
トリスケリオンの靴音
エヌオーフォー No.4
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/04 (水) 19:00
久々に観る堤泰之の作・演出作品で、昨年に初演されたものを役者陣を変えての上演だが、初演は観てない。堤らしい「いい話」が展開される。田舎町の再生のため、彫金師の工房を資料館にしようという計画が持ち上がり、設計事務所から派遣された若い男と彫金師の弟子だった男が相談していると、突然現われた彫金師の娘。この3人が絡み合って物語が展開されるのだが、巧みに張られた伏線がしっかり回収され、最後に一種のハッピーエンドで終わるあたり、堤の脚本は巧い。役者陣も独特のキャラクターの登場人物をしっかり演じ、気持ちよく終わる。惜しむらくは、「トリスケリオン」という単語が我々(少なくとも私の)日常で用いられないため、インパクトが弱いということだろうか。でも、いい気分で帰れる100分だった。

おへその不在
マチルダアパルトマン
OFF・OFFシアター(東京都)
2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/04 (水) 20:00
95分休憩なし。
マチルダアパルトマンの世界は、基礎体温が、基礎代謝の熱量が、とてつもなく低い、という事。少しズレた変な世界の表現なのに、熱量で押し切ってこない。演技力の確かな役者さんが集まっている事もあり、物語の骨格はしっかりと、組み立てていくものの、その熱量は常に低く、淡々と、淡々と、淡々と進む物語。しかも、その変な世界の中で生きる人々は、何だかみんな「まあ、そんなものでしょう」と、境遇というか状況を引き受けている感覚がある。不思議な作風を持っていそうだな、と感じた。
「おへそ」が何のメタファーだとか、これは暗に何を言いたい、とかいう、物語の解釈を楽しむ方法も、あるとは思うけれど。物凄く低~い熱量で、人なつっこく忍び寄ってくるので、メタファーとか、テーマとかを、真剣に考えよう、というのは何処かに吹き飛んでしまう。むしろ考えずに、感じているのが楽しいでしょ、という感覚だった。

アリはフリスクを食べない
やしゃご
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/08/31 (土) ~ 2019/09/10 (火)公演終了
満足度★★★★★
アゴラ劇場に生活感の滲み出たリアルなアパート部屋が出現。
そこに暮らすのは知的障害者の兄と、その弟。
時には和やかで時には気まずく、時には賑やかで時には「えぇっ!!」
そこには幾つもの日常が息づいていて、まさにリアルofリアルの空間世界。
とは言っても例えば人様の部屋をじ~っと日々観察したところで、こんなにも感情を揺さぶられる事はないわけで・・・
これが演劇の生み出す魅せるテクニックというやつか。
哀しく切ないのだけれど溜息が漏れる程に「う~ん凄い!」つまりはパーフェクトだと思えました。

咲く
Rising Tiptoe
ザ・スズナリ(東京都)
2019/09/03 (火) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

愛と哀しみのシャーロック・ホームズ
ホリプロ
世田谷パブリックシアター(東京都)
2019/09/01 (日) ~ 2019/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ミステリファンは随喜の涙のホームズ誕生譚である。だが、シャーロッキアンのような物知りファンだけでなく、ただの芝居好きも面白く見られるところがこの芝居がいいところだ。
かねてミステリ好きを公言し、自作でも著名作品の脚色でもミステリ作品を成功させてきた三谷幸喜ならではの舞台である。
時代はドイルの原作を踏まえた19世紀末のロンドン。27歳のホームズ(柿澤勇人)が、相棒ワトソン(佐藤二朗)と探偵の仕事を始める前の前日譚である。ところどころにドイルのホームズ原作を織り込みながら、四つの事件が解決される。ことに、最初に持ち込まれる事件が、ホームズ自身の兄弟の物語と重なってくるあたり、巧みな展開の第一幕である。兄(横田栄司)の住まいが芝居の街・コヴェント・ガーデンとか、売れない女優(広瀬アリス)を使っての芝居仕掛けとか、芝居好きも喜びそうな凝った設定である。なるほど、芝居とミステリは、さまざまな点で共通点が多いと納得する。
二幕は、シャーロック・ホームズが兄との葛藤を経てワトソンと探偵業を始めることを決意するドラマが軸になっている。ここで兄弟の対決をカードのランタンというゲームで見せるが、ここはさすがに苦しい。カードは小道具としては小さすぎて、やむなくスライド投射でスクリーンでゲームの経緯を見ることになるが、そうなると舞台から気持ちが離れて仕舞う。本格ミステリを芝居にすると、証拠品やアリバイのタイムテーブルを見せにくい舞台の難しさである。だが、その二幕でも、ミステリらしく、事件の解決で思いがけない犯人を指摘する。最後は、ドイル原作のホームズ物の第一作「緋色の研究」の冒頭につながって大団円になる。
ミステリならではの面白さを細部にわたって引き出している脚本で、荻野清子の舞台での生演奏や、幕間的なワトソン夫妻のデュエットなど、お遊び的な仕掛けもうまくはまって休憩をはさんで2時間半、堪能できるエンタティメントになっている。制作ホリプロ、頑張ってA席を一万円以下の納めたのはご立派。

Monkey Magic ~Mixing~
空想GT
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2019/08/21 (水) ~ 2019/08/25 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/08/25 (日) 13:30
座席H列4番
価格3,500円
事前公開された出演者・キャラ紹介を見て「キャラ、多くね?」と思っていたが、いざ始まってみると初演にあった場面(やキャラ)がなかったり逆に初演になかった場面・キャラが増えていたりと、改訂版どころか基本コンセプトだけ残したほとんど新作で、ゴールデンタイム作品のキャラも登場させたりするサービス精神に感服。
また、空想笑年の定番と言えるがあのスピード感あふれる殺陣・擬闘にS.E,をピタリと合わせる音響テクニックも素晴らしい!
娯楽アクション、かくあるべし!(笑)

革命を起こすんだ
teamDugØut×マニンゲンプロジェクト
「劇」小劇場(東京都)
2019/09/03 (火) ~ 2019/09/08 (日)公演終了
満足度★★★★
タイトルの「革命」…一般的にイメージする体制権力、組織構造の社会変革といったことを思い描いていると肩透かしだろう。どちらかと言えば、自己変革もしくはそう試みた青春群像劇といった印象である。観終わった後、ある芥川賞受賞小説を連想した(関連は無いのだが何故か…)。
本公演は1980年頃が背景であろうか。そして小説は1964年受賞だから芝居よりも約20年前の時代、まだ学生運動が行われていた頃の作品である。
公演は、何事も真剣に真面目に考え行動しようとした80年代の高校生。もっと青春を謳歌した生き方ができたであろうと思えないこともないが…。「革命」を叫びながら、何かを変革したい、しかし具体的内容を問われると曖昧になる。「漠然とした理想」と「判然とした現実」の気持ちに揺れ動く青春ドラマは少し切ない。
公演では「外の世界に出てみたい」という台詞が何回か聞かれるが、小説にも「人は、自分の世代から抜け出ようと試みることさえできる」という主人公のシニカルな台詞があったと思う。その意味で「革命」=「挑戦」とも思えるような公演は好かった。
(上演時間1時間45分)

ナイゲン(2019年版)
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/08/22 (木) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

真田十勇伝ー令和元年ー
劇団SHOW特急
あうるすぽっと(東京都)
2019/09/04 (水) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

女の子がかわいいだけの話
獣の行進
インディペンデントシアターOji(東京都)
2019/08/30 (金) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

√ ルート
Pカンパニー
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/09/04 (水) ~ 2019/09/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/09/04 (水) 19:00
座席1階
興味深い作品が続くPカンパニーの「罪と罰」シリーズ。今回は道徳の教科化をテーマにいじめゼロのモデル校の小学校を舞台にしたいじめ自殺の物語。真正面から今の教育問題の一番リアルなところに切り込んだ。
道徳の公開授業のための会議から、物語がスタートする。授業を行う女性教師の子どもが熱を出したと保育園から電話があるが、これが舞台後段の伏線となり、強烈な結末を描き出していく。
原作を書いた山谷典子は文学座の俳優であり、劇作家だ。タイトルのルートは言うまでもなく平方根なのだが、この記号に込めたストレートなメッセージがラストシーンで意外な人物から明かされる。そのメッセージが、われわれ大人に厳しい問いかけをしてくる。それはいじめ自殺という形で12歳の命を切ってしまった少女への、大人社会からの贖罪だ。
政府が導入した道徳の教科化は、人の内心を点数化するのかと大きな議論になったが、それよりも今回の舞台は、こんな大人たちに道徳を語る資格があるのか、と訴えている。教師同士の会話や、さりげない学校の風景など、よく取材され練られた作品だ。最後のモノローグのような場面がやや長いな、と思ったが、気になったところはそれくらい。テンポよく進む1時間40分の簡潔な舞台だけに、終幕後に感じた心の震えがより大きくなる。
今日が開幕日。間違いなく秀作だ。見逃すと損するぞ。

サイバーリベリオン
ジョーカーハウス
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2019/08/31 (土) ~ 2019/09/02 (月)公演終了
満足度★★★
悪魔ver 観劇。七味まゆ味さん目当てに行きましたので,充分目的は達成できました。ストーリーは,お好きな方には堪らないのでしょうね。自分的にはちょっとついて行き遅れてしまい,説明もあったのですが追い付かず,取り残され感の観劇でした。そのため,演出,演技共にもう少しと思ってしまいます。それでも,熱心なファンもいるようで,今後,機会があればもっとわかりやすい世界の話で観劇したいと思っています。

サイバーリベリオン
ジョーカーハウス
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2019/08/31 (土) ~ 2019/09/02 (月)公演終了
満足度★★★★★
映画で観たことのあるような世界観でしたが、シリアスな中にも遊びがあり、面白く楽しいステージでした!
いろんな意味でジェイソンが良かったです!

YES I AM …
W.Strudel 2nd Season
近鉄アート館(大阪府)
2019/08/23 (金) ~ 2019/08/26 (月)公演終了
満足度★★
シンギュラリティ AIは人の仕事を奪う 人はやりたい事をすればいい AIの家事をだれが取るか ともに進化 必要のない人間を排除 えらばれた人間 さらに一年後資金援助 消えた研究者 妹 AIではなく研究者の兄自身 妹を守るため。大切な物を守るため。に。

潜狂
第27班
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2019/08/23 (金) ~ 2019/09/01 (日)公演終了
満足度★★★★
食指が動いた理由を会場に来て思い出した。下手にグランドピアノ、上手にドラムス。楽器に合わせたような鏡面加工の黒い床や台の側面が、控えめな照明に光沢を放っているといった具合。音楽が大きく入り込んで来る、その瞬間は冒頭に訪れた。ドラムをこれから叩こうとする青年に、年輩の女性が指導するように声を掛ける。(手を打ちながら)「最初はハイハット」。・・オモテ(強)ウラ(弱)と物語序章的に秒刻されるリズムの中、役者が各所で会話を交わす。「同じリズムをキープし続ける事」。・・鳴り続けるリズム。「オープン」(小節の最後にシンバルを開いてチーと鳴らす)。・・長い時を刻んで行く。場面は続く。「次はスネア」(三拍目に入れる)。・・「最後はバス」(一拍目)。各所で進行する場面に、拍を刻む行為が重なり三重奏、やがて映写板が浮かび、タイトル、俳優スタッフ名が映し出され、一気に暗転(音も落ちる)。
作り手は形態にこだわっている事が分かる。「生演奏」をやってしまう音響家?も居るがそれは「音響」の範疇、であるのに対し、お話じたいに音楽が絡み、物語の必然で流れた音楽が結果的に「音響」効果を持つことになる演劇の一形態は、それ自体珍しくはないが、この舞台のような繊細な現代口語の登場人物に寄り沿うストイックな「音」、またピアニストとして登場する者が行う実演(素人からすれば十分「弾ける」人だがコンペには落ちる微妙な実力のライン)などは、稀有な形である。そして王道とも言える劇を締めくくるバンド演奏(劇中場面とも解釈でき、かつ劇の気分を包み込む音楽でもある)。萌える。
「アフロ」(演奏される「チュニジア」のリズム)と聴いて懐かしさに眩惑する自分には、音楽要素たっぷりの舞台なだけで点数ボタンを連打してしまうが、もっと成熟した彼らを見た時のために満点は控えておく。

ヘブンズサイン
ヒノカサの虜
スタジオ空洞(東京都)
2019/08/29 (木) ~ 2019/09/01 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/08/30 (金)
30日ソワレ『ヘブンズサイン』(10分休憩込みの2時間40分)を拝見。
アングラ的な取っつきにくさを覚えつつも、その割には、スンナリと話の流れに入って行けたかなぁと。
オリジナル版を未見の身で言うのも何だが、今回のはかなりライトに仕上がっていたような気がした。
演じ手では
文字通り、カラダを張って頑張っておられた女優役・中谷真由美さんと
メイジ役・チカナガチサトさん
ドブス役・平野可里奈さん
のお三方が特に印象に残った。
ところでオープニングの出演者紹介で、急病のため降板した背広役・澤原剛生さんを「澤原剛生(役名の代わりに)病院!」とコール。
これには正直グッと来た。オジサン、こういうの、すぐに涙腺に来るんでマイっちまったw
【配役】
ユキ…大島萌さん
ユキの母親らしきヒト…佐藤蕗子さん
メイジ…チカナガチサトさん(『妥協点P』の宮武役とのギャップに驚く!)
マーサ内藤(保母)…稲葉佳那子さん
宇宙人…岡野桃子さん
山田(妻)…小川結子さん
山田(夫)…佐々木タケシさん
※精神病棟の患者グループよりも山田夫妻の方が病んでみえたなぁ
ユキの父…綱川敦さん
悲しい医師…長井健一さん
女優…中谷真由美さん
渋い医師…中村わかめさん
ドブス…平野可里奈さん
チョウノユメキチ…結城亜実さん
背広(澤原剛生さんから交代)/叔父…函波窓(かんなみ・まど)さん

リハーサルのあとで
地人会新社
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2019/09/01 (日) ~ 2019/09/10 (火)公演終了
満足度★★★★
地人会新社プロデュース公演二度目の観劇(前身の地人会は未見)。前回『豚小屋』は舞台こそ我が居処とばかり緩急自在であった北村有起哉と、田畑智子の濃密な二人芝居であったが、今作は三人、とは言え実質二人の対話劇×二組といった構成。長台詞も多い。そうだイングマル・ベルイマン作だった、と後で思い出した。劇は稽古後の演出家と女優、そしてかつての女優であるその母との対話。対話のテンポ感を見せる場面もなくはないが、俳優それぞれが単体でどのように存在しているかに目が行く。鋭く見入る観客の前で俳優は体まるごと舞台上に晒されるシビアな「現場」の趣きであった。初日、榎木孝明(初見)は貫禄を見せ、台詞の噛みがあっても余裕の風情だったが、机に座って台本をめくる所がカンペーに見えたのは残念(実際そうだったかも)。若い女優アンナは初々しさを出すなら正解だったが、役は母親失格な女優を母に持ち幼少より老成したかのような屈折を底辺に持っている今日この時、他に自分の居所を見出せない女優という職業への思いも同様に屈折しているはずで、今回の森川由樹にこの役はハードルが高かった。驚嘆は一路真輝の母親。演出家の言わば想念として登場するが、舞台奥から歩いてくるのが視界に入った時から空気がガラリと変わっている。私は何と貴重な存在を知らず見過ごしていたか、と後で名を確認して初見である事を恥じ、否、悔いた程。寸分の隙もなく連続性があり赤裸々に役の存在そのものを体現するのを凝視した。パンフには殆ど初めての挑戦、と書かれていたが、女優ここに有り、幸運な遭遇であった。

夏休みの友たち
ハグハグ共和国
萬劇場(東京都)
2019/08/28 (水) ~ 2019/09/01 (日)公演終了
満足度★★★★
ちょっと難しい(というか、わかりにくい)ストーリーだった。だけど、観ていて涙が出てきたので、訴えていることはなんとなくわかった、ということだと思う。関心したのは受付から入場、前説、終演、客だしまで、そのホスピタリティが今まで見た劇団の中でピカイチだったこと。演劇を初めて観る人に「是非!」と太鼓判を押せる、素晴らしい劇団だと感じた。

さなぎの教室
オフィスコットーネ
駅前劇場(東京都)
2019/08/29 (木) ~ 2019/09/09 (月)公演終了
満足度★★★★
コットーネの大竹野正典シリーズ、「埒もなく..」(大竹野伝)に次ぐ発展形第二弾は、大竹野作品「夜、ナク、鳥」を原案にした新作という試み。作演出=松本哲也(小松台東)、コットーネ企画でなくても観たいと思っただろうが、演技陣も目を引いた。
森谷ふみが降板、代役は演出本人と言うので、男女入れ替えも可な端役かと思えば、中心人物であった。松本氏が女装で、「この姿に一秒でも早く慣れていただく事がこの芝居を楽しむ要素です」とシナも作らず宮崎訛りで。戯曲も例に違わず宮崎弁。
昨年吉祥寺での大竹野戯曲舞台の記憶は朧ろだが、看護学校出の女友達4人組が如何にして保険金殺人をやる犯罪グループと化したか、を淡々と描いていた。今作はそれを土台に幾つか足された要素はあるものの(看護学校時代の四人のシーン等)、基本的には実話の下敷きがあり、女性らの姓を含め原作は踏襲されている。
今作の特徴と感じたところは、主導者ヨシダの強烈な人物像、執拗で細かい場面描写(小松台東特有)、場面の組み方(特に終盤)。最後のは、ラスト及びラス前で時系列的には唐突に過去、さらにその過去と空いたピースを嵌める具合に「全体図」を一気に(ぶっきらぼうに)完成させたような趣。
女装ヨシダ役については、松本氏の好演もあったが決してヨシダそのものでなく、言わば人形劇と同様「本物ではあり得ない」形代が「異形の人間」を観客の想像力で作り上げる媒介機能を果たした、という意味では(結果的に)適切な配役になった、かも知れない。
舞台は駅前劇場を両面客席に組み、ステージ上は動かせる白い立方体数個と小さめの白テーブル一つのみ。俳優の体一つで世界が立ち上がる様を高画素数で眺める緊迫の舞台ではあった。

さなぎの教室
オフィスコットーネ
駅前劇場(東京都)
2019/08/29 (木) ~ 2019/09/09 (月)公演終了
満足度★★★★
途中でチラシが変わったのに気づいていましたが、そういうことだったんですね。複数パターンのチラシが出る公演もあるし、表の文章が同じだったので色違いのチラシもあるのだと思っていました。松本さんのヨシダが怖すぎました。松本さんだから怖いのか、女性が演じても同じように怖いのか分かりません。前説でおっしゃっていたように、慣れられれば良かったのかもしれませんが、馴染みきれませんでした。
事件の全容をよく知らないし、「夜、ナク、鳥」も見ていないので時々時系列がわからなくなり「え?この人ってもう亡くなってるってこと?」それでそのあとは?とか考えたりしてしまいました。
看護実習を終えて希望に満ちているシーンもあり、なんでヨシダに操られるように殺人に手を染めてしまうことになったのか、どこかで立ち止まることはできなかったのだろうか。