期待度♪♪♪♪
パッセ コンポーゼ
初めて仏文で読んだ本がL'étrangerだった。複合過去がたくさん使われている文章で、無論、現在形もだが、文法的にはLe petit princeより簡単で驚いたことを覚えている。なぜ、そんなに簡単な話法を用いたのか、愚直なまでに真とするものを追及したかったからなのだろう。サルトルとの違いは、その辺りにあると考えられる。サルトルは、如何にもフランスの知的エリートであり、その知のオーダーで物を見、判断していたように思う。然し、アルジェリア生まれのカミユは、もっと生の人生を生きたのではなかろうか。ハンフリー ボガードのような顔立ちをした彼は、女性にももてた。性差のある関係を多く持つことは、やはり、余りに理論的であるよりは、実体験的、実感的な物の見方に傾きやすいように思うのだ。カリギュラなどは、その典型であろう。
今、改めてカミユを体験することもおもしろそうである。