ざくろのような 公演情報 JACROW「ざくろのような」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ざくろは人肉の味?
     今作に描かれたような状況の本質を敷衍してみた。すると”ざくろのよう”なのは、ここに描かれた一企業の事例にとどまらず、我らの国民性一般に関わる問題に見えてきた。(追記後送)

    ネタバレBOX

     サンヨー電気が画期的な電池を作っていたのは、多くの人が覚えているだろう。だが、松下に吸収合併された。今作は、あの件を題材にして創作された作品である。実際、バブル崩壊以降の日本は、アメリカの禿鷹ファンドの恰好の餌食となり、国民の側を見ずにアメリカの顔色ばかり伺っているが故に無能な官僚や政治屋、それに輪をかけて無能な、というより覇気も見識も正義感も職業倫理もない最高裁と警察、内調等のせいでいいように毟り取られ、国民生活は逼迫の度を増した。無論、公僕や我ら主権者の代理人に過ぎない政治屋共にこれだけでかい面をされるのは、国民がしっかりしていないからである。
     だから、利潤しか追求しない企業に尽くしたりするのだ。社畜と言われてもいいらしい。余りにも当たり前で言うのも恥ずかしいほどだが、我らは、サラリーマンである前に人間である。そして、ヒトは他の生き物と地球上の環境を分かち合って生きなければならない。一方資本主義社会にあって、企業は利潤しか追求しないのは当たり前、そして社員と企業とは、契約を結んでいるだけである。従って、他の誰もできないようなことができたり、その能力を持つ者が、特に研究などの場合、自由に振る舞うことができれば、まして待遇が今までより良ければ、そちらへ移るのは当たり前すぎるほど当たり前のことなのだが、社畜に甘んじている社員にはそうではないらしい。寧ろ彼らは事務レベルで優秀な研究者の上席に立つことができれば、普段から溜め込んでいる劣等感の意趣返しができると耽々と狙い澄ましているのである。いわばコンプレックスの捌け口を求めているだけだ。こんなことばかりやっていたから、F1人災が起きてしまったのではないのか? 実際のサンヨーがどうであったかは知らない。が、今作でチームリーダーは研究者としては、世界トップレベルの人物として描かれている。実際、自分も大学時代寮生活をしていたので、様々な学部の学生や院生と付き合っていたものだが、研究科目によっては、ノーベル賞も取っている先輩を排出している大学の、工学部の連中の持っていた雰囲気を、野間を演じた役者さんはよく出していた。実際、どこか、のほほんとしているというか飄々とした所がある連中が確かにいるのである。数学や理論物理の連中にもいるのだが。
     By the way,日本の組織というのは、窮屈な所が多くて、自由闊達な意見を潰すことが多いので、面白いことをやる連中が出る研究室も限られてくるようだ。単に会社組織と個人という対比や、組織内の天才的才能とサラリーマンという名の社畜の生き残り策の違いということでは片付かない儒教的な目上崇拝や、それをベースにした滅私奉公の論理が、この植民地の活路を塞いでいる。かつて天皇のみが主権者であった時代、裕仁は現人神とされ、国民は総て天皇の赤子とされていたのだが、現在はアメリカが裕仁の居た位置に鎮座しているという訳だ。公僕である官僚共は、何を勘違いしたのか、現在は主君、アメリカに尻尾を振り滅私奉公に必死、国民は眼中にないのは、観ての通りだ。政治屋もそうである。川内原発が再稼働するまで約2年の間、燃料棒は冷却されており、原発即時廃止にもってこいの状況だったのだが、核物理の基礎も理解できないほど能力の低い安倍とその郎党の政治屋や推進派首長、地方議員などは、今後更なる核の塵を出し、放射性核種で取り返しのつかない環境破壊を起こすことにどう責任が取れるというのだろうか? 

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    2015/10/11 11:27

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