革命を起こすんだ 公演情報 teamDugØut×マニンゲンプロジェクト「革命を起こすんだ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    タイトルの「革命」…一般的にイメージする体制権力、組織構造の社会変革といったことを思い描いていると肩透かしだろう。どちらかと言えば、自己変革もしくはそう試みた青春群像劇といった印象である。観終わった後、ある芥川賞受賞小説を連想した(関連は無いのだが何故か…)。

    本公演は1980年頃が背景であろうか。そして小説は1964年受賞だから芝居よりも約20年前の時代、まだ学生運動が行われていた頃の作品である。
    公演は、何事も真剣に真面目に考え行動しようとした80年代の高校生。もっと青春を謳歌した生き方ができたであろうと思えないこともないが…。「革命」を叫びながら、何かを変革したい、しかし具体的内容を問われると曖昧になる。「漠然とした理想」と「判然とした現実」の気持ちに揺れ動く青春ドラマは少し切ない。

    公演では「外の世界に出てみたい」という台詞が何回か聞かれるが、小説にも「人は、自分の世代から抜け出ようと試みることさえできる」という主人公のシニカルな台詞があったと思う。その意味で「革命」=「挑戦」とも思えるような公演は好かった。
    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    セットはレンガの壁、いくつかのキューブが置かれているだけのほぼ素舞台。もちろん「外の世界に出てみたい」、山椒魚の比喩話を意識した舞台美術であろう。またインベーダーゲームに夢中になる場面、30年前の高校時代というさりげない台詞によって1970年代後半~80年代を思わせる。
    物語は主人公の現在と高校生時代を往還するように展開する。そして現在は高校教師になっており、不登校生徒への登校を促すために、自分の高校時代の回想話をする。同時に改めて自分の生き方を考え又は問い直す。既視感あるような物語であるが、高校生らしい理想と現実、本音と建て前、協調・迎合、孤立・反目、そして何者でもない自分への苛立ちといった、言葉では言い表せない複雑な感情をいくつかのシーンで浮き彫りにしていく。
    さて、小説は「されどわれらが日々ー」(柴田翔)である。自分が高校生だった頃に読み、その後何度か読み返しており、本公演に何か通じるものを感じた。 以降、後日追記

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    2019/09/04 23:48

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