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零れ落ちて、朝

零れ落ちて、朝

世界劇団

三重県文化会館(三重県)

2025/04/12 (土) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい、です。圧倒的な俳優の身体と、リフレインする台詞に、中盤から一段とのめり込みました。同じく拝見したという方も、傑作!と。広島での上演はとても意義深かったことと

タナトスの棲む町

タナトスの棲む町

藍星良Produce

Studio twl(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。自分自身と向き合った自己分析・内省や人間観察、それを色々な形の「愛」や「恋」を切り口に描いた心象劇といったところ。その解ったような解らないような曖昧模糊とした感情を具象化しようとしている感じ。たびたび出てくる台詞「人は二度死ぬ。一度目は肉体の滅び、二度目はその人のことを覚えている者が誰もいなくなった時」だと。人が生きることとは、そしてその存在とは を劇中で語られる哲学的・心理学的とも思える台詞によって印象付ける。この公演、小難しい台詞もあるが、人の心の奥底にある魂の叫びのようなものを感じる。それを どう舞台化するのか腐心したようだーそれが舞踏と語り。

冒頭は、2人の妖艶で幻想的な舞踊から始まるが、物語の途中でも突然 舞いだす。この舞い手こそ心にある二律背反の感情の表れ。1人(紫苑)は黒を基調とした衣裳、もう1人(茜)は白っぽい衣裳で、交差した時などは対照が際立つ。愛は男女の交わり(性)から始まり、この世に生を受ける。人は何らかの形で他者の評価を気にして生きている。人の肉体は滅んでしまえば忘れ去られるが、その評価(業績等)は後世まで語り継がれる。その意味で芸術は直接的に生き甲斐を感じることができる。物語は演劇活動を行っている者たちを描いており、まさに等身大の人物が息衝いている。
(上演時間1時間40分 休憩なし)【Lycoris】 

ネタバレBOX

舞台美術は、紗幕を正面そして上手/下手の壁に向かって斜めに張る。やや下手寄りに丸テーブルと椅子2脚。もともとあまり広いスペースではないこと、そして舞踊を行うため空間を確保している。この舞踊、感情というか人の内面、外面を擬人化したような存在で、その語りが己の選択を…そして物語に潜ませたサスペンスのようなことと相俟って不思議な魅力を漂わす。

物語は、劇団を主宰している穹良が恋人 翔太の死を嘆き落ち込んでいる時、墓参りで彼の妹 凪と再会したところから始まる。人間は恋愛に狂うこともあれば嫉妬に狂うこともある。その持て余した感情の はけ口はどこか。凪は、兄 翔太を慕っており穹良に良い感情を抱いていない。そのことを知らない穹良は悲しみを共有するかのように劇団の脚本家 四宮を紹介する。凪は四宮に惹かれ親しくなっていく。一方、穹良も四宮を頼りに…。後世に残したい「作品(脚本)」作りに集中している四宮、その彼を巡る2人の女性の愛情と嫉妬、そして自分は何者なのかを自問自答するような懊悩が心を揺さぶる。

劇団には雨華という女優と映像で活躍している東雲という男優、その2人が等身大の芸能(劇団)人物像を立ち上げる。台詞に込められた意味を理解しようとする真摯な姿から多少スキャンダラスなことをしてでも有名になりたい。先の三角関係の重苦しい関係とは違い、あっけらかんとした乾いた感覚が対照的に描かれている。そして、こちらも肉体関係を重ねるが深みにはまらない。その愛(感情表現)の違いは何であろうか。
人はいつか死ぬ、翻って それまではどう生きるかが問われている。昨今 注目され出した?死生学、まさに愛の形を切り口にした死生観を描き出している。

俳優陣は総じて若いが、性格と立場をしっかり立ち上げている。特に、舞踊をしながら2人の語りが哲学的であり、物語を奥深いところまで導いてくれるよう。この演出が妙。幻想的であり、時に妖艶な肢体をくねらし(婀娜やか)性的な匂いを漂わす。同時にピアノの力強く弾くような曲が流れ、感情のうねりを感じさせる。死を意識した生、その生き甲斐が男と女によって少し違うような、そんな微妙な感情も垣間見える好作品。
次回公演も楽しみにしております。
鎌塚氏、震えあがる

鎌塚氏、震えあがる

森崎事務所M&Oplays

世田谷パブリックシアター(東京都)

2025/03/30 (日) ~ 2025/04/20 (日)公演終了

実演鑑賞

『鎌塚氏』シリーズの第7弾公演。舞台に限らず、オリジナルIPを人気シリーズに育てるのは簡単なことではなく、今シリーズの成功も内容の充実が伴ってこそ。ドラマと俳優で観客を魅了し、随所でしっかり笑わせる、良質なコメディだと感じました。

ネタバレBOX

シリーズものなので、過去作を知るファンが期待する「定番ネタ」もありつつ、初見の観客も置いていかない細やかな配慮を感じます。「この俳優が出演するのなら、こういうシーンを創ろう」という意図が明確(に感じられた)なので、ある種の見易さも伴い、そういう意味でも丁寧な上演だと思いました。個人的には池谷のぶえさんの存在感に(これまで何度も感服していますが)とても感服しました。本当に「底が見えない」舞台俳優さんです。
嵐 THE TEMPEST

嵐 THE TEMPEST

俳優座劇場

俳優座劇場(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/04/19 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第一幕75分休憩15分第二幕80分。

素舞台、というよりも観客に見せたいのは取り壊される俳優座劇場そのものだ。がらんどうのステージ、小道具はそのまんまの箱馬。剝き出しの生身の劇場に役者陣が登場。平体まひろさん演ずる妖精エアリエルの「ドーン!」からスタート。そこは暴風吹き荒れる大海原、荒れ狂う大波、叩き付ける雨粒、右に左に船体は軋み天地は逆さま、為す術もない木の葉の如く弄ばれる船の上。混乱と恐怖、狂乱と混沌、パニック状態の乗客と船員。それを嘲るかのようにエアリエル率いる6人のニンフ(精霊)達が愉快に歌い踊っている。(サロペットのワークマン女子みたいな衣装)。

ミラノ公国の大公、プロスペロー(外山誠二氏)は魔術の研究に没頭する余り、政務を弟のアントーニオ(浅野雅博氏)に任せっきりにしていた。アントーニオは敵国ナポリ王アロンゾー(藤田宗久氏)と謀り、プロスペローと幼い3歳の娘ミランダ(あんどうさくらさん)を船に乗せて追放。流れ着いた絶海の孤島で二人は12年間何とか生き延びた。到頭魔術を究めたプロスペローは妖精エアリエル(平体まひろさん)、半人半獣のキャリバン(藤原章寛氏)を従え復讐の幕を開ける。

平体まひろさんのファンならば今作は必見。まさに彼女が彼女たる所以、歌も踊りも演奏も魅力いっぱい。劇場中をヘトヘトになるまで走り回る。ライアーハープの音色。日高哲英氏作曲の歌が印象的。「ドーン!」
ニンフの一人、蟹澤麗羅さんが大家志津香っぽかった。
のんべえの執事、ステファノー(上杉陽一氏)の佇まいに観客大受け。十八番。
ヒロイン、あんどうさくらさんは原日出子や倉沢淳美の若い頃っぽい。登場から涙ぐんでいた。

主演・外山誠二氏は我儘な頑固爺、魔術を使って好き放題のイカレっぷりはトランプのようでもある。この老人の癇癪に付き合わされて皆ヘトヘト。

ネタバレBOX

前半、音が散乱散失して台詞が聴き取りにくかったが、何かこれも狙いなのかなあと。野っ原の素舞台で演し物を眺めている感覚。説明調の台詞が延々続きぐだぐだの展開。続々と居眠りに落ちる観客達。ああ、後期のつまらないシェイクスピア劇って感じ。それが段々と味になる不思議。平体まひろさんが奮闘して劇場中を駆けずり回り何とか盛り上げようとする。第二幕では復讐に燃えていたプロスペローの気持ちが和らぎ萎えてゆく。許したい、自分の心をも平穏に戻したい。シェイクスピアは今作を最後に引退したとされている。400年以上前の作家の心持ち。どうにかハッピー・エンドを、自分の心のハッピー・エンドを。かなり無理がある強引な手綱捌きの展開だがそれすらも俳優座劇場ラストにふさわしい。何もないステージで観客に心からの拍手を求めるプロスペロー。どうか赦してくれ、貴方達自身をも。

※エアリエル率いる6人のニンフ達は夢の遊眠社っぽい。
グッバイ、レーニン!

グッバイ、レーニン!

パルコ・プロデュース

キャナルシティ劇場(福岡県)

2025/04/05 (土) ~ 2025/04/07 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/07 (月) 13:00

座席1階K列20番

価格12,000円

 「グッバイ、レーニン!」とは、何とまあ、挑戦的なタイトルだろうか。現代日本においては何の問題もなく通るだろうが、未だ旧ソ連の影響色濃い国では上演禁止運動くらいは起きかねないと思う。
 しかし、上演すること自体には問題なくても、これを日本で大ウケさせるには相当苦労することが、予想される。何となれば、東西ドイツ分断と統一、その過程におけるトラブルを描いたこの喜劇、あのベルリンの壁崩壊から36年を経て、歴史がすっかり風化した現在では、何がどう笑えるのか、ピンと来ない人々も少なくないと思われるからだ。
 これ、冗談で言ってるわけじゃないからね。学校でドイツの歴史くらいは習ってるじゃん、と言われそうだけれど、実際、観劇後、退場していく20代と思しい若い人たちが口々に「よく分かんない」「レーニンって誰?」って漏らしてたから。
 彼らにとってはドイツ統一がどんなに世界的な大事件だったかもまるでポカーンだし、舞台の背景でレーニンが大写しになっても、それが誰なのかハテナってのが大半なのである。せめて原作映画が公開された2003年直後に舞台化されてたらねえ。

 若者の常識知らずに憤慨したって仕方がない。わが国の歴史だって、太平洋戦争で日本がどこの国と戦ってたか知らない、なんて若者が普通にいるのである。時代の変遷、歴史の風化ってのはそういうものだ。

 若者には内容が難しいなら、前提となる歴史を噛み砕いて説明するオリジナルなシークエンスくらいは付け足したってよかったのに、というご意見もあるだろう。しかし今回の演出では、そういう「親切」を今一切行われなかった。
 そりゃそうだろうねえ、「常識知らず」は観客の問題であって、舞台の作者に責任のあることではない。初めから観客には理解が足りないだろうと決めつけて優しい配慮を施すってのは「余計なお世話」というものだ。
 そもそも戦後の東西ドイツの問題について何の知識もないのにどうしてこの芝居を観に来ようと思ったのかって話なので。

 結局、お客さんの大半は、「生の相葉雅紀くんを観たい」程度の関心に過ぎなかったんだろう。それで舞台がつまらないと感じたなら、それはそれで仕方のないことだ。自分には「合わない」芝居を観ちゃったんだと諦めるしかないことだよね。

 勘違いしてもらっては困るが、『グッバイ、レーニン!』の物語自体は文句無しの傑作である。シリアスな政治ドラマとおバカなスラップスティック・コメディが見事に融合し、笑って泣ける悲喜劇としての完成度は極めて高い。オリジナルの映画がドイツで大ヒットを飛ばしたというのも納得できることである。
 舞台化に当たって多少の瑕瑾は生じていると思うが、見る価値のない舞台だなどとは絶対に言えない。普通に常識のある方は、ぜひオリジナルの映画版をご覧になっていただきたいと思う。

ネタバレBOX

 『グッバイ、レーニン!』の何が面白いのか。
 まず、社会主義国家である東ドイツと、自由主義国家である西ドイツ、両者が統一されたと言っても、東が西に統合されたのがドイツ統一なのであって、もしもそれが全く逆で「西が東に吸収されて社会主義国家になってしまったら」という架空歴史の嘘、この面白さがある。
 SFファンなら全国ご承知、『高い城の男』やら『連合艦隊ついに勝つ』等々、1ジャンルを築いているパラレルワールド=ウソ歴史コメディだね。もしも歴史が別の方向に転んでいたら、という発想には、歴史の「過ち」を修正したいという読者や観客の願望を叶えてくれるカタルシスが含まれている。『機動戦士ガンダム ジークアクス』もそう。連邦軍じゃなくてジオン軍が勝った歴史、なんてまんま『グッバイ、レーニン』だ。

 さらにそのウソを、ガッチガチの社会主義者である主人公の母親に信じさせようとする主人公たちの奮闘が物語の主軸となっている。
 これまた喜劇の王道、ニセモノをホンモノと見せかけて騙す詐欺師もののパターンの変形だ。でも今回はそれが「社会そのもの」の変革を誤魔化すという、壮大なウソで押し通そうというのだから、相葉くんの苦労のほどたるや(笑)。
 これ、日本を舞台に翻案出来ないものかな、ってちょっと考えたんだけど、日本がいきなり社会主義国家になりましたって言っても、信憑性、説得力がないからね。『愛国戦隊大日本』みたいに徹頭徹尾おふざけでやるしかない。『グッバイ、レーニン!』の母親みたいに、しみじみと涙をそそる結末には至りそうにないのよ。

 西側陣営の象徴とも言えるコカ・コーラを目にした母親がショックを受けると、慌てた相葉くんがコカ・コーラ社がドイツの国営企業になったんだとありえないウソをつくのなんて、大爆笑だったんだけど、会場ではあまり笑いが起きてなかったね。
 若い人にはどんだけおかしいかも分からないのだった。

 不満と言えば、まあ、キャストが全員ドイツ人には見えないってことだけれど、これはまあしょうがない。ただ改善点はいくらでもあって、例えば、息子役の相葉くんと、母親役の堀内敬子さん、年齢差が11歳しかないのね。実際、堀内さん、相葉くんの母親にしては若過ぎる印象で、これはキャストをもう少し歳上の方にして欲しいところだった。
 全員日本人の中で、トリンドル玲奈だけが外国人顔であるのもかえって違和感がある。いくら演劇が「見立て」で成り立っているとは言っても、人種をごたまぜされるとやはりどうしてもどこの国の話やねん、という印象を持たざるを得ない。次回、再演があるなら、全員外国人キャストで演ってくれないものだろうか。

 今どきの観客に内容が伝わりにくいというネックはあるけれど、これは定期的に公演を繰り返して欲しい秀逸な舞台である。キャストが変われば、新たな魅力も生まれることだろう。パルコには一考を望みたいが、若い人の反応が鈍いと難しいかなあ。CoRichでの感想も全然だしね。

●パルコ・プロデュース2025『グッバイ、レーニン!』
https://stage.parco.jp/program/goodbye-lenin
カフェオレ

カフェオレ

相州雅屋×溝ノ口劇場

溝ノ口劇場(神奈川県)

2025/04/09 (水) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/10 (木) 19:30

チームお地蔵を観劇させていただきました。コンパクトにまとまっていて、ほっこりするストーリーでした。

月曜日の教師たち

月曜日の教師たち

Cucumber

ザ・スズナリ(東京都)

2025/04/03 (木) ~ 2025/04/15 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/10 (木) 14:00

劇作家で演出家で俳優の5人に、若手俳優1人を加えたチームによる芝居。
期待通り達者な台詞でクセ強めのキャラも面白い。
これで”センセイ”かあ...、という人ばっかりが出てくる第七中学の休憩室が舞台。

ネタバレBOX

テーブルと椅子もあるけど、小上がりみたいな畳のスペースもあって
居酒屋か夜勤スタッフの仮眠室みたいな、のどかな雰囲気の休憩室。
ここに、常に休憩中みたいな教師たちが入れ代わり立ち代わり出入りして騒動が起こる。

軽いドタバタだがキャラ設定は面白く、台詞の絶妙な間に何度も笑いが起こる。
そこに人生の哀愁やほろ苦さ、切なさが描かれるのをつい期待してしまうが、
そこまでの味わいや毒っ気はない。

作家さんそれぞれの個性を際立たせた小品を、オムニバス形式で観せる!
なんてだめなのかしら?
ほろりとさせたり、矛盾を突いたり、怒りを爆発させたり、いろんな教師が出てきて
面白いと思うけれど、そもそも”徒花”と銘打っているのだからこれで良いのかも。

若手俳優の荒澤守さん、タッパも華もあって素敵でした。
爽やかな若者も、すんごい悪い奴も、どんどんやってください!
龍と虎狼ーepisode SOUJI-

龍と虎狼ーepisode SOUJI-

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前に「龍と虎狼-新撰組 Beginning-」を観劇したが、それにリンクしている と言ってもこちらが先になるような物語だ。説明では「何故、総司は人を斬ることになったのか、その背景となる過去を『龍と虎狼』シリーズのフィクションで描く」とあるが、沖田総司のエピソード0(ゼロ)として、その心情を巧く立ち上げている。勿論『龍と虎狼』シリーズを観ていなくとも十分楽しめる。

物語に明確な前半と後半があるわけではないが、何となく後半 特に見せ場である殺陣はスピードと迫力がある。その中心にいる沖田総司役の市瀬瑠夏さんは、凛々しい青年剣士として殺陣はもちろん所作もキビキビしており美しい。顔立ちも憂いを帯びているようで孤高の剣士というイメージ。少しネタバレするが、稽古(練習)では強いが真剣(本番)では力を発揮できない。その心情を薩摩藩士 西郷信吾(西郷隆盛の弟)とも重ね、心も体も そして剣術も強くなければ生き残れない、そんな激動の時代に生きた青年像を立ち上げている。物語の肝もそこにある。

物語は新撰組の前身ー壬生浪士組と名乗っていた時、京都の情勢を探るため江戸から来た4人、そして今で言うところの風評操作を行っていた薩摩藩士<尊皇攘夷の過激派志士>、そして遊郭の花魁たちを時代状況に重ねて描いた幕末群像劇。少し分かり難いのが有名な「寺田屋事件」の場面。そこに壬生浪士組が絡んでの殺陣になるが、その状況・事情等の背景がハッキリしないことから、突然 他の薩摩藩士が現れて藩内の同士(上意)討ち、捕縛が始まる。前半の敢えて芝居掛かった緩いシーンと 後半の殺陣シーンのギャップに違和感が…。
(上演時間1時間35分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、下手の一部を2段ほど高くし別空間ー遊郭を設える。朱色の片引き戸、その両側は楓や牡丹の花柄の壁で華やか。それ以外は広い空間を確保しているが、勿論 殺陣シーンのため。

壬生浪士組の4人が江戸から京都の情勢を視察に来たところ。その4人とは沖田総司、山南敬助、斎藤一、永倉新八で、それぞれの性格を早い段階で描く。まだ何者にもなれていない沖田、冷静沈着な山南、血気盛んな斎藤、楽天的な永倉といった感じ。沖田は剣術に優れているが、実は生身の人間を斬ったことがない。その躊躇する気持ちが命取りになる、そんな危うさがある。

その頃、京都では薩摩藩のうち 倒幕に急進的なメンバーが幕府の悪評を流布していた。その中に西郷信吾がいた。彼も人を斬ったことがなく、さらに長兄(西郷隆盛)の活躍と比較され忸怩たる思いをしていた。そして情報収集や諸々の活動のため遊郭に出入りしていた。その遊郭に夕霧という花魁、その付き人として曰くある姉妹が仕えていた。西郷と夕霧、そして薩摩藩の動向を探る沖田と山南も夕霧と接触し…。初心な沖田は夕霧に恋心を抱くが、夕霧の態度は曖昧で要領を得ない。不穏な行動をする薩摩藩士、京都の町を火事にしてその隙に暴動を企てるが…。混乱の最中、浪士組と薩摩藩士が斬り合いになるが、西郷を庇って夕霧が沖田に斬られる。初めて人を、それも恋心ある花魁を。ちなみに西郷も人を斬ったことがなかった。

その悲しみを乗り越え、使命を果たそうとする。その非情さが後々、新撰組一番隊長として恐れられた沖田総司を作る。同時に精神的な逞しさを身につけ、夕霧を慕っていた女2人を素知らぬふりをして観察方として引き入れる。この2人が くノ一のような格好で「龍と虎狼-新撰組 Beginning-」にも登場する。沖田総司が人斬りへ、それが後の新撰組の原動力になっていく。幕末の動乱期を 虚実綯交ぜで描くが、やはり見所は殺陣シーン。
次回公演も楽しみにしております。
タナトスの棲む町

タナトスの棲む町

藍星良Produce

Studio twl(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日【Viola】班を観劇、ある劇団を舞台に身近な人の死をきっかけとして起きる人間模様を描く休憩無し約1時間40分、なかなか話が進まないのが特徴、舞踊および狂言回しを担う2人の女神(エロスとタナトス?)がいいアクセントになってます。

龍と虎狼ーepisode SOUJI-

龍と虎狼ーepisode SOUJI-

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/04/10 (木) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初日、昼公演観劇してきました。
Letter2023、世界ギュルルン滞在記に続き、3作目のFREE(S)さん。
残念ながら、前に観劇した2作の方がよかったかな。
ちょっと駆け足だった感じを受けました。
夕霧さんと山南さんが個人的にはお気に入り。

The Message from Gaza ガザ 希望のメッセージ

The Message from Gaza ガザ 希望のメッセージ

国境なき朗読者たち

スペースDo(東京都)

2025/04/09 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「ガザ希望のメッセージ」は2025.4.9 18時半 スペースDo 国境なき朗読者たちが今回は、1回限りで行った公演。
 スペースDoは新大久保駅から数分の場所にある管弦楽器専門店の地階にあるスぺースだが初めて行った。横幅の広い空間で収容人数は100人程度。真正面にはピアノが置ける程度の奥行を持つ空間が設えられ平台を1つ置いた程度の高さで区別される。今回は朗読劇の形での上演なのでテキストを持った10人の朗読者たち、下手でピアノの生演奏をして下さるピアニスト1名が出演。

ネタバレBOX

 ホリゾントにスクリーンを設け劇中歌われる歌の日本語訳やガザで起こっていたことを示す写真、ISM(International Solidarity Movement) メンバーが国際ジャーナリストや海外からの来訪者によってイスラエルが行っている占領、パレスチナ人に対するジェノサイドの実態が暴かれることを恐れガザ入域を禁じていることに対しNonviolence. Justice. Freedom.を盾に命懸けで赤新月社の救急車に同乗し何が起こっているかを世界に知らせる為、また少しでもパレスチナの人々の安全に寄与する為に活動しているISMメンバーからのメッセージ等が随時映し出された。
 朗読はこれらと交錯するようにサイード・アブデルワーヘド(アズハル大学教授)が停電の際にも小型発電機を用いて発信し続けた「ガザ通信」、イスラエルが彼の筆力を恐れて姪ともども爆殺したガッサーン・カナファーニーの「ガザからの手紙」、ISMメンバーの米国人でありパレスチナ人の家屋を破壊しようと迫る軍用としか思えぬキャタピラー社製装甲ブルドーザーD9Rに轢殺されたレイチェル・コリーが「ガザから母に宛てたメール」の三篇が一旦分割され極めてバランス良く再構成されて朗読された。無論、場面に応じたピアノ演奏も入る。朗読自体レベルの高いもので真に心を打ち魂の深部に到達する内容であるというに留まらず、ヒトがヒトとしてあるべき姿を希求する人々が未だ世界には圧倒的に多く、極めて普通であることが改めて示された2024.5.10の国連総会(パレスチナ自治区ガザ地区の危機に関する緊急特別会合で177カ国中143カ国が賛成し、3分の2を上回る票を得て採択された。反対はイスラエル、米国等僅か9か国)でもパレスチナの国連加盟支持国の圧倒的多数によって示されたようにイスラエルの悪質極まる狡猾な嘘を織り込んだプロパガンダや米国が独立した際に最も威力を発揮した抵抗権の普遍性及び国際法上も認められた当然の権利をパレスチナだけには国家を為していないという詭弁を用いての判断か、認めないダブルスタンダードの結果が如実に示された。因みに安保理は2024.4.18にパレスチナの国連加盟勧告を求める決議案の採決を行っていたが、アメリカの拒否権行使で否決されていたのである。
 今こそ人間として断じて許すことのできないイスラエルシオニストのパレスチナの女性・子供を殺したり不具にしたりしている非人間性の実態をIDF兵士自体が運営しSNSで拡散している数多くの動画等も梃に10.7自体の評価をイスラエル建国以前から極めて意図的・計画的・継続的に実行されて来、現在増々その狂気の度合いを増しているジェノサイドに対する正当でまともな抵抗権の行使であることをもイラン・パぺの実証的研究をもキチンと評価した上で認めさせるべきである。当然、政治的にはアメリカ福音派の問題にもメスを入れなければならない。
目を向けて、背を向ける。

目を向けて、背を向ける。

TOKYOハンバーグ

「劇」小劇場(東京都)

2025/04/06 (日) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/03/02 (土) 14:00

座席1階

迫りくる老いを真正面からとらえ、生まれてくる命と対比する。テーマは生と死で、それはとりもなおさずどう生きるか、どう死ぬかという問題である。ある意味タブーとされている問題に切り込んだ。演劇だからこそできる物語だが、重たい問題だけに突っ込み不足だったという感じもする。

舞台は、最近あちこちでできているグループリビング。気の合う者同士が一緒に暮らし、食事などのサポートがある。若者たちのシェアハウスとは異なり、高齢者のグループリビングが代表的。ただ、介護が必要な人たちのグループホームとは区別される。
男性は群れるのを好まない傾向もあり、グループリビングは女性が多いというイメージだが、今作での男女比は半々だ。人生の最後を仲間同士で過ごそうという趣旨だが、老医師が開設したこの施設には秘密があった。そのヒントが、冒頭に登場する。
人間ドラマでは定評のあるTOKYOハンバーグ。キーポイントとなる登場人物が、開設した医師の孫の男性だ。いじめを受けて精神的に追い詰められ、死にたいと思っている。ここに世代を超えた「生と死」が登場する。舞台では高齢者の「生と死」と対比して描かれるが、分からないでもないのだけど若干無理な理屈だなと感じる部分があった。

詳しくはネタバレなので書けないのだが、この人たち(入居者や医師の孫など)に社会福祉というのは無力なのだと描かれていてちょっと絶望的な気持ちになる。確かに、年金を含めた社会保障は危ういところがあるのだけど、社会福祉こそがこの人たちを支えるツールであると自分は信じたい。そんなことを言っていては演劇にならないのかもしれないけれど、自分はそればかり考えていた。

重いテーマに取り組もうとした意欲は買いたい。でも、何と言われようとも入居者たちの判断は正しいと思えないし、だからこそこの人たちを支える社会を作りたいと思うのだ。

ネタバレBOX

ラストシーンには疑問。この入居者のバイトが何であるかは、舞台の途中から何となく想像できた。やっぱりと思ったところで幕切れになったのは、消化不良。
零れ落ちて、朝

零れ落ちて、朝

世界劇団

三重県文化会館(三重県)

2025/04/12 (土) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

戦争はとかく被害者側で描かれるものが多いが、あえて加害者側の視点で取り上げることは難しいと思いますが、挑戦的な舞台で見応えがありました。「黙祷」の言葉に共感しました。
激しい身体表現と怒涛の台詞に圧巻でした!

ダブルブッキング2nd!

ダブルブッキング2nd!

エヌオーフォー No.4

新宿シアタートップス(東京都)

2025/04/05 (土) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/09 (水) 19:00

座席I列9番

紀伊國屋ホールに続いてシアタートップスで観劇しました。「アングラ全盛期あるある」に首、がもげるほど激しく同意しながら笑いつつ、過去の印象に残った芝居がフラッシュバックされて、なんともいえない心になって癒されました。
カーテンコールに向けて、秒単位で挑戦する姿勢は大好物です。2日間、ドキドキする時間をありがとうございます。

ネタバレBOX

カーテンコールは紀伊國屋ホールなのでシアタートップスでは、難波プロデューサーのタブレットで間に合うように応援しました。大人数でタブレットを見つめる貴重な体験でした。
 wowの熱

wowの熱

南極

新宿シアタートップス(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい熱。これぞ演劇。

黄昏の湖~On Golden Pond~

黄昏の湖~On Golden Pond~

加藤健一事務所

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2025/04/04 (金) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/08 (火) 14:00

座席1階

ヘンリー・フォンダとジェーン・フォンダという実の父と娘が共演した映画「黄昏」の原作となる作品。加藤健一が老父、劇団昴の一柳みるが老母、そして娘役が加藤忍という配役。今作は爆笑するような場面、セリフはないが、随所に言葉遊びを含めたユーモアが盛り込まれ、加藤健一事務所らしい仕上がりだ。

文句の多い、頑固な男性役をやらせたら、やはりこの人は天下一品だ。実際に同事務所のラインナップでもこのような役は多い。だが今回は、頑固で嫌みなことを言う中で娘の幸せを願い、娘が新たに息子として迎える13歳の少年と心を通わせていくところを、うまく演じている。
舞台は米メーン州の「ゴールデンポンド」と呼ばれる湖畔の別荘。老夫婦はここに毎夏訪れているが、この夏は、疎遠となっている娘と恋人、その息子がやってくる。老父はやんちゃな息子にいきなり本を読めと宿題を課す。少年はタメ口をきくなど態度は悪いが、何か感じるものがあったのだろう。比較的素直に読書を受け入れ、誘いを受けて一緒に釣りに出かける。
テーマはわだかまりを抱えていた父と娘の和解であり、老夫婦の支え合いであったりするが、少年と老父の関係性も興味深い。舞台は淡々と進んでいく。休憩を挟んで2時間10分は少し長く感じた。

ラストシーンが前向きなのは、とても安心できる。黄昏というと人生の黄昏を連想するが、その光景はこの戯曲ではとても輝いて見える。

零れ落ちて、朝

零れ落ちて、朝

世界劇団

JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)

2025/03/22 (土) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

客席うしろで観てもおもしろかったけど、かぶりつきでも観たかった!

六道追分(ろくどうおいわけ)~第一期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第一期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/04/05 (土) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

六道追分(ろくどうおいわけ)~第一期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第一期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/04/05 (土) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

2.5次元のような趣。
制作費を存分に遣ったのがはっきりと分かります。

山田さんは上手かった。
百合香さんは華があった。

ネタバレBOX

自己犠牲の話ですね。
なんかの味

なんかの味

ムシラセ

OFF OFFシアター(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

たんと楽しませていただきました♪

ネタバレBOX


俳優ひとりずつが編む人物の個性に目を瞠る。
松永玲子演じる香子はうわぁとなり出落ちではとはらはらするほどべたな関西のおばちゃん、でもそれを出落ちに陥らせることなく、その造形だからこそ受け取りうる女性の生きてきた日々や抱くものへと編み上げていく俳優の力に圧倒される。
やがて彼女の娘と知れる中野亜美演じる璃の表層の硬質さの奥にある血の通い方や温度にも捉えられる。
橘花梨演じる廸子にはこの女優だからこその瑞々しく委ねうる頑なさがあって。
有馬自由演じる秋夫の風貌や彼なりにできる精一杯感みたいなものも物語の空気をしなやかに作り出していた。

冒頭からずっとバンドのことが横たわっていたことも終わってみれば歪であっても家族の話であることへの得心や感慨となって腑に落ちる。振り返れば璃が登場してすぐに写真を撮るシーンなども物語を裏打ちする伏線になっていたなぁと思ったり。舞台上の人物たちの関係が解けた先で、ココアやクリームシチューの牛乳の味に仕掛けられた寓意が母を知らない廸子を紡ぐ俳優の心風景となって浸潤される。口にするそのシチューの「うま」の呟きにうるっとしたことでした。

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