さとしの観てきた!クチコミ一覧

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バックステージ

バックステージ

lovepunk

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2011/09/30 (金) ~ 2011/10/08 (土)公演終了

満足度★★★★

女優の生き方
Cチームを観ました。実際の会話や実際にあった事をもとに書かれたようなストーリーで楽しめました。

ネタバレBOX

劇団内の人間関係(上下関係、恋愛、不倫等)や、劇団に所属するかしないか、女優はいつまで続けるか、主役はできるか、結婚はどうするか等彼女たちはそれぞれの思いを持って劇団に関わってます。

舞台裏では笑いあり、悩みあり、陰口あり、SEX話あり、結構リアル感があって楽しめました。
女優それぞれに独白シーンがありましたが、きっと誰かのことなんだろうなあ。もしかしたらそのまま自分のことだったのかも。

化粧シーンや着替えシーンも実際の様に演じられていました。
1年後、2年後と話しが進んでいくのもそれぞれの人生の移り変わりがわかってよかったです。


コントロールZ

コントロールZ

劇団お魚レモンパイ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2011/10/05 (水) ~ 2011/10/09 (日)公演終了

満足度★★★

コントロールZって
そういうことだったんですね。気づかなかった。

ネタバレBOX

妻だと思っていた女が知らぬ間に母の保険金を口座から引き落とし、ある日突然いなくなった。そこで騙されたことを知る。初めから騙すつもりで近寄ってきたのかもしれない。
その事件以降ハンドルネーム"HP600万"は元妻のみならず人を信用できなくなり生きる意義を失った。そして口座に残った600万円をくだらないことばかりに使って死ぬとネットでつぶやく。

その興味深いコメントに多くのフォロワーが集まる。アニメオタク、引きこもり少女、自称IT社長の派遣社員、売れない脚本家など。彼らはHP600万の浪費内容と残高の報告を待ち望み互いにつぶやきあう。

ある日HP600万にスマイルから連絡が届く。「私を買ってください。」と。二人は会い惹かれあう。そしてスマイルはHP600万に死を思いとどまらせようとする。
「言ったとおりに死ね。」というプレッシャーを受けながらも、HP600万は次第にスマイルを信頼したい気持ちに傾き、死ぬ考えを取り下げる。フォロワー達も決意を取り下げる事、死なない事を支持する。

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ネットでは真偽が不確かな情報が流れ、無責任な発言が飛び交い、それに心を痛める人も多いが、このストーリーでは自暴自棄となり死を選んだ男を、ネットを通じてそれまで無関係であった他人が救うことになりました。追い込まれる人ばかりではないよと。

脚本としてはHP600万の心理描写が弱いと感じました。HP600万の裏切りに対する失意、死の決断、自暴自棄さなどをもっと掘り下げられればよりインパクトのあるストーリーになったのではないでしょうか。

セーラーボボはあってもいいですが、その中の天狗は要らないと思いました。もっと別の表現があるのでは。
【東京バンビ】ピクルス ご来場ありがとうございました☆

【東京バンビ】ピクルス ご来場ありがとうございました☆

元東京バンビ

OFF OFFシアター(東京都)

2011/09/28 (水) ~ 2011/10/03 (月)公演終了

満足度★★★★

役者の皆さん、素晴らしかったです。
劇団の4人に加えて面白いメンバーが集まっていました。

ネタバレBOX

100万円を渡された義理なのか、末期がん患者への同情なのか、単なる自己満足なのか、藤田は霧島を見舞って残りの人生を楽しませようとします。心の葛藤があるも、最後はビックプレゼント。花火は「それか!やられた」と思うと同時に感動しました。


バンビの4人はいい組み合わせだなと思いました。

客演のMCR櫻井さんはさすが、福耳三谷さんは面白いキャラクターですね。
オオトモさんのデリヘル嬢や佐々木さんの自称ネットアイドルのなりきり度も良かったです。
町田さんは知人にそっくりでどきどきしました。
短編集:エドゥアルド・ウルリヒ教授の鎮痛剤/他【チケットプレゼントあります】

短編集:エドゥアルド・ウルリヒ教授の鎮痛剤/他【チケットプレゼントあります】

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2011/09/29 (木) ~ 2011/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

3つの短編 どれもいい
1つめ、2つめは息を忘れるほどの緊迫感。3つめは家族愛で感動。

ネタバレBOX

2つめ。
教え子に親身な教授が実はある秘密機関の重要人物であった。
聴講生に身を隠した諜報機関のエージェントは、その教授から重要情報を聞き出そうと問い詰め、死に至る薬物を投与する。解毒剤を使って脅すが訓練を受けていた教授が死んだふりをするとあせったエージェントは解毒剤を打ってしまう。そこから一気に形勢が逆転しエージェントは銃で撃たれ教授は難を逃れる。
エージェントと教授の緊迫したやりとりや予想外の展開に感動した。

3つめ。
一転して家族の物語。スーツを着た行政府の役人が実は死神であり、設定がおもしろい。死に導かれた高校生の少女が死神に導かれる前に、半分死んだ状態であった祖父が死神の手をつかみ代わりに死の世界に向かう。家族愛に感動すると共に、別の死人を連れて帰った死神は始末書を書く羽目になり笑いを誘われた。

見応えがありました。
今後の東京公演も期待しています。
思いの鳥

思いの鳥

CAPTAIN CHIMPANZEE

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/09/28 (水) ~ 2011/10/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

笑って泣ける素敵なファンタジー
私好みの脚本でした。笑って泣いて感動しました。

未穂子、Qちゃん、半分しっぽ、高木夫妻、安藤さんの演技が良かったです。李さんはほんとに中国人らしかった。

照明も考えられていましたね。効果的だったと思います。

ネタバレBOX

"思いの鳥"は、人(犬)の思いを人(犬)に伝えてくれます。

大学生の未穂子、酒井夫妻、漫画家デビューを果たした渡辺に思いの鳥駅の入場券が届きます。そこで"思いの鳥"は預かった思いをそれぞれに伝えます。

未穂子には、かつて祖母の家で共に暮らし母がいない寂しさをうめてくれた犬のQちゃんから思いが届きました。
酒井夫妻には、左遷の地で夫婦の大切さを教えてくれた高木家から思いが届きました。
渡辺には、挫折していた会社員時代に夢を諦めぬよう支援してくれた先輩社員の安藤さんから思いが届きました。

Qちゃんと高木家と安藤さんは最後に銀河鉄道に乗って遠くへ行ってしまいます。彼らは死ぬ前に彼らの思いを"思いの鳥"に託していたのでした。
未穂子と酒井夫妻と渡辺は、彼らの思いを"思いの鳥"に託します。"思いの鳥"はどんなところにも思いを運んでくれます。


メインストーリーの中に、3つのサブストーリーがあり、それぞれのサブストーリーの中にいくつものエピソードが盛り込まれていて、内容的に盛りだくさんで充実していました。
分かり易いストーリーですが、訴えてくるものは心に響きました。しばらく会っていない大切な人に会いたくなりました。連絡したくなりました。


ヤングフォーエバー

ヤングフォーエバー

壁ノ花団

王子小劇場(東京都)

2011/09/29 (木) ~ 2011/10/02 (日)公演終了

特徴のある表現形式
初めて見る表現形式でした。

ネタバレBOX

必ずしも本人が口語で語るわけではなく、誰かが誰かについて語ります。「・・・と王が言った。」のように。セリフだけであれば本を朗読しているかのようです。感情表現もあまりありません。たんたんと進んで行きます。

道具の使い方は面白いと思いました。
腹巻は初めはベルトかと思ったのですが、トイレで脱ぎ下ろすアクションに使われたのは驚きました。女性役ではドレスにも早変わり。木の棒は、杖だったりドアだったり。敷き詰められたブロックも椅子になったり塔になったり。センスのある面白いアイディアであると思います。

ただ残念ながら私にはストーリーが楽しめませんでした。始めの方はそれなりに楽しめたのですが。
モスキートーンは聞こえない

モスキートーンは聞こえない

9-States

相鉄本多劇場(神奈川県)

2011/09/29 (木) ~ 2011/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★

非日常の中に込められたメッセージ
メッセージ性が高いストーリーでした。役者のセリフにもメッセージがたくさん。

ネタバレBOX

私が感じたメッセージ。

・なぜ逃げるのか、何から逃げるのか、逃げる必要があるのか。

・見えるものが全てか、聞こえるものが全てか、知っているものが全てか。

・人は信用できるのか、盲目的に信用していないか。

・無駄って何、何が無駄、どうして無駄、誰にとって無駄。無駄って無駄?

・自分のことがわかっているか、自分だけが知らないのではないか。

・なぜルールがあるのか、誰が作っているのか、誰のためにあるのか、無意識のうちに従っていないか、本当に従うべきか、従わないとどうなるのか、本当に必要か、変えられないのか。

・権力者が間違っていても従うのか、従わないのか、間違いを気付かせるのか。

・言葉は必ずしも伝わらない。文化が違えばルールも価値観も違う。

・自分の道を切り開く鍵は自分が持っている。

非日常の特殊環境から日常での思い込みや先入観をたくさんあぶりだす、考えさせるストーリーでした。
s

s

みらい座いけぶくろ(豊島公会堂)(東京都)

2011/09/28 (水) ~ 2011/09/29 (木)公演終了

満足度★★★

興味深いストーリー
坂本龍馬、土方歳三、沖田総司、桂小五郎、高杉晋作、お龍らが登場します。さあどんな暗殺が遂行されるのか。

ネタバレBOX

暗殺の対象は帝。暗殺未遂の事実を作りその罪を長州に被せ幕府との戦争が起これば良いのだ。それは武器を売ってボロ儲けしようとするフランス商人が仕組んだ策略だった。それを知った龍馬はなんと敵対していた新選組と長州志士の手を組ませ、その陰謀を阻止しようとするのだ。
と、史実にはないが興味深いストーリーでした。

残念なのは、舞台を有効に使えていなかったこと。広い舞台を広いまま使っていたため人の出入りや移動の時間が長く全体的に間延びしていました。例えば舞台を小分けにして照明だけで場面を変えるなどの工夫があると良かったでしょう。また殺陣ではその広さを活かし、もっと派手にできたのではないでしょうか。
照明はめりはりがなく臨場感に欠けました。会場の設備が演劇向けではないためだと思います。ですが多少コストアップでも持ち込むなりもっと照明に力を入れられると良かったと思います。

たぶんそれなりの小劇場であれば舞台の広さや照明の問題は起きないのでもっと楽しめるものになったことでしょう。また役者の表情や微妙な動作が見て取れる近さであればもっと笑えたことと思います。

次の新ストーリーに期待します。






30&40

30&40

劇団東京ドラマハウス

萬劇場(東京都)

2011/09/22 (木) ~ 2011/09/26 (月)公演終了

満足度★★★★

自分も同級生たちと語りたくなりました
30代の会話も、40代の会話もあまりにも自然に流れて、自分も同じ飲み会の場にいるかのようでした。仲間に入って一緒に話したい気分になりました。

ネタバレBOX

はじめはよそよそしいも、打ち解けてくると和気あいあいに思い出話に花が咲き、今の自分を語り合う。しかし酒が進み本音が出始めると徐々に言い争いに発展する。でもそこは仲が良かった友達同士。折り合いをつけながら相手を認め合う。

あそこまで自然な会話がどうしてできるのか不思議なくらいスムーズでした。かなり練習したのでしょうか。役者の顔がうっすら赤い気もしました。飲んで演じていたのでしょうか。

自分も同級生たちと語り合いたくなりました。
ロミオ&ジュリエット

ロミオ&ジュリエット

TBS

赤坂ACTシアター(東京都)

2011/09/07 (水) ~ 2011/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★

豪華なメンバーで満喫できました
山崎育三郎さんと昆夏美さんの回を観てきました。

昆夏美さんは綺麗で透き通る歌声でありソロもロミオとのデュエットも素晴らしかったと思います。また純粋無垢で可憐な感じはまさにジュリエットぴったりでした。これからの活躍がとても楽しみです。

ネタバレBOX

山崎さんは歌は良かったのですが、存在感で浦井さんに負けていたかも。

他のキャストも歌唱力のある方ばかりでどのナンバーも聞き惚れました。豪華なメンバーでした。ダンサーもレベルが高く見応えがありました。ブルーライトを浴びた死のダンサーの踊りはまさに死神のようでした。

約2時間40分満喫しました。大満足です。

現代風にアレンジしたのは必ずしも悪くはないと思いますが、電子機器はもっと控えめのほうが良かったですね。
山

劇団ヨロタミ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/09/21 (水) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★

イチ子さんの叶わなかった恋の物語。
民の部を観ました。

水谷さんのイチ子はけなげで一途で戦時中の報われない少女をうまく演じていました。藤田さんのイチ子はやさしく愛くるしく魅力的なおばあちゃんでした。
坂本さんのキャラクターは意外と好きです。五十嵐さんのお梅は熱演でした。

ネタバレBOX

愛した賢太郎は戦争に行って二度と帰りませんでした。教師になり藤崎と結婚し二人の子どもを授かりますが離婚してしまいます。イチ子は賢太郎が忘れられず、その気持ちを知る藤崎に女ができてしまったのでした。
イチ子は老婆になっても賢太郎との思い出の山の絵を描き続けます。山は二人の思いを誓った大切な愛の象徴です。病床の中で思い起こされた、イチ子と賢太郎が山に向かってカチューシャの唄を歌うシーンはたいへん感動的でした。

暗転時間が長い気がしましたが、余韻にひたるのに程よい時間だったかもしれません。壁にかかった肖像画・肖像写真が時代に合わせて変更されていましたね。

残念な点:
開演後に入ってきた2組の観客が最前列に座り、しかもマナーが良くなかったために気が散ってしまいました。遅れた方は後ろの席に誘導していただきたいです。
【御礼-公演終了!】Blue Bird Baby

【御礼-公演終了!】Blue Bird Baby

劇団MAHOROBA+α

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2011/09/23 (金) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★

幸せはどこにある?
幸せの象徴青い鳥の新たな物語。

ネタバレBOX

青い鳥"瑠璃"は悩んでいた。自分を追い求める人たちが争いや不幸な出来事を引き起こして幸せになれない現実に苦悩するがどうすることもできない。とうとう彼女は生まれてきた息子にその役割と責任を預け、希望を託すのだった。

Blue Bird Babyは、母とは知らないまま瑠璃と共にさまざまな国をめぐりながら世の中を知り、自分を知り、親子愛に幸せを見出していく。青い鳥たち自身の幸せもすぐそこにあったのだ。

一方とある国の王子と妹は、失われた平和と青い空を取り戻すために青い鳥を探し求める。計らずとも引き起こされた争いは、王子の妹への愛よる自己犠牲により解決され平和が取り戻される。幸せは身近にあったのだ。

終わって振り返るとストーリーの骨子は面白い視点であったと思いますが、細部まで作りこめなかった感、こじつけ感がありました。
またところどころで取り入れられた言葉遊びは良いにしても「ブルーバーカ」はあまりに残念でした。青を基調とした他の命名は良いなと思っていただけに。

佐々木さんと宮さんの演技は好きです。
 ダイアナ

ダイアナ

天然果実

guru-guru中野(東京都)

2011/09/23 (金) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★

ちょっと一杯飲みながら気軽な観劇
ダーツバーがそのまま舞台なので話の中でダーツをしたり酒を飲んだりします。
観客も酒を飲みながら観ることができます。狭い空間でしたが少人数で間近で観るのもいいですね。

ネタバレBOX

主人公の"こじやん"が、幼馴染みの"ひがちゃん"をバーに呼んで久しぶりに再会します。こじやんはひがちゃんの母親"としこさん"を愛していて付き合っていました。その話をする前にひがちゃんの恋人はこじやんの元の彼女で貸したお金を返さぬまま消息を絶った"まき"だとわかります。

「金を返せ」「返さない」「母と別れろ」「別れない」「金は出す」「出さなくていい」
と三人がそれぞれ自分の主張をする中で、ちょっとした事実で優位に立つ人が変わります。さあいったいどうなるの?と気をもたせながら、何も結論が出ぬまま最後のシーンに突入。こじやんがとしこさんに電話をすると、としこさんは旦那のガンを知っていて、こじやんと別れる決断をしたのでした。こじやんもそれを受け入れます。一つの恋愛が終わったのでした。

一時間ほどのちょっとしたドラマを軽く飲みながら気軽に観られて、こういうスタイルもたまには悪くないなと思ったのでした。

残念だったのはたばこの煙です。喫煙可だったようで何人か吸われていました。狭いだけに辛かったです。禁煙にしていただくか、喫煙可であれば事前に案内があると良いと思います。
Dogs 7days

Dogs 7days

Double Spin

pit北/区域(東京都)

2011/09/22 (木) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★

ペットは「買うもの」?「飼うもの」?
犬たちは飼い主の都合、つまり歳や病気のため、引越しのため、経済的な理由などで捨てられて収容所に運ばれてきます。

役者が九匹の犬を演じました。ビーグルだったりトイプードルだったりチワワだったりダルメシアンだったり。犬たちがそこで過ごす7日間の物語です。

ネタバレBOX

密室で二酸化炭素で窒息死させられるまでの七日間が演じられます。自分たちの行く末に不安を感じながらも、主人を信じている犬、主人ひいては人間に不振を抱く犬。いろいろな葛藤や互いの励ましが演じられます。
最後の窒息死のシーンは涙を誘われました。助かった二匹と助からなかった七匹の別れも感動的でした。

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ペットは「買うもの」ですか?
それとも「飼うもの」ですか?
本当はどちらでもない。なぜなら、わたしたちは、共に生き、共に喜びを分かち合うものだと思うからです。
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これは公演に協力しているNPO法人のリーフレットにあった言葉です。この言葉が主題をうまく言い現していると思いました。
日本では年間30万頭以上のペットが命を絶たれるそうです。この劇は教育・啓蒙ドラマとして活用できると良いのではないでしょうか。

犬たちのセリフですが、不安な心理や揺れ動く気持ちを表していたのかもしれませんが、少しちぐはぐな印象を受けました。後少しのアイディアでより感動的な劇に仕上がると思います。
悩殺ハムレット

悩殺ハムレット

柿喰う客

シアタートラム(東京都)

2011/09/16 (金) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

まさに悩殺されてしまいました。
女優の皆さんの演技と美貌にこれだけ魅せられたのは初めてです。

ネタバレBOX

セリフを今の若者風にアレンジしてあり、最初は違和感があるも、だんだんと意外といいかもと思えてきて、最後にはそれが実に良いテイストでありました。

ストーリーもノリの軽さに大丈夫か不安でしたが、ポイントとなる場面やセリフが押さえられていて、なにげにちゃんとハムレットで安心して観ていられました。

ストーリーに気を遣わなくて良い分、女優陣の魅力が最大の関心事となりました。
深谷さんはテンションの高い演技を楽しんじゃってる感じ。
コロさん、変わらずかっこいい系。きまってるし。
右手さん、マジ綺麗。
新良さん、でかくね?
葉丸さん、萌え。
七味さん、そこまでやるし。
荻野さん、秘書になってくれませんか(マジで)
他も美女に名役者に、これだけ揃うなんて有り得ねぇ。

アフタートークでは、中屋敷さんの演劇にかける思いを垣間見ることができました。応援したくなりますね。

次も楽しみにしています。



ギンノキヲク(第22回池袋演劇祭【大賞】受賞作品・再演)

ギンノキヲク(第22回池袋演劇祭【大賞】受賞作品・再演)

ラビット番長

あうるすぽっと(東京都)

2011/09/17 (土) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

人生で大切なテーマ
介護の現場で本当に起きているであろうリアル感のある出来事が描かれています。
演劇祭での大賞受賞がうなづけます。

ネタバレBOX

新人ヘルパーの井上とその周辺の人々に介護の現場で起きうる出来事が次々と舞い込んできます。

介護の現場のつらい業務、きつい勤務形態、自分の家族との折り合い、介護者やその家族とのコミュニケーションの難しさ、死との向き合い方など身につまされる想いでした。年齢に関係なくどなたもそう感じられたのではないでしょうか。

ですが難しいテーマながらも適宜散りばめられた笑いが心を軽くし冷静に観させてくれたと思います。
また井上は理想と現実の狭間で悩んだり挫折したりしながらも、自らモチベーションを高め情熱を燃やし成長していきます。その清々しさは将来への光のように感じられ心地いいものでした。

最後の秋山父が実は何十年もの間精神疾患状態を演じてきたという展開には驚かされましたが、介護のテーマに加え、秋山家族の戦中・戦後の悲劇から親子の愛、夫婦の愛へと繋がり、涙なくして観られぬようなクライマックスとなりました。

人生で大切なテーマをたくさん思い起こさせていただきました。
テノヒラサイズの人生大車輪2011

テノヒラサイズの人生大車輪2011

テノヒラサイズ

南大塚ホール(東京都)

2011/09/17 (土) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★

七人の独白と小道具の七変化
どこかわからない一室に閉じ込められた七人の物語。

七人の独白と七変化する小道具で物語が進んでいきます。推理を楽しみながらそして予期せぬ結末へ

ネタバレBOX

なぜ監禁されたのか、どうやって脱出するのか、誰がやったのか。閉ざされた空間で誰も信じられず疑心暗鬼の中、何とか答えを出そうとそれぞれの監禁に至る心当たりの秘密を語りだします。
この中に犯人がいるかもしれない。共犯がいるかもしれない。4人のうち3人は確実にうそをついている。自分だけが被害者かもしれない。など緊縛した心理状態が続き、観客を引き込みます。

各人の秘密は笑いあり、悲しみあり、人生への示唆ありでそれぞれ意義がありますがその時点では何の関連性も見出せません。最後にヤクザの下っ端が自ら犯人であることを明かし、難病の女性との結婚と死別を語り、そこで全ての話が笑いと納得感と共につながっていきました。楽しめる脚本でした。

演出としてはパイプ椅子を舞台セットや小道具として利用するアイディアはとても良いですね。特にジェットコースターは面白い。見た目も動きもそれらしく表現されていて観客へのインパクトは大きいと思います。

また警察官がUFOに連れ去られるシーンは表現が巧みでした。役者さんの動きと照明が見事に組み合わさって本当に引き上げられているかのようでした。

次回も東京での公演を期待したいですね。
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<備忘録>

別れさせ屋の中島は依頼通りに男を別れさせるべく活動しているうちに、自分と趣味が会い自分を理解してくれるその男を好きになってしまう。元々の彼とも別れてしまう。だがその男も別れさせ屋だった。男も中島を好きになるが、お互いに作られた人物を好きになっていた愛の整理屋は、偽りの愛に踊らされ、自らの愛を壊してしまった。

島本は、正義と友情の狭間で悩むが正義を取り、友や仕事を失ってしまう。

ホステスの山下は、小さい頃父に捨てられ、母に先立たれ、親戚を転々とするも不幸の連続で、働いてもアル中になり、事件を起こしヤクザに追われる身となる。そんな所を腹違いの弟が救ってくれた。だが交通事故で失ってしまう。

警察官の山田は宇宙人にさらわれ、帰されるが誰も信じてくれない。警察署では閑職に追い込まれてしまう。

役者は、子供の頃先生から貰った言葉のお礼に、亡くなった先生の、引きこもりの息子を救おうとする。主演映画でメッセージを伝えようとするが息子もこの世を去ってしまう。

ヤクザの下っ端は、難病の女性と結婚するがすぐに先立たれてしまう。二人の思い出に影響を与えた5人に感謝を伝えるために、占い師のアドバイスを受けて今回の監禁劇を企てたのであった。
美女と野獣【2024年9月4日夜公演中止】

美女と野獣【2024年9月4日夜公演中止】

劇団四季

四季劇場[夏](東京都)

2010/07/11 (日) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

歌唱力のすばらしさ
美女も野獣もその他の出演者も皆さんすばらしい歌唱力で聞き惚れます。もちろんダンスも素晴らしい。四季の作品はどれを見ても完成度が高く見終わった後の満足度も高いです。


ネタバレBOX

Be our guestの絢爛豪華なステージは見ごたえがあります。素晴らしい。

舞台セットは、大物が多いにも関わらず、場面チェンジがスムーズなのも驚きます。最後の野獣が王子に戻るシーンは浮いて回転しますがどんなリフトを使っているのでしょうか。一瞬のうちに見た目が変わってしまうのも凄いです。

演劇とミュージカルは比べるものではありませんが、感動的なシーンは、セリフを聞くよりも歌を聴く方が胸に響くかもしれません。

めろす

めろす

チェリーブロッサムハイスクール

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/09/10 (土) ~ 2011/09/14 (水)公演終了

満足度★★★

本当に「走るメロス」
「走れメロス」にコメディとパフォーマンスの要素を入れた劇でした。

コメディ部分は結構笑えました。走ったり踊ったりのパフォーマンスは肩で息する役者さんがかわいそうに見えて同情を誘われました。めろすの野田さんはかなり走ってかなりの運動量でしたね。

ネタバレBOX

体力の限界まで体を使って表現することで、何が見いだせるか、何が伝えられるかを実験した作品であると感じました。コメディ部を除くとほぼ「走れメロス」で、脚本的にはもっとひねりがあるとより良かったのでは。

コメディは随所に織り込まれ、SMクラブ?キャッスルや、牡馬・雌馬、牛の気持ちになれ、妖精のいたずら、5つの自分が現れるシーンなどなど結構楽しめました。

それからなんといっても渡部ラムさんはいい!あの妖しい演技に魅了されました。雌馬の尻やヨシコの嫉妬と好奇心はインパクト強し。渡部さんを知っただけでも観た価値がありました。
歌わせたい男たち

歌わせたい男たち

スケアクロウズ

コア・いけぶくろ(旧豊島区民センタ-)(東京都)

2011/09/08 (木) ~ 2011/09/11 (日)公演終了

満足度★★★★

事実に基づく味のあるドラマ
学校の国歌斉唱に関する問題を取り上げています。ストーリーで語られる出来事はほぼ実際に起きたことであり、保健室で展開される出来事もどこかの学校で起きていてもおかしくないほどのリアル感がありました。

事実を語り、良し悪しは語らず、その中で登場人物の葛藤する心を見事に描いていたと思います。秀作だと思います。

ネタバレBOX

起立・国歌斉唱が押し付けであり、表現や信仰の自由が侵されていると主張し起立を拒む社会科教師拝島と、なんとか起立させて国歌を歌わせようとする校長とその他の教師たちのやりとりが展開されます。採用されたばかりの音楽教師仲は国歌の伴奏をすることに重要な意味があることを卒業式当日まで知りませんでした。
どの教師もそれぞれの立場で相手の説得を試みますがうまくいきません。校長は過去に国歌斉唱に反対していたことを暴かれ窮地に陥りますが、捨て身の演説で事態を収拾しようとします。仲と拝島は良好な関係が一旦くずれかかりますが、最後には良い関係を取り戻します。話しは卒業式に入る前で終わります。

会話の中で東京地裁や最高裁の判決内容、女性音楽教師の国歌伴奏拒否事件、退職教師のコピー配布事件など実際に起きた出来事が語られ、ノンフィクションかのような現実感がありました。

役者の皆さんの演技や感情表現が登場人物の心の内をうまく表現しており、事実を元にしていながらTVで見るドキュメンタリーとは違う舞台ならではの味のあるドラマを観させていただきました。


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