えに、リスクも承知で足を手に入れた。愛する人との生活に関わる究極の命の選択。何を諦め何を手に入れるのか⁉常に観客に選択を迫る。静かなジェットコースターに乗せられている
ただいま おかえり
東京タンバリン
小劇場B1(東京都)
2017/06/29 (木) ~ 2017/07/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
⑪素敵な作品を生み出す人たちは、やっぱり素敵なのだと実感。いや、素敵な人たちだからこそ、素敵な作品を生み出すことができるんだな。生の舞台には作り手の人となりが表れる。
この人たち……本当に素敵❗
ネタバレBOX
①初日。心待ちにしていたという熱気溢れる満席。そのはやる気持ちを楽しませながら上手に導くプレ芝居(前説)の遠藤弘章さん、萩原美智子さん、三宅里沙さんが見事。
だから早めのご来場をオススメします。
②家族というコミュニティの一日は、そこから始まるのだな。「おはよう」「行ってきます」にまだドラマは無く、それぞれが一日を過ごしてきて、家族のドラマが始まる。あのね…それでね…が溢れてくるのが家族。
③作品の持つ質感にフィットした温もりを感じる美術。施された仕掛け。その演出のアイディアも、美術スタッフの技術も、機能させるキャストも👍それが二種類の転換を生み、思いを馳せ余韻に浸れる豊かな闇を与える
④家族でも友人知人でも心地イイ距離はある。身も心も。拗れて失われた距離感を修正するのは至難の技。そこには絶妙なタイミングの程よい外的作用が必要だ。見事なバランス(の外し方)で瓜生和成さんが刺激する👏 ⑤走馬灯のシーン(死なないけど)がイイ。たまらなくイイ👍家族愛のゲリラ豪雨を浴びた。人間の日々の生活の営みは豊かであることを再認識させてくれる。
大好きな長尾純子さんに心の深いところを掻き乱される😭
⑥サスペンスじゃなくたって、ドラマに意外性はご馳走。今作に忍ばせたご馳走は結構スパイシー。その衝撃に喉が焼ける。反目する母娘でも受け入れられない現実があり、長尾純子さんの狼狽が我が人生に被る。
⑦大切な人が大切な場所で誰かと過ごすのを知ったら何を思う⁉嫉妬…怒り…悲しみ…。その誰かが「いい子で嫌だった」は名言。若くて美しくて可愛くて無邪気でちょっとダメ…なタレント役が宮下かな子さんて最強💘
⑧宮下かな子さんが作品に殴り込みをかける。あの美貌で距離感の壊れた天然キャラは狂気の凶器😱『お点前…』同様、強力な飛び道具で、その破壊力は地球壊滅的レベル💣💥
東京タンバリン、見事なキャスティング
⑨大好きな人とのデートって、すっごく楽しみなのに、その時が近づいてくると何だか切なくなってきて……デートの最中にもう切なくてたまらなくなったりする。そんな気持ちの本日夜公演前😢
嗚呼…終わらないで💔
⑪素敵な作品を生み出す人たちは、やっぱり素敵なのだと実感。いや、素敵な人たちだからこそ、素敵な作品を生み出すことができるんだな。生の舞台には作り手の人となりが表れる。
この人たち……本当に素敵❗
⑫あんな風に人と接することができたら…という理想像。青海衣央里さんの白石が「喧嘩する⁉やっぱり喧嘩でしょう⁉」と茶化して和ませる。瓜生和成さんの緑川は「どちらの味方にもなれません。」と中立を保つ。
⑬家族と家庭の違いとは何だろうか。三人の親子の家族会議から、壊れていく家庭が垣間見える。一人になった大人の家庭とは…。
金色のドアノブで思い出の扉を開ける。そこに居るのは…居ないのは…。
⑭長尾純子さんは万華鏡❗場面ごとに違う無限のマスク。園児帽を被ってしゃくり上げ、🍮の魔法にかかる😊お母さんが大好きでムフムフお話しする小学生、受験勉強の様子…みんな愛しい。なのに…だから…切ない😢
⑮目は口ほどにものを言う❗これは視線のお芝居。見つめているのは愛しい人。愛しいが故に言えないこと、言い過ぎてしまうことがあって…みんなの瞳に『大丈夫、わかってるよ』が映る。視線のある場所にただいま。
⑯宮下かな子さんの青森弁がパワーアップしていた😁彼女が注ぐやわらかい視線が好き。会話を見つめるときにゆっくりと追う視線が何とも優しい。
これで、ピーラーや母娘のバトルシーンで困りの視線まで出たら😆
⑰本日千秋楽。演劇は儚くて愛しくて…。家族間の迷惑について考える。愛ある家族。周囲の人も素敵。幻だって素敵❗
いい人ばかりで、人生を信じられる作品。
⑱どうしても確認せずにはおけないと千秋楽へ。自宅と別荘、二度の母娘バトルで宮下かな子さんの困惑をキャッチ。彫刻のような美しさを持ち、素直で研究熱心。いいお芝居をするために貪欲で応用力が高い。大物だ👍
⑲走馬灯のシーンが素晴らしくて大好き…なのだけれど、父親の影がなくて切ない。我が人生を反省する😢
そして、緑のコイケさんと緑川さんを演じる瓜生和成さんが…ナナのパンチを受ける流れでジュンに見えて😢
⑳アサミの一人上手は境界線上。キミちゃんの温度の上げ下げ間違いはアクセルとブレーキ。ゾワッとする。
アサミが最後に帰宅を噛み締めるように言う「ただいま」を、最初のマイの「おかえり」が迎えてくれたよね 。
㉑青海衣央里さんの白石がイイ。人間て素晴らしいと思わせてくれる。あの明るさは幸せを呼び込む。婚約報告シーンにキュンとなる。仕事を越えてこんな風に付き合える友人を持ちたいものだ。
そしてうなじが綺麗💕
㉒🎶トロ~ウニ~タイ~トロトロタイ…🎵妙なラップがぐるぐる🌀回ってる。息子の嫁という絶妙なポジション。悪気の無い嘘をつき、隠し事を持ち、うっかり騙されちゃう、人間らしいハルカをミギタ明日香さんが好演
㉓兄弟って何だろう。長男て何だろう。この40年で日本の家庭のあり方は激変。家を継ぐ家長という感覚は薄れ、親と同居や近くに住むのは娘家族。森啓一朗さんが時代の変化を映し出す。ヤンチャな中学生に笑い。
㉔視覚の刺激は印象を左右する。照明の美しい舞台は感情の深いところに沈殿し永く心に存在する。別荘でひとり、じっと座るアサミの山崎美貴さんを、数秒で黄昏が包む。時の流れが胸をギュ~ッと締め付ける😢
㉕あの家族と集う皆さんが愛しくて、気分は親戚のオッチャン😅 高井浩子さんの描く家族の物語、人間ドラマにはヒリヒリする悲しみも潜んでいるけれど、それが人生。全て愛が飲み込む。人間を信じている人の作品だ。
㉖作家高井浩子さんの優しさが家電トリオにある。アオサの遠藤弘章さんが勇気づけ、アカネの三宅里沙さんが寄り添い、キミの萩原美智子さんが見守る。三人がそこにいるだけて安らぎ穏やかになれる。白雪姫の小人だ。
㉗今度あの家族と、いつ会えるだろうか😔
是非とも再会したい。何度でも再会したい。それから、あの家に集った人たちのそれぞれの活躍も目撃したい。
まずはaibookで緑川の瓜生さん。
ボタタナエラーで白石の青海さん。
そして『わのわ』の家電トリオ❗
㉘高井浩子さんの描く家族の姿がご馳走だ。なんとマサルの娘ヒナノちゃんの泣き声がマサル役の森啓一朗さんのお嬢さんというミラクル天使👶キャスト😆親子共演🎶
ザ・空気
ニ兎社
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/01/20 (金) ~ 2017/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
迫り来る見えない影、見えない敵。その圧迫感に息が詰まる。追い詰められた人間の目の前にある死への誘いと恐怖…いや、狂気。
俳優陣が素晴らしい❗見事に“らしさ”を発揮して、世界を立ち上げた。最も好きな俳優の木場勝己さんは最高に嫌らしかった。昇格した若村麻由美さんは女神😍
アトレウス
演劇集団 砂地
吉祥寺シアター(東京都)
2017/02/09 (木) ~ 2017/02/13 (月)公演終了
満足度★★★★★
①初日。開演時刻ジャストに開演。そんなことをわざわざ公言しなくてもやれることであり、当たり前であることを示してくれた。観劇予定の人は心して行くといい。
砂地が揺るぎなく砂地であることが嬉しかった。その上で、進化し、最上級の砂地を披露してくれた。至福の時👍
②暗い照明、静かに鳴り続けるノイズ、バケツの水の反射光……砂地らしさが生み出す張りつめた空気に酔いしれる。素晴らしい演劇の世界がソコにある。
開演してすぐにクライマックス。そしてクライマックスの連続。その疾走感に振り落とされないようにしがみつく。
③主宰の船岩祐太氏の今作における最大の功績はコロスの使い方。群衆ではありながら、個を際立たせたことで、言葉が力を持った。群衆というより民衆であり、社会の現状を表し、世論の力を示した。それを見事に具現化した6人の女優が素晴らしい。コロスあっての本作だ。
ネタバレBOX
①初日。開演時刻ジャストに開演。そんなことをわざわざ公言しなくてもやれることであり、当たり前であることを示してくれた。観劇予定の人は心して行くといい。
砂地が揺るぎなく砂地であることが嬉しかった。その上で、進化し、最上級の砂地を披露してくれた。至福の時👍
②暗い照明、静かに鳴り続けるノイズ、バケツの水の反射光……砂地らしさが生み出す張りつめた空気に酔いしれる。素晴らしい演劇の世界がソコにある。
開演してすぐにクライマックス。そしてクライマックスの連続。その疾走感に振り落とされないようにしがみつく。
③主宰の船岩祐太氏の今作における最大の功績はコロスの使い方。群衆ではありながら、個を際立たせたことで、言葉が力を持った。群衆というより民衆であり、社会の現状を表し、世論の力を示した。それを見事に具現化した6人の女優が素晴らしい。コロスあっての本作だ。④キャスト全員の声がイイ❗それもキャスティングの要素に違いない。アキレウスの藤波瞬平さんのクリアな美声に嫉妬する。一場の彼の格好よさは、まるで劇画だ。
高川裕也さんのアガメムノンの、君主としての選択が父親としての絶望であり、心を引き裂かれる思いに涙😢
⑤初日のMVPはエレクトラ。永宝千晶さんの憎悪の表出に背筋が凍る。その感情に澱みがない。憎しみ、復讐心、執着心……負の感情の呪縛。まるで『クリスマスキャロル』のスクルージに巻き付いた鎖のごとく、目に見えるようだった。あの男の死体に狂喜する狂気に震えた。
⑥アクセルを踏み込んだのはイピゲネイアの岩野未知さんだ。張りのある声で発せられた言葉が真っ直ぐに突き刺さってくる。戸惑いと悲しみと絶望……やがて自己存在価値……いや、死の価値を見出だしたある種の高揚が立ち上る。偶像化した美徳と潔さが、彼女の容姿に似合う。
⑦天乃舞衣子さん演ずる予言者カッサンドラ。罵倒されながら、起こるであろう惨劇を叫ぶ姿にジレンマと絶望が漂う。ポップでパンク(ヤンキー⁉)な出で立ちでありながらも滲み出るセクシーさは、死してなおエロティックだ。主宰するみそじんでの姿とは真逆にある。眼福😍
⑧生と死を結ぶ6本の血塗られた綱が絡まり導くのはあの世かこの世か…天国か地獄か。人はみな何かに翻弄されて人生をさ迷う。コロスが操る綱が民意であるなら、権力に怯まずに正義や倫理に鑑み声をあげる勇気を讃えよう。ならば、神の名誉をぶら下げられて萎えるのは収賄⁉
⑨2回目。見えないなら想像して❗天乃舞衣子さんの「神々~❗」に後光が差す。アガメムノンとコロスの応酬に向ける泳ぐ視線から不安が立ち上る。その対極にある、白いアレを脱がさせるエロティシズムが、葬られた🛀から突き上げられた白い脚によって神の領域に踏み入れた💘
⑩演劇はスリリングだということを再認識する素晴らしい作品。開演5秒で作品の成功を知る。
おかしくなっているのはこの世界の方で、恐ろしいのは神々じゃなくその下にいる人間たち…であるなら、コロスが軍隊のように踏み鳴らして回しているテーブルはきっと世界🌏だ
⑪コロスが担う大衆のシュプレヒコールはブンブン五月蝿いハエ。アガメムノンの妃のハウリングも同様なら、オレステスにもエレクトラにも届かない。「人間なのです❗人間なのです❗」神との違いを叫ぶコロスを“慈しみの女神”なる玉虫色の裁定は、まるで現代のバカな政治。
⑫父の目論見を知ったイピゲネイアの瞳から目が離せない。三人の娘の父である身には岩野未知さんの視線が突き刺さる。自分が定めた命の価値に囚われ自由を求める彼女の生きる術は…ちょっと可笑しい。逆にアキレウスとのやり取り…これは最上級のラブシーンだ。痺れた💘
⑬オレステスとピュラデスの葛藤はメロスとセリヌンティウスのよう。イピゲネイアとの三人の会話の滑稽さは作品に潤いを与える。そこにイピゲネイアの呪文⁉岩野未知さんの「ブッチョ❗」のパワーアップと「カリメーラ」の脱力との振り幅拡大にヤラレた。たまらんなぁ😁
⑭永宝千晶さんがエレクトラなのかエレクトラが永宝千晶さんなのか…もうわからない。彼女が発しているのは台詞じゃない。魂の叫びだ。その感情で言いたいことを言っている。だから噛むこともない。母を葬ったことに反発するコロスに戸惑う顔もリアル。弟帰還の歓喜もリアル。
⑮コロスの6人の女優さんが個性を輝かせている。団結したり対決したり…社会の縮図だ。皆さん声が素晴らしい❗
大好きな吉田久美さんの視線……目は口ほどに物を言う。彼女の視線の動き、その先にあるものを考えるだけで、作品の深いところに導かれる。景色を想像する。
フォトジェニック
鵺的(ぬえてき)
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2017/01/10 (火) ~ 2017/01/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
①初日。ノンクレジットで⁉そう来たか❗
複雑なプロットは正にウェルメイド👍
でも解り易い。観劇後もスッキリ。
②展開の巧妙さに引き込まれる。その世界に引き込む二つの手段が心憎い。一つは優れた映像効果。無声にしていることがより一層映像を際立たせる。被写体との距離感による圧迫感が緊張を増す。そこに登場するキャストから、鵺的のこれまでとこれからが浮かび上がる👍
ネタバレBOX
①初日。ノンクレジットで⁉そう来たか❗
その時、後ろ姿であの手👉だった。そう、確かにキミは中野駅のホームで見つめていた。
この相関図よく考えたなぁ。複雑なプロットは正にウェルメイド👍
でも解り易い。観劇後もスッキリ。少し解り易過ぎるくらいだ。
②展開の巧妙さに引き込まれる。その世界に引き込む二つの手段が心憎い。一つは優れた映像効果。無声にしていることがより一層映像を際立たせる。被写体との距離感による圧迫感が緊張を増す。そこに登場するキャストから、鵺的のこれまでとこれからが浮かび上がる👍
③二つ目は、美女4人がずっとそこに居ること。これまでもサイドの椅子に座って舞台上にずっといる演出を観たことはある。でも今回はもっと存在感が大きい。ただ、出番でないときはまるでマネキンだ。そこがイイ。彼女たちの視線は虚空を彷徨い、虚ろだ。闇が漂う。
④ずっとそこにいた4人が去り、代わりに掛けられたポートレイト。その中に歪んでしまった被写体が意味することを考えている。世界がビリヤードの球🎱のような関係性を持っているのなら、我々はもっと能動的に生きなければいけない…と思ってみる。
⑤奥野亮子さんの怯えがリアルを生み、諦めが狂気を深める。堤千穂さんの性悪ぶりっ子は一級品。『短編集』でのニットと白ジーンズの爽やかなのに陰ある感じが大好物だけれど、今作ラストの、状況把握できずに目を丸くしてる様子が堪らなくキュートだったりする。
⑥オカルト雑誌ライター役でとみやまあゆみさんが映像に登場しただけで嬉しくて堪らない。ご馳走様という気分。青山祥子さんのソノ姿…いや表情は、悲惨を突き抜けて滑稽。思わず笑ってしまう。あんな綺麗でスタイルがいいのに、根っからのコメディエンヌで笑える。
⑦小崎愛美理さんがソレを告白する狂気の表情はなかなかに殺気立っていてカッコイイ。そして…羨ましい。川添美和さんの、恐怖から第三者の無邪気さへの振り幅の大きさに畏れ入る。
⑧千秋楽。川添美和さんのモノローグに作品が凝縮されている気がした。物語の筋や展開もだが、空気感のようなものが詰まっているように思えた。三崎の怯えが世界をリアルに感じさせてくれた功績は大きい。彼女の次回出演作も拝見したい。きっと素敵に違いない。
⑨とにかく四人の女優さんのONとOFFの切り替えがスゴイ❗
奥野亮子さんのONのダメ女っぷりと挙動不審ぶりに感心する。そしてとても少女っぽかった。
堤千穂さんのOFFに表情が加わった気がした。演出なのか彼女の変化か…或いは無意識か。思いを廻らす。
⑩アフタートークも充実していた。主宰の高木登さんのトライアルに拍手👏 作品中の伏線や仕掛けの難易度が絶妙👍 解った感を程よく与えてくれて、解らなかった驚きや悔しさも程よく残してくれる。映像エピソードも面白かった。福永マリカさんの🚃ホームの👀に爆笑
⑪映像に散りばめられた仕掛けにビックリ。福永マリカさんがそんなところにも居たなんて👀❗
ただ、オカルトライターのとみやまあゆみさんの映像の中で、同じカットが2回使われていたことには気付いた😁👍
使われていた……はず……だよね😅
面白かったぁ。
ちょっと、まってください
ナイロン100℃
兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)
2017/12/09 (土) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
満足度★★★★
随分と昔に深夜にTV放送されたラジカルガジベリビンバシステムの公演を録画して繰り返し観たことを思い出した。あの時夢中で観てた不条理さと同じニオイがして、とても自分好みな内容だった。
最近の不条理劇とは趣の違う個人的な懐かしさというか、待ってました感が湧いてきて脳が痺れるような嬉しさを味わった。
メガネニカナウ3
メガネニカナウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2017/12/07 (木) ~ 2017/12/11 (月)公演終了
満足度★★★★
『1人多い家族』作・演 山本正典(コトリ会議)
おぉやっぱコトリ会議っぽい!と感じる不条理なコメディ。
言葉のチョイスがとてもいい!
『黒豆』
冒頭は石原裕次郎っぽい感じだった浜口望海さんの変貌っぷりがスゴイ。アフターイベントの時に近くで拝見したが、デカいしスゴイ迫力だったがちょっとアリかもと思ってしまった。終盤の丹下真寿美さんの大活躍はオモロかった。
『手塚先生、ネヴァーダイ。』
物語が次々と切り替わったり、ラストの展開など、とてもSFっぽい!とワクワクしながらも、細かい笑いどころも多く一番笑った。
ダークマスター大阪凱旋公演
庭劇団ペニノ
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2017/12/02 (土) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
満足度★★★
相変わらず洋食屋の作りこまれたセットには目を見張る。
一人ずつ用意されたイヤホンは2016年の時よりも格段に良くなっていてストレスを感じずに物語に埋没できた。緒方晋さんのクセ者感は声だけでもさすがだった。
2016年に観たとき、衝撃と不気味さを感じたあるシーンがカットされていてかなり印象が変わってしまった。
第25次笑の内閣『名誉男性鈴子』
笑の内閣
KAIKA(京都府)
2017/11/09 (木) ~ 2017/11/14 (火)公演終了
満足度★★★
セクハラ市長役の石原正一さんは普段拝見することのない役どころだけど声のデカさや恰幅のよさがピッタリだった。固いテーマが 思ってた以上に軽いタッチで描かれていて観やすかった。
登場人物がデフォルメされてはいるが、そんなに極端な主義主張でもないのが面白い。それに対する反証も突飛過ぎるものでもなく、ネット上の方がもっとカオスだなと。
関数ドミノ
ワタナベエンターテインメント
兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)
2017/11/10 (金) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★★
イキウメで観たときは非常にシンプルなセットだったが、今作は事故車が置いていたりセットが組んであったり、内容もより分かりやすかった気がする。ネガティブな主人公は、演じた瀬戸康史さんご本人のイメージとは全然違うのにとても合ってた。
悪い癖
匿名劇壇
AI・HALL(兵庫県)
2017/10/26 (木) ~ 2017/10/29 (日)公演終了
満足度★★★★
初めて匿名劇壇の本公演を拝見したのがこの初演で、とてもややこしい話って印象だったが、今回はそれほど感じなかった。あれもう終わり?っ思うほどとても短く感じた。
佐々木誠さんのチャラい感じがとてもいい。あぁいう役を拝見することが多いので、実際のところはわからないがあぁいう人だって思い込んじゃってる。石畑達哉さんの探偵はホントにスピンオフ作ってほしい。あのお金持ちのパジャマみたいな上着を着こなせるキャラはなかなかいない。
人間風車
PARCO / CUBE
森ノ宮ピロティホール(大阪府)
2017/10/20 (金) ~ 2017/10/22 (日)公演終了
満足度★★★★
前半かなりほのぼのしててホラーである事を忘れて観てたが、ある時点から空気が一変。成河さんのエグい描写の語りが上手すぎて、聞いてるだけでやーめーてーってなったわ!血が飛び散る訳ではないのにとても血生臭く嫌な気持ちにさせられる。大王、やっぱり凄い人だ!
エグい描写が具体的で細かく嫌なツボを的確に突いてくるから、語りだけで充分に想像力を刺激される。ミムラさんへのアノ描写は、実際の場面より語りの方が怖かったくらい。
まさか群馬水産高校の名前が出てくるとは思わなかった。心の中で群水校歌を歌ってた人は少なくないはず。
チョップ、ギロチン、垂直落下
劇団子供鉅人
HEP HALL(大阪府)
2017/10/17 (火) ~ 2017/10/23 (月)公演終了
満足度★★★
内田理央さんが出演されてることで話題になってることが、劇中のマンモス稲子の待遇とダブってみえる。
「光あるとこに影あり」ではなく「影で支える人あってこそ光輝ける」
ヒールに徹するマンモス稲子の健気さがたまらない。
晴れ間・触れただけ
りゃんめんにゅーろん
Cafe Slow Osaka(大阪府)
2017/09/29 (金) ~ 2017/10/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
短編1本と、3つのリンクする短編で構成される1本。いずれも2~3名での会話劇でBGMには生ギター。初めて拝見した劇団だけど、とても自分好みな雰囲気のお芝居で次回作も絶対観たくなった。
ずっと眺めてていたくなるようなお芝居で、緩すぎず、甘すぎず、熱すぎず、キツすぎず、ちょうど良い人肌のような感じ。
「晴れ間」
会社の経営危機で地方事務所にリストラ通達にきた本社社員と事務所所長の会話劇。
本社のデキる社員役での山本裕也さんが香川照之さんに観えてくるくらいキレ者だった。降りかかる奇妙な災難にビビりながらも迅速かつドライに対応されてたのが面白い。
「触れただけ」
さっきのデキる男役だった山本裕也さんが、今度はダメ兄貴で出てて、役の切替えのすごさに驚く。3つの短編がどれも男性が女性に翻弄される様が描かれており、バカだなぁと思う反面、わかるわーと男性側の肩を持ちたくなることが多々あった。
東千紗都さん演じる援助交際する女子高生と、本気で付き合いたいと迫る40代男性役のとだ直史さん。意外とあっさり受け入れながらも、試すような言葉を次々と投げかける。この子のホントの気持ちは一体どこにあるのかと、あの男性と同じ様に翻弄された気持ちで観てた。
突然ドキっとするような言葉を投げておきながら、途端に覆す。こっちの気持ちは置いてけぼりになってるのに、また意味深な言葉で翻弄し、突き放す。引いてみるとこいつめんどくせぇなって判るんだろうけど、渦中にいると飲み込まれちゃってもうココロがグラグラする。
一瀬尚代さんと神藤恭平さんの昔付き合っていた同士って設定が微妙な関係でドキドキ。完全に気のある素振りなのに突然否定するし。一瀬さんの掴みどころがなくどこか浮遊してる感と、そんな女性に心揺さぶられる神藤さんの揺さぶられそう感との組み合わせがとてもいい。