
天保十二年のシェイクスピア【東京公演中止2月28日(金)~29日(土)/大阪公演中止3/5(木)~3/10(火)】
東宝
日生劇場(東京都)
2020/02/08 (土) ~ 2020/02/29 (土)公演終了
満足度★★★★★
いやあ面白かった。いわばシェイクスピア劇の名場面集なのだが、個々バラバラでなく、全体が一つのストーリーになっている。浮かび上がるのは、欲望のままに権謀術数の限りを尽くした男の、成り上がりと転落の悲劇。次々人が死んでいく世の非情と無常。そして最後は悪王を倒す民衆の力である。3時間半と長いのに、全く飽きるところがなく、時間が短く感じた。
〇五年の蜷川幸雄演出はDVDで見た。もとの4時間を超える戯曲をカットしたそうだが、まだ4時間あり、これでも長くてごちゃごちゃした印象だった。今回はさらに30分短縮。その結果非常にテンポがよくなった。素晴らしい。
キ印の王次(ハムレット)の浦井健治は新国立でシェイクスピアの歴史劇を続けてきた経験が生きている。緩急つけて客席を沸かせる見せ場はさすが。シェイクスピアの悪役(リチャード三世、イヤゴーなど)を一人にまとめたような高橋一生も後半、凄みを増した。任侠者とお嬢様の双子を演じる唯月ふうかも可愛いうえに芸達者で、貫禄があった。蜷川版では篠原涼子がやっていた役。メイクのせいか今回も篠原涼子に似て見えて、それもまたよかった。
旅籠屋や、二階のある日本家屋を左右二つのセットを組み合わせて作った。美術もシンプルなのに、リアルだったし、転セットをぐるぐる回しての場面転換もスピーディーでよかった。

正義について
殿様ランチ
駅前劇場(東京都)
2020/02/13 (木) ~ 2020/02/19 (水)公演終了
満足度★★★★
価格3,500円
公園でテント生活をする男を中心とした物語。
たとえ小さなことであろうと「正しくないこと」を許すことができないその男の周囲には日常でも「あるある」や「ありそー」な身近な不正・不平等が頻発しており、それらを積み重ねてからの終盤の「アレ」はシニカルで昨今の世相に痛烈な一撃。
ゆえに終演後に8年前の初演作の再演と知って魂消た。
あと、舞台美術はひたすら公園の一角でありながら、回想場面ではそこがクリーニング店として使われ、その場面でのクリーニング店の出入口が「アレ」なのにニヤニヤ。(演劇ならではの手法だよね)

ねじまき鳥クロニクル【公演中止(2/28 (金) ~3/15(日))】
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2020/02/11 (火) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
村上春樹の舞台化を見るのは3作目。一言で言えば言葉は抑えて、身体表現と生演奏の音楽で「ねじまき鳥クロニクル」の世界観を現出させようという舞台。私にとっては未知の、イスラエルの演出家コンビによるものだが、素晴らしかった。物語をなぞることはきっぱり断念しているのがいい。そのくせ原作の筋はきちんとおさえている。「ねじまき鳥」は長いけれども単線なので意外とシンプル。二つの筋が並行するうえに飛躍の多い「海辺のカフカ」より脚色しやすかったとも言える。
蜷川幸雄演出「海辺のカフカ」は長い話をなぞるのがやっとで期待はずれだった。「神の子どもたちはみな踊る」は、短編二つにしぼって災いから世界を守るイメージをくっきり描いていたが、小粒で春樹ワールドとしては食い足りない。今回はそのいずれとも違って見事な成功を収めた。
俳優、ダンサーがコンテンポラリーダンスのように、フィジカルにスタイリッシュに魅せていた。それがダンスのためのダンスでなく、きちんと物語に奉仕しているから、言葉の示す意味と身体表現が結びついていて見ていて飽きない。
特に暴力表現をシンボリックな舞踏的動きで見せ、音楽とも相乗効果を発揮して、陰惨にならずに禍々しさをよく表した。綿矢ノボル(大貫勇輔)がクレタ(徳永えり=姉のマルタと一人二役)を陵辱するシーンは、鳥肌ものだった。
ひとつの人物を複数で演じるシーンが多い。ノボルと夢の中で交わるクレタ、戦争中の蒙古での敵軍将校、井戸へ降りていくシーン等々。これが世界を重層化し、拡大し、見た目も面白かった。
それにしても主役のトオルを成河と渡辺大知と二人で演じるのはどういう意味だろうか? 最初は大劇場の広い空間を埋めるためという発想で始まったと思う。結果として現代人の多義的な人格をしめし、村上春樹の非リアリズムの世界観によくマッチしたと思う。この非リアリズムの物語のビジュアル化は、この舞台の核心で、前記したような人物の多重化や、言葉でなく身体による象徴表現を多用したことによって成功した。村上春樹の長編の舞台がこんなにうまくいくとは、予想を大きく超える出色の舞台だった。

塞いで蓋して
Enjoy Stage MITUBAKO
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2020/02/13 (木) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★
山里の旅館を舞台にしたお話。宿泊客は、雪のために車が動かせなくなって止む無く泊まることになった高校の教師5名、旅館でのライブ営業で来たアイドルグループとマネージャー、訳あり風のカップル。旅館側で登場するのは中居さんが1人だが、この人がいいアクセントに。

KEISOU
ラゾーナ川崎プラザソル
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2020/02/14 (金) ~ 2020/02/24 (月)公演終了

Sing in Sign
劇団Camp
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2020/02/15 (土) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
手話の世界に興味を持てましたし、普通の世界とは…という、誰しもが一度は考える内容を楽しくスピード感を持って観れました!楽しかったです~。

酔鯨云々
文化庁・日本劇団協議会
ザ・ポケット(東京都)
2020/02/12 (水) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★
凄まじい熱量の濃密な時間と言葉の暴力の嵐。
己の目的のために人を傷付けるのも厭わない言葉を発する人の中にも確かな正義がある。
だから相容れない言葉も傾聴すべきと思うものの、真意なのか甘言なのか悩まされ騙されてなるものかと勘ぐってしまう。
信頼関係がない人の言葉は届くことなく、悪意のみが溢れて主張は平行線を漂ってしまう。
自分の主張を理解してもらう為には、まず人の主張を受け止めなきゃと思いながら観てたら、人智を超えた結末に言葉を失いました。

まんま、見ぃや!
カラスカ
新宿シアターモリエール(東京都)
2020/02/13 (木) ~ 2020/02/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
凄く面白かったです!2時間あっというまでした。皆さんの演技力も素晴らしかったですが、脚本書いた方は天才かと思いました。

Sing in Sign
劇団Camp
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2020/02/15 (土) ~ 2020/02/16 (日)公演終了

酔鯨云々
文化庁・日本劇団協議会
ザ・ポケット(東京都)
2020/02/12 (水) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★
文化庁主催の戯曲新人賞の入選作である。
演劇界と官庁(政府行政機関)との間には長い確執の歴史がある。そのぎくしゃくぶりは、いまもパンフの裏にある主催者挨拶にも表れているが、演劇側も新劇団が軸となっている公益社団の劇団協議会が共同主催して、時代に合った関係を築こうとしている。
文化庁の旗印は時代の文化を創造する新進芸術家を育成する、となっているが、戯曲は上演されてこそで、戯曲が演劇にがなるまでフォローしなくては意味がない。
そこで、中野の小劇場を抑えて、劇団側も中堅の俳優を出し、演出もそこそこの若手でとにかく結果をと、やってみる。形だけは公共の文化振興の体裁だけは整える。
演劇の中の戯曲の在り方を知らないイベント化である。江戸川乱歩賞とはわけが違うのに気がっつかないふりをしている。
国立劇場でも、創作歌舞伎をもう何十年も新人募集しているが、その後使える本ができたという話も、いい作家が生まれたという話も聞かない。
本気で応募した人たちが気の毒である。演劇側からすれば、正直、十万円の賞金で、いいホンができるはずないよな、と思っているし、官庁もこれでは演劇界を懐柔できない、と思っている。それなのにだらだらと意味のないイベントを続ける。コンクールなら、民間の利賀村の演出コンクールのほうがはるかに打率が高い。
戯曲以外では実績が上がった仕事もある。国立劇場の歌舞伎の研修生制度は大きな成果を上げて今や、国立の研修生がいなければ幕があかない(ということもないだろうが)といわれている。新国立の俳優養成でもすでに確かな脇役は生まれてきている。それぞれのアーカイブも充実してきた。どれも幕内の専門家が深くかかわっていて、文化庁の小役人が「ご挨拶」したり、組織に口出し(天下り)していないからである。
戯曲に関して、文化を創造する新進芸術家のために「目に見える」事業をというなら、
帰りに、出口で、脚本を無料で配っていたように、小劇場で、観客に脚本を配る助成金を出す、というのはどうだろう。小劇場でもいくつかの劇団は千円で、脚本を売っている。売ってほしくない劇団もあるだろうが、舞台で上演した作品の戯曲に印刷代を助成する、というだけで、戯曲が広く市中で親しまれるようになるだろう。今回の作者の手元にも、書き始める前の段階で畑澤聖吾の「どんとゆけ」の台本は届いていただろう.そうすれば、今回のように、畑澤作品と同じようなシチュエーションの弱さがそのまま出てしまうようなことはなかったに違いない。
こういうところにも文化庁の「演劇という芸術」も、「興行や教育手段としての演劇」も全く分かっていないダメサ加減が現れている。

天保十二年のシェイクスピア【東京公演中止2月28日(金)~29日(土)/大阪公演中止3/5(木)~3/10(火)】
東宝
日生劇場(東京都)
2020/02/08 (土) ~ 2020/02/29 (土)公演終了
満足度★★★★★
悲劇で喜劇。流れるようなシェイクスピア作品メドレー。シェイクスピアを知らなくても楽しめると思います(実際、37作品中、私は5作品しか分かりませんでした)
ただ、「リチャード三世」「マクベス」「ハムレット」あたりは何となく知ってるほうが、より舞台を楽しめます。
主人公の佐渡の三世次(高橋一生さん)は、紛うことなき極悪人でした。なんなら外道。でも、そう生きるしかなかった生い立ちというか、三世次という男の悲しいさがを感じることができて、個人的に切なくなる場面も……。陰謀と悪事を軽快に繰り返すので同情の余地はないんですが、ラストシーンは見ていて少し胸が痛くなりました。
あと舞台を観るまでは、ポスターなどから「高橋一生かっこいい悪人」と思ってたんですけど、舞台ではちゃんと醜い男でした。顔の造形じゃなくて佇まいが。声やしゃべりも何か気持ち悪かったです。さすがだなぁ…。
長丁場の舞台ですし歌います。うっかり寝ないか心配でしたが、一瞬たりとも眠くならなかった。それは、ちゃんと物語になってたし、随所に言葉遊びが散りばめられていて面白かったし、華やかな舞台装置と衣装に目をみはったし、何より登場人物それぞれのキャラが立ってて魅力的だったからです。失礼な言い方かもしれませんが、実力派ぞろい。レベル高っ!次は細かな演出にも注目したいので大阪まで観に行ってしまいそうです。
間違いなく面白い舞台でした!

タブーなき世界そのつくり方
アブラクサス
サンモールスタジオ(東京都)
2020/02/12 (水) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
圧巻、見事な演技でぐいぐい引き込まれた2時間10分の舞台でした。ヘレン▪ケラー役の羽杏さんはいったい、どんな稽古をしたのだろうか。終演後の素顔も素敵な役者さんでした。井戸の効果音、いいですね、Water のシーンでは一緒に感動しました。エネルギーがほとばしる濃厚な舞台でした。

傾斜
OM-2
日暮里サニーホール(東京都)
2020/02/14 (金) ~ 2020/02/16 (日)公演終了

その鉄塔に男たちはいるという+
MONO
AI・HALL(兵庫県)
2020/02/13 (木) ~ 2020/02/17 (月)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/02/14 (金) 19:00
いま、会話だけを聞いていてこんなに高揚しながら観ていられるのはMONOだけではないか。新作部分が話の頭で、若い人だけでやったのは良かったと思う。後に続く旧作部分に繋がるのは観ていて楽しかった。
でも、僕はこの「鉄塔〜」という作品があまり好きではない。MONOにはもっと面白い作品がいっぱいあるし、できれば毎年新作を観てみたい気持ちが心にあるからだ。戯曲賞をとっているからと言って必ずしも名作だとは言い切れない。この作品はそうだと思っている。ただ、入り口としては代表作だと言われている作品なのでMONOという劇団を知るきっかけにはちょうど良い作品なのかもしれない。なので一度見て欲しい。

四角い2つのさみしい窓【三重公演延期】
ロロ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/30 (木) ~ 2020/02/16 (日)公演終了

まんま、見ぃや!
カラスカ
新宿シアターモリエール(東京都)
2020/02/13 (木) ~ 2020/02/17 (月)公演終了

春母夏母秋母冬母
CBGKシブゲキ!!
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2020/02/13 (木) ~ 2020/02/19 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/15 (土)
深井さん森下さんペアを観てきました☆
二人とも良かったです!特に森下さんの芸達者ぶりがすごかったです☆

OFF THE WALL
梅棒
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2020/02/06 (木) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
初梅棒!なるほど、これが梅棒か~!めちゃくちゃ良かった!当たり前のように笑って、当たり前のように泣いてた。こんな素敵で最高なエンタメがあったのか!適材適所に曲が押し寄せて来るのズルい。クセになった、最高!

まんま、見ぃや!
カラスカ
新宿シアターモリエール(東京都)
2020/02/13 (木) ~ 2020/02/17 (月)公演終了

傾斜
OM-2
日暮里サニーホール(東京都)
2020/02/14 (金) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
昨日見てきました。ダンス、台詞、映像、すべて完璧でした。出演の皆様に感謝しています。
迫力があまりに大きかったので、自分でもあの傾斜台に這い上がろうという衝動に駆られました。