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うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた

うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2021/05/16 (日) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チャリTらしい舞台である(当たり前だが)。インターネットに流れる議論や情報のいかがわしさと、それに見合わぬ影響力。このアンバランスの弊害はコロナ禍に目を奪われている間に実は加速しているのではないか。
作品が描く事件はSNSを介した情報の錯綜が起こした騒動である。三世代家族に祖母からの電話の一言だけが残され(その後は圏外不通)、現状を知り得ない状況にもたらされる不十分な情報が憶測を広げ、勘違い情報がまことしやかにネットに流れ、それに翻弄される人たち。荒唐無稽な要素もあるが、これが交通事故ではなくコロナに関わる出来事であれば今は笑えない深刻劇にもなりそうである。

ネタバレBOX

セットは双葉家の居間。ここで五人家族の右往左往が展開(正確には娘とその恋人、息子、父母、たまたまやって来た叔母の6人)。
他の場面はスポットで下手にyoutuber仲間3人、上手には6歳の息子が家に帰って来ない母とママ友、つぶやき五郎、セット上のプラットホームには匿名電話や書き込みをする者たち。
事故そのものより、事故を契機に発生するあれこれが本題である。まずネットに上った「事故を起こしたおばあちゃんの孫」に関する誤情報。住所を突き止めたと面白おかしく紹介するyoutubeの動画が発端で、何者かが割り出した「孫」の名=双葉淳(じゅん)と同姓同名の双葉淳(あつし)が誤ってその標的となる。
これにつぶやき五郎なるネットで知られたネームの持主(実は教師)がコメント付きリツイートするが、これに憤慨した「誤解された方」の双葉淳の仲間の先輩がプロバイダーにアクセスしてパーソナル情報を入手し、相手に電話をかけて法的措置を取るぞと脅す。
一方、息子・翔が夜になっても帰宅せず焦り始めた三田は、ネットに上った「今日の交通事故現場に黄色い帽子が残されていた」との情報(結局はガセ)を失踪と関連付け、真相を知ろうとする。彼女は双葉家の娘・葵の元バイト先の同僚でもあり、「双葉淳」情報を見て珍しい名前にふと思い当たり、それとなく葵に電話して住所を尋ねるが、ネットに上った近所の(丁目違いの)住所と違っていた事で誤解だったと安堵し、「本物の(実は偽物の)」双葉淳宅を訪ねる。
場面はその双葉淳(あつし)の部屋、そこへ先の母を含めた3名が、それぞれの事情で順次訪ねて来る。母の他の二人は若い男女であるが知らぬ同士、その事情とは「事故を起こした車」の助手席に「レンタル彼氏」(恋人派遣業)が乗っていたとの情報(これもガセ)を見て、いずれも「丸一日連絡が途絶えていた自分の恋人」だと確信し、訪ねてきたと言う(ここでは恋敵の反目を男女でやってる図で笑いを取る)。
次の場面、元の双葉家の居間にて、youtuber仲間3人と「自称恋人」2人、母・三田が座卓を挟んで双葉家の者と対峙する。結局レンタル彼氏とは不通だった電話が通じ、「車に乗っていなかった」と判明、三田の息子翔もママ友からの電話でその娘・麻里矢と隠れんぼをして押入れに寝ていたと報告あり、行き違いは解決。そして警察からの電話で母の行方も判明、病院には搬入されたが殆ど無傷であると知らされる。残ったyoutuberたち。「誤解」による炎上を円満解決したく、「本物とのご対面」場面を動画に撮りたいと申し出るが断られる。
ただの迷惑者と思われたyoutuberらだが、「本物」の双葉家の所在を彼らが知ったのは偶然UberEatsをやってる双葉淳(あつし)の携帯に、食事を据え置かれた双葉家からマックポテトの注文が(「双葉淳」名義で)入ったから。「本物」宅へ注文品を届けた際に他の二人も同伴して警戒され、注文拒否に合うのだが、帰り際、そのポテトを淳(あつし)が淳(じゅん)に渡す。
最後の伏線回収は今日の双葉家のイベントであった娘の恋人からの「大事な話」。予期せぬ展開の中で使命感を帯びた恋人の思わぬ奮闘あって、歓迎モードですんなり結婚承諾と相成る。これら問題解決は皆、知った者又は現実に「対面した」者同士で遂げられるが、劇中、不協和音のようにネットや電話での無責任な情報提供、誹謗中傷が折々に挟まれる。そして終幕では顔の見えない者に対する「負の感情」の放出の図を通してネット世界、引いては現実世界の闇が仄めかされる。

喜劇は大団円を迎えるが、最後に残るこの情景こそ劇のテーマで、コロナ禍を描いた劇と見えた所以。
「母 MATKA」【5/17公演中止】

「母 MATKA」【5/17公演中止】

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/20 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前日の公演が中止だった事を当日知った。体調不良者が一人出たためだという。メールの「中止」の文字に一瞬ドキッとしたが、趣旨は「全員陰性を確認したので今日の公演は予定通り」。ホッと胸をなでおろす。陽性者がなかった事にでなく、自分が芝居を観られる事に。エゴも極まれりだが本心だ。

舞台は期待通り。役者に心酔し、演出に心酔した。「演出誰だっけ・・上村聡史?」と当たりを付けたが、稲葉賀恵であった。着実にキャリアを積み、力を示している。
2年ほど前「チャペック戯曲全集」という分厚い本を(高いので買わず)借りた時、『母』はざっとは読んだらしい。「息子の死」がリフレインであった事を徐々に思い出してきた。
チャペックの戯曲は『R.U.R.』が有名で2回観たが、最も秀逸であったのは小説『クラカチット』の舞台化(演劇アンサンブルのブレヒト小屋最終公演)。どの作品にも万人が共感できる普遍性と同時に、作者が生きた「時・場所」を思わせる要素があり、それも含めた風味がある。
この作品で男らが肯定的な響きで口にする「戦争」には、第一次大戦によって覆される前の戦争イメージ(限定的な場所でルールに則って為され、軍人だけが闘って死ぬ)が同居しており、戦争を巡っての男たちと(唯一の女である)母の論争は絶妙に拮抗している。大量破壊兵器が連想される現代の「戦争」が否定的な意味しか持たないのとは違う。医学や科学の進歩に対しても、懐疑的な現代とは異なるものを感じさせる(が、作者は懐疑的視点を織り込んでいる)。
その事情からか、増子倭文江演じる「母」が唱える非戦は、知的なイメージを帯びがちになる。増子氏の好演がこの舞台の質を確かなものにしていたが、時代性の違いを「翻訳」「変換」する作業は(自分が勝手にだが)幾ばくかはやっていた。

喜劇として場面は仕上がり、喜劇である分だけ母の悲哀が迫る舞台。反戦という一つの確立された思想への帰着は回避されている。母の人生というものを想像し、イメージの扉が開かれる(母を体験する事がなく、そういうタイプの母を持たなかった者としては)。

舞台は、軍人であった亡き父の部屋である。この部屋に息子らはよく忍び込む。母はこの部屋で息子らが父に「感化」される事を嫌い、恐れている。部屋の隅に大きな額縁があり、その後ろに肖像画の主人公である父(大谷亮介)が立って風景の一部になっている。武器の類はワイヤーで吊るされ、喧嘩ばかりしている双子はフェンシングの剣を取って大はしゃぎ。国内で紛争が起きると銃を取った。
母はこの部屋では死者と対話ができる、という設定がユニーク。それゆえ、初めは息子が死んだ事に気づかない。息子はおずおずと母の許しを乞うように(悪戯をした子どもが叱られる前みたく)「死んじゃった」と報告する。
開幕時既に死んでいた長男オンドラ(米村亮太郎)は伝染病の研究をしていて感染。次に死ぬのが技術畑に情熱を傾けていた次男イジー(富岡晃一郎)、母に止められていた飛行機に乗って墜落。そして内戦が激しくなると、国軍派と反乱軍派に分かれた双子がそれぞれ、ペトル(林明寛)は反乱罪で銃殺、コルネル(西尾友樹)は戦闘で死ぬ。芝居の冒頭から「この子だけは違う」と信じ、可愛がっていた末っ子・トニ(田中亨)が、ラジオから流れる切実な声に使命感を焚きつけられ「行かせてよ母さん」と告げた時、母は狂乱する。女性の「国家の危機です、起ち上って下さい」と呼びかける声がラジオから響く。部屋には母の父(鈴木一功)も息子・孫らに駆り出されて登場し、既に死者となった男たちが内戦という事態に浮足立ち、「男に目覚めた」トニのためにと何のためだか判らない作戦会議を開いている、という光景。それへ入って来る母が、彼らに対決を挑む。だが全く平行線に終わる論争の後、再びトニと対峙した母は、息子の変わらぬ意志を確かめると全てを諦めたように脱力し、「行きなさい」と言う。

舞台は黒褐色を基調とした昔の欧州らしい調度が点在するが、奥には広いレースの白いカーテンが張られている。このカーテンが不確実な外界(息子らを死に追いやる)との境界を示すかのよう。自在に揺れ、開くカーテンはいつでも息子らを飲み込み、逆光に照らされたシルエットを残して去って行く。作品の幻想的な側面を引き出した演出が舞台に膨らみを持たせていた。

ネタバレBOX

前日の公演中止は「関係者の体調不良」によるという。それだけで中止という判断は、「劇場でクラスター」のニュースが演劇界に与える最悪の影響を懸念しての自己犠牲だろうと恐れ入るが、「感染者が居ても大丈夫」なようにステージとの距離と換気をしている訳である。やるせなさがよぎる。
演劇に限らず「かけられる保険」を何重にも無駄にかける生活にはある程度慣れっこになったが、根本的な「やれない事」は放置されている。このアンバランス。
個人・民間レベルでやれる事は1年間飽きもせずやってきたが、公的レベルにしかやれない仕組の変革が何も為されていない。終電繰り上げで「コロナ対策やってる感」出してるが、逆に電車は混む(乗客減少に対するコスト削減に違いないが、名目は「人を遅い時間まで町に居させない事」・・だが30分~1時間程度帰宅を早める事がどれほど感染抑制に繋がるのか...)。飲食店の時短も人混みを作る一因になっている。フレックス出勤も今は無かったかのようにラッシュが起きている(自己都合に任せたらそうなるに決まってる)。
何より咎められるべきは、体調や近隣者の感染で不安を感じたらすぐ検査を受けられる、という体制が未だに作れていない(感染の把捉を遅滞なく行う唯一の対策だと1年前から言われているのに未だ保健所管轄の検査しか公式に認めていない)。そして医療の逼迫。公的部門の無策のため個人と民間が割を食っているとどうしたって見える。

各病院の努力と苦労が取りざたされ、個人には「わがままを言うな」という空気だが、本当ですか?と。 病院の努力とは医療報酬が経営のぎりぎりのラインにさせられて来た過去の経緯があって、「それにも関わらず、自腹で、コロナ対策やっている病院がある」・・? ちゃんと公的支援しろという話だ。自己犠牲を「褒めてる」場合じゃないでしょ。
ただ確かに重症コロナ患者がECMO対応になれば習熟する者の負担は大きくなるだろう。受け入れてしまえばその対応に割く時間は「必要に応じて」決まって来る。だが緊急対応というイレギュラーは通常であっても担う部分だ。消防然り、介護然り、公務員的な働きを「させられている」事を同情したり「褒める」前に、公務員並みの保証をしろ、となぜ言えない。「我慢してる人」をほめ、本当は相当我慢して窮乏に陥っていても生活のために店を開けば「我慢していない」と叩かれる。医者は少なくとも食っていけている。過労死云々の話なら、ブラック企業にしか入れず心身を病んでる若い世代の事を心配しても良いんじゃね。医療体制が整わないのは民間の法人独自の努力に「お任せ」しているからで、もっと言えば民間法人である各病院の流儀(経営、社会貢献と社会的地位の享受、従業員の勤務体系等々)を尊重しているため(大きな票田だし)、公が口を出せない領域だからであり、公務員的働きを要求すれば「お金がかかる」と思い込んでいるからだ。全てのしがらみが「何も変えない」政治を許し、ただ感染数が増えた減ったと一喜一憂する「頭の悪い国」にしている。もういい加減、頭の良い政治家を歓迎し、国民が選ぶ政治風土を(そういう当り前の文化を)手にしよう・・そんな声も風に吹かれてさよなら。日本は廃れて行くのみ。
あ、そうだ。日本には神風があったんだっけ。そうだな~、何も考えず楽勝楽勝、と思ってる方が楽かもね~~
喪服、緋色の。

喪服、緋色の。

ワイルドバンチ演劇団

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2021/05/20 (木) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

雨音チーム2回、波音チーム1回観劇。
音楽時代劇は初めてでした。
75分という短めの作品の中でも皆様の熱演+歌でより各シーンが印象的になったのかと。
殺陣がめちゃ格好良かったです。

喪服、緋色の。

喪服、緋色の。

ワイルドバンチ演劇団

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2021/05/20 (木) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2021/05/22 (土) 14:00

価格3,500円

雨音チーム観劇。
時代劇ながらミュージカルでもあり、ファンタジー要素多目の恋愛劇。

うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた

うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2021/05/16 (日) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/05/22 (土) 14:00

話の行方がずっと気になり、ラストの演出が胸に残った。

ネタバレBOX

山崎さんの子を想うママぶりが良かった。
ラビビト

ラビビト

イベント企画OZ

萬劇場(東京都)

2021/05/19 (水) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

往年の『少年サンデー』系のドタバタコメディ(但しラブコメ要素無し)。シェアハウス「うさぎ荘」に集うキャラの立った男女の群像劇。
石川県から一人上京してきた主人公(加藤圭貴〈けいき〉)が部屋を借りた処、前に住んでいた住民(小林亜実)が突如出戻りを希望した為、何故か一緒に住む羽目に。
ラビビトとは、寂しいと死んでしまうとされる兎(ラビット)と人とを準えている。
売れない俳優の彼女役船越真美子さんが相変わらず可愛らしかった。
小林亜実さんはほぼ素なのでは?

ネタバレBOX

小林亜実さんが自らの半生を赤裸々に曝すクライマックス。苦難と不遇に塗れてそれでも「生きて幸せになってやる!」と言い聞かせる様に何度も何度も繰り返す。この口上だけでも作品の価値はあった。
こあみの声は声優向き(少年っぽい)なので、きちんとトレーニングを積んだ方が良い。
姿

姿

ゆうめい

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/05/18 (火) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/05/22 (土)

22日17時開演回(125分)を拝見。

様々なヒトの、生きていく上で経験する諸々の軋みを、ユーモアの糖衣錠にして、ゴクリと喉に押し込んだ心地の125分(糖衣錠にしないと、あまりにも苦くて・痛くて・辛くて、客席のシートにカラダを埋まらせていることはできなかっただろう)。
舞台上手の片隅でアノ二人が…ラストシーンに微かな希望を抱きつつ、会場を後にした。

ネタバレBOX

骨組みだけで組み立てられた2つのキューブは、登場人物たちが移動させることで、時間も空間も変幻自在!
映像でも小説でもない、舞台芸術の良さを体感させてもらった。

なお、演じ手では、母役の高野ゆらこさんに強烈なシンパシーを抱いた。

【配役】
母(画家の夢を断念し、公務員のキャリアアップに専心)…高野ゆらこさん
父(存在感の希薄な父親)…五島ケンノ介さん(作・演出の池田亮さんのご実父)
子(アニメの脚本家)…中村亮太さん
声優・母方の祖母(祖父の借金で取立屋に迫られる)…森谷ふみさん
俳優・母方の祖父(上京して以降、家族を見捨てて放蕩三昧)…遊屋慎太郎さん
アニメ監督・「弟」(子の昔からの親友、だった)・若い頃の子…黒澤多生さん
声優・若い頃の母・「弟」の母…児玉磨利さん
若い頃の父・「弟」の父…石倉来輝さん
ディレクター・環境課職員・取立て・上司…田中祐希さん
技術スタッフ・環境課職員・音響監督・取立て…山中志歩さん
喪服、緋色の。

喪服、緋色の。

ワイルドバンチ演劇団

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2021/05/20 (木) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

5/22 雨組14:00の回
いい素材を使ってるのに脚本、演出、美術、テクニカルに至るまで全て微妙。
なんでそこで妥協したんだろう?という気持ちしか湧いてこなかった。
音楽劇と謳ってるにも関わらず曲自体も特に刺さるでもなし、曲入りのタイミングも微妙。
また折角マイクを仕込んでも役者の歌声が絶大に聞こえやすくなるわけでも無い。(マイクの調整不足の気もした)
役者については今回客演もいらっしゃるようなのであえて触れないが、若い役者を使うのであればもっといい活かし方があるはずなのに非常に勿体ない。
若い座組みなので一応は役者たちのパッションで観れるが、そういった演劇は高校演劇となにが違うのだろう?

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2021/05/19 (水) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

何を面白いと思うかも、笑いの沸点も人それぞれとは思いますが、自分としてはクスリとも笑えないことも大笑いされ、それが続くと鼻白んでしまいます。笑かし要員かと思ってしまいました。
お話も・・・

ネタバレBOX

神様がタイムリープさせてくれると言う設定はまあいいとして、何もかも失わないラストなんて思ってはいけない。照美は桜を忘れられないまま結婚なんてしてはいけなかったのだ。子どもを持つことを不安に思っていたのに父になれたのは誰のおかげだと思っているんだ?心桜には懐かれていたようだが、春菜からの罵詈雑言は自業自得だと思う。照美の心に誰かいることを気づかれていたのに違いない。それで桜が生きていて、心桜もいて、自分もタバコやめたから生きられる現在があるなんて都合良すぎるではないか。と思って見てみたら、男性の脚本でしたね。
アルビオン

アルビオン

劇団青年座

俳優座劇場(東京都)

2021/05/21 (金) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/05/21 (金) 18:30

座席1階

事業に成功し、かつて叔父が住んでいた広大なイングリッシュガーデンがある大邸宅を買って移り住んだ女性と、それに従う夫。娘も出版社に就職して自分の人生を歩み始めていたが同居を決めた。古き良き庭を再現したいと強い意志で周囲を引っ張る女性、オードリーを中心に、個性豊かな友人や庭師たちが繰り広げる人間模様。わりと硬派な劇なのかなと思ったが、この人間模様こそが見事で、3時間にも及ぶ舞台をけん引し、客席をくぎ付けにした。
 冒頭に、戦場で理不尽な死を遂げた青年がこの庭をさまよう。荒れ果てた庭は戦場に通じる。人間関係のもつれはまず、オードリーの長男であったこの戦死した青年の遺骨を母であるオードリーが独り占めし、青年の恋人とぶつかるところから始まる。オードリーの願いは、美しい英国風の庭を再現して家族と楽しんで暮らすというものだが、その夢は、すでにこの地で生活を営んでいるメンバーや、家族間のあつれきで思うように進まない。
オードリーのやや強引とも思えるやり方が障害になっているのだが、彼女は自分のやり方を変えようとはしない。人間、譲れない一線はだれも持っていると思うが、もう少し柔軟に生きられたら、オードリーも楽だったかな、と思う。その硬直したとも言えるオードリーは、英国のEU離脱を思わせる。
登場する人物の人間模様を庭の手入れが進み、衰えていくその移り変わりで表現をしている。また、雨が降ったり晴れたり安定しない英国の天気でも、表現されたりする。物語の空気がこうした演出の妙で、ストレートに客席に伝わってくる。
最後まで舞台にくぎ付けになる物語だった。それをしっかり支えた俳優たちの力に拍手を送りたい。

ネタバレBOX

緊急事態宣言下の上演ということもあるが、30分でもいいので今よりもう少し早い開演時間が設定されるといいと思う。劇場を夜9時30分に出るということになると、田舎に住んでいるものとしては少し厳しい。
メリリー・ウィー・ロール・アロング

メリリー・ウィー・ロール・アロング

ホリプロ

新国立劇場 中劇場(東京都)

2021/05/17 (月) ~ 2021/05/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

よかった。若い日の夢とは違った形になった(単純に潰えたとは言えない)現在から、一つ一つ、夢の輝きを辿り直し、始まりの光源にたどり着く。怖いもの知らずのロマンは、人生のにがさを知ったペーソスによって、一層輝く。また逆も言える。原点のロマンがあったからこそ、現在は一層苦い。私はこういう話に弱い。ミュージカル「ローマの休日」もこういう側面から心動かされた。


夢とは違った現在といっても、成功した演劇・映画プロデューサーなのだから、サクセスストーリーのはず。表面的経済的成功の裏の、初心と友情の喪失というのは、言ってみればよくある話ではある(「Facebook」もたしかそうだった)。いわば、貧しい者ほど救われるという弱者のルサンチマンが、こうした芝居の共感の裏にはある。

カネより夢を追うチャーリーのウエンツ瑛士と、不倫相手の朝夏まなと、大物プロデューサーから落ちぶれる今井清隆が存在感あった。2時間45分(休憩15分含む)

ネタバレBOX

友情を歌い合う「オールド・フレンズ」と、ラスト「♪僕らの時代の風を感じよう 世界を変えよう 君と僕とで」の「Our Time」がよかった。
引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2021/05/19 (水) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前回に続けて観劇しました。今回も笑いありそして涙あり、良かったです。人と人との結びつきをテーマに良いお話でした。前回に続き演者の皆さんも迫真の演技でよかったです。次回も期待ですね。

Smells Like Milky Skin【5月8日~5月11日公演中止】

Smells Like Milky Skin【5月8日~5月11日公演中止】

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2021/05/08 (土) ~ 2021/05/16 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★

記録

小林賢太郎演劇作品『振り子とチーズケーキ』

小林賢太郎演劇作品『振り子とチーズケーキ』

KKP

本多劇場(東京都)

2013/10/09 (水) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

記録

小林賢太郎演劇作品『ノケモノノケモノ』

小林賢太郎演劇作品『ノケモノノケモノ』

KKP

天王洲 銀河劇場(東京都)

2014/05/21 (水) ~ 2014/05/29 (木)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

記録

PANCETTA special performance “un”

PANCETTA special performance “un”

PANCETTA

シアタートラム(東京都)

2020/11/19 (木) ~ 2020/11/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

記録

大地【6/20から初日延期】

大地【6/20から初日延期】

パルコ・プロデュース

サンケイホールブリーゼ(大阪府)

2020/08/12 (水) ~ 2020/08/23 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★

記録

堀が濡れそぼつ

堀が濡れそぼつ

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2018/05/18 (金) ~ 2018/05/22 (火)公演終了

映像鑑賞

満足度★★

記録

ぬけ男、恥さらし

ぬけ男、恥さらし

MCR

駅前劇場(東京都)

2013/05/15 (水) ~ 2013/05/19 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★

記録

365000の空に浮かぶ月

365000の空に浮かぶ月

演劇UNIT 乱 run

本多劇場(東京都)

2014/12/31 (水) ~ 2015/01/06 (火)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

新型コロナウイルスによる自粛中に期間限定で公開されたYouTube動画で観劇させていただいた。確かにリアルの劇場の臨場感は味わえないが、映像もカメラアングルとカットもきれいなのでとても観やすく、ストーリー構成も巧みで、役者たちの絶妙な間で普通に画面の前で笑い、面白かった。
こういう機会に、日ごろ演劇に触れてこなかった人たちが、この世界の魅力を感じてもらえるきっかけになってくれたら嬉しいですね。

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