水底 公演情報 ポムカンパニー「水底」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    卑怯
     芝居の演技や演出をとやかく言う前に、精神的に余りに幼稚だ。水底というタイトルに象徴されている息苦しい世界に主人公が迷い込むのは、その幼さが原因であろう。

    ネタバレBOX

     若いとはいえ、作家は二十代後半ではあろう。その割に余りにも幼い。恰も精神的に退行現象を起こしてでもいるかのようである。先ず、対自存在、即自存在と言った存在論の基本レベルでの諸問題に自らの選択による責任を負っていない。というより、スキゾそのものである。しかも、自らがスキゾであることを意識している風でも無い。唯、アリバイをつくり、実際には、中途半端な地獄を楽しんでいるに過ぎないのに、モラトリアムを長引かせる為だけにアリバイ工作をしている。鬱の話も出てくるのだが、それで、真に鬱に陥らざるを得ないのは、母である。この一家では、母に総ておんぶにだっこで負担を掛け、結果、母は自殺未遂を起こしてしまう。そして、そうなって初めて、母に負担を掛けていた、と気づく振りをする。実に嫌な内容の芝居である。そして、その甘えとアリバイの地獄を実際には肯定し、恐らくは選んですらいるのに、人間面をして見せるのだ。幼稚な上に、余りに卑怯な精神を批判するでもなければ、からかう訳でもなく、ある種の言い訳として提示して見せたような芝居。
     

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    2013/05/31 00:04

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