菜ノ獣 公演情報 尾米タケル之一座「菜ノ獣」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     ドイスル!!(華5つ☆必見にゃ!)

    ネタバレBOX


     板上はちょっと変わった作りだ。奥に上手から下手迄延びる大きな平台を置いて一段高くし、最深部には、可動式のパネルを4枚配してある。パネルはレールで移動できる模様。無論1枚ずつ独立で移動可。これが袖にもなれば、出捌けの際の目隠しにもなる気の利いたモノ。中程に上下対象に少し板上に迫り出した部分があり、その前後に出捌けがあるので、通常の出捌けはこの4か所から行われる。この小屋の特徴である下手客席側に延びたスペースは用いられない。然し、用いない方が、通常の舞台のように前面に集中して観劇でき、今作の演出としては効果的な使い方と言って良い。
     物語は、遺伝子工学が増々発展し食糧難回避策として食べ物ともなれば、臓器提供者ともなれるスーパー野菜が完成し、ベジタブルちゃんとか、ベジタブルマンと呼ばれて人々の生活にはなくてはならぬ必需品として流通している未来の話だ。SF映画に詳しい方は、この話を聞いて「ソイレントグリーン」をイメージするかも知れない。自分もそんなイメージを持ったが、今作はあの映画程単純ではない。F1人災ほど大きくない原発事故が起こると、不審死を遂げる人が良く出ていたことを注意深く世の中を見ている人は気付いているかも知れない。他のことでも政府や大企業が癒着している場合には、このようなことが起きやすい。無論、亡くなる人は、現場の統括をするようなポジションの人物だから亡くなってしまえば現実に核心に迫ることが頗る困難になる。敵はそれを狙っているのだ。公安やマッポもツルンデいる。それにこの国では既に秘密保護法とやらの、為政者をガードし、追及者をテロ犯罪者扱いして葬る為の悪法がトックの昔に成立してしまっている。共謀罪もだっけ? もうとっくに成立しているさね、()内は東京新聞(2018/06/16 - 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法が成立して一年となった十五日、同法の廃止を求める集会が東京・永田町の星陵会館で開かれた。人権問題に詳しい有識者らから「監視社会につながる」といった問題点 .)まあ、じわじわくるね! 間違いなく。その為の「マイナンバー」だしにゃ。このネーミングも極めて作為的なのは、どんなに鈍感でも気付くことであろう。問題は、気付かないフリをし続け廃案への動きも起こさなければ、そのように動いている人々を誹謗中傷することで己のガス抜きが為されていると気付かない欺瞞である。今作は、その手の国家犯罪をSFとして仕立てた作品だ。極めて鋭い。お勧めの作品である。
     

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    2018/12/14 11:02

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