バルカンのスパイ 公演情報 日本・セルビア演劇交流プロジェクト「バルカンのスパイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    らあらあらあ 政治音痴は観ておくべし!
                                   
     論理というものは、そのオーダーを一旦、固定的な公理として定めて仕舞ったが最後、その展開は唯一つしか無い。即ち尖鋭化することである。
    今作は、その恐ろしさを、端的に描いた秀作。
    カリスマ指導者、チトーの死を経、ユーゴスラビア解体以降益々混迷の度合いを増した、各民族、宗教諸派、異言語集団、政治体制の異なる集団、バックアップする大国の違いによる利害の相違等々を通して育まれ、徹底した不信・疑心暗鬼に陥った人々の「非日常的」な何気なさに巣食う、最早客観への糸口を失った狂気の哀れを骨太に描いて秀逸である。
    彼らは、不信と分断故に、互いに孤立の陥穽に陥り、最早、自壊してゆくしかないように見える。この状況をグローバリゼーションとトリクルダウンの論理に染まった、迷妄の巷に暮らす日本人に当て嵌めてみると、興味深い結果が透けて見える。

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    2014/11/23 12:25

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