最新の観てきた!クチコミ一覧

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キョウカイセン

キョウカイセン

JACROW

駅前劇場(東京都)

2022/11/17 (木) ~ 2022/11/23 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/18 (金) 19:00

Bキャストを観劇。オーディションで選んだ役者とワークショップを経て作った芝居。緊張感が溢れる107分。
 病院のICUの待合室が舞台。一緒に溺れて危篤状態の男と女を巡って、男の妻・姉・姉の夫・妹、女の夫・弟の6人が、臓器提供を巡って議論する。なぜ2人が一緒に溺れたか、という疑問もあり、臓器提供と言うより、むしろ死をどう受け入れるかという話題を扱っているように思う。解決はちょっとご都合主義っぽいところもあるが、話題が話題だけに深刻な雰囲気で観劇したが、ちょっと奇妙なキャラクターの家族だとも言えて笑えるシーンもあるように思った。

法螺噺 アオイトリ

法螺噺 アオイトリ

ツツシニウム

上野ストアハウス(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 可成り深読みできる作品。(追記後送)

ネタバレBOX

 メーテルリンクの「青い鳥」を援用する形を採りながら紡がれる今作。現代の病理をかなり読み込んだ作家の作品と思われる。ヒロインのミチルは、貧しい。というのも母はシングルマザーで兄のチルチルは病で寝たっきりだからである。無論、母は幾つもの仕事を掛け持ちし体を壊しそうなのに尚仕事を増やそうとするほど一所懸命に働くのであるが
触れただけ

触れただけ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 流石、スパイラルムーン。ラストには背骨を戦慄が走った! 華5つ☆(追記後送)

ネタバレBOX

 物語は三篇から成り立っており、それぞれ独立性を持つものの作品の深い所では共通項があると観て良かろう。その共通項とは都会のというより、情報過多の時代状況に翻弄されつつも何とか己の足場や安息を求めようと藻掻きながら、一向解決に向かうことの無い底無しの日々の昏く不透明なカオスと思われる得体の知れない何かから立ち上り、気付かぬうちに己を飲み込んでしまうであろうアレに対して、為す術も無い我ら現代人の寂しさ、侘しさ、不安・不如意を表しているということだ。尺は全三篇で約90分。各々の作品の合間に場転の為、照明を絞る場面がある。
キョウカイセン

キョウカイセン

JACROW

駅前劇場(東京都)

2022/11/17 (木) ~ 2022/11/23 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いつもと違う俳優陣・作風で興味深い。真実は明示されずあやふやだが、どう自分で納得するか、ということなのだろう。

お國と五平

お國と五平

Nakayubi.

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/11/17 (木) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

このお話は1952年に成瀬巳喜男監督で映画化されている。お國役は当時33歳の木暮実千代で、相当にエロかったという評判だ。本来は3人のみの登場だが映画ではそれまでのいきさつをお國の回想シーンとし、闇討ちにあった主人なども登場する。そういう展開にしたくなるような普通のエンタメ作品なのである。

ところが、この舞台のお國は仮面を着け、黒一色のたっぷり衣装で見た目にはエロとは無縁である。それどころか(経費節減のためか)全体に非日常的な表現で、アフタートークで佐々木敦さんが指摘したように五平に鎖を付けて連れているところはまるで「ゴドーを待ちながら」のような雰囲気さえある。ただし、主宰の神田真直さんはベケットとは関係ないと答えられたのが意外だった。あくまで歌舞伎や能の世界感らしい。一本の木の代わりにドラム缶を置いたと勝手に納得したのだが。

もちろんストーリーは不条理なところは全くなく、分かりすぎて身も蓋もないものである。3人の俗物のしょうもない争いなのだ。アフタートークでは悪人と呼んでいたが、まあ皆さん(含私)こういう立場になればこんなものでしょう。

コンクール用の演出なので極端なものだが不思議な世界観は十分楽しめた。

ぼくらが非情の大河をくだる時~新宿薔薇戦争~

ぼくらが非情の大河をくだる時~新宿薔薇戦争~

オフィス3〇〇

新宿シアタートップス(東京都)

2022/10/22 (土) ~ 2022/10/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「楽屋」以外の清水邦夫作品舞台を観たのは初めてかも・・。戯曲は短いのを二つばかり読んだが。
このたびは渡辺作品でないオフィス3○○舞台、客演に岡森諦、シアタートップス、今や「安い」とさえ思う4000円の入場料で「当日キャンセル」狙いで観に行った。清水邦夫戯曲発見の機会になった。全共闘時代、ヘルメット姿がそこここに蠢き、詩人、兄、父の「敗北が判っているかのような」物語を取り巻くコロスとなる。苦悩と恍惚が同居する詩情はふるる劇では、キリストの受難と同じく肉体の破滅の中に復活を予見させる基調があり、この時代そのものへの鎮魂の響きがある。
ゲイの発展場である新宿のとある公衆便所で、たむろする男たちを後景に(時に前景)、主人公の吐く台詞が個的な懊悩を超えて時代的広がりを持ち、渡辺えりの演出で現代にせり出して来る。
何より渡辺氏が十代の頃「書店で読んで」「書き写して」心酔した戯曲、「いつかやりたい」との念願を果たした舞台だからだろうか、想いに満ちて心地よかった。客席には渡辺氏の旧知の演劇人らがちらほらといった模様で、会場の雰囲気もよく、実はかなりの不眠状態で駆け付けたが寝落ちもせず終演を見る事ができた。

ネタバレBOX

開演前だったかトークの時だったか、渡辺えりが入場料について、5000円なら赤字回避できたが4000円にこだわった(小劇場だから)、と漏らしていた。話の文脈はお金ではなく、自分の「やりたい演目」を死ぬまでにやり残さないよう・・との由で、今回はその第一弾のよう。
開演前に渡辺氏がパンフを売り歩くと次々に手が上り、どんどん売れていた。毎回オフィス3○○のパンフは凝っており、これも「1500円取っていい内容だ」と周りから進言されるが1000円にこだわっているとの言だが、この渡辺氏の選択を「経済」の観点から私は深く共感する。
話は飛ぶが、企業経営において株主が最も「偉い」事の具体化として、企業の収益から応分の配当を「出すべきだ」との論理はヘソが茶を沸かす。「偉い」から金をもらえるのではなく、会社を支援する貢献者だから「偉い」のだ。彼らは「人や社会に投資する資金を持っている」主体として、人や社会の育成を支える栄誉に与れば良いのである。無論株の価値を下げる事は、経営側は仁義としてしてはならないと心して健全な経営に務める、そこには「意義」「目的」を共有する者の間の共闘関係がある、というのが一つのモデルである。お金は何か目的を遂げ、あるいは意味を生み出すための「手段」であり、企業とはその意味・目的に当たる。経済はお金という道具を通じながら実質的な何かを生み出して行く活動・運動だと捉えれば、「何かの時に」という言い訳で巨大な内部留保を従業員にも還元せずため込んでいる企業は、最早自分らかが何に貢献しようとしているかを見失った姿にしか映らない。まあその背景には見通しを切り開く事のない政府の歪んだ政策がありそうだが。
サタニウムのベロベロバーのマーブルさん

サタニウムのベロベロバーのマーブルさん

あの温泉地

新宿眼科画廊(東京都)

2022/11/18 (金) ~ 2022/11/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

狭小スペースにてほぼ素舞台ですが、三者三様でハッチャけて魅せます!荒唐無稽の渦に観客も巻き込まれてトランス状態に。生身の人間が発するエネルギーを体いっぱいに浴びる60分間-

ハミダシタ 青空 ヲサガシテボクラハ

ハミダシタ 青空 ヲサガシテボクラハ

TOKYOハンバーグ

座・高円寺1(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/23 (水)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2022/11/17 (木) 19:00

団体初見。かなりクラシカルな芝居だった

ネタバレBOX

50年後?なのか、スマホを使うであろうかと思ったり、電車の吊り革の高さがバラバラだなと思ったり。
そして、そもそも演劇が政権から禁止されるということは昨今の状況からは考えにくいわけで、そんな力を今の演劇は持っていないし、忌み嫌われるとしたら一般社会からであろう
触れただけ

触れただけ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

自然なセリフが素敵な舞台です。とても面白かったです。ラストも素敵。忘れられない一場面になりました。
おすすめします。

チミドロの境界線

チミドロの境界線

劇団YAKAN

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2022/11/17 (木) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

予想していた展開とは全然違いました。
普通に遺体引きとって、葬儀をやる物語だと...
意外性がありました。
個性のあるキャラの役者さんがたくさんで、おもしろかったです。
決して暗くなくて、コメディー要素もありよかったです。
新興宗教の信者さん役の夫婦がリアルで上手いと思いました。
作られた新興宗教だが本当にありそう。

ジャンキー・チエの木人件

ジャンキー・チエの木人件

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

だいたい観劇前って事前情報から想像して「こんな感じになっていると面白いだろうなぁ」と期待を膨らませ向かうものだけれど行ってみればまさにドンピシャ!
というか期待以上でした

舞台上には
エンタメ趣向の若手劇団、いました!
活動30年の中年達のアングラ集団、いました!
そしてこの二つの劇団を前に困惑する地方の自治体さんが、小演劇に全くおぼこな状態で
おぼこ故に忖度がない(笑)
ある意味、地元にいた頃 ほぼ演劇を知らなかった頃の自分がそこにいました!

劇団VS劇団という構図の面白さと
2劇団VS自治体という構図の面白さのダブルパンチ
これは…そう演劇愛、リスペクトですよねっ
余りにも可笑しすぎてマジで涙が出ました

ダブルブッキングは解決に向かうのか、それとも混乱の坩堝と化すのか
真摯に向き合うほど滑稽がポコポコ産み落とされる笑いのスパイラル
納得のダブルコール、なのにおそるおそるな感じで舞台に・・・まった可笑しいのが象徴的でした

触れただけ

触れただけ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
短編3本でしたが、人間関係や設定に微妙に繋がりがあり、よくできた脚本だと思いました。
何気ない会話の中の本心や誤魔化しが、リアルに描かれていて、触れただけ・・というタイトルに納得という感じでした。
ラストは「おぉ!」という驚きがあり素敵でした。良い舞台でした。

チミドロの境界線

チミドロの境界線

劇団YAKAN

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2022/11/17 (木) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

心象的な内容をサスペンス ミステリー風に描いた物語。視点を逆転させるような柔軟で豊かな発想力、少し怪しげで奇妙な設定、そのプロットは面白い。しかし、その演出というか演技が嚙み合っていないのが残念。遺体の引き取り、その重苦しい設定でありながら、登場人物は明るく元気よく大声で話す。そして発声練習のような発語は…。

説明にある兄のカウンセリングを行っていた精神科医と謎の女性が連絡を取り合うシーン、そこからミステリアスな雰囲気が漂い出す。勿論 舞台技術としての音楽、照明の諧調などは物語をしっかり支えている。それだけに脚本と演出のアンバランスが勿体なかった。
(上演時間1時間35分 途中休憩なし)22.11.19追記

ネタバレBOX

舞台美術は、中央奥から流れるような薄布が敷かれ、何となく教会のバージンロードのよう。そこに色違いの箱馬、そして上手 下手にも2つ重ねた箱馬があるだけのシンプルな造作。この作りによって心象ー登場人物の彷徨する物語であることが容易に解る。
当日パンフに脚本・演出の藍田航平氏が「『遺体』を引き取りにくる、そしてあのフライヤー。暗く、シリアスな、深い話が展開されることを望まれるかもしれませんが、そのご期待は冒頭10分ほどで裏切る」と記している。

冒頭、男?兄?(藍田航平サン)と妹・神崎志保(服部円サン)の会話から すぐに暗転。兄が亡くなり引き取りに来るよう連絡がある。その遺体の引取場所には、志保の他に3人の女と一組の夫婦がいて、同じように遺体を引き取りたいと言う。どうして引き取りたいのか、その理由を知るには 兄と各人との関係性を明らかにする必要があった。順々に兄との関係を説明するが、そうすることで、同時進行的に事が成し遂げられるのか という疑問も生じる。

1人目ーー南野祥子(勝間田奈海サン)は、バンド仲間でメジャーデビュー間近だったにもかかわらず、兄は逃亡し行方不明になっていた。2人目ーー相坂美希(荏原汐里サン)は、兄の婚約者で結婚間近だったが、気持のすれ違いから別れた。3人目ーーVチューバーというか仮想空間の人物に恋い焦がれサイト(運営人・兄)へ課金して(貢いで)いた。最後の浪川亮太・千佳夫妻(外山達也サン・鈴谷侑子サン)は妻が眠れなくなり新興宗教へ嵌り、心配で夫も入信する。その教祖が兄だった。自己紹介から夫々の説明までが冗長で、緩いテンポで進む。ここまでは、どちらかと言えばサスペンス風で、テンポよく展開してほしいところ。そして謎の女・上田咲(吉田爽香サン)が、遺体引取の電話をした人物・カウンセラー 鷹宮普司(松永修弥サン)へ連絡したシーン以降、ミステリーさが加わる。

実は、遺体の引取という理由で集められた人々、そして各人が現実に関係した人物はバラバラの別人である。夫々の人は心が病んでおり、精神科へ通院していた。死体ではなく各人の魂が死んでいた。その担当医が咲の兄であった。その精神科医の治療法は斬新で、さも各人の相手になって関係しているかのような錯覚、言い換えれば寄り添った治療(疑似体験)をしていたが、逆に多人物への投影は自分を見失い精神を病んでしまった。兄が行方不明もしくは死んでいたら、といった強迫観念から復讐を果たそうと…。咲が登場してからのラストは怒涛の展開である。上田咲こそが、激情した大声で皆に詰め寄るのだが、その咲役・吉田さんは熱演していた。

気になるのは 以下の通り。第1に 冒頭の男は、志保の回想による生前の兄か、または咲の兄 カウンセラーとのリアル対話か。暗転の意味合いが絶妙なのか微妙なのか判然としない。第2に 物語に潜む凶器にして狂気な世界観と序盤の明るく元気な雰囲気、そのアンバランスさは敢ての演出であろうか。大声での表現はけっして感情表現になっていないと思うが。
本公演、物語の面白さを十二分に引き出していないのが残念。
次回公演を楽しみにしております。
自分がかわいいクッキー屋さん

自分がかわいいクッキー屋さん

江古田ぐるぐる

小劇場 楽園(東京都)

2022/11/17 (木) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久しぶりの江古田ぐるぐる、期待通りに面白かった。いつもながら台詞の言葉選びが秀逸で楽しいが、今回はテーマも想像以上で、色々と刺さる感じで痛かったです。改めて選択の難しさや怖さを知る舞台でした。

ネタバレBOX

上演中、携帯電話をいじられている方がいて、少し集中力に欠けました。舞台がとても面白かっただけに残念です。
触れただけ

触れただけ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

二つ目のお話が一番おもしろかった。
女子高生の巧みな話術に、まんまと乗せられている中年男性がかわいそうでもあり、 可笑しくもあり、おもしろくて笑いっぱなしでした。

もう二つのお話も、全く関係ない単品ではなく、繋がっているところが楽しい。
それぞれに味があり、さすがに賞をとっているだけあって素晴らしい作品でした。

今回もお土産のバッグがあり、これも目当てに行きました。
もう少し安いものでも大丈夫ですよ。
思い出になれば、何でも...

触れただけ

触れただけ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ある夜の3つの風景。南出謙吾さんの脚本は、5年前、らまのだで上演した短編2本の舞台を観たことがあるが、今回の最初の話が、そのときに観た1本と雰囲気がとても似ているなあと思っていたら、何のことはない、らまのだで上演された短篇の1つがこの『触れただけ』からの「まど」という作品。似ているどころか同じ話だった。戸惑いながら観てしまったせいで、最初の話(「まど」)はこちらがノリきれないまま終わってしまったけど、2本目、3本目は集中して観ることができた。

ネタバレBOX

最初は、この劇団にしてはシンプルなセットと思ったものの、話ごとの転換や、ラストの処理の素晴らしさなど、なるほどなあと。
触れただけ

触れただけ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

連作短編集3本立て。あっと言わせる派手な展開はないけど、色んな人間関係を丁寧に描いていて、グッときます。特に3本目は中年にはやるせない話ですね。

お國と五平

お國と五平

Nakayubi.

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/11/17 (木) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2022/11/17 (木) 20:00

京都を拠点とする初見のユニット。かなりノイジーな演出だった。60分。
 予備知識皆無で観に行ったのだが、谷崎潤一郎の100年前の戯曲で、谷崎の作品では最も上演されているとのこと。しかし戯曲も初見。夫の仇討ちをめざすお國とその従者・五平が仇の友之丞と出会い討つまでの会話の展開。物語的には納得できにくい物語を谷崎が書いているのだが、仮面を付けての演技や、大きな音を意図的に出しているとしか思えない演出で、そこをなんとかしようという意図があるのだろうか。私のテイストではなかった。
 アフタートークをするなら、20時開演はないだろう。ここは京都ではないのだから。

お國と五平

お國と五平

Nakayubi.

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/11/17 (木) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

谷崎潤一郎 脚本で、演劇人コンクール2020優秀演出家賞受賞作、そして再演ということに興味をもった。言葉遣いこそ時代劇を思わせるが、その観せ方は現代劇風で、チャレンジングな演出をしている。
舞台美術や衣装はシンプルで、物語の核のみを抽出し描こうとしている。それ故 余計な装飾的な要素は削ぎ落したかのようだ。フライヤーは暗い中で面を付けた二人、そして鎖で繋がれている。いや正確には別の意味合いを持たせているが、真に表したい肝は切っても切れない武家社会の制度や人の情愛を表現していると言えよう。

登場人物は、わずか三人という緊密さ、そして仇討ちという緊迫状況下で繰り広げられる会話劇。濃密な会話、時に無言になり その隙間のような時間に、心の奥底に揺れ動く感情が透けて観えるようだ。
(上演時間1時間)

ネタバレBOX

後景は暗幕、上手に黒いドラム缶と編笠。衣装は全員同じ黒っぽいツナギ服。始めは、一人の男(首に鎖が付いている)が四つん這いで現れ、ドラム缶の中へ身を隠す。続いて男が四つん這いで、女はその男の首に付けている鎖の一方を握っている。まるで犬の散歩のような光景である。女はお國(飯坂美鶴妃サン)、男は従者の五平(柊木樹サン)、そして先に登場したのが敵役である池田友之丞(杉田一起サン)である。三人はそれぞれ面を付けており、顔(表情)が見えない。舞台装置はなく、ほぼ素舞台であるから会話(言葉遣い含め)だけで感情表現を試みる。

国許の広島を出て三年になる侍の後家・お國と従者・五平の旅途中。そこへ虚無僧の尺八(勿論 音響はない)、そして数日前も旅籠の外から聞こえていた。お國と五平は、敵の池田友之丞ではと疑ったが、顔は別人(黒塗りしていた)だった。友之丞は お國に恋するあまり、その亭主を闇討ちするほどだから後を追う可能性はあった。物語の前半は仇討ちの旅とその追跡談が中心。

一転、後半は お國と五平の情事を隣の部屋で聞いたことが知れてからの話。時代を超えた男女という人間の物語。友之丞は人妻に想いを寄せたために死に、五平は人妻に想いを寄せた上にそれが忠義になるという皮肉さ。お國は、仇討ちを果たし五平を立派な侍にしたいと言い、死にたくないと言う友之丞を五平は斬る。友之丞はコト切れる前、五平に「一度はお国は自分に身を任せたのだ」と恨み言。面目なげにうなだれ泣くお國。五平は、済んだことは仕方ない、国へ帰って夫婦になろうと言う。二人、仇の首を斬り(黒バットを刀に見立てドラム缶を叩く という独創性)、南無阿弥陀仏と唱え…。

谷崎潤一郎の小説は 耽美的な印象があり、男女のドロドロとした情愛が描かれている、そんな先入観があった。本作は、時代劇でありながら表層は現代劇である。しかし、例えば 鎖は武家社会における仇討ちの象徴であり、一方・主人の後家と従者という立場を超えた男女の愛情を描く。そこに時代に とらわれた事情と時代を超えた私事を絡めている。描き方は、ドロドロならぬサラサラで 何方かと言えばドライな関係のように思える。同じように不義の行為をした友之丞と五平の対照的な扱い、そこに封建制度への皮肉が観て取れる。それを強調するかのようなシンプルな会話劇は観応えがあった。
次回公演も楽しみにしております。
THE BEE

THE BEE

16号室

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/17 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/11/17 (木) 14:00

ストーリー的には、あり得ないことだと思います。
女性の立場から言うと、理解できない部分が大半です。
演技については、狭い空間での、演技力が素晴らしくて、見入ってしまいました。
恐怖感、リアル感が、溢れていました。

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